スタートゥインクルプリキュア 〜Evolution〜   作:ふーる40

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これ書いてるのテスト前www
がんばります!


あと、まだ変身しないです。


前編

「……………。」

「……………。」

 

 カプセルを破壊し、中から女を取り出すと、直ぐに目を覚ました。警戒した様子で、じーっと俺を見つめている。

 歳は…中学生くらいか。真っ黒なロングヘアに、純真そうなぱっちりとした赤い目。身長は中くらい。服はピンク色の短パンを履き、白地のTシャツの上にポケットが多いジーンズ生地のベストを着ている。俺の目から見ても、お洒落とはとても言えない。それはさておき、顔つきからしてコイツは日本人だな。嬉しいねぇ。

 

「………だれ?ノットレイダーじゃ、ないよね?」

「俺か?そうだなぁ…愛と平和を愛するヒーローってとこだ。」

「ヒーロー………?ほんとにいるんだ……。宇宙って広い……。」

 

 簡単に騙された。なかなかチョロい奴らしい。もう警戒が解けた。

 

「助けに来てくれたの?」

「あぁ、そうだ。お前が助けを求めてるようだったからなぁ。ノットレイダーとか言う奴らはみんな倒してやったよ。」

「すごい……!」

 

 ハッハッハ!人から褒められんのは気分がいいなぁ!

 さてと、地球に着いたらしばらくこの女を隠れ蓑にするとしようか。

 

「ここは…どこ?」

「さぁなぁ。なんて言う星なのか、俺にもわからない。……おい、あんまりうろつくんじゃ…。」

「すっごーい!これがUFOの中かぁ…!好奇心が震えるなぁ〜♪」

「……ったく。聞けよ。」

 

 俺が一人で笑っている隙に、女はどんどん上に上がっていく。

 

「おい待て!外は!」

「だいじょーぶ!」

 

 待て待て待て待て。外は人間が生きていける環境じゃ…!

 俺がその言葉を放つ前に、女はコックピットに入り、俺が開けた割れ目から外に飛び出してしまった。

 

「うわー!地球じゃないよー!すごいすごい!」

「……………は?」

 

 ところが、女は平然と地面に着地し、気持ち良さそうに深呼吸した。

 俺は目を見開き、UFOから出た。

 

「………お前、本当はどこの星で生まれた?地球じゃないだろう。」

「え?地球だよ?」

「じゃあなんで大気のほとんどがアンモニアで構成されるこの星で活動できるんだ?」

「アンモニア?あぁ、どうりで鼻がツーンとしたのか……。」

「おいおいおいおい…。ウソだろ…。」

 

 アンモニアと言えば、人体から真っ先に追い出される有毒ガスだぞ…。それを吸って何の影響も無いだと……?

 考えてみれば、こんな年端も行かない地球人が、俺の姿を見てこんなに平然と話しかけて来るってのもおかしい。なんと言うか…慣れている感じがする。人間以外の存在と話すことに。だが、この女が話しているのは紛れもなく日本語だ。しかもこの口ぶりは普通に日本語が通じると思ってるやつだ。

 

「お前、名前は何だ。」

「あっ!そういえば自己紹介してなかった!私は霧崎 黒乃!14歳だよ!あなたの名前は何?」

「…エボルト。」

「エボルトかぁ…。よろしくね!」

 

 何だコイツは。言動に、一欠片の嘘も感じられない。

 

「エボルトは、どこの星から来たの?」

「さぁなぁ。故郷はない。ヒーローとして、宇宙を飛び回ってんだよ。」

「へー!」

「………。」

 

 こんなふうに適当なことを言っても、何の疑いも無く信じる。良い家庭で育ったんだろうなぁ…。羨ましい限りだ。

 推測だが、ノットレイダーにさらわれでもしたんだろう。悪いことするなぁアイツら。

 

「ところで、質問にまだ答えてもらってないぞ。なぜこの大気の中で活動できる?」

「あ、それはね…多分、これのおかげ。」

 

 黒乃は、首からぶら下げたペンダントを持ち上げた。

 

