(完結)閃の軌跡Ⅰ ~鋼の意志 空の翼~   作:アルカンシェル

100 / 156
『閃の軌跡Ⅰ ~鋼の意志 空の翼~』今回で100話に達成しました。
ここまでお付き合いいただきありがとうございました。
未だに閃Ⅰの範囲で100話と先はまだ長いですが、頑張っていくつもりです。


今回、特定キャラ達が一部アンチになっていますが、決してそのキャラを不当に貶めるつもりはありません。
初期のマキアスくらいの気持ちで彼らが今回の失敗を糧にすることを見守って上げてください。


またアンケートに関しては以下の通りになりました。
この結果が必ずしも反映するとは言えませんが、参考にさせていただきます。
御協力ありがとうございました。


(358) リィン・シュバルツァー暗殺計画
(429) なーちゃんの貧乏脱出計画
(143) 非参加




100話 Ⅶ組VS特務支援課

 

「アリサッ! 危ないっ!」

 

 その言葉があの日から耳を離れない。

 ガレリア要塞で人形兵器から自分を庇ってくれたエリオットの声。

 むせかえる程に広がったおびただしい血。

 どんどん冷たくなっていく体。

 あれが死なのだと、当のエリオットはとある奇蹟によって一命を取り戻せたが、アリサの中ではあの凄惨な光景は忘れられなかった。

 否――

 

『アリサッ! 危ないっ!』

 

 あの時のエリオットの言葉に誰かの言葉が重なる。

 

「――――リサさん――」

 

 ――あれは誰だったんだろう……?

 

 思い出せない記憶を反芻しアリサは考え込んで――

 

「アリサさんっ! 危ないっ!」

 

「へっ――?」

 

 現実の声にアリサは我に返ったが遅かった。

 

「隙ありっ!」

 

 エマの叫びとは別に声は背後から、そして同時に後ろから回された手がアリサの胸を鷲掴みにした。

 

「きゃああああああっ!?」

 

「おお、委員長に次ぐ大きさ……先輩の見立ては間違いなかったか……」

 

 悲鳴を上げるアリサを無視して、背中に抱き着いたシャーリィはこれまでガードが固かったアリサの胸を揉みしだき堪能する。

 

「うん、やっぱり触るとなると大きい方がいいなー」

 

「ちょ――やめ……このっ!」

 

「ああ、ついにアリサさんまでシャーリィさんの毒牙に」

 

「ラウラは手合わせの賭けでやられていたよね?」

 

「言うな」

 

「アハハ、僕も混ぜてっ!」

 

「ちょ!? ミリアムッ! ひゃ!?」

 

 何とかシャーリィを振り解こうとするアリサの元に正面からミリアムが突撃する。

 

「何って言うか、ミリアムと同じで簡単に馴染んだな」

 

 姦しくなった女性陣にマキアスはぽつりと呟く。

 

「現役の猟兵が転入してくると聞いた時はフィーのような子が来るとばかり思っていたが、随分と活発な子のようだな」

 

「はは、でもシャーリィさんも猟兵としてスイッチが入った時は怖い所がありますよ」

 

 ガイウスがもみくちゃにされるアリサを微笑ましく見守り、クリスは笑う。

 

「ちょっと男子達見てないでこの子を――いやあっち向いてなさいっ!」

 

 アリサの悲鳴のような指示にユーシスは肩を竦めて回れ右をする。

 

「長くなりそうだから先に行くか。確か今日の夕食の当番はエリオットとラウラだったな」

 

「そうだけどリィンは待たなくて良いの?」

 

「先に帰って構わないと言われていたのだから問題あるまい。アリサも見るなと言っているんだからな」

 

 後ろから聞こえてくる嬌声を全力で聞かないふりをしてユーシスは仲間たちの意見を聞かずに歩き出す。

 

「やめろって言ってるでしょ!? セクハラよっ! セクハラッ!!」

 

「セクハラじゃないよー。スキンシップだってば」

 

「うん……ここにいても僕達にできることはないね」

 

 背後から聞こえてくる二人のやり取りにエリオットは無力な自分を受け入れた。

 

「えっとそれじゃあ僕達は先に帰りますね」

 

 そう言ってクリスは男性陣たちだけで帰路に着く。

 

「あれ……?」

 

 が、校門へと向き直った所で遠目に見える一団に首を傾げた。

 

「どうしたクリス?」

 

「ん……校門に見慣れない一団がいるな。随分と大所帯だがいったい?」

 

「クルト……それに特務支援課のみんな……どうして……」

 

 他の男子達が見慣れない集団に困惑するが、クリスは入学する前にクロスベルで世話になった特務支援課のメンバーたちがいることに困惑する。

 

「もしかして今日の客というのは彼らの事か?」

 

「たぶんそうですね」

 

 ガイウスの疑問にクリスは頷き、特務支援課の輪の中にロイドがいないことに気付く。

 おそらく彼は今学院長室でリィンと対面しているのだろう。

 そして街の喫茶店などで待っていない理由を察してクリスは声を掛ける。

 

「クルト!」

 

「――っ? で――クリス?」

 

 仲間たちと話していたクルトは呼ばれた声に振り返る。

 

「久しぶりだねクルト、それに特務支援課の皆さん……

 ノエルさんとワジさんも特務支援課に参加したとは聞いていましたが、ツァイトも連れてきたんですか?」

 

 近付くまで気付かなかったが、警察犬として登録されている神狼までいることに目を丸くする。

 

「ええ、出張が決まったら自分も行くと言い出してしまって」

 

 クリスの疑問にティオが疲れたように答える。

 

