Fate/Grand Orger in 仮面ライダーゴースト~英霊の力を纏いし、雪花の少女~   作:風人Ⅱ

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序章/AD.2004 炎上汚染都市 冬木③

 

―爆心地―

 

 

───あの何とも言えない間の抜けた初召喚から数十分後。

 

 

召喚サークルから現れた謎の英霊・神山 飛羽真を目の当たりにして困惑を露わにしていた彩人達は何とか落ち着きを取り戻した後、いきなり訳も分からず机ごと召喚されて同じように混乱していた飛羽真に自分たちカルデアの事や、人理焼却、それを食い止める為にはこの特異点Fに存在する原因を究明しなければならない事を説明していた。

 

 

「カルデアに、人理焼却……特異点?どれも聞いた事のない話ばかりだ……」

 

 

「そう、ですよね……俺もそうだったけど、いきなりこんな話を聞かされたら混乱するのも無理はないし……」

 

 

「あぁいや、ごめん、そういう意味じゃないんだ。俺が気になってるのは、どうして俺が此処に喚ばれたんだろうって……君達の話を聞く限り、その……サーヴァント?っていうのは、過去の英雄を喚び出すものなんだよね?」

 

 

「えぇ、そうよ。……というか、アナタ何者?どう見ても私達の時代に近しい人間にしか見えないのだけど、ホントに英霊なのっ?」

 

 

『アハハハッ……。まぁ、確かに英雄らしい風貌ではないよね、彼っ。ボクもまさか、机ごと召喚されるサーヴァントがいるなんて想像もしてなかったしっ』

 

 

そう言ってオルガマリーは腕を組み、どう見ても現代人っぽい服装の飛羽真の頭から足の爪先まで怪しむように見下ろし、ロマンも先程モニターで見ていた間抜けな召喚の率直な感想を苦笑いと共に口にする。

 

 

飛羽真もそんな二人の視線を浴びて居心地の悪そうに苦笑いを浮かべながらも、頭の帽子を被り直し改めて自己紹介する。

 

 

「俺は神山飛羽真。一応小説家をやってて、此処へ跳ばされる前は自分の店で次の小説のアイデアを考えてたんだ。そしたら急に目の前が光り出して、気が付いたらこんな火の海みたいな場所に……」

 

 

「自分の店って……えっ、じゃあ飛羽真さんは英霊って訳じゃなくて、普通に生きてる人間……って事なのか……?」

 

 

「やっぱり……見た目からしてそうなんじゃないかと思ってたけど、全然英霊なんかじゃないんじゃない……はあ……まさか天空寺タケルの二の轍を踏む事になるなんてっ……」

 

 

『いやまぁ、彼の場合は実際に死んでたみたいですから、まだ納得出来る部分があるような気も……』

 

 

「天空寺タケル……?もしかして、彼もそのカルデアってところに?!」

 

 

「え……飛羽真さんもタケルさんと知り合いなんですか?」

 

 

「ああ。彼とは前に元の世界で会った事があってね。それで、彼もカルデアに?」

 

 

「……はい。タケルさんもカルデアに呼ばれたサーヴァントの一人として、この特異点の原因解明と解決の為に召喚されていました。ただ、瀕死の私を救う為に自分の力を私に託して、そのまま……」

 

 

タケルの形見であるゴーストドライバーのバックルに触れ、沈んだ表情を浮かべて視線を落とすマシュと、彼女と同じように表情に影を落として俯く彩人。

 

 

すると、飛羽真もそんな二人の様子から何があったのか悟ったのか、「そんな……」と衝撃を受けた顔を浮かべ、オルガマリーはそんな飛羽真の反応にも構わず説明を続ける。

 

 

「悪いけど、今は落ち込んでいられる状況ではないの。話を聞く限り、アナタは英霊なんかじゃなく、天空寺タケルと同様に別世界から此処へ来たという事になるわ。恐らく、実験で何度検証しても使いものにならなかった呼札を触媒にしたせいでしょうね。カルデアの英霊召喚システムもまだ完璧とは言えない部分もあるから、何かの手違いでアナタみたいなのをサーヴァントとして呼んでしまった、といったところかしら……まぁ、其処の素人が未熟なせいで、システムに何かしらの不具合が起きた可能性も捨て切れないけど」

