吸血鬼のヒーローアカデミア   作:カラー・ロザリオ

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いきなりお気に入りが17だと?!さすがは『僕のヒーローアカデミア』ブランド!


ゴールド・エクスペリエンスその②

「なあにぃぃぃ!!!!」

 

俺のパワーを利用して逆に向かってくるくるだとおぉぉ?!!やはり親父は!ジョルノ・ジョバーナは強い!この俺に!鉄棒を突き刺した!実の息子にここまでやるとはな。だが!ザ・ワールドの攻撃を上手くかわしたとはいえ、俺の手を塞ごうとゴールド・エクスペリエンスは 掴んでいる!!次はかわせまい!

 

「くらえ!」

 

ザ・ワールドの拳を上からジョルノに叩き込む。そして、俺の手や顔、胸元から血が噴き出した。

 

「な……何が……起きたんだ?」

 

わからない。本当に何が起きたんだ?俺は今確かに殴った。だが、怪我をしているのは俺の方だ。

 

思考を巡らせていると、黒い虫が一匹飛んでいた。まさか、『反射』か?!いやちがう。木を殴ったときは発動しなかった。つまり、ゴールド・エクスペリエンスには既に反射能力は消えているんだ!じゃあ何故だ?ん?……何だ?辺りに、あの『虫』と同じ色のような何かが辺りに散乱している?

 

「『クロカタゾウムシ』。この『虫』の名前です。世界で一番硬い虫と言われてるみたいです」

 

世界一硬い?虫、同じような色、散乱

 

「まさか?!俺が殴ったのは『クロカタゾウムシ』!そう言うことか!……くそ!まただ!また利用された!」

 

「ええ、また利用しました。クロカタゾウムシはたとえ踏みつけても平気です。標本にするときはテープを使うしかないとか。どこかの民族ではその虫を潰せるかどうかで力を試していると、何かの本で読んだことがあります。

ザ・ワールドのパワーは確かに高いです。クロカタゾウムシも簡単に砕けます。しかし、砕けるほどのパワーをあんなスピードで殴られた虫は砕け、その硬い体を手榴弾のように飛び散らせます。もう一匹誕生させて僕は防ぎましたが、しかし吸血鬼……この程度では無傷と言っても過言ではない」

 

ジョルノが説明している間に俺は吸血鬼特有の再生能力でその傷を最初っからなかったかのように、傷1つ無い体になる。

 

「無傷とわかっててもやったということは、スタミナ切れを狙っているんだろ。鉄棒が刺さった所も再生しているが、流石に何百回も食らったらフルマラソンでも走り終えているだろうな」

 

身体能力と言う点では俺の方が上だ。けれど親父はその先に既にいる。しかも血を吸った所で血を作られて終わりだ。『技』と『技術』で負けているんだ。こちらにはない、その2つが。どうする。同じ吸血鬼でもDIOと俺では天と地程の差がある。俺には『センス』がない……DIO?……ディオ?

 

「そうだ!俺は『吸血鬼』だ!吸血鬼じゃあない!ならある!『技』が!オラァ!」

 

俺は公園の水呑場を壊す。水が噴水のように噴き出し、辺りを水浸しにし始める。そして俺は公園の中心にある砂場へ向かった

 

「ゴールドエクスペリエンスは『生命』!寒さには弱い!大量の砂を水で濡らし!槍のように鋭くする!そして、『気化冷凍法』!」

 

水で濡れた砂は鋭く固まり、それをザ・ワールドに持たせる。

 

「どうた親父!氷の攻撃は防げまい!くらえ!」

 

砂の槍をぶん投げた。ジョルノはゴールド・エクスペリエンスでその槍を砕こうとした。しかし、それを急きょ変え、足元を叩き木を誕生させる。

 

「……何故水を凍らすのではなくわざわざ砂にしたか、そう言うことですか」

 

槍は木を貫通はしたもののジョルノに刺さるほどの勢いは無くなっていた。

 

「しかし、問題は貫通した事だ。氷なら貫通する衝撃に耐えられず砕け散る。しかし、雨上がりで固まった砂は固く、軽く転んだだけでも血が出るほどに。それをさらに氷で固めたなら、それはとても頑丈な武器になり得る」

 

「そう言うことだ。そして砂は沢山ある。何発で終わるかな?」

 

その瞬間、ジョルノに無数の槍が飛んでくる。

 

「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄!」

 

ジョルノは地面を叩きまくって木やゾウ等の『生命』を誕生させ、『氷』で固めた砂の槍を防いでいく。しかし、どういうわけから途中でゾウは産まれなくなり、木も成長が鈍く、大きくならなかった。

 

「『氷』で固めた砂が!触れたものを凍らせている?!」

 

「今度は……こっちが利用させて貰った……生命は『凍る』無機物の砂や砂利と違って……凍れば当然『冷気』が出る。そうすればその近くの温度は急激に『下がる』!」

 

温度か低ければ当然生物が産まれる環境ではなくなる。

 

