俺は妹しか愛せない   作:俺がいる最高

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海の合宿その1

 

「こ、これは……」

「別荘とは聞いてたけど……」

 8月5日、今日から海の合宿が始まるわけだが……。

 俺達は今、隣の県にある彩風あやかじ財閥の別荘の前に立っている。

 だが、あまりにも立派な建物だったため、驚きの声を隠せない。

 100坪くらいある真っ白なペンションにテニスコート、プライベートビーチ。

「別に大したものじゃないわよ?これはわたしの別荘だけど、お母様の別荘はもっと大きいものを幾つか持っているから」

「アンタ……マジもんのお嬢様だったんだね…」

「てかこれ、先輩の別荘!?」

「ええ。さすがにお母様の別荘なんて借りれないわよ?」

「い、いやこれでも充分過ぎますって……」

「ふん!お嬢さまのご厚意に感謝するんだな!」

 何でこの人がいるんだよ……。

 俺達は、先生の車でここに来たわけだが、既にここにはリオン先輩も待機していた。

「そもそも先輩は特別相談部じゃ無いでしょ…」

「何を言う!ここはお嬢さまの所有地だぞ!従者であるボクが居て当然だろ!それに貴様のような男にお嬢さまが襲われた時は真っ先に駆けつけられるからな」

「まぁまぁ、大勢いた方が楽しいじゃない。今日から1週間、沢山遊んで絆を深めよう!

 」

「先生は相変わらず元気ですね…」

「花園君も嬉しいでしょ?こんなにもたくさんの美少女に囲まれて全員の水着姿が拝めるのだから」

「別に先生のは見たくないっす」

「あ?なにかいっかな?」

「何でもないっす!」

 そういえば先生は一緒に海行ってくれる人がいないのかな…。可愛いそうに。

「てか本当に1週間もここに居るの?アタシもう帰りたいんですけど…」

 開始早々グッタリな恵美梨えみりの気の抜けた声に先生がハッキリと言う。。

「何言ってんの、飛鳥あすかさん!これは夏休みの補習だけじゃ足りないあなたのためよ!今日から1週間、みっちり先生が教えてあげるんだからね!」

「サイアク~」

 恵美梨は見るからに嫌な顔をする。お前もある意味可愛いそうだな…。頑張れ…。

「荷物とか色々あるからとりあえず中に入ってちょうだい」

 先輩に促されて別荘の中に入ると、そこは広いロビーで大きめのソファーに大型TV、大きな冷蔵庫がある広めのキッチンにダイニングと、LDKが全て揃ってる。

「す、スゲー!」

「わたし達が来る前にリオンが掃除しといてくれたから、この中にあるものは自由に使ってもらって構わないわ」

「ねぇ、ここってネットに繋がってんの?」

「ええ」

「良かった~!通信制限気にしなくてもすむ~!」

「こらこら!まずは荷物を片付けないと!

 持ってきた食材も冷蔵庫に入れとかないとだし」

「さすが兄さん、こういう時は頼りになりますね」

「あの…有紗さん?普段の俺は、頼りになりませんか?」

「はい…正直……」

「マジっすか!?」

「ちなみに、部屋は2階になってるから各自、好きに使ってちょうだい」

 見ると、2階は吹き抜けになっていてまるでホテルのように2階の様子も見えるようになっている。

 俺は今日使う食材を冷蔵庫に入れていく。

 明日からの食材は現地調達になる訳だが。

 ダイニングの直ぐ横にある階段を登って2階に上がる。

 階段は2階の廊下の両サイドにあり、俺は右側の階段側にある部屋に入る。

「まさか一人一部屋ずつあるとはな…」

 流石だな!

「しかし広いな…」

 中は10畳以上で、一人部屋にしては些か広い。

 1人にしては大きめのベッド、カントリーな机、おしゃれなカーテン。それから小型のTVに小型冷蔵庫。ユニットバスまで付いてる。

 マジかよ……。

「そんで何でお前は当然のように俺の部屋にいる?」

 部屋に入って早々、俺の部屋のベットでくつろいでいる有紗ありさ。

「当たり前じゃないですか!見知らぬ土地で、初めての部屋、周りには他の人もいるのに1人、部屋で過ごすなんて出来ません!」

「そりゃそうだな…」

 ていうか何年も暮らしている俺ん家でもよく俺の部屋に来るけどな…。

「でもこれだけ広いとお掃除が大変そうですね…」

「あぁ、今日は俺達が来るからリオン先輩が掃除しといてくれたらしいけど、普段はメイドさんとかが定期的に掃除しに来るんだろうな」

「はい。でなければこんなに綺麗に保つ事は出来ないでしょう」

「さて、何すればいいんだろな。ちょっと先生に聞いてくるから」

「はい、待ってます」

「出来れば自分の部屋でな!」

 俺は部屋を出て先生の部屋に向かう。

 ちなみにに部屋割りは右側側から俺、有紗、瑠樺るか、杏あん先生、花蓮先輩、リオン先輩、恵美梨の順番だ。

「失礼しまーす!」

 と勢いよく先生の部屋のドアを開ける。

「なっ……!?」

 しかし目の前には下着姿でビールを飲む先生が。

「何してんすか…?」

「ん?誰かと思えば花園はなぞの君じゃない。どうしたの?お姉さんの下着姿じっと見つめて」

「どうしたのじゃない!!早く服を来てください!」

 俺は慌てて後ろを向いて必死にお願いする。

「や~ねぇ~。勝手に乙女の部屋にノックもせず上がり込んできて、しかも下着姿まで見ておいてその態度は…」

「ていうか部屋に入って早々下着姿でビールとか、家じゃないんだから……。そんなんだから誰も嫁にもらってくれないんじゃ「何か言った!?」いえ、何でもないっす…」

 先生がこんなんで本当に大丈夫かな……。

 てかアラサーのラッキースケベとか需要あんのか?