「元気そうで安心しました。どうやら充実な学院生活を送れているようです――送れているみたいだな」

 

「まあね……

 みんな紹介するよ。彼らはクロスベル警察特務支援課という部署で働いている警察官だ」

 

「クロスベルの警察!? まさかリィンの客って――クロスベルで何かやらかしたのかあいつは!?」

 

 警察と聞いてマキアスは驚愕して叫ぶ。

 

「あ、いえ……そうじゃなくてですね。通商会議でのリィン君の尽力についての感謝の意を伝えるための訪問です」

 

 驚くマキアスにエリィがすかさず訂正を入れる。

 

「あ、ああ。そういう理由ですか」

 

 ほっと安堵の息を吐いて――

 

「あれーランディ兄がいる?」

 

 クリス達の背後からシャーリィの呑気な声が響いた。

 

「なっ!?」

 

「《赤い星座》の――どうしてここに!?」

 

「シャーリィッ! 何でお前がここにいやがるっ!」

 

 絶句するノエルにいつでも動けるように拳を固めるワジ。

 そしてランディが激昂して問い質す。

 

「どうしてって……そんなのここに通ってるからに決まってるじゃない」

 

 絶句するノエルと剣呑な眼差しを向けて警戒するワジにシャーリィは軽い調子で答える。

 

「通ってるって……お前が……ここに!? リィンの奴はそんなこと一言も言ってなかったぞ!」

 

「何でリィンがランディ兄にそんなこといちいち報告しなくちゃいけないのさ?」

 

 二人の言葉がすれ違う。

 ずっと以前から、それこそ四月からシャーリィがトールズの学生として過ごしていたとランディは想像し、シャーリィはつい最近の近況報告のつもりで答える。

 

「リィンとクリスのボディガードを受けてシャーリィだけこの学院に通うことになっただけだよ……

 これはちゃんとしたビジネスなんだからランディ兄に口出しされることじゃないよ」

 

「護衛だと……」

 

 《赤い星座》から最も縁遠い言葉にランディは顔をしかめ、シャーリィでは意味がないとクリスに向き直る。

 

「おいクリス。こんな猛獣を傍に置いておくなんて正気か!?」

 

「ランディさん?」

 

「こいつがクロスベルで何をしたか知ってるのか!?」

 

「え……ええ、リィンさんと協力して《帝国解放戦線》を撃退したんですよね?」

 

「撃退なんて生易しいものではありません。あれは虐殺でした」

 

「……虐殺」

 

 その時のことを思い出して蒼褪めたティオの呟きにエリオットが顔をしかめる。

 その言葉を聞いて思い出すのはガレリア要塞で《帝国解放戦線》の襲撃。

 一方的ではなかったものの、多くの犠牲者が生まれた凄惨な光景はまだ記憶に新しい。

 

「悪いことは言わねえ。こんな奴学院から追い出すべきだ」

 

 苦虫を噛み潰したような顔でランディがそう提案する。

 その言葉を特務支援課一同は窘めることはせず、シャーリィへの警戒心を強める。

 が、それとは対照的にⅦ組一同はそんな特務支援課一同に顔をしかめる。

 

「…………クルト、まさか君もランディさんと同じ意見なのかい?」

 

「ああ、彼女は君の傍にいるには相応しくないと僕も思う」

 

 クリスの質問にクルトは頷く。

 次期皇帝になるクリスの近くにいるにはどんな悪影響があるか分かったものではない。

 友として、守護役としての観点からも血生臭い現役の猟兵であるシャーリィがクリスの隣に当たり前のように立っていることに嫌悪感が拭えない。

 

「ふん、黙って聞いていれば随分と勝手なことを言ってくれる」

 

 そんなランディ達の善意からの言葉をユーシスが否定する。

 

「それが属州国の人間たちのやり方か? クリスやリィンから聞いていた特務支援課とやらは聞いていた程の存在ではなく程度の低い人間だったようだ」

 

「っ!?」

 

「言ってくれるじゃないか。僕達の何が程度が低いって言うのさ?」

 

 痛烈な言葉にエリィは面を喰らい、ワジが挑発的な言葉を返す。

 

「俺にはお前達が自分達の無能を棚に上げてオルランドがしたことを必死に下げようとしているようにしか聞こえないが?」

 

 その眼差しを怯まずに受け止め、ガイウスがユーシスに代わって応える。

 

「それは貴方達がその子の本性を知らないからです」

 

 ノエルの言葉にⅦ組一同はシャーリィを見る。

 

「シャーリィの本性……」

 

「変態」

 

「おっぱい魔人」

 

「人喰い虎」

 

「狂戦士」

 

「えっと……ノーコメントで」

 

「いやー照れるなー」

 

 容赦のないⅦ組からの評価にシャーリィは照れる。

 そんなシャーリィにラウラは苦笑を浮かべてクルト達に向き直る。

 

「そちらの善意による忠告は理解した……その上で大きなお世話だと言わせてもらおう」

 

「なっ!?」

 

「確かに私たちはまだ会ったばかり、リィンとクリスと比べればシャーリィのことを知っているわけではない……

 だが猟兵だからと言う理由だけで彼女のことを不当に蔑むつもりはない」

 

「ま、わたしも元は付くけど猟兵だしね」

 

 ラウラの宣言にフィーが頷き、クリスも続く。

 

「クルト、それに皆さん……心配してくれる気持ちはありがたいですが、僕たちはシャーリィさんがそういう人間だって言うことは一応知っているつもりです……

 僕達が聞いたクロスベルでの出来事も実際には少し違