「これで終わりだ!親父!」

 

俺は親父に向かって走り出す。その瞬間、足首に激痛が走る。

「な?!」

 

足首は小さな魚に噛まれていた。血が勢いよく噴き出す。小さくもここまで身をえぐるほどの噛む力を持つ魚、それは

 

「ピラニアだ!しかし何故だ!いくら水浸しとは言え魚が泳げる深さは破壊した水呑場しか無いはずだ!離れているここにはこれない!……は?!」

 

何10匹ものピラニアが俺の至るところに噛みつく。そして、充分な深さが近くにあった。それは、

 

「砂場だ!俺がそこの砂を武器として使ったから、砂が無くなりそこに水が溜まって水槽のようになっているんだ!」

 

そこに泳いでいるピラニアが一斉に飛び付く

 

「気化冷凍法!」

 

「『凍れば』周囲の温度が『下がる』それはジョメルが言ったことだ」

 

「?!」

 

俺を覆い尽くす程の影が出来る。最初は俺よりも慎重がたかいジョルノがすぐそこまで来ていると思った。しかし違った

 

「しかし、低い温度でも生息できる『生命』もある」

 

それは大きくて白色の毛が全体を覆う。それはきっと寒過ぎる環境でも生きていくための進化だろう。

 

「北極熊!!」

 

北極熊は目の前に、そしてその太い腕で鋭い爪を俺に向けた。

 

「ザ・ワールド!!」

 

反撃しようとする俺に、それは死角だった。上からザ・ワールドの顔面へと蹴りが入る。

 

「ぐぅ?!」

 

いきなりの事だった為に、俺はそのまま殴るのを続行出来なかった。北極熊の爪は俺の目から胸元までを力任せに引っ掻く。

「目がぁ!!」

 

「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄!無駄ァ!!!」

 

「ぐうぁぁぁぁ!!!!」

 

ジョルノのラッシュを受けた俺はその場から公園端のフェンスまでその身を飛ばされた。水で濡れており服は泥だらけになる。

 

………………………………

 

 

「………………フフ…………フフフフフ…………フハハハハハハハハハ!!!!間抜けがァ!親父ぃ!!これが狙いだったのさ!見ろ!水呑場が壊れて公園の端まで水浸しにしているぞ!そして今!貴様はその公園の中央にいる!どういうことかわかるか?水と言うものは温度を『伝えやすい』性質を持っているらしいなぁ!!気化冷凍法!!!」

 

その瞬間、公園全体を氷が覆う。そして、北極熊もジョルノも、俺も、足を凍らされてその場から動けなくなった。

 

「俺は吸血鬼だ、その程度では止まらない!そして!足を凍らされてその場から動けなくなった!『生命』を誕生させた所でこの寒さでは対したものは産まれない!我が吸血鬼とスタンドのパワーでどうにでもなるわ!『決定打』を与えた!俺の勝ちだ!」

 

暫くの間静寂が訪れる。そしてジョルノは両手を上げて優しく笑う。

 

「僕は『決定打』を食らってしまった。僕の負けですね。これは予想外でした」

 

予想外、それを聞いて俺はこう言った

 

「次にお前は、『拳まで凍ってしまうとは思ってもいませんでした』と言う」

 

「拳まで凍ってしまうとは思ってもいませんでした……は?!」

 

「確かに水を凍らせても凍るのは足だけ。腕には到底届かない。だが、今日は太陽丸出しの『晴れ』だ。そんな日に水浸し何かしてしまえばそこの湿度は高くなる。公園全体を凍らすほどの気化冷凍法なら湿度の高い空気を凍らす……ことも不可……能では……な……い…………」

 

あれ……めまえが……力も……はい……らない…………

 

ドサ

 

俺はその場で気を失ってしまった。それを見届けたジョルノはゴールド・エクスペリエンスで氷を砕き俺の元へ歩み寄る。そしてゴールド・エクスペリエンスで俺をお姫様抱っこをし体のパーツを作った。本人は日傘をさして俺を日光に当てないようにする。

 

「ジョメル、君は下校の時点で既に太陽の光を沢山浴びていたのに戦いが始まってから一度もそれを理由に逃げもせず、立ち向かったその『覚悟』。見させてもらいました。そして、貴方の策は自然と『殺す』のではなく『無力化』するものになっていました……ジョメル、君は"ヒーロー"になれる。雄英高校、頑張って下さい。君ならできます。ジョメル、君は僕の誇りに思う息子なのだから」

 

治療を終えたゴールド・エクスペリエンスは日傘を持ち、ジョルノは俺をおんぶして真っ直ぐ家へと歩きだした。

 

 

 

 

 




できるだけ『納得』の行く方法でジョメルを勝たせたのだが、やはりジョルノが負けたのは自身でも気にくわない部分が残る。
でも勝たせないとジョメルを強く見せられないしなぁ。

あ、スタンドバトルはここまでです。次回からは普通にヒーローアカデミアします。多分。

明日から修学旅行なので暫くは投稿できません。

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