しばらくして数馬が合流して弾が蘭ちゃんの様子を見に行き、すぐに戻ってきて
「涼、蘭が お前と話しをしたいって」
「・・・分かった」
なんで一夏では無く俺なのかが不思議だが、まぁ仕方ないので弾の部屋を出て蘭ちゃんの部屋の扉をノックすると、微かに入室の許可が聞こえたので入室し扉をしっかりしめ
「来たよ蘭ちゃん」
ベッドの上で膝を抱えてタオルケットに包まり座る彼女に言い、ベッド横に座る
「・・・もう、戻れないんですか? 」
先程まで泣いていたであろう蘭ちゃんは、ゆっくりと尋ねてくる
「絶対に戻れない訳ではないよ、可能性は低いけどね」
不安そうな彼女に注意しながら答える
「うぅ・・・涼さんは、不安じゃないんですか? 戻りたいと思わないんですか? 」
蘭ちゃんは少し涙を流しながら尋ねてくる
「全く不安じゃないよ、何があっても味方で居てくれる家族と頼りになる友達がいるから・・・だから俺は、不安じゃない」
あえて戻りたいか、と言う質問には答えずに蘭ちゃんを見据える
「それは、一夏さんも? 」
「さぁ? どうかな、俺は割と自分の事は無頓着な所があるから 一夏が俺と同じかは分からない。 でも・・・多分、不安は感じてると思う」
そう、きっと一夏は不安を抱えていると思う
俺と違ってそう簡単に受け入れる事が出来るとも思えないし
「・・・多分、言わないし見せないだけで一夏は不安を感じてる、戻れるのか、戻れなかったら女として生きて行かないといけない。自分は女として生きて行けるのか・・・って少なからず考えているとは思う」
言葉だけでは不安は拭い切る事は難しい
そして このての不安は突然に、何度でも襲ってくるだろう
だからこそ、家族と仲間が必要なのだ
「・・・そう、ですか」
そう言い膝に自分の膝に頭を乗せる蘭ちゃん、恐らくこれからの事を考えているのだろう
一夏への想いを諦めるか否か、一夏への接し方をどうするか、とか色々考えている
多分、これから先、蘭ちゃんと同じ様に悩み泣く娘が少なからず出てくるだろう
そして、一夏は都合を知らない男子に告白され、少なからず悩むだろう
「・・・分かりました、ありがとうございます涼さん」
泣いて少し目の赤い蘭ちゃんがタオルケットから顔を出して言う
「ううん、気にしないで?」
なんか腹が座った様な表情をしている蘭ちゃんに言い
「この先、何が起こるかは分からない。明日急に男に戻ってるかも知れない、戻れる方法が見つかるかも知れない、見つからず一生を女で過ごすかも知れない」
今は問題がなくても、余命が短いかも知れない。全くの偶然で事故に巻き込まれて死ぬかもしれない
だから悔いは残さずに生きて行きたい
「・・・君が悔いを残さない様に生きろ、後悔してからじゃぁ手遅れだ」
そう彼女を諭す様に言い立ち上がり
「俺は、蘭ちゃんを応援してるから」
それだけ伝えて彼女の部屋を後にする
お待たせしました
やばい、この先の構想が全くない