「これを付けてれば、違う星の環境にも適応できるし、他の宇宙人の言葉わかるんだよ!すごくない!?」

「………何だその便利グッズ。」

「でしょ〜?分解して仕組みを調べたかったんだけど、逆にドリルとかドライバーの方が折れちゃってさぁ…。やっぱり地球の道具じゃダメみたいで…。」

 

 分解しようとしたのかよ。戦兎みたいなことを考える奴だな。

 

「ところで、さっきから気になってたんだけど〜〜…!」

「ん?何だ?」

 黒乃は、俺の腕の当たりをじーっと見つめている。

「エボルトがさっきから持ってるその箱って何なの?何でできてるの?素材は?中には何が入ってるの?何の為のもの?教えて!」

「………。」

 黒乃は目をキラキラさせて、俺が思わず一歩後ずさりしてしまうほど身をググッと乗り出して質問攻めにしてきた。挙句の果てにはぴょんぴょんと飛んでパンドラボックスをひったくろうとしたので、俺はひょいひょいと身をかわした。

 

……あぁ、どうやらコイツは本当に戦兎みたいな奴らしい。

 

 

「ありがとね!わざわざ地球まで送ってくれるなんて!」

「まぁ、俺もちょうど地球に行こうと思ってたところだったからなぁ。」

「エボルトって、UFOの操縦もできちゃうんだね!それにしても、速いなぁ…。スターウォーズみたい。」

「まぁ、使い方はこの体が覚えて…」

「?」

「いや、何でもない。」

 

 本当は、UFO使わない方が速いんだが、生身の人間がその衝撃に耐えられるとは思えない。

 

「…………あ。忘れ物した。」

「え?」

「ちょっとコックピットで待ってろ。すぐに戻る。」

「うん。行ってらっしゃーい。」

 

 手を振る黒乃を置いて、俺は下の階の物置に入った。

 そして、エボルトリガーと、ラストパンドラパネルブラックを取り出した。

 

 

 

オーバーオーバーザエボリューション!

 

 

 

 その音が鳴ると共に、俺が乗っ取っていたノットレイダー戦闘員の体がポーン、と飛び出した。

「俺としたことが、さっきの星、滅ぼしてなかった…。」

 ため息をつき、レバーを回した数秒後には、俺の姿はその場から消えていた。

 

 

「……遅いなぁ〜。」

 エボルトがコックピットから離れてもう一時間。何してるんだろう。

 でも、コックピットで待ってろ、って言われたしなぁ…。

「暇だなぁ…。」

 

 

………………………………。

 

 

 ま、いっか。様子見るくらい。

 

 ドアにタッチすると、ガコッと自動で開いた。

 

「エボルトー。何してるのー?……………。」

「……………………ノットレイ?」

「……………。」

「……………。」

 

 見つめ合うこと数秒。

 そこには、ひどくグッタリとした様子のノットレイダー戦闘員が立っていた。

 

「ノットレーイ!!」

「うわあああああ!」

 

 戦闘員が怒りの形相で飛びかかって来るより速く、倉庫のドアを閉めた。

 ドンドンドンドンドン!と向こう側からドアを激しく叩かれる。どうやら向こう側からは開けられないみたいで、しばらくすると止まった。

 

「ふぅ……。」

 

 ドアに寄りかかって、崩れ落ちるように座った。まだ残ってる戦闘員がいたなんて。

 

 ………あれ?エボルトは?

 

 ガバッと後ろを振り返り、ドアに向かい合った。

 もしかしたら、エボルトは倉庫に何かを取りに行って、そこでさっきの戦闘員に不意打ちを仕掛けられて捕まっているのかもしれない。実際に見たわけではないから、エボルトの強さはよくわからないけど、もしそうなら助けなきゃ!

 

 そう思ってポケットの中を探って、何もないことに気づいた。

 

「………。」

 

 それから、全身のポケットというポケットをひっくり返しても、何も出てこなかった。

 

「………無い。……………どうしよう!」

 

 もしかして、あの時盗られた?

