一方その頃・・・第2小隊はというと。
リーエンフィールド以外徒歩で移動していた。
装甲車も歩兵に囲まれると無力なため護衛の歩兵を必要とする。これを随伴歩兵という(may be)
38式改は自身の銃を抱えて周囲の警戒をしていた。その左斜め前前方、十数メートルにはSPASが歩いている。
周囲には装甲車のエンジン音と無限軌道の音が鳴り響いていた。
普通に歩いていると足元で
カチッと音がする。対人地雷を踏んでしまったのだ。
38式改の電脳はその結論を一瞬で叩き出し、ほぼ反射で後ろに飛ぶ。
その後、地雷が爆発する。
「きゃあっ!」
短く悲鳴を出して地面に尻餅をつく。
38式は地雷によってダメージを負った。具体的に言うと・・・
服が破けて色々見えるようになり、左手に少々のやけどを負った程度で済んだ。え?具体的にどこがって?
これはR-15だから書けませんがな。
「も、申し訳ないです・・・」
「・・・おかしいわね。」
実はこの一帯は第三次世界対戦中、戦場になった事がある場所だった。第三次世界大戦後地雷撤去がなされたが、偶然一つだけ残っていたのだ。
AUGはその地雷撤去されたことを情報として知っていたから『おかしい』と言ったのだ。
「起きたことは仕方ないとして・・・38式改はこのままだと重傷を負いかねないわ。」
『こちら第2小隊長。』
『こちらCP.どうかしたか?』
『38式改が負傷、回収を要請。』
『了解。その場で待機せよ。』
十分後、ヘリのローター音が響きヘリが凄い速さで接近してきた。
MI35である。搭乗しているのは夜桜である。ふb・・・38式改が怪我したと聴いて、急いで来たのだった。
するとAUGたちの目の前で急減速し、素早く接地しドアが開く。すると中から戦術人形が一人降り立った。
「ネゲブです。交代要員としてきました。」
「そうですか。じゃあ・・・38改。」
「はい。」
38式改がMi35に乗り込み、ドアが閉まる。
そしてローター音を響かせ飛んでいくのだった
キャビン内では・・・
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・夜桜さん、私頑張ったんです。毎日練習して、夜桜さんと一緒に訓練して。夜桜さんが誉めてくれると思って・・・けど私・・・私・・・」
38式改は俯き目を腫らして一筋の涙を流す。
「君は良く頑張ったよ。」
「え?」
「良く頑張ったよ。俺と訓練していた時以外にも練習していたことは知ってる。
38式改は本当に頑張りやさんだ。よく頑張ったね。」
「夜桜さん・・・ありがとうございます。私・・・本当に嬉しいです!」
彼女は嬉しさのあまり滂沱の涙を流すのだった。
Mi35が着陸、38改の除染が終わると真っ先にMi35から降りた夜桜に飛びこみ、夜桜のヘリパイロットのスーツを濡らすのだった。
「38改。ちょっといいか?」
「グスッ・・・何でしょうか?」
涙声で話す38改。
「ずっと決めていた事なんだが・・・」
と言ってポケットから取り出したのは・・・誓約指輪であった。
「これは?」
「君が帰ってきたら渡そうと思っていた。受け取ってくれるか?」
「あ、あの・・・私嬉しくて・・・涙が・・・止まらないです・・・、勿論です、夜桜さん!!私、本当に嬉しいです!」
雪はいつか止み、春が訪れ溶けていく。その水は生命を育むのだ。
9が奔走していると,デールからの通信が入った。40のメンタルモデルに,大量の不正アクセスが見つかったらしい。それは彼女たちが知る由もない,鉄血の【傘】ウィルスに権限を書き換えられている証拠だった。そしてまもなく,404小隊と40の通信チャンネルが途切れる。
……うろたえている時間はない。45姉を信じて,役割をこなして,みんなで帰る。40姉がいなければ,どこにも行く当てなんてない。正規の人形じゃない,非合法人形でしかない。それを分かっていたから。
デストロイヤーを近づけまいと,416とGr G11は制圧射撃を繰り広げる。ドリーマーが用意したクライマックスは間近に迫っていた。
「はは、泣けるわね」
で終わらないのはいつも通り。
「こんにちは、死ね!!」
何時ものお約束である。
髪を返り血で真っ赤に染めたUMP45がデストロイヤーをパイルバンカーで吹き飛ばしたのである。
吹き飛ばした後、UMP45は404小隊には何も言わずVectorと共に素早く離脱していった。
その頃。
【セキュリティー解除、再生】
『傘』に浸食されているUMP40には『過去』が流れていた。
いつになっても射撃が上達しない。ダミー人形すら与えられていない。指揮官にも使えない人形だって怒られる。そんな過去。
そして出会った同じ様な境遇の妹。
自身独りでは役に立たない「モノ」で遭ったとしても二人なら或いは・・・・・・
ドローンを発見した9は,今は声も聞こえていない40に任務達成を報告すると,彼女のもとに急ぐ。
ドリーマーはUMP45というイレギュラーが乱入してきた事で少し冷静でなかったがすぐ落ち着き命令を下す。
オーガスプロトコルへの書き換えが済んだ40に,命令を下した。「鉄血人形UMP40、ただちに集合し敵の人形を抹殺せよ」。しかし,新たな部下からの反応はなかった。彼女が出した命令は,40の権限に拒否されていた。彼女には指揮権限がなかったから。
まぁいいわ。乗っ取りには失敗したけど,40はいまだオーガスネットワークとの通信を止められていないし,今のメンタルは攻性防壁で焼き尽くちゃいましょ。そうすれば,便利な死体くらいは回収できるわ。
9が見つけた40は,目を見開いたまま,少しも動かない人形になっていた。
それでも残された404の少女たちが,今の40の姿を見て分かることと言えば,「確実に生きてはいる」。それだけだった。
40の指揮がなければ,404小隊はここから生きて帰れそうにない。40を覚醒させるにはもう,彼女のメンタルモデルを修復するために,戦地で無防備な体を晒しながら,ツェナーネットワークを介して,彼女のメンタルにダイブするしかない。そこに見えない帰り道があると信じて。
デストロイヤーの失態に,ドリーマーはいつもの表情を投げ捨てて,声を荒らげた(デストロイヤー「こわ……こわすぎる……」)。しかし,すぐにいつもの仲睦まじい態度に戻ると,最後のゲームをはじめる。
「ゲーム……? どんなゲーム?」
「……血生臭い……ネズミ捕りゲームに決まってるじゃない」
デストロイヤーの新たなボディの完成が近い。少女たちと追いかけっこをする必要がなくなったそれは,正真正銘の女神の身体だった。
そして・・・爆発音が響く。
鉄血指揮所、つまりはデストロイヤーとドリーマーのいる場所に襲撃があると言うことだった。
「戦場は、花を踏みながら前に進む場所です・・・」
「ふふ、面白いこと言いますね、小隊長。」
「グリフィンのクズ達か。」
「ふふっ・・・グリフィン・・・じゃあありませんね。正規軍と言って貰いましょうか。」
そこにはそれぞれ五人が立っていた。それぞれ右胸には赤盾白抜き剣の紋章。
501FGの部隊章である。
「な・・・」
「じゃあ、お眠りいただきましょうか。」
SPASが飛び出しタングステン製ヒートハルバードを振るう。デストロイヤーとドリーマーの意識は暗転した。
実は38式の地雷云々には元ネタがあります。最近ドルフロに実装された前線基地の探索したときに見れるライブモニターで、ログに『○○は地雷を踏んだが間一髪で飛び退き助かった』が元ネタです。