父さんの運転する
「父さん、此処から電車で移動するの?」
「ん?あぁ、俺じゃどうしても分からん事もあるからな。助っ人を呼んだ」
そう言い駅前の無料駐車場に車を停め携帯を確認して
「んじゃ、助っ人を拾ってくるから待っててくれ」
そう言い父さんは車を降りて早足で駅へ向かって行く
「助っ人か・・・誰だろ?」
「さぁ?束さんでは無いだろうし、クロエは束さんの所だろ?蓮さんか?」
俺の問い掛けに一夏は腕組み考えて助っ人の候補を口にする
ちなみに蓮さんは、俺達の友達の五反田 弾の母親の事で、見た目二児の母と思えないほど若々しい
「あ〜、蓮さんか。妥当かも」
そんな感じで一夏と10分ほど助っ人予想を繰り広げていると父さんが帰って来てトランクを開き旅行バッグに入れ、久しぶりに会う義姉が紙袋を置く
「ち、千冬姉?なんで、ドイツに居るはずでしょ?」
驚きのあまり少し大きめの声で言ってしまうが千冬姉はキリッとした表情から柔らかい表情になって
「サプライズで休暇を取ってきた、と言えたら良かったのだが所用でな。本来なら顔だけ見て転職先へ行くつもりだったが・・・この様なサプライズが有ろうとはな、先方には話をつけてある暫くは家に居て可愛くなった弟達の面倒を見る事にした」
そう言いトランクの扉を閉めて助手席に座る
ちなみに一夏は驚き過ぎて固まっていた
「んじゃ改めて出発だ、行先は・・・去年出来たアウトレットモールだな。あそこなら大抵の物が揃うはずだ」
そう言い父さんは車を発進させる
「はっっっ千冬姉、ドイツでの教官の任期はまだ有ったんじゃ?」
漸く再起動した一夏が千冬姉に尋ねる
「あぁだが、任された連中の教育がすんなり行ってやる事が無くなったから繰り上げて日本へ帰って来た。転職の打診もあったしな」
あっけからんと千冬姉は言うが、そう簡単に帰って来れたら色々と問題になってなかった気もするが、俺には分からない世界だ、うん
「私の事を心配するより先に自分の事を心配しろ一夏、束が方法を模索しているとはいえ戻れるまでは女として生活せねばならん。先に言っておく、女は男に比べて大変だぞ?」
振り向いて此方を見ながら千冬姉は言う
それを聞いて俺は色々と想像する、確か女性は所謂 女の子の日があって人それぞれで重い人め居れば軽い人も居る
重い人はとにかくヤバイとか何とか
あと下着類も高いとか何とか
と考えつつ自分の胸に手を当ててみる、うん薄い
男の時に比べたら確かに柔らかいから有るには有ると思う
そんな事を考えつつ隣に座る一夏を見る
ジャージで分かりづらいが俺よりは有る、間違いなく
多分、同級生の平均より上の部類だと思われる
頑張れ一夏、俺は必要ないかもだが、お前には間違いなく必要だ
いや待てよ?そういえば母さんはデカイ部類だった気がする、つまり俺も成長する可能性が有るな、うん
よし、今の内に千冬姉に教えて貰おう、そうしよう
「そうだぞ一夏、いつ戻れるか分からない以上は女としての生活に慣れなきゃ。それに男と女、両方経験出来てラッキーぐらいに考え様ぜ?」
「・・・そうだな、大変だろうけど それぐらい軽く前向きに考えた方が良いかもな」
ひとまず一夏を励ますと、一夏もやる気になってくれたが俺達のやり取りを見ていた千冬姉の表情は微妙な表情をしていたが見なかった事にする
「まぁ塞ぎ込むより良いか・・・一夏、涼、今日は必要最低の事を教えるつもりだから、分からない事があれば聞け」
口調が男勝りで表情が固いから勘違いされがちだが千冬姉は優しい、根がとても優しい
それを俺達は知っているので笑んで頷く
お待たせしました