 

 

(うぐっ……ひ、否定し切れないのが何ともっ……)

 

 

本当に頭の痛い話だわっ……と、ジト目を向けてくるオルガマリーの推測を真っ向から違うと言える根拠がない為、いたたまれない顔で冷や汗を流す彩人。

 

 

すると、タケルの消滅を聞かされてから重い空気を纏っていた飛羽真は暫し考え込むような仕草を見せた後、何かを決心した顔付きで頷いた。

 

 

「分かった。そういう事情なら、俺もこの事態を解決する為に手を貸すよ」

 

「え……?い、いいんですかっ?俺のせいで事故で召喚されて、巻き込んでしまっただけなのに……」

 

 

「勿論。人助けには慣れているし、何より、タケル君が命を張って守った君達の事をこのまま見捨てて、自分だけ元の世界に帰るなんて俺には出来ない。それに……」

 

 

飛羽真は火の海に包まれる冬木の街を見渡し、その悲惨な惨状を目に焼き付けていく。その瞳の奥に、強い決意の念を宿しながら。

 

 

「例え此処が俺がいた世界でなくても、大勢の人達や街をこんな風にした元凶がいるのなら、見過ごす事なんて出来ない……君達がさっき説明してくれたように、その元凶をどうにかする事で皆を救う事が出来るのなら、俺にも協力させて欲しい」

 

 

「飛羽真さん……」

 

 

真剣な顔付きで、この冬木の街を……自分のもう一つの故郷である街を救う為に自ら協力を志願してくれる飛羽真の真摯な言葉に、最初は自分のせいで彼を巻き込んでしまった事に罪悪感を覚えていた彩人も内心嬉しさを抑え切れず、隣に並ぶマシュに目を向けると、彼女も自分と同じ気持ちを抱いてくれてるのか無言で頷き返してくれた。

 

 

「……判りました……力を貸してくれるなら、俺達も助かります。俺と、契約して下さい」

 

 

「ああ。じゃあ改めて、俺は神山飛羽真!サーヴァントとして、君達の事は必ず守ってみせるよ。約束だ!」

 

 

「はい。宜しくお願いします、飛羽真さん」

 

 

ぺこりと、マシュは自分達への協力を快諾してくれた飛羽真に対し礼儀正しく頭を下げ、それに釣られるように飛羽真も帽子に手を添えながら会釈し、彩人とマシュに朗らかな笑顔を向ける。

 

 

しかしその一方で、そんな三人の会話を遠巻きに眺めていたオルガマリーは眉間に皺を寄せ、明らか不機嫌そうにしていた。

 

 

「呑気なものね……英霊でもないただの人間なんか呼び出した所で、足手まといが一人増えただけじゃないのっ」

 

 

『まあまあ……実際こうして召喚されたという事は、彼にもそれ相応の何かしら特別な力があるかもしれませんよ?それこそ、天空寺タケルくんという前例がある訳ですから』

 

 

「アレにはまだゴーストハンターだなんていうふざけた能力があっただけまだマシな方だったじゃない。ただの小説家で、しかも魔術のまの字も知らない素人が呼び出したサーヴァントに何を期待しろってのっ」

 

 

これならまだシェイクスピアやアンデルセンといった歴史に名を刻んだ小説家の英霊達を呼び出せてた方がマシだったわと、イライラを募らせて愚痴が止まらないオルガマリーにロマンも『あははっ……』と苦笑いを返すしかない。

 

 

そうして一通り愚痴を吐き出し一先ずはスッキリしたのか、オルガマリーは彩人達の方へ振り返り、飛羽真に歩み寄って口を開いた。

 

 

「それで、小説家サン?貴方の肝心のクラスはなんなのかしら?」

 

 

「……?クラスって、えーっと……学校とかのあの?俺、小説家だから一応社会人なんだけど……」

 

 

