高崎先生、通称まのび先生
愛称のまのび先生が物語っている通り、
語尾の間延びが特徴的な先生。
織斑兄妹の担任である。
時間が前後するが現在は鳳さんが転入する数週間前。
更にいうと姉さんが引っ越してすこした頃
私と一兄は五反田食堂にて業火野菜炒めが出来るのを今かと待ち望んでいる。
前にはそわそわしてる弾君と蘭ちゃん。
蘭ちゃんはちらっと一夏見て赤面して、弾君もこっちちらっと見たりしてる。
蘭ちゃんは大凡一兄の毒牙にかかったのだろう。
という訳で蘭ちゃんは分かるのだか弾君は一体なんなのだろうか。
「弾君、私の顔に何かついていますか?」
ずいっと弾君の顔に近づいたら顔真っ赤になった。
え、…何で?
ところで一兄とは察しのいい皆さんならお分かりの事、
勿論一夏の事である。
そして一兄と呼ぶに至ったのかと五反田食堂にいるかというと経緯は数十分前に遡り--
♢
私と一兄は買い出しに出かけていた。
いや、正確には
「……疲れるから嫌なんだけどな」
「しゃーねぇだろ蕾…卵安いタイムセールここだけなんだからさ」
「…そうだけど……」
そう、卵という貴重なタンパク源を低価格で得る為に意気揚々と向かっていた。
そして矢先に変な人を見かけた。初対面で変というのも何なのだが変なのだ。例えばーー
「らぁぁぁぁーーーん!!何処だぁー!」
…と叫びそこらを全力疾走している。そして赤い長髪という何とも目立つ容姿の青年であるのも起因している。
そして私は「あっ…姉さんと同族(シスコン)の方でしたか。」みたいな目で横を通り過ぎて行く。
…としていたのだが一兄はこの赤髪青年とは顔見知りであるらしく
「おっ弾。」
「おお一夏!蘭見なかったか?」
「いや、見てないけど。」
ああ、そういえば思い出してきた、この赤髪ロングシスコン青年は同じ学校の五反田 弾だった。偶に一夏から話は聞いている。
「……初めまして、織斑 蕾です…この一夏とは妹にあたります。そしてこの愚兄鈍感唐変木がお世話になってます…」
ちょっ!蕾!?とか言ってるがスルーする。
弾さんの方も否定できる要素がない為か苦笑いしている。
…と思ったのだが顔が赤い。何で?
「…どうかしましたか?」
首を傾げながら尋ねると
「だ、大丈夫で、です!」
顔を真っ赤にしながらそう言って一夏と作戦会議みたいな感じで内緒話してる。
だから何でよ?
*少年会議始め(全て小声です。)*
side:五反田 弾
「おい、何だよお前の妹。」
「正確に言うと俺の義妹だがな。」
ぎ、義妹…だと!?
そ、そんなものがこの世に存在するだなんて…!
ラ、ラピュタはあったんだ!(絶賛混乱状態)
「はぁ?巫山戯んなよお前妹にもフラグ立てんのかよ!
義妹って事は結婚しても問題ないって事かよ!」
「な、何の事だよ弾…」
「だってお前……めっちゃ可愛いじゃんあの子。」
柄にもなく、このご時世にて俺は一目惚れをしてしまったようだ。しかもあの唐変木・オブ・唐変木ズの義妹、織斑 蕾。二次元の想像の産物だと思っていた一目惚れ。
……にしても一目惚れって何か恥ずいな。
「ちょ、おま…待て弾。それって…」
「俺…勇気振り絞ってメルアド聞くわ」
「だ、だから待てって弾!連絡なら俺通せばいいだろ?」
「おい待て一夏、何でお前そんな必死なんだよ」
「はぁ!?な、何言ってんだよ!」
一夏の顔が赤くなっていく…
……お?もしや…?