「それでどうかしたの?」

「あ、あぁ……そういえば、この後何すればいいのかなって聞きに来たんすよ…」

「そうね……とりあえず荷物の整理が出来たら1階に集まってちょうだい。そこでこれからの事を伝えるから。花園君はみんなにも伝えてちょうだい」

「了解ッス」

 部屋から出ると、丁度隣の部屋の花蓮先輩が出てきた。

「あら、紅蓮君じゃない。どうしたの?」

「それが、これからの事を聞こうと思って先生の部屋に入ったら下着姿でビール飲んでたもんで…」

「はぁ…。引率者がこんなロクでなしなんて先が思いやられるわ…」

「全くです…。それで、とりあえず荷物の整理が終わったら1階に集まって欲しいと…。

 そこで今後の予定を伝えるそうです」

「あらそう、ありがとう。ところで紅蓮君、何か不備はないかしら?」

「いえ、むしろ充分過ぎます!」

「そう…。何かあったら遠慮なく言ってちょうだい」

「はい、ありがとうございます。では、俺はまだ荷物の整理があるので」

「ええ、また後で」

「あっあと、リオン先輩と恵美梨にさっきの事を伝えておいてくれませんか?」

「いいわよ」

「ありがとうございます。俺は有紗と瑠樺に伝えておくんで!」

 先輩と別れて自分の部屋へ。

 どうせこの1週間、有紗は俺の部屋で過ごすだろうから、あいつの荷物も整理してやんなくちゃな。

 部屋に戻ると予想通り有紗は俺の部屋にいた。

「ただいま。荷物の整理が終わったら1階に集まれってさ」

「そうですか。わざわざ聞きに行って下さってありがとうございます」

「おう。そんでお前はどうせこの部屋で過ごすだろうから、お前の荷物も整理しなくちゃな。ここのクローゼット広いから多分2人分入ると思うけど…」

 有紗の服をクローゼットにしまっていると……、

「おい、なんだこれは?」

 有紗の下着は以下にも高校生が着用するようなものじゃ無かった。

 以下にも大人の女性が着用するようなセクシーな黒だった。

「はい、それは勝負下着ですが」

「それが?的な顔で見つめるんじゃない!何でこんなの持ってんだよ!」

「それは兄さんに女性として見てもらうためです。そしていつもと違う場所、いつもより大胆な下着を付けた私。興奮した兄さんは周りには他の人がいるにも関わらず獣のように本能の赴くまま私を…」

「要するにこんな事初めてだからはしゃいんでんだな?可愛い奴め」

「そ、そんなんじゃないですっ!」

 有紗は真っ赤な顔で否定するが、おそらくそういう事だろう。

 それもそうだよな。俺もお前も生まれて初めてだもんな、こんな事。

 まだ全員を信頼しきってる訳ではないが、少なくてもこの1週間、楽しい合宿になる事だろう。

「おっと、瑠樺にも伝えに行かなくちゃな。後は頼んだぞ」

「うー…くれぐれも月野さんと2人きりで変な事をしないで下さいね」

「誰がするか!?お前と一緒にすんな!」

「むー……」

 むくれてる有紗を尻目にして部屋を出る。

 瑠樺の部屋の前に立ち、ドアをノックする。

 コンコン…。

「瑠樺、入ってもいいか?」

「え、お兄ちゃん!?ちょ、ちょっと待ってて!」

 中から瑠樺の慌てた声と物を片付ける音が聞こえる。

 入室の許可を得てドアを開けると、荷物の整理が終わったのであろう瑠樺がベットにちょこんとと座っていた。

「ふっふっふ…、よく来たな我が眷属よ…」

「なんか慌ててたようだけど大丈夫だったか?」

「う、うむ、くるしゅうない…」

「どうしたんだよ、冷や汗かいてるぞ」

「そ、そんな事などない!」

「そうか…」

 なんか中二病言葉に戻ってるけど本当にどうしたんだ?

 それに何だかソワソワしてるし。

「あ、あのごめんね?ちょっと緊張しちゃって」

 おぉ、普通に戻った。

「お、おう…何でそんなに緊張してんだ?」

「だ、だって1人でいる瑠樺の所に来たって事は、そういうことでしょ?」

 瑠樺はモジモジし始める。

「どういうこと?」

「も、もう……えっち」

「は?お前さっきから何言ってんの?」

「え?お兄ちゃんは瑠樺にえっちな事をするためにわざわざ来たんじゃないの?」

「え?俺がお前を襲いに来たって?はぁ…お前まで有紗みたいなこと言って……。何で女の子は海でテンション上がったからってそういう方向に持ってこうとすんの?」

「う…うぅ……。じゃ、何しに来たの?」

 瑠樺は恥ずかしいのか声が小さい。

「ん?あぁ、荷物の整理が終わったら1階に集まれってさ。先生からの伝言を伝えようと思って」

「な、なんだ……。瑠樺の勘違いだったんだ…」

 瑠樺は落ち込んでいるのかうずくまっている。

 しょうがない、放っておこう。

「じゃ、1階に来いよ!」

 と言って俺は瑠樺の部屋を出た。

 はぁ……。開始早々こんな調子じゃどうなっちゃうんだ、この合宿は……。

 俺は不安を抱えたまま部屋に戻ったのであった。

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