「そうじゃなくて……!サーヴァントとしてのって意味よ!サーヴァントには、それぞれ特殊な役割に応じて分けられた七つのクラスで分類されているの。セイバー、アーチャー、ランサー、ライダー、キャスター、アサシン、バーサーカー……他にも色々あるけど、とりあえず今はこれだけ覚えておきなさい」

 

 

「成る程。つまり、その七つのうちのどれかに俺が当てはまるって事か。う~ん……でも、俺そういうの全然詳しくないんだよなぁ……」

 

 

「詳しくないって……ちょっとアナタ、まさか聖杯戦争についても何も知らないの!?」

 

 

「ええと……うん。そもそも俺の世界じゃ魔法なんてお伽噺の話で、魔術師なんて職業自体聞いた事がないから……そもそも、さっきの説明を聞く限りだとこの世界には魔法使いがいるってこと?いやぁ、本当に異世界なんだなぁ……」

 

 

「魔法使いじゃなくて魔術師よ!ま、じゅ、つ、しっ!信じられないっ……まさか聖杯からの最低限の知識すら与えられていないなんて、ホントのホントにハズレサーヴァントじゃないのよぉ……!!」

 

 

まさか此処まで知識に乏しいとは思ってもいなかったのか、頭を抱えながら嘆くオルガマリー。そんな彼女の反応に飛羽真も困った顔で頬を掻くと、そこで今まで黙っていたマシュが一歩前に踏み出し、二人の間に割って入った。

 

 

「あの、所長。ヒステリーを起こしたいお気持ちは察しますが、今は一先ずこの場からの移動を優先すべきかと。飛羽真さんには、道すがら私の方で説明をしておきますので」

 

 

「……フンッ、好きにしなさい。微塵も期待出来ないけど、囮役ぐらいには役立ちだそうだもの。それで恨むなら、こんな場所に呼び出した其処の素人を先ずは恨んで頂戴」

 

 

そう吐き捨てると、オルガマリーは踵を何処かへと歩き出す。

 

 

それを見て彩人とマシュも飛羽真に「すみません……」と一礼と共に謝罪してその後を小走りで追い掛けていき、残された飛羽真はそんな少年少女達の後ろ姿を微笑ましげに見つめながら頭に被る帽子の位置を直しつつ、彼らの後を追おうとした歩き出した、その時……

 

 

 

 

 

何処からともなく、一本の黒い短刀が彼方から飛来し、完全に無防備の彩人の後頭部に目掛けて一直線に迫ってきた。

 

 

「!彩人くんっ!」

 

 

「……え?うわぁああっ!?」

 

 

咄嵯に飛羽真はその正体不明の攻撃に気付いて走り出し、そのまま彩人に飛び掛かるように抱き留め、地面に倒れ込む事でその攻撃を回避した。だが……

 

 

「ぐぅっ……!」

 

 

「飛羽真さんっ!?」

 

 

今の短刀が掠めたのか、飛羽真の服の破けた袖の隙間から微かに見える肌から赤い血が滲み出ていた。

 

 

「先輩っ!!」

 

 

「な、何?!どうしたのよ一体?!」

 

 

突然の出来事に、先行して先へ進んでいたマシュとオルガマリーも慌てて戻ってきて二人の元に駆け寄ってくるが、腕から血を流す飛羽真を見て彼女達の顔がギョッと引き攣る。

 

 

「ちょっ……!アナタ、大丈夫!?」

 

 

「っ……あぁ、大丈夫っ。これぐらいならっ───」

 

 

 

 

 

 

 

『───余計ナ真似ヲシテクレル』

 

 

 

 

 

 

「「「「……っ?!!」」」」

 

 

 

 

心配げに自分を覗き込んでくるオルガマリーにそう答えながら飛羽真が起き上がったその時、不気味な声が何処からともなく響いた。

 

 

彩人達は咄嗟に警戒を強めて声の主を探し慌てて周りを見回すと、不意に背筋がヒヤリとする程の冷たい殺気を感じ取り、慌てて一同が振り返る。

 

 