「ははーん…成ーる程ぉー…」
はっはーん…此奴…シスコンか…
義妹に欲情しているのかぁ…?
………って
「えぇ!!??あ、あの唐変木が!?」
お、落ち着くぁwせdrftgyふじこlp
ま、まぁ取り敢えず目下の目標は--
「まぁなんだかんだ言ったけどメルアド聞くわ俺!」
そうと決まったらいざ蕾さんのとこへ!
「待てって弾!」
後ろで唐変木一夏が騒いでいるが知ったことか!
*少年会議終わり*
「あれ?蕾さんは…?」
「あれ……あっタイムセールの時間だからもう行ったんじゃ…」
なっ!?マジかよ…
「よし、そこまで行くぞ!」
「お、おお!」
♢
side:織斑 蕾
小声で怒鳴るとか細かい事してるのを見物してたけどタイムセールが近づいてたから先に向かってる今この頃。
もうそろそろ開始時刻になる。我が家としては卵はどうしても外されない食物である。なので見逃せないと思っていたら…
赤髪ロングの少女が絡まれてた…
「ちょっとお茶しな〜い?」
「い、いえ…お兄がいますので…」
「お兄ちゃんなんてほっといて俺らと遊ぼうぜぇー」
この女尊男卑の時代にナンパって勇気あるよね…
それとさ…このナンパ…
テ ン プ レか!
何このアニメとか漫画で見る感じの噛ませ感が半端ないテンプレ満載のナンパ…
またテンプレで周りも見て見ぬ振り……
テンプレだらけ何これ本当。
ハァ………テンプレ怖い…
「やっほー待ったー?あんたのお兄待ってるよー?」
「え、えと…?え?」
耳打ちで話合わせてって伝える。
よし、とある不幸少年の常套手段、『知り合いの振りして連れ出す作戦』、そしえ赤髪少女の腕を掴み連れ出そうとする。でも私ってやっほーとか言うキャラじゃない。合わない。何かむず痒い。背筋ぞわってする。
それと今更だけど冷静に考えたらこれって被害完璧に0の成功の可能性限りなく低いよね……
「お、そこのお嬢ちゃんも俺らと遊ぼうぜ」
このように目の前に躍り出られて私もターゲットの一人にらなっちゃうとか、連れ出すのが男の場合でも…不幸少年が立証してくれてた。
邪魔するなこの野郎→喧嘩勃発といった具合に。
「お断りします。」
「そんな事言わ「お断りします」だか「お断りします」でも「お断わりします」くそが俺らについてくりゃいいんだよ!」
ナンパ男Aが腕を振り上げて私達を連れ去ろうとする。
…が手首を捻りながら足払いをしてナンパ男Aを地面に叩きつける。
誠心誠意お断りしているのになんて酷い奴らなんだ。
「……断るって言ってるでしょうが………」
「「ひぃっ…くそ!女二人だ!やってやる!」」
女子二人に男二人って…男としてどうなのよそれ。
あーあ負けフラグ立ったよ?それ。
「がはっ!?」「ぐふっ!?」
ナンパ男Bの顔面にストレート、ナンパ男Cの上段蹴り、
物の見事にナンパ男達は全員ダウン。
「大丈夫か、蕾!」
「……ナイスタイミング一夏と…弾君?」
「あ、は、はいっ!弾です!」
顔真っ赤にして……風邪?
「大丈夫か?蘭。」
あっその子蘭って言うの一夏?
あれ?蘭?あっ弾君の妹さんか。
だから赤髪ね。納得。
「あ、は、はいっ!大丈夫です!一夏さん!」
顔真っ赤にして…一夏ラヴァーズの一人か。
まった騒がしくなるぞー…
風紀委員会の内容イマイチ知らずに一夏目当てに入ってくる奴とかは本当困ってるんだよねぇー…はっ!
「タイムセールは一夏!」
「お、終わって…る…」
な、何だ……と…!
