#1 「天才(天災)の憂鬱」
そうして私は転生した。
取り敢えず原作と関係ないとこでひっそりと暮らそう。
原作介入とか糞食らえだ。第一めんどくさい。
そう思ってると頭を殴られたような痛みが走った。
神から色んな私に纏わる設定をアップデートされてる…
此処で生きる為に必要な情報だからだろうな…
一応、憑依転生という形で生まれて数年経った頃からのスタートらしい、だからそれまでの行動も記憶に蘇る。
蘇るというよりインプットという方が正しいのだが。
……うん、インプットされた内容私ならする内容だな。
ざっくりいうと
関わりを拒否して引きこもり。
↓
引きこもった中で色々してる。
…うん。しそうだな。問題ない。
この世界はインフィニット・ストラトス
ISね、前に読んだことあるからある程度立ち振る舞える。そして私の名前はーー
篠ノ之 蕾。(しののの つぼみ)
うん…篠ノ之……か
神め巻き込まれフラグ満載な苗字をチョイスしやがって…
因みに性別は名前で分かるだろうが女。
まぁ性別変えられても困るからいいのだが
IS世界に限ってはISに乗れるからIS学園に行く確率も上がるな……
だが今はそれはどうでもいい。
本当にどうでもいい。
問題なのは今ここは何処でこれからどうするのか…だ。
また設定が入ってきた。
篠ノ之 蕾はある重役の娘と間違われて拉致されたけど何とか脱走に成功。成功したものの此処が何処か分からずに途方に暮れている。
という設定。
どういう事よ?
転生させといて速攻殺す気…?
餓死するけど…
それに間違われたって何…
まぁもういい、取り敢えず持ち物確認。
所持金
0円。
身分証明できる物
無し。
装備
ボロい服。
……死ねと?
まぁ別にいいけど。この持ち物なら特に何もできないし
交番も見当たらない。別にこのまま死んでも問題はないが
まぁどうもできないから公園で休憩。
「きみ、迷子?」
完全に日がくれた頃、
通りすがりの一人の少年はそう言った
「そうよ…君は……?」
「俺か?俺の名前は一夏、織斑 一夏だ」
織斑 一夏……主人公か…
早速原作介入始まってるのか?
「一夏君…か。私、蕾……」
「それじゃあ蕾さ、もう暗いけど
帰らなくていいの?」
「……帰り道分からない…」
ほっといてくれないかな…?
そういう思いを籠めて言う。
「お、親はどうしたのっ?」
結構食い下がるね一夏君。
でも別に私はここで餓死してもいいんだけど、
寧ろその方が楽。この時は分からなかったんだけど
この時の私は今にも自殺しそうだったらしい。
「…何処にいるのか分からない…」
「そ、そっか…」
「そういう君は帰らなくても?」
暗に帰れと言い放つ。
「あ、ああ…あのさ蕾!」
ん?
「…何?」
「そのー…家に来ないか?」
…神めこれを狙っていたな……
織斑家に行ってしまえば原作介入はほぼ確定事項となる。
それは何としてでも避けたい。
「いや、いい…」
「そうか…?」
そんなしゅーんとした顔しない。
そんな顔されても私は行かない。
「ね?」
「いらない……」
ところで私は押しに弱いらしい。
対人経験は恐ろしい程に少ないのだが今理解した。
織斑 一夏との数分による押し問答が続き
その結果ーー
♢
【織斑家】
「ただいま千冬姉。」
「お帰り一夏……そこの女の子はどうした。
まさか…彼女か?」
多分この人は原作知識から考えると織斑 千冬だろう。
どうせこんな見知らぬ小娘を泊めるとこなど許可されないだろう。寧ろそうしてもらった方がいい。
「え、あ、いや、その帰り道が分からないらしくて…そのー…えっとー…」
「連れて来たと?」
「………………うん。」
いい言い訳が思いつかなかったのかはたまた
姉の前で隠し事ができないのか速攻でバレてる織斑 一夏。
まぁこの場合は隠し事をしたらダメだからそれでいいのだが。
「そうか…取り敢えず、そこの少女、名前は?」
「…蕾……篠ノ之 蕾………」
「篠ノ之!?箒の家族…?」
「………篠ノ之 蕾…か…」
「あのさ千冬姉…」
「いいぞ。」
「えっ…」
どういう事……?
