個性?いいえ【スタンド】です   作:A卿

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3話目更新です。

この後活動報告でここのペットショップ名前募集します。何かいいものが思いついたら気軽にコメントで送ってください。ただしあまりにも酷かったらそれは候補から外しますし、誰も来なかったらペットショップのままにします。

例によって不定期更新。でも読んでくれる人がいるので書きます。
どうぞ〜!


我輩は人より下か?

 我輩は自由に暮らしたい。(ついで)に静かなら尚の事良き。

 

 例によって俺だ。ペットショップ(仮)だ。

 ……なぜどこぞの殺人鬼リーマン(吉良吉影)のようなことを(のたま)っているのかって?

 

「クッソ!この鳥!」

Kruaaaa

 

 人間と戦闘中だからである。どうやら俺がスタンドを使っている所を()()()()()()らしい。それがいつかは分からないが、とにかく俺は捕獲対象になったようだ。

 絶賛戦闘中である。

 

「ウザいんだよ!さっきからちょこまかと!いい加減大人しく喰らいやがれ!!!」

「よせっ!殺す気かお前は⁉命令は捕獲だっただろ!」

 

 ……見た目からして予想はしていたが、どう考えても正規の団体ではなさそうだ。

 というか、こいつらは()()()()()()()()()?襲撃してきた3人中、2人が普通じゃないんだが。何で背中に翼生えてんのこいつ?実は空島人?それともモザイクオーガンオペレーション(対火星ゴキブリ改造手術)でも受けた?それとも今の人間は背中に翼を生やすのが普通なのか?分からん。

 そうだとしても、仮にそうだとしてもだ。3人目はおかしい。顔が完全にトカゲにしか見えないんだが?というかそれもう完全に人外じゃないか。

 唯一(見た目が)まともな人間も、鉄球やら何やらを弾丸のような速度で投げてくるし。化物しかいないのか、この世界は。

 

 出会い頭に攻撃されてから早数時間。逃げるだけで何も進展しない。

 とはいえ、解らないことだらけで全く収穫がなかったという訳でもない。

 少なくともここにいる3人が、()()()()使()()()()()()と分かっただけでも良しとしよう。

 

Kuraaaaa

 

 さて。いい加減鬼ごっこも飽きてきたし、これ以上収穫もないだろう。例え人間だろうが何だろうが、関係ない。

 どうせこいつらは真っ当な一般人ではないのだから。

 自然界は弱肉強食ということを、この森の強者が誰なのかを、教えてやろう。

 

 ―――先ずはトカゲ、お前からだ。

 

 この時、3人の男たちは、生け捕りを命じられた獲物が木に止まったのをチャンスとしか思っていなかった。だから攻撃した。

 たった一匹の鳥に何が出来ると、(おご)りがあったのかもしれない。散々遊ばれた苛立ちがあったのかもしれない。いつまでも仕留められない焦りがあったのかもしれない。

 いずれにせよ彼らは気付かなかった。

 否、()()()()()()()

 

 そのハヤブサが瞳に(たた)える、冷たい光に。

 その目が示す、冷酷な本性に。

 それが引き起こす、『魂の発露』に。

 それが(もたら)す、恐怖に。

 

 気付いた時には、全てが遅かった。()()()()

 

 最初に一人が殺された。『爬虫類の特性を得る個性』を持っていたそいつは、いつの間にか張り巡らされていた氷に足を封じられ、弱点である低温によって動きが鈍くなったところを巨大な氷柱に串刺しにされて死んだ。

 

 肉を穿つ鈍い音と、仲間の絶叫――正しく断末魔の叫び。呆気にとられていた残りの二人が我に返った時には、その仲間は芸術品と化していた。

 十数の氷柱に貫かれ、地を這う氷の蔦に絡みつかれたその様は、まるで罠に掛かった獲物のようで―――

 

kyrrrrrrr……

 

 ―――自分達が狩られる側だと、悟るには十分だった。

 

あ、あぁ……あああああああああああああああああ!?!?!?!