 

「ノットレーーーーイ!」

 突然、戦闘員が別のドアを蹴破って出てきた。口の端を吊り上げ、ゲスい笑みを浮かべて、こっちを見ている。

 

「………やばい。」

「ノットレイ!」

「よっ、と。」

 戦闘員が上から振り下ろした拳をジャンプで回避。そして走って逃げ出す。

「ノット……」

 後ろから風を切る音。私は、「ひゃあ!」と軽く悲鳴を上げながら、膝を曲げて頭を下に下げた。

「レイ!」

 頭頂部を戦闘員の拳が掠めて、壁に激突する。ギリギリ…

「セー……フッ!」

 頭から滑り込むように又抜けをし、ついでに足を引っ掛けて転ばせた。

「ノットレイ!?」

「ああもう!こっち来ないでよー!って言うかペンダント付けてるはずなのに何で言葉わかんないのー!?」

「ノットレーイ!」

「わわわわわわわっ!」

 再び追いつかれそうになり、反射的にエボルトがコックピットに置いて行ったあの箱を抱えて投げた。

 

 すると、箱は思わぬ威力を発揮し、戦闘員を壁にヒビを入れながら叩き付けた。

 ゴキュ、と何かイヤな音がして、戦闘員は糸が切れたみたいにグッタリと倒れた。

 

 恐る恐るそれに近づき、箱だけ取ってスススーッと遠ざかった。

 戦闘員がしばらく動かないのを確認して、ホッと一安心した。

 

「この箱、すごく丈夫…。でも私なんかの腕力であんな威力出るかな………?もしかしたら、私が知らない別の星のエネルギーが秘められてるのかも。

…くぅ〜!もっと好奇心が震えるなぁ〜♪」

 試しに分解してみようと、胸ポケットから愛用のマイナスドライバーを取り出そうとしたけど、それすらも入ってないことを思い出した。

 

 そこでようやく、エボルトのことを思い出した。

 

 なぜかはわからないけれど、私の理性は全力でブレーキをかけようとしている。あんなに大事そうに抱えていたんだから、エボルトは、多分この箱に触れて欲しいとは思っていないはず。普通だったら、絶対ダメだ。

 

 頭の両サイドに、『理性』と書いてあるハチマキを付けたちっちゃい天使クロノと、『好奇心』と書いてあるハチマキを付けた、天使と同じくらいちっちゃい悪魔クロノが出現して、争いを始めた。

 

 結果、悪魔クロノが天使クロノを一瞬で遥か彼方へ吹き飛ばした。

 

 ふぅ、と深呼吸して、箱の継ぎ目に手をかけて、開いた。

 

 真っ赤な光が、私の体を包んだ。

 

 

「ふぅ…。」

 一仕事終えて、UFOに戻ってきた。ラストパンドラパネルブラックを吐き出し、俺は怪人態からブラックホールフォームになった。

 あの星、何にもないくせに、無駄にデカくて破壊するのに時間がかかっちまった。

 やっぱりパンドラボックス無しじゃあこんなもんか。ただの人間じゃ使えないだろうと思って、UFOに放置してきたが。

 

「………そういえば。」

 周りを見回すと、近くに転がっていた戦闘員がいない。

 そして、俺が入って来たのとは別の入り口が開いている。

 

…………まさか。……それは、マズイ。

 

「黒乃!」

「あ、エボルト。おかえりー…。」

 てっきり脱走した戦闘員にやられているかと思いきや、黒乃は何食わぬ顔で操縦席にちょこんと座っていた。

 その戦闘員はというと、ヒビの入った壁を背にグッタリとしていた。息は無かった。

 

「エボルト、何か白くなった?」

「あ?まぁ、ちょっとな。で?それより何だこの惨状は。」

「なんか、よくわかんないんだけど、気づいたらこうなってたんだよね。居眠りしてる間に何かあったのかも。」

 嘘は、ついてなさそうだ。

「そうか。まぁ、とりあえず今から最高速度で地球に向かうから、お前は寝てろ。」

「はーい。おやすみ。」

 

 黒乃は操縦席を俺に明け渡し、その下の戦闘員用の席に座った。

 

 30分くらい普通に操縦して、黒乃が寝たのを確認してからUFOごとブラックホールに吸い込んで一気に月の辺りへワープした。

 

……最初からこうすりゃよかったんじゃないかって?気分だよ気分。

 

