UMP45は第一小隊を3つに分けた。
UMP45とVectorで遊撃と潜入。
スプリングフィールドとFALで念のための正面の戦闘。
OTS-12は装甲車を置いていく訳には行かない為の護衛。
『グリフィンのクズども、よーく聞きなさい!』
広域型放送が入った。
45、Vectorにはその声を聞いた覚えがある。
(この声は・・・シデンさんに物凄く懐いているソフィラさんと同じ声だ・・・)
それはグリフィンがこの地区に潜入している事を敵が知っていると言うことだった。
一方404小隊では・・・
40は9の電子モジュールを頼りにドローンの座標を特定していた。あとはそこに向かうだけ――しかしまた,デストロイヤーからの放送が流れてくる。
「慌てることないよ、これもどうせはったりだから……」
「おやおや、なに言っちゃってくれてるのかしら……UMP40」
存在はバレていた。それは作戦が読まれているも同義だった。「一度撤退すべき」という提言は,40が一蹴する。鉄血はすべてを把握しているわけじゃない。あいつらが把握しているのは,おそらく私だけ。放送はいつも私の発言後だったから。それに「いつでも」じゃないみたい。
40は付け込む隙はあると言う。9はそれが鉄血の罠だと反論する。「私が判断ミスをしたこと、あったかしら?」。UMPの妹分は渋々,ドローンを回収しにいく。一方,416とGr G11は別々の偵察拠点の確保に向かい,40は彼女たちを別動隊で援護することに。
40は手を2回叩いた。
「さて、ここから忙しくなるわ。急いでドローンを手に入れ、みんな一緒に帰るよ!」
各自が配置についたとき,Gr G11が大型の鉄血信号を検知する。怖がりな彼女は逃げたくなった。それでも,40は真剣な様子で言ってくる。
「G11、頼んだよ!」
そこまで言われたらやるしか……。
そのとき,Gr G11の前に信号の持ち主が現れる。
そこには,ドリーマーが直々に作ったとされる,戦場の女神のように強力で美しいボディを身にまとった,新生デストロイヤーの姿が・・・?なかった。
ドリーマーは言った。「手が滑って間違えちゃった」。
デストロイヤーはおチビなボディから,人形たちにはお馴染み「犬みたいな形をした鉄血のザコ」こと,ダイナーゲートのでっかい版たるケルベロスに生まれ変わった。少女の声をした大きな犬はその場でジタバタ,ゴロゴロ,相棒に怒り狂いながら,四足歩行に苦戦している。
が,デストロイヤーを含むケルベロスは,全部で4匹。戦術人形よりも走破性に優れた番犬たちを巻くには,やつらに居場所を特定されてはならない。そのためにと思案された40の目論見は,またしても9に否定された。それは,40と404小隊の通信を切断するという作戦だった。
突然,40のもとに謎の戦術人形からの通信が入る。それはグリフィンに所属するライフル人形「Gd DSR-50」からだった。彼女は現在,部下とともに近辺の拠点にバラバラに閉じ込められていた。
「その笑顔……私たち、きっと気が合うわ」
404小隊の窮地を知ってか知らないでか,どうにも食えそうにない戦術人形は,温和な表情で提案してくる。「こうして出会えたのもなにかの縁。互いに手を取り合って協力しましょう」。この場の勝算を天秤にかけたら,404小隊はDSR-50の話に乗るほかなかった。
「かわい子ちゃん。あんまり遅くならないでね」
40は制御下の部隊を分割した。目的ならシンプルよ。犠牲を厭わず,あなたたちを守ること。9はドローンの回収,416とGr G11は犬と追いかけっこ,DSR-50の救助まで,私ひとりでおとりになる。作戦のために40姉を犠牲にできない,なんて妹の訴えは聞かない。それが姉ってもんだ。
「馬鹿なこと言わないで。私はAR小隊の人形じゃないんだから」
501FG所属の第一小隊長UMP45が通信を傍受した。
「これは・・・グリフィンの通信ね」
グリフィンに所属するライフル人形「Gd DSR-50」と「UMP40」との通信だった。「Gd DSR-50」は現在,部下とともに近辺の拠点にバラバラに閉じ込められているというのだ。
「45、どうするの?」
「まぁ助けに行った方が良いんだけども・・・」
彼女達二人が潜伏している場所のそう近くはない場所に大型の鉄血の信号を探知したからである。
「まぁ・・・あの二人に言っておきましょうか。」
『こちらセイバー1.』
『こちらセイバー3.』
『こちらセイバー4.どうしましたかセイバー1.』
『この地域にグリフィン人形が閉じこめられているらしいの。だから出来れば助けに行けない?こちらはうっかり動くと鉄血と交戦する事になるから動けないんだけど。』
『セイバー3了解。』
『セイバー4了解。』
『セイバー5は終わるまで待機。全てが終わったら全員を回収するように動いて』
『セイバー5了解。』
「さて。これである程度は自由に動けるわね。そろそろ移動しようかしら。」
「そう。」
その時。404小隊を追うケルベロスがUMP45達が潜むビルに近付いてきた。
すると45は後ろのパイルバンカーユニットの起動スイッチを押す。
すると少し重めの金属音を出しパイルバンカーユニットに電源が入る。そして45の左腕にパイルバンカーが装着された。
「Vector,方針を変えるわ。強行突破するわよ。」
「はぁ!?まぁいいや。」
VectorとUMP45はビル6階の屋上から飛び降りる。
Vectorは普通に五点着地で着地する。
UMP45は・・・落下し着地点に
パイルバンカーを保護する為に左腕をつかず両足と右手でどこぞの映画のような格好いい3点着地をして見せた。
その後は・・・
「虫けらが・・・!」
「安心してよ。一瞬で殺してあげるから何の痛みも感じないよ。」
と言いながら鉄血を・・・ケルベロスを殺戮する二人の姿が見られた。
特にUMP45は、パイルバンカーであるため鉄血の人口血液を全身と言わなくても結構浴びた。その返り血は自身の綺麗な茶髪を真っ赤に染め上げるほどだった。
Vectorは相当火炎放射器で内部から敵を焼いただけなのだが・・・
S08地区のその近辺はあっという間に人口血液と鉄血の残骸くらいしかなかった。動く陰は404小隊か501FG所属戦術人形しか居なくなった。
ドリーマーはビックリした。
「あれは何だ」
と。髪を赤く染め上げる名も知らぬ戦術人形に恐怖を抱く。
そしてUMP45に付けたコードネームが・・・
『赤い死神』