「一夏と…つ、蕾さんさ、俺の家食堂だからお礼と言っては何だけどご馳走するよ。」
「……いいんですか?」
「ええ!勿論!」
綺麗なサムズアップしながら言った。
結構ありがたかったりするので
「「宜しくお願いします。」」
♢
という訳で弾君の奢りで五反田食堂名物、業火野菜炒めを待っていた。
それよりも今私が一番気になるのはここの看板娘(自称らしいが普通に看板娘でいいと思う)の蓮さん。ついさっき弾君に名前を教えてもらったんだがあの人何歳なんだろ本当に…弾君は本人曰く「28から歳をとっていない」らしい
そしてもう一人、厨房にて御高齢という事を一切感じさせない中華鍋捌き、しかも二刀流。
その中華鍋捌きからくるであろう鍛えられたその豪腕。
その厨房の主、えーっと弾君、あの豪傑な中華鍋捌きをしているあの人の名前は…
「厳、俺のじいちゃんだ。」
そう、厳さんは今、業火野菜炒めを作っているのだけれどもその匂いといい炒める時のの音といい全てが食欲をそそる何ともいうチート仕様。お腹空いた。
「五反田食堂特製、業火野菜炒めだ!
孫が絡まれてるのを助けてもらった礼といっちゃなんだがたんと食え。」
やだ男前。
ネタは置いといてそろそろ我慢の限界である。
「いえ、そこの蘭さんが嫌がっているのに連れようとするとこが目障……気にくわなかったので。」
「はっはっはっ!そうかそうか。」
「蕾ちゃんと言ったかしら、かっこいいわねぇ」
私はその美貌が謎です蓮さん。
「取り敢えず、一夏、」
「ああ、」
「「いただきます。」」
まずは一口。
………美味しい。濃いめの味付けなのにしつこいと思わせなく、なおかつご飯に合うように計算されたであろう味付け。それに何かは分からないが隠し味が更にこの味を引き立てている。
ほかほかのご飯と共にはふはふと食べるともう最高っ!
「こんな楽しそうな蕾始めてみたぞ俺。」
え、そうかな一夏?
…そうかも。
別にいいじゃん美味しいんだしさ。
「モグモグモグモグモグモグ はむっ モグモグモグモグ はむっ」
「野菜炒めがみるみるなくなっていくは見てて気持ちいい食べっぷりだな。」
「そうねぇ、お代わりいるかしら?」
上から厳さんと蓮さん。お代わりは勿論。
「ごくんっ、はい、お願いします。」
(食べてるとこ可愛いなぁ…)
「………おい、弾。」
「何だよ一夏…邪魔するな。例え一夏でもこれは譲れない」
弾君が立ち上がり。
「そうか弾、俺もだよ!」
一夏も立ち上がる。
シスコンの譲れない戦いもあったらしい。
…が
「マナー悪い。」
私の水平チョップが一夏の首に、
厳さんのお玉が弾君の頭に炸裂した。いや、させた。
「食事中にお代わりなどとかいう理由以外で立たないマナーが悪いよ一夏と弾君。」
「「ごめんなさい。」」
「よろしい。」
「モグモグごくっ、そういやさ、風紀委員会作ったんだろ一夏。」
「ごくっ、えっそうなんですかっ!?結構大規模でこっちの中学校にも会員いますよ!」
そんなに大きくなってたのあの風紀委員会!?
「いや、俺が作ったんじゃない、俺は副会長だぞ弾。」
「んじゃ会長誰だよ一夏。」
「ここで微笑ましく野菜炒めを頬張ってる俺の妹だよ」
「ん?」
頬張ってる為に喋られないので首を傾げる。
「「えぇぇぇぇぇええええ!!!???」」
大声だし過ぎ、お玉飛来。弾君没する。
「え、あの飛び回転蹴りで不躾な輩を沈めた事で有名なクールビューティ才色兼備文武両道風紀委員会会長さんなんなんですかっ!?」
え、ちょ、ちょ、ちょっと待って!?