 先に月を取り込んでしまおうかと迷ったが、どうせ後で滅ぼすし、しばらく並行世界の地球で観光にでも行くつもりだから、デザートとして取っておくことにした。

 

「黒乃。あと五分くらいで地球だから起きとけよ。」

「んむぅ…。分解……。」

「おーい。黒乃ー。」

 

 俺が着陸用の自動操縦に切り替えて、黒乃を起こしに行こうとした時だった。

 

 ドゴォン!とUFOに何かが激突し、黒乃の体が座席から文字通り跳ね上がった。

 俺が偶然コケた拍子に重力発生装置のレバーをオフにしたおかげで事なきを得たが、脆い人間の体じゃ落下した時危ないところだった。

 ファンファンファンファン!と警報音が鳴り、ホログラムの画面が危険信号で覆い尽くされた。どうやら、何かがこのUFOに体当たりして、機体に穴が空いているらしい。

 黒乃は突然の無重力に戸惑うことなく、天井を手で押して器用に床の方に戻って、自分で重力のレバーを元に戻した。

 

「おいおい。よく見たら穴が空いてるどころじゃねぇぞこれは…。」

 

 窓からちらっと覗くと、槍のように尖ったロケットが、俺達が乗っているUFOを貫いていた。事故じゃない。見るからに体当たりして攻撃するためのものだ。

 通信の回線が開き、やたらとハイテンションな声が響いた。

 

『ハァイ♪!ノットレイダー!よくもノコノコと地球に顔を出せましたわねコンチクショウ!さぁ!Youがかっさらって行ったMy soul friend!クロノちゃんの居場所を!洗いざらい吐いてもらいましょうか!

 さもなくば、わたくしのRocketがSticky!になって!Rooooooooolling!して、ご自慢のUFOさんが大変なことになっちゃいますわよーーーーん♪!』

「その声は!」

 

 黒乃が驚いた様子でスピーカーを見た。

 

 あぁ、なるほど。コイツはノットレイダーの敵で、地球に向かうUFOを見るや否や攻撃してきた、ってとこか。

 

「……どうでもいいな。」

「待ってエボルト。戦闘態勢に入らないで。これ、敵じゃないから。」

「ん?」

「メーちゃーん。私だよー!無事だからUFO壊さないでー。」

 

 UFOはもう壊れてるんだけどなぁ…。

 

『オーゥ!そのvoiceはクロノちゃん!無事でしたのね!よかったですわー!

 ………………………。』

「?メーちゃん?」

 

 喜んだ様子だった声の主は、突然黙り込んだ。と言うか知り合いなのかコイツら。

 

『Wait、Wait、Wait a minute!その手には乗りませんわよ!今のはクロノちゃんを人質に取って無理矢理言わせたものだと判断致しました!クロノちゃん!今助けますわーー!』

 

 ブツン、と通話が途絶えた。

 

「メーちゃん!それは誤解………!」

「先手ひっしょーーーーーう!ですわ!」

 

 いつの間にか俺の背後に金色の粒子が集まり、人型になってラビットラビット並の速さで殴りかかってきた。

 

 

 突然、両目にオレンジ色のハテナマークが描かれ、胸には赤いマルと青いバツ…という全く見覚えの無いライダーが頭の中にひょっこりと現れた。

「問題!ビルドのラビットラビットとエボルのブラックホールフォーム、どっちが速い?」

 …………。

 

 

「……いや、どう考えても俺だろ。」

 後ろからのパンチをノールックで難なく避け、相手が驚いた隙に後ろに周り込み、手首を掴んで床に組み伏せた。

「ふぅ…。」

「waste…無駄…ですわよ!」

「ん?」

 と思ったら突然手応えが無くなり、ソイツの体が粒子になって舞い上がる。後ろに周り込み返された。そして再び集合し、拳が形成されていく。

「食らいやがれ!ですわーー!」

「おいおい。そりゃあねぇだろ。」

 ため息をついて、ほとんど無意識にベルトのレバーに手をかけた。

 

「メーちゃーん。私本当に無事なんだけどー!」

「あ!!……クロノちゃぁぁぁぁーーーーん!」

 俺を殴ろうとした拳が空気に溶けて見えなくなり、振り向いて見ると黒乃に抱きついて天にも登りそうな表情で頬ずりを繰り返す金髪の女が見えた。

「よかったですわ!ノットレイダーにstealされた時にはどうなることかと…!

