501FGドルフロ戦闘詳報   作:ナギサ推し

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訣別の時来たれり、租は世界を手放すもの。「アルス・ノヴァ・・・」冗談ですごめんなさい


タワシ、過去との訣別の時来たれり

501統合戦闘航空団の基地に春が訪れ、近づく結婚式に向けて着々と準備する一行。

 

しかしタワシにはわだかまりが残っていた。

 

実は先日、タワシの元に一通の招待状が届いていた。

 

差出人は…タワシの最も知る人、昔の彼女だった。

 

名前を変え、過去を捨てたタワシだったが、どうやら彼女もグリフィンに入ったらしく、この基地とそこにいるタワシの存在を知ったらしい。

 

「…そうか、あいつもか」

 

1人、部屋で招待状を読むタワシ。

 

『後戻りも後悔もしない』そう覚悟していた。

 

だからこそ、けじめをつける時が来るのも知っていたし、覚悟もしていた。

 

「今日…結婚式なのか」

 

タワシは決意した、そして行動に移した。

 

自分の二式大艇に少し細工をし、乗り込んだ。

 

『こちらタワシ、管制塔、誰か応答してくれ』

 

『此方管制塔。あいよ、それでタワシ。お前二式大艇なんかに乗ってどうする気だ?』

 

『隊長、俺は…決めました。ケジメつけに行きます。』

 

『そうか…出撃を許可する。タワシ、お前が何しようが知らんが、しっかりケジメつけてこい!Kiti-2 cleared for take off!』

 

『了解!二式大艇、タワシ。行きます!!』

 

二式大艇は水面を駆け、晴れやかな青い空へと舞い上がる。

 

タワシは捨てきれぬ過去への決別を、自分を縛り付けた叶わぬ恋を捨てるため、空へ舞う。

 

「タイミングが合えばいいんだが…」

 

タワシは式場へ向かう最中に、最後の仕掛けの準備をしていた。

 

式場への電報とそしてもうひとつ、自分からの手向けを。

 

ーーーーーーーーーーーーーー

 

大艇から式場が見えるくらいになった時には、すでに始まっており、新郎新婦はバージンロードを歩き、外へと向かっている最中だった。

 

「丁度いい、ケジメをつけるには最高の機会だ!」

 

そう言うとタワシは大艇を操縦し、外に続いているバージンロードの真上に、そして進行方向が新郎新婦が歩いてくる反対側になるようにくるように調整した。

 

そうしている間にも、2人はバージンロードを歩き、外へと向かっていた。

 

「よし、今だ!」

 

タワシは仕掛けを作動、外付けされていた花火が一斉に打ち上げられた。

 

「(俺からの手向けだ、幸せにな)」

 

大艇から見た彼女の姿は、昔と変わらず素敵だったと後にタワシは言う。

 

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「ねぇ…あれ」

 

「花火?こんなのあったなんて聞いてないぞ」

 

2人が歩んでいる道の上を通る飛行機と、そこから打ち上げられる花火。

 

新婦は気付いたらしい、飛行機を操縦している人を、彼が式に来なかった理由を。

 

「あの…このタイミングで言うのもなんですが…先程お二人に電報が届いておりました。」

 

『ご結婚おめでとうございます。

 

私からはこのような手向けしか出来なかったことを、どうかお許しください。

 

お二人に、そしてこれから授かる命に、末永い幸せがあることをお祈り申し上げます。

 

第501統合戦闘航空団より』

 

電報が読み終わった後、新婦は大艇に向かって叫んだ

 

「そっちこそ早くお幸せにねー!」

 

新郎は分からず、新婦に聞いた

 

「なぁ、あの飛行機を操縦してる人は誰なんだい?」

 

「私のことを思ってくれた人、でも…1番思ってくれた人は貴方だけどね」

 

新婦は笑顔でそう答え、二人はまたバージンロードを歩み出した。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

タワシが基地に帰ってのは夜のことだった。

 

「ご主人様、お帰りなさい〜」

 

「ただいま、 G41」

 

「ご飯にする?お風呂にする?そ、れ、と、も…」

 

「いや、少しやりたいことするよ。G41、ライフルを貸してくれ。」

 

「いいけど…私もついて行っていい?」

 

「あぁ、勿論さ。」

 

2人は外に行き、月が最も見えやすいところに来た、

 

「…よし、やるか」

 

タワシはG41のライフルを準備すると、自分の首にかけているブレスレットを外した。

 

「ご主人様、何をするのですか?」

 

「…これが、俺の答えだ」

 

そう言うとタワシはブレスレットを思いっきり、満月が輝く空に投げ、ライフルでブレスレットを撃ち抜いた。

 

ブレスレットは粉々に砕け散り、破片が月明かりに照らされ、キラキラと輝いていた。

 

「ご主人様…」

 

「もう迷わない、お前だけを愛する。誰よりも大切な人だと胸を張って、いつの日も言い続ける。

 

G41、大好きだ。今も、これからも」

 

そう言うとタワシはG41を抱きしめた。

 

結婚式間近、彼のわだかまりは消えた。

 

そして、1人の男としての決意を胸に抱いた。

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