蘭ちゃんの部屋を出て廊下を進み弾の部屋を通り過ぎて階段に座る
我ながら大分 偉そうな事を言ってしまった、余計なお世話だったかも知れない、と少し自己嫌悪する
彼女が俺を呼んだ理由は多分、現実を受け入れたくなかったから、嘘だと思いたかったから、必ず男に戻ると思いたかったから、だ
馬鹿正直に事実を蘭ちゃんに伝える必要は無かったかも知れない、少し事実をボカす事も出来た筈だ
「・・・俺って、やっぱ中途半端だな」
それなりの炊事家事は出来るが、学力は中の中、身体能力も中の中、可もなく不可もない程度の何処にでも居る男子中学生が俺だ
と1人で反省していると、携帯からメッセージの着信音が聞こえたので携帯を取り出し見る
メッセージの送り主は千冬姉で、安否確認だった
時間を見れば、16時を過ぎていて千冬姉は心配している様だったので立ち上がり弾の部屋へ戻り
「一夏、千冬姉が心配してるよ」
「え? あー・・・家に帰らずに来たもんな、悪い俺達帰るわ」
携帯片手に一夏へ告げると対戦中の2人に告げ立ち上がりスクールバッグを手に取る
俺もスクールバッグを持って
「じゃぁ2人共、また明日」
「また明日なー」
2人の おー と言う返事を聞き五反田家を後にする
「とりあえず千冬姉には、今帰るって返信しといたから」
「さんきゅー涼」
今日は女になって初めて登校した訳だから千冬姉は心配だったんだろう、だいぶ俺達に甘いからなぁ千冬姉
春休みの間も色々と気を揉んでくれたし、悪い事したな・・・これも反省しなきゃ
とか考えて見た目が変わっても中身は自分のまま、だと改めて自覚する
まだまだ子供なんだと、認識する
途中でコンビニに寄って、千冬姉への献上品を購入して帰路を歩き10分ほど一夏と雑談しながら歩くと家に辿り着き玄関を開けると、千冬姉がレディーススーツで仁王立ちしていた
「た、ただいま」
「ただいま千冬姉」
ちょっと覇気が凄くて怯んだ俺と違い一夏はケロっとしていて靴を脱ぎ揃えて並べる
「・・・おかえり2人共、遅くなるなら連絡ぐらいしろ。お前達に何かあったら、と気が気ではなかったぞ?」
そう千冬姉は溜息を吐いてから腕組みを解き、間合いに居た一夏へ強烈なデコピン食らわせる
「・・・ごめん、千冬姉」
痛みで蹲る一夏を横目に千冬姉に謝り俺も靴を脱いで揃えてから家に上がると、目にも止まらぬ速さでデコピンされ俺も痛みで蹲る
「次からは連絡しろ、少なくとも獅郎さんにはな? 」
クッソ痛くてそれどころじゃないが、千冬姉は そう言い階段を上がって行く
「大丈夫か、一夏」
「なんとか、頭割れてないよな?」
とりあえず互いに顔を見合わせて割れていないか確認してリビングへ行き父さんに帰宅を告げる
「おかえり2人共、デコ赤いな。まぁ正座で説教聞くよりマシって思っとけ、千冬は千冬でお前達が心配なんだよ」
ソファーで寛いでいた父さんが言う、次からは連絡をしようと決める
千冬姉のデコピンはマジで痛い
お待たせしました