 ところで…こちらの方は誰ですの?」

「エボルトだよ。宇宙を又にかけるヒーローなんだって。UFOをハイジャックして助けてくれたんだよ。」

 

 ハイジャックか…。まぁ、間違ってはいないからいいか。

 

「それよりエボルトに謝らないと。いきなり殴りかかっちゃったんだから。」

「はっ!そうですわね!I'm sorry。申し訳ございませんわ。むしろあなたはクロノちゃんを救ってくださった恩人だと言うのに、わたくしの早とちりのせいで…。」

 金髪はマシンガンのように目にも止まらぬペースで頭を下げまくった。

「あぁ、もういい。気にするな(命拾いしたなお前)。」

「ところで、日本語話せますのね。珍しいですわ。」

「まぁ、10年日本に住んでたからなぁ。」

「えっ!?日本語話してたの!?しかも住んでたの!?その姿で!?ペンダント付けてたせいで気づかなかった…。」

「ちょっ!クロノちゃん!確かめたいからってまだpendant外しちゃダメですわよ!微妙に空気が漏れ出てるせいで酸素ほとんどありませんわ!」

「あ、ごめん。わかった。」

 

「ところでお前……何星人だ?」

 さっきから不自然にザワザワと蠢く縦巻きロールの金髪、空色の肌、粒子化はするしそこそこ速いし酸素が薄いと言いながら自分は顔に何も付けてないし、どう考えても地球人じゃない。

「あ、バレましたのね。わたくしのshapeはかなり人間に近いと思うのですけれど。」

「比較的、な。確かに体の大きさも顔とか手足の造形も同じだが、地球人の肌はそんな色じゃない。……と言うより、お前は姿形を自由に変えられる生命体だろう。」

「Oh、当たりですわ。」

 と言うと、ソイツは再び粒子化して、俺の姿形をそっくり真似してみせた。色まで。

「……肌の色、何とかなるだろ。」

「Yes。好みですわ。地球ではちゃんと肌色にしてますの。

 でも、エボルトさんも変身できるんじゃありませんの?10年も住んでいたって、そのままの姿じゃ、かなり目立ちますわ。」

 俺の姿でお嬢様口調……自分で言うのも何だが、かなり気持ち悪い。

「おぅ、正解だ。」

 ゲル化して、なんとなく頭に浮かんだ惣一の姿になってみると、黒乃が驚きの声を漏らした。

 …まぁ10年の内ほとんどは変身じゃなくて惣一の体を乗っ取ってたんだけどな。

 

「あっ!そういえば、自己紹介をすっかり忘れてましたわ。My name is メテオラ。こう見えて、ルクス星の第一王女ですの。」

 

 

「結局、メーちゃんのロケットで行くことになっちゃったね。」

「仕方ありませんわ。UFOはわたくしがbreakしてしまいましたもの。」

「ほぉ〜。それにしても、器用なもんだなぁ。」

「ロケットの表面は、ルクス星の者ならfreedomに変えられますわ!」

 その言葉通り、黄色い槍型の根元から細長い腕が何本も伸び、刺さったUFOを抜いていく。特にあのUFOに思い入れは無いが、ひどい有様だなぁ。

 

「終わりましたわ。さぁ、地球はすぐそこ。Let's go!ですわ!」

 

 尖ったロケットは、方向転換して、まっすぐ地球に向けてエンジンを吹かし始めた。

 

 

報告。

プリキュア、およびスターカラーペンダントを輸送中、惑星×」<+|」〆において、担当の上級幹部タボドロウが正体不明の敵と交戦。手下の全戦闘員含め消息を絶っている。プリキュアとスターカラーペンダントの行方は不明。惑星×」<+|」〆は、タボドロウの反応が消えた1時間半後、謎の超重力球体と共に突如姿を消している。その敵は地球の言葉を話していたとの情報があり、調査隊として幹部を至急地球へと派遣する必要があると思われる。


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