『いいぞ』ってどういう『いいぞ』?
「家に泊めていいか?だろ?いいぞ。」
一体どういう事だ…?
「いや、千冬姉…」
「これは束に頼まれていてな。」
束……私の姉に当たる人か…
あの人は織斑 千冬に何を頼んだのだろうか
♢
時を遡る事織斑 一夏が帰ってくる数分前。
その姉、千冬は今日は早めにアルバイトが終わり自宅でゆっくりしていた時のこと。
その時に一本の電話が入った。
side:織斑 千冬
「はい、織斑です。」
「もすもすちーちゃん?
皆のアイドル束さんだよー!」
この電話初めから巫山戯たおしているこの電話の主の名は
篠ノ之 束である。こんな巫山戯た口調の癖して
頭脳が頭一つ出てるとかチャチなレベルではなく別格。
天才、否、天災レベルである。
「…どうした?」
「あっれー?反応が薄いよちーちゃん!
もっと反応してよー!ラブリー兎さんからの電話だよー?」
「…早く用件を言え。束……」
だがこの巫山戯た前振りは勘弁して欲しい…
イライラする。早く要件を言え要件を
「もー……もっと反応してよねちーちゃん……
あっそれでね!それでねーー」
「数分後に篠ノ之 蕾と名乗る子をいっくんが連れて来るよ。その子の面倒よろしくしていいかな!?」
この天災は久しぶりに電話を寄越したと思ったら
何を言っているのだろうか。
篠ノ之?妹か?
「……貴様は何を言っている」
「そのまんまだよー私の愛しの箒ちゃんの双子の妹、
愛しの篠ノ之 蕾が織斑家に行くんだよ。」
「…それで?」
「面倒見てやってくれないかな?」
「…は?」
「……ちーちゃん…私がどれだけ天災でも
つーちゃんの悩みを解決出来ないんだ…」
話の流れ的につーちゃんとはこの天才かつ天災の篠ノ之 束の妹、篠ノ之 蕾なる子の事だろう。
この天災が解決できないとはどういう事だろうか。
「…順を追って説明しろ何があった…」
「つーちゃんはね、いつも絶望したような顔をしているんだ。何もかもに絶望したようなね。
幼少期から今にかけてずっと、ずーっと。」
「………」
「知っての通り私は天才だよ?
でもね、
何をしてもつーちゃんの助けにはならなかったんだ。あいつらも次第につーちゃんをいない者として扱い出す始末。
でもちーちゃんな何とかできるかなーってさ…」
要約すると篠ノ之家には手に負えないから任せてもいいか?との事。
だが…この天災からは日頃感じない感情が感じ取れた。それだけ妹を想っているのだろう。
あいつらとは恐らくだが…親だろう。
何をいっても聞かない娘はもう諦めてきているのか。
巫山戯た親だな……
「今、私達篠ノ之は外国にいるよ。
そしてつーちゃんだけ日本にいるんだ!
いっちーが声をかけると思うから大切にしてあげて!」
そう言い電話は切れた。
日頃、頼み事などしないあいつからの頼み事。
それがどのような意味かは長い付き合いの私なら分かる。
「…まぁいいだろ……」
そろそろ一夏が帰ってくる頃だな。
風呂でも沸かしておくかーー
*千冬準備中*
ーーよし、風呂は沸かした。料理は……ダメだ。
掃除も……うん…私の家事スキルの低さが悔やまれるな…
そう思っていたらーー
「ただいま千冬姉…」
お、一夏が帰ってきたみたいだな。
あの天災の妹はどのような娘なのだろう。
あの天災が手に負えなかった問題児とはーー
てな訳でオリ主は篠ノ之家の住人です。
転生して直ぐに引きこもる転生者って新しいですよね(笑)
無気力からの立ち直りは早かったりするかも
(作者の技術的な問題で)