東方炎上人 〜森羅日下部が幻想入り〜   作:東方人

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戦闘期待の方、お待たせしました!初戦闘シーンです!とりあえず上手くかけてればいいなと思っていたりもします。


第参話 妖怪戦

「た、大変だァ!!!!!」

誰かの悲鳴が部屋中を駆け巡った。この声に驚いた3人は慌てて表へ飛び出した。すると、1人の男が凄い勢いでこちらへ走ってきた。

「な、何があったんだ!」

妹紅が咄嗟に男に声をかけた。しかし、慌てているせいか落ち着きがなく、何を言ってるのか分からない。

「おっさん、一旦落ち着け!何言ってるか分かんねぇ!」

という森羅の一言で我に返った男は何が起こったかを喋り始めた。

「えらいことだ・・・妖怪だ・・・それも大軍が・・・人里の中央に・・・」

男の話を聞いた妹紅と慧音の表情が一変した。

「大軍って・・・何匹くらいだ?」

という慧音の質問に対し、男は震えながら

「に、逃げてきたから正確には分からないが・・・多分・・・十数匹ほど・・・」

「十数匹だと!?」

二人の顔が強ばった。

「こ、こうしちゃいられん!妹紅、すぐ行くぞ!」

「あぁ!もちろんだ!それと森羅、お前も来てくれ!」

「おう!」

やり取りを済ませると、全速力で3人は直ぐにその妖怪の大群が現れたという里の中央へ向かった。無論、その道中で交わす言葉などなかった。そして、里の中央につくとそこには、なかなか惨い光景が広がっていた。逃げ惑う人々。辺りに飛び散っている血。端の方で呻き声をあげてる人。間違いない、妖怪に襲われた者がもういたようだ。そしてその中心には犬のようなバケモノが十数匹。

「グワァァァァ!!!」

雄叫びも聞こえてきた。

「ッ!?なんて無惨な・・・」

慧音が呟いた。

「これが・・・妖怪・・・」

森羅が言葉を漏らした。そして・・・森羅は怒りに満ちていた。あまりの出来事に、3人はしばらくその様子を傍観していた。すると、妹紅が、

「おい!見てる場合か!とにかくあの妖怪は、私が退治する。だから森羅、お前は慧音と一緒に周りの人達を安全な所へ・・・ってあれ?」

妹紅の話が急に止まった。それもそのはず、横にいるはずの森羅の姿が見えなかった。そして、妹紅が振り向いてから1秒と経たないうちに

 

ドンッ!

 

という何かがぶつかった音と、

「グエェェェェ!!!」

という妖怪の悲鳴が聞こえた。あまりに突然の出来事だったので何が起こったか分からなかった。そして妹紅が前を向くと、そこに森羅がいた。しかし、様子がおかしい。よく目を凝らしてみるとなんと、森羅の足から灼炎の炎が噴き出していた。それだけじゃない、その奥にいる妖怪は悲鳴をあげながら燃えていた。

「グエェェェェェ・・・」

悲鳴は次第に弱まったかと思えばパタリと止んだ。一瞬、どこかに逃げ出したのかと思ったが・・・違う。なんと、あまりの炎の勢いに妖怪が数秒で灰になっていたのだった!

「あいつ・・・人間なのか・・・?」

慧音が困惑の声を上げた。森羅の不思議な力に妖怪達も一時、騒然としていた。本当なら、ここで兵を引いてくれればありがたいのだが、やはりそう上手くはいかない。あろうことか残りの妖怪が一斉に、森羅目がけて襲い掛かってきた。恐らく、仲間を焼き殺された恨みを晴らすつもりなのだろう。しかし、妖怪達の四方八方から飛んでくる捨て身の攻撃を、森羅は真上に飛ぶことで見事、回避した。結果、妖怪達の動きは乱れに乱れた。そして、動きが鈍くなった一匹を確実に捉えると、今度はそいつにきりもみキックをお見舞した。その後、華麗な着地を見せた森羅だったが、

「ウッ!」

という悲痛の声と共に森羅は膝を地面についた。見ると胸のあたりをおさえている。このままでは森羅は妖怪共に襲われてしまう。そう悟った妹紅はすぐさま妖怪の団体目がけ、全速力で走りだした。そして、1匹が地に足をつけてる森羅目がけて襲いかかるその瞬間、