するとマシュも同様にその殺気を感知していたのか、既にある方向に向けて大盾を構えながら睨み据える彼女の視線を追うと、其処には……

 

 

 

 

 

 

『───シカシ、見ツケタゾ。新シイ獲物。聖杯ヲ、我ガ手二!』

 

 

 

 

 

───まるで影のような瘴気を纏い、ユラリと亡霊のように姿を現した異形の存在。

 

 

言語機能が正常ではないが、明らかに今までの魔獣達とは違って強大な存在である事は、素人である彩人の目から見てもひと目で分かった。

 

 

「ま、まさかっ……あれってっ?!」

 

 

『この反応は……間違いない!サーヴァント……!アサシンのサーヴァントだ!戦うなマシュ!今の君達にサーヴァント戦はまだ早い!』

 

 

「そんなこと言っても逃げられないわよっ!!相手がサーヴァント、しかもアサシンだなんて、どう足掻いたって私達の足じゃ逃げ切れる訳ないっ……!」

 

 

「そんな……ならどうしたら……!?」

 

 

「決まってるでしょっ……マシュ、貴方が戦いなさい!同じサーヴァントである以上、貴方でしかまともに相手にならないわ!」

 

 

「……っ……!」

 

 

「そんな……所長っ、でもマシュは──!」

 

 

幾らマシュがデミ・サーヴァントとは言え、彼女はまだその力に目覚めたばかり。

 

 

何より、どんなに戦闘力が高いとは言えど彼女はつい先程まで普通の少女で、戦いに恐怖を感じていない訳ではないのを自分は知っている。

 

 

現にオルガマリーから戦うように指示されたマシュは、アサシンの不気味かつ異様な雰囲気に気圧されている。

 

 

そんな彼女を無理にでも戦わせる事に抵抗感を覚える彩人だが、そんな彩人の前に、飛羽真が無言で歩み出てアサシンと対峙した。

 

 

「飛羽真、さん……?」

 

 

「大丈夫。此処は俺に任せて」

 

 

「任せてって、アナタなんかに何が出来るのよ?!ただの小説家がサーヴァントに勝てる筈がない!無駄死する前に下がりなさい!」

 

 

「心配してくれてありがとう。けど、本当に大丈夫。だって約束したろ?……君達の事は、俺が必ず守ってみせる……!」

 

 

そう言って飛羽真が懐から取り出したのは、炎を模したようなエンブレムの鍔が特徴的な赤い剣の柄が脇部分に収められ、中央に三つの空きスロットが存在し、その下部分に金色の文字のような意匠が刻まれた黒いバックル。

 

 

それを腹部に当てると、バックルの端から伸びたベルトが飛羽真の腰に巻き付いてドライバーとなり、更に飛羽真はいつの間にか右手に握り締めていた赤い本のようなアイテムを掲げ、本の表紙を開いた。

 

 

『かつて、全てを滅ぼすほどの偉大な力を手にした神獣がいた…』

 

 

表紙が開かれた赤い本から、まるで物語を読み上げるように紡がれる、重厚な男性の声。

 

 

そしてその本の表紙を閉じ、飛羽真がバックルの左端のスロットに装填した瞬間、彼の背後にバックルに装填された赤い本と同じ巨大な赤い本が何処からともなく空から降り立ち、地揺れと轟音を起こした。

 

 

『ヌゥ……!?』

 

 

「うぉおおっ?!な、何だこれ?!」

 

「巨大な……本……?!」

 

「な、何よコレ?!一体何が起きてるの?!」

 

 

いきなり出現した謎の巨大な本を前に彩人達だけでなく、対峙するアサシンまでもが驚愕のあまり後退りする。

 

 

そんな彼等の困惑など意に介さず、飛羽真の待機音が流れる黒いバックルの脇部分に収められた、炎を模した赤いエンブレムの鍔が特徴的な剣にゆっくりと手を伸ばし、徐に柄を握り締めたと同時に、一気にバックルから引き抜いた。

 

『烈火!抜刀!』

 

「……変身」

 

 

電子音声と共に響く力強い声。

 

