501FGドルフロ戦闘詳報   作:英国の珍兵器

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深層映写3

リーエンフィールドが砲塔を操作し、76.2MM砲に初弾が送り込まれる。弾種はHE。つまりは榴弾である。76.2mm榴弾は高性能炸薬により威力、爆発半径共に優秀なものである。また時限信管、VT信管(近接信管)の派生型もある501FGのHE系でも優秀なものである。76.2MMクラスの砲弾は全て統一されているのだ(当たり前だけど)

 

さて。話を元に戻す。

76.2mm砲が射撃準備を完了し、照準を鉄血に向け、追尾を開始する。

 

『小隊長、こちら射撃準備完了。何時でも打てます。』

「分かりました。距離1000になったら砲撃を開始して下さいね。」

『了解しました。』

 

 

38式改はその間に狙撃の準備を進めていく。この前、偵察・狙撃する者全員に配布された光学迷彩マントを羽織り、スピットファイアをスポッターにして調整をしたりした。

 

SPAS?あの娘は・・・兵員室にあったM1919A1ブローニング機関銃を三脚を立てて機関銃手に早変わりしました。

 

迎撃戦でショットガンは役に立たないとは言わないけど・・・開けた場所だからね、仕方ないね。

 

小隊長であるAUGはというと・・・

自身のメイン武器であるAUGを兵員室内で分解していた。

「AUGさん・・・何をしてるんです?」

 

「あら・・・パーツを交換しているの。」

ステアーAUGは銃全体が7個ほどのモジュール・パーツで構成されている。

AUGは即席で改造する事ができる銃なのだ!(けれども戦闘の前に銃を改造する奴は普通は居ない。)

AUGは自身の銃を5.56mm×45NATO弾薬の物から6.8mm×43SPCにしたのだ。

AUGの分解、組み立ては妙に手慣れており、およそ三分で組み立てし、外へと出るのだった。

 

 

準備している間にも鉄血の部隊は着々と近づいてきている。

準備が終わった時には鉄血の部隊は1000Mまで接近していた

 

 

「射撃用意。」

 

空気が痛いほど張り詰める。

38式改は息をゆっくり吸った後に吐き、スコープを覗き照準を合わせる。

SPASはM1919A1に手をかけ、初弾を送り込み、トリガーに指を添える。

 

『撃て。』

一番最初に撃ったのは38式改であった。一番最初に敵のスナイパーを排除したのである。

 

そこから先は銃声と弾丸の嵐であった。

 

M1919A1の7.62mm弾が一般兵を引き裂き、38式改に頭を撃ち抜かれる。

AUGの6.8mmがサプレッサーで減音されて発射され防御アーマーを貫徹する。

 

 

装甲で守られている者は間もなくリーエンフィールド操る76.2mm榴弾でその名の通り吹き飛ばされるのだ。

38式改は敵の頭をぶち抜き、ボルトを後退させ排莢する。そしてスポッターになってもらったスピットファイアの情報を元に次の目標を定める。

 

38式改は毎日、毎日狙撃練習をしていたのだ。場合によっては夜桜と相談し、あらゆるシチュエーションで対応する方法を学んだ。まぁ夜桜と一緒に過ごしたいという感情も無きにしもあらずだが、その効果は確実に現れていた。

(夜桜さん・・・私、あの時より成長しました・・・!帰ったら誉めてくれるかな?)

 

 

 

数分後、射撃音が減っていき、遂には静寂が訪れた。

『射撃終了。進む準備をしましょう。』

 

AUGの指示で全員撤収の準備をする。

 

 

 

 

 

平野には鉄血の残骸が無残にも転がっていた。

 

 

その頃、鉄血司令部では・・・

ドリーマーはデストロイヤーに説明していた。「我々鉄血のネットワークシステムのオーガスプロトコル」は,「グリフィンのゴミクズどもが使ってるツェナープロトコル」とは異なる信号を発すると。

そして,グリフィン内部で危険視されてきた「【傘】ウィルス」は,それに侵した人形の識別信号などに関係するプロトコルを,強制的に鉄血のオーガスプロトコルに書き換えるものだという。

 

 

ちなみに501FGの元デストロイヤー(妹属性)のソフィアは今日も元気にMP5-Kを護身用に携え、患者の元に回診をしていたのだった。


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