「おりゃァ!」

妹紅が妖怪を蹴飛ばした。間一髪である。

「立てるか、森羅?」

「あぁ。」

そういうと森羅は立ち上がり、戦闘の態勢をとった。

「ったく、お前一応ちょっと前まで重傷負ったケガ人だったんだから、無理すんなよ。」

「す、すまん」

「まぁ、とりあえずは戦えるんだな?それなら、敵を二手に分散する!半分は私が、もう半分は森羅、お前が片付けるんだ。分かったな!」

「おう、了か・・・」

森羅の目が丸くなる。

「なんだ、私の顔になにか付いてるか?」

「いや、何にも!」

悪魔的な笑みを浮かべて森羅は答えた。やりとりが終わると二人は妖怪の集団に真っ向から立ち向かった。妖怪の攻撃は実に単純で、基本的には人に襲いかかることくらいしか考えてないのでワンパターンなパンチやキックの連続で、倒せるが不利な点もある。まずは数が多いということ。森羅や妹紅が既に2、3匹ほど倒してるがそれでもまだ、13匹ほどはいる。これを2人で倒すとなれば1人頭、6~7匹を相手にしなければならない。もう1つは、妖怪共は体力に自信があるということだ。さっき妹紅に蹴られた妖怪がもう体勢を立て直してるあたり、恐らく軽い一撃程度ではダメだろう。それに先程の通り、森羅はまだキズが完治してないので激しい戦闘だと、また動きが止まってしまい、そこを妖怪に襲われる恐れがある。なので慎重に攻撃を見極め、かつ確実な攻撃を加えなければならない。なので、二人とも最初は相手のペースに任せ、攻撃をいなし、そしてスキができた瞬間に急襲を加え、一気にこちらのペースへ持ってくという作戦をとってるらしい。真っ向から飛んでくる拳や足を妹紅は自分の体を使っていなし、森羅は後ろにバックして回避する。ここで本来は戦いに集中せねばならないが、森羅はどうやらそれができてないらしい。

「(間違いないよな・・・確かに、妹紅の体も燃えてたはず・・・)」

そんなことを思いながら戦っていると、

「ッ!?しまった!」

妖怪が一匹、森羅ではなく、脇に倒れ込んでる女性の元へ襲い掛かりに行ってしまった!「まずい!」と思ったその瞬間、

「ハァ!」

という声と共に、何かが妖怪目がけて猛スピードで飛んできた。そしてそれが妖怪に当たると

 

ピチューン

 

という音と共に、妖怪を大きく後方へ吹っ飛ばした。

「(一体、何だったんだ今の・・・)」

と頭の中で思ってると妹紅が

「ボサっとするな!仮にも今は戦闘中だ!考え事は後にしろ!」

と、注意が飛んできたので

「悪い!」

と短く返して戦闘に戦闘を続けた。その後、順調に作戦通りの戦闘をし、結果、威勢のあった妖怪共は息を切らし、今にも倒れそうなくらいヨロヨロになっている。

「どうする?まだやるかい?」

という妹紅の言葉に、妖怪共は残りの体力を使って一目散に妖怪の山の方面へと逃げ帰って行った・・・

「とりあえず、片付け終わったな。」

「あぁ、そうだな。」

妹紅は森羅の感想に軽く返した。すると後ろの方から、

「おーい妹紅、森羅。とりあえずこっちの方も終わったぞ〜。」

慧音がこっちに向かってきた。

「お疲れさん、慧音。」

「といっても、あとはケガ人を永遠亭へ運ばないとな・・・」

この妖怪の軍団による被害で幸い、死者はでなかったものの傷を負った者が多いので彼らを永遠亭へ運ぶのは一苦労だろう。

「そうか、それなら手分けしてケガ人を永遠亭へ・・・」

と妹紅が言いかけた時、森羅は何か聞きたそうな顔をしていた・・・




いかがだったでしょうか?初の戦闘シーンでしたがなかなかいい感じかなー・・・なんて思ってます。それと、この場を借りての報告ですが次回は区切りをつけたいので少し短めにする予定なので悪しからずm(_ _)m
追記 近々、テストが控えてるので2週間ほど間を開けます。ご迷惑をお掛けしますがご理解とご協力をお願い致します・・・

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