 

 人生で一度も感じたことのない、死の恐怖。その鳴き声が、目が、(たたず)まいが。何もかもが死を呼び起こす。逃げることすら不可能だろうそれが、目の前にいる。

 情けなかろうと悲鳴を上げるしかなかった。生きている2人はそれぞれ逃げ出す。『背の翼から羽を飛ばす個性』を持つ仲間が空に逃げようと飛んだ瞬間、狙ったかのように飛来した2本の氷柱が翼を貫き、炸裂した。

 

ぎっ!!!!?

 

 衝撃で撃ち落とされた仲間の背は、焼け(ただ)れてこそいなかったが破裂した氷によって切り刻まれ血塗れになっており、翼は中程から千切れていた。

 響いた爆発音に驚き、後ろを振り向いてしまった最後の1人の目に写ったのは、あまりの痛みに声すら上げることの出来ない仲間に、容赦なく追撃をする隼の姿。

 再び体を穿ち白い煙と共に炸裂する氷柱。翼の仲間は、死体すら残らなかった。

 

……あ、あ…

 

 一歩も動くこともなく、瞬く間に2人の仲間を殺した隼が、翼を広げ飛ぶ。

 恐怖によって動くことができない最後の1人、そのほぼ真上にある枝に止まる。

 

……ァ…

 

 目が合った。同時に急激に冷える空気に気付く。

 氷が有り得ない速さで、迫ってきていた。周囲の木が、草が、地面が、凍てつく。

 言葉を忘れ、再び『ソレ』に目を向ける。

 静かにこちらを見つめる『ソレ』が、最後の光景となった。

 

 

 ―――弱い。

 

 氷像と化した最後の1人、その腕に止まる。

 思い浮かぶことはこいつ等の使った()()()ばかりで、人を殺したことに対しての後悔や恐怖は微塵(みじん)も感じていない。当然罪悪感もない。やはり体――『()』に『精神(中身)』が引っ張られているのか。これはまぁ、どうでもいいっちゃどうでもいい。

 問題はこいつ等の使った力だ。どう考えてもスタンド能力ではなかった。それだけは断言出来る。ただの勘とは言え、中々馬鹿に出来ないんだこれが。

 

 ―――像を出していなかったとは言え、『スタンド使い』と()()()()()()()()()のも気に掛かる。

 

 確かにスタンドの中には一般人にも見える類のものがある。3部に出て来た【アヌビス神】と【ストレングス】、4部の【ラブ・デラックス】や5部の【ベイビィ・フェイス】、7部の【スケアリー・モンスターズ】、8部の【ラブ・ラブデラックス】などがそれに当たる。スタンドの枠に収めていいのか不明だが、猫草こと【ストレイキャット】や【フー・ファイターズ】も見ることが出来たはずだ。

 俺の【ホルス神】や対極のスタンドだと(勝手に)思っている【マジシャンズ・レッド】も、知覚出来るという点では当てはまるが、例外なのでカウントして良いのかは微妙な所だ。

 

 若干話が逸れたが、こういった見えるスタンドにも、必ず()()()()()()()()()()。つまり『スタンド』や『スタンド使い』と言うものを知らない奴が相手だろうと、スタンド像の気配をある程度察知出来るのだ。俺以外のスタンド使いがそんな芸当出来るのかは知らないが。

 ともかく、こいつ等と相対した時、その気配が無かった。気付かなかったのではなく、全く無かった。

 

 ―――スタンドを知らないなら、説明はつくが。気配ごと無かったとなると……。

 

 だからこそスタンド使いではないと確信したんだが、そうなると()()()()()が湧く。

 

 ―――ならここはどこなのだ?何の世界だ?

 

 【ホルス神】がある時点で、こいつ等のような不可思議な能力がある時点で、何らかの作品世界だというのは想像がつく。ところがそれが思い当たらない。

 ……まぁ、分からないのなら()()()()()()()()()()

 

 ―――なぁ?そこで()()()()()()()()()()()




何か長くなった気がする。気のせいかな?

ここで切らないと区切りが悪かったんだ。すまない……

次回もよろしくお願いします。

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