え、ちょ、何それぇっ!?
「ちょっと待って蘭さん!」
「呼び捨てでいいです。」
「いや、呼び捨ても…まぁ蘭ちゃん。
その通り名は何なの…?」
「えと、絶対風紀委員会は結構有名になっていてさっきのは日頃の行動とかから付けた通り名です。」
………………………
「ドンマイ蕾」
「何もかも一夏の所為よ!」
「まぁまぁ、そういや一夏、絶対風紀委員会について聞いたんだけどさーーー」
「………は?」「え?」
♢
今は放課後、私は友達に先生が呼んでるって聞いたから職員室に向かっているとこよ!
え、私は誰って?私は鳳 鈴音よ!
一夏の妹の蕾が日本語をつきっきりで教えてくれたお陰で日本語はもうペラペラよ、ペラペラ。
転入して数週間なのにこんなに日本語喋れるとは思わなかったわ!流石蕾ね!
「てっても用事あるって言って先帰っちゃったけどねぇ
失礼しまーす、高崎先生はいらっしゃいますか」
「り、鈴、まのび先生なら体育館倉庫にいるって…」
返事をしたのは偶然職員室に居合わせた御手洗 数馬。
てか何で顔色が悪いのかしら?真っ青なんだけど!?
「ああ、ありがと、それより大丈夫?顔色悪いけど」
「ぜ、全然大丈夫だから!」
逃げるように職員室から出て行ったけど…
本当にどうしたのかしら?
それとまのび先生!そして自分から呼び出しといて何で体育館倉庫にいるのよ、めんどくさいわね…
♢
そして場所は体育館倉庫へ
基本誰も来ないようなとこに本当、まのび先生は何の用事があって来てんだか…
「まのび先生ー、来ましたよー。」
………………あれ?
「高崎先生ー?」
「先生はいねぇよ。鳳。」
「…誰よあんた。」
「お前入学して直ぐなのに調子乗りすぎなんだよ。」
「中国から来たんだって?」
「あーあ酢豚くせぇー」
ぞろぞろと体育館倉庫には男子達が入ってくる。
数にして15、6人。多いし…何なのよ本当……
「………何の用よ…」
「調子乗ってるからお仕置きしよーと思ってなー」
「あははははっ、今夜は帰さないぜっ!」
「「「「あははははははははっ!」」」」
「………………」
最低…てか御手洗騙したわね!
てかマジでどうしよこれ…本当にこれどうしよっか…
「ご協力ありがとぉー御手洗くぅーん」
「げほっ…ごほっ…」
「御手洗っ!?」
「いっやぁー…鳳をここに呼べっつったんだけど拒否ったからボコったんだよぉー…
でも最後は協力ありがと!」
「御手洗!御手洗!」
「すまん……鳳………」
「あんた怪我だらけじゃないのよ!静かにしてなさい!」
ああもうそういう事ね!御手洗が様子がおかしかったり
自分から呼び出しといて違う場所にいる先生、不審なところは沢山あったじゃないのよ!
本当私ってバカね…私って本当バカ。
「……あんたら最低ね…」
「褒め言葉をありがとう鳳ぃ…」
私…これからどうなるのかしら…
男子達が気持ち悪い笑顔を浮かべ近づいてきてーー
「現行犯抑えましたー♪」
窓からビデオカメラを片手に蕾を登場した。
「…え?」
え、えと…そうして蕾は飛び降りて私と御手洗の元、つまりは男どものど真ん中におどりでた。
………え?
「……誰だよ…」
「あらあらーターゲットの顔も知らないのー?
私はあなたたちが鈴音を利用して呼び出そうとしているターゲット、織斑 蕾よ!」
私は蕾の事が…救世主に見えた。
蕾マジ天使っ!
蕾「落とし前付けてもらうわよ!」
鈴「蕾ちゃんマジ天使」