ブラもパンツも慣れていないから妙な感じがして落ち着かないが履いていたトランクスを畳んで袋に入れ服を着て試着室を出ると千冬姉は一夏を試着室に引きずり込む
なんか一夏の悲痛な声が聞こえたので静かに手を合わせおく
数分経たずに千冬姉が出てきて、再び数分で一夏がソワソワしながら出てきて
「なんか変な感じで落ち着かない」
「俺もだよ一夏、まぁお前程ではないけど多分」
2人して顔を見合わせて苦笑していると千冬姉が俺達の頭を撫でて
「まだまだ買う物が残っている、行くぞ」
そう言い携帯を確認して歩いて行くのでついて行く
数分歩くと自販機の横に父さんが立っていて合流し
「次は服か?それとも靴か?」
「先ずは靴にしよう、服を選ぶのに歩くだろうし」
と当事者を介さずに父さんと千冬姉が次の行先を決め
「次は靴だ2人共、ひとまず履きやすい靴を買うぞ」
そう言い千冬姉が歩き始め
「その内、外行きとかも買うが先ずは慣れてからだな」
と父さんはニッと笑み千冬姉に続いて歩き出す
「これは予想以上に買い物が長くなりそうだな?」
「あぁ、まぁこうゆうのもたまには良いんじゃないか?」
俺が一夏に言うと、肩をすくめて一夏が返してきて2人の後を追って歩き出したので、たまには悪くないか、と思い俺も歩き出す
そんな訳で動きやすさ優先でスニーカーを、通学用にローファーを購入し服選びが開始する
ちなみに靴は歩き辛かったのでスニーカーに履き替えている
「せっかく母さん似の美少女になったんだ、此処は思い切ってコレはどうだ?一夏」
なんか振り切ってしまった千冬姉が一夏にスカートとかを勧め
「何言ってんだよ千冬姉、いきなりソレはハードルが高いって!」
妙に必死に断る一夏を眺めつつ、バレない様に父さんと共に距離を開けて撤退する、その内 一夏が俺を巻き込むだろうし
ある程度の距離を開けてから父さんに尋ねる
「ねぇ父さん、母さんって女の子が欲しかったの?」
適当に服を眺めていた父さんは俺の方を見て
「女の子も欲しかった、が正しいな」
そう言い俺の頭を撫でる
「・・・そっか、なら女になっちゃったし少し娘らしい事をしようかな?」
そう言い微笑むと父さんはキョトンとしてから笑い
「無理してする必要はないが、お前がしたい様に生きろ涼、その為の手助けは幾らでもしてやる」
そう言い再び頭を撫でてくれる
父さんにとって俺は、俺達は性別が変わろうと家族なんだと、改めて認識して安心する
安心したからか、余計に男に戻れなくても大丈夫と思える
「ありがとう父さん、で母さんって娘にどんな服を着せたかったと思う?」
「杏子か?あ〜・・・」
父さんは腕組み考え始め、移動を開始したので後ろをついて行く
「アイツ自身、動きやすさを優先してる事が多かったがロングのスカートとかも多かったな」
そう言い父さんは懐かしむ様に服を見ながら呟く
「俺が杏子と出会った頃の杏子に涼、お前はソックリだ。ビックリする程に」
と言い父さんはシンプルなワンピースを手に取り
「俺にはアイツが娘に着せたかった服は分からん、でも今 目の前に居るお前に似合う服は選んでやれる。昔、アイツが着ていた服をお前に教えはやれる、お前ぐらいの時にアイツが着ていたワンピースは こんな感じだったよ」
「そっか、ありがとう父さん。試着してみるね」
ワンピースを受け取り試着室へ向かう
悪い一夏、俺は割と悩まないかもしれない
お待たせしました