 

同時に飛羽真の背後に佇む巨大な本のページが開かれ、其処から飛び出た赤き竜が彼の背後に降り立つと、飛羽真の身体を包み込むように展開され、装甲と化す。

 

 

燃え盛る炎を連想させる瞳。顔を覆う仮面の頭部には、姿を変えた飛羽真が手にする赤き剣の刃と同じ巨大な刀身がまるで一本の角のように伸びており、右半身は黒く、胴体から足先までは白い。

 

 

しかし何より目を引くのは、巨大な本から飛び出た赤き竜の頭部を模した右肩が目立つ赤い右半身と、風で靡く右腰の赤いローブ。

 

 

黒いバックルから引き抜いた赤き聖剣を手に、飛羽真はまるで騎士を思わせる姿に変貌したのであった。

 

 

『ブーレーイブドラゴーン!!』

 

『烈火一冊!』

 

『勇気の竜と火炎剣烈火が交わる時、真紅の剣(つるぎ)が、悪を貫く!』

 

 

『──よし、変身は出来る。これなら、行ける!』

 

 

「と、飛羽真さん……?そ、その姿って……!?」

 

 

『え……?あ、ごめん。そういえばまだ言ってなかったね。実は俺もタケル君と同じ、仮面ライダーなんだ』

 

 

「仮面ライダー……!」

 

 

「あ、アナタもそうだったっていうの?!なら初めから説明しておきなさいよそういう大事な事はァ!」

 

 

飛羽真の言葉にマシュは驚き、オルガマリーは怒りを露わにする。

 

 

そんな彼女達の反応に飛羽真も申し訳なさそうに頭を掻いて苦笑いを浮かべてると、変貌した飛羽真を見て唖然としていたアサシンが漸く我に返り、忌々しげに短刀を両手に取り出し構えた。

 

 

『姿ヲ変エタカラト言ッテ、ナンダトイウ……!!ソノヨウナ虚仮威シガ通ズル筈モナイ!!』

 

 

『……どうかな。それはやってみないと分からない』

 

 

『ッ、生意気ナ……!!貴様ハナンダ?!ソンナ姿ノ英霊ナド知ラヌ!!』

 

 

未知の姿の飛羽真を前に、アサシンは警戒を強め何時でも攻撃出来るように態勢を整える。

 

 

だが、対する飛羽真は悠然と佇んだまま臆する事なく、静かに右手に持った剣を眼前に突き出す。

 

 

『俺は、炎の剣士。マスターである彩人と契約したサーヴァント……仮面ライダー、セイバーだ』

 

 

「仮面ライダー、セイバー……?」

 

 

「セイバーって……サーヴァントの中でも最優とされるクラスじゃない!?あんな小説家が?!ウソでしょ?!」

 

 

「なるほど、つまり文豪にして剣豪。飛羽真さんは文武両道な方だったんですね……!」

 

 

『いやいや!感心するとこ今其処じゃないからねマシュ!?』

 

 

飛羽真が名乗った『仮面ライダーセイバー』の名に彩人達が各々驚愕や感心の反応を見せる中、セイバーの名を聞かされたアサシンは明らかに動揺を隠せず臆し、思わず足を引いてしまう。

 

 

『セイバーノサーヴァントガ、コノヨウナ場所二?!……イヤ、ダトシテモ、今ノ我二敵ウ筈モナイ!貴様等ノ結末二、変ワリハナイノダ!』

 

 

『生憎だけど、そういう訳にはいかない。──物語の結末は、俺が決める!』

 

 

『戯レ事ヲォオオオオオ!!』

 

 

叫びながら地を蹴り、アサシンが一気に距離を詰めてセイバーに斬りかかる。

 

 

対するセイバーは慌てる様子もなく、両脚を左右に広げて腰を落とすように身構えながら赤き聖剣・火炎剣烈火を握る右腕を迫り来るアサシンの動きに合わせて振るい、業火を纏った聖剣の刃と短刀が正面からぶつかり合い、甲高い金属音を鳴り散らしたのだった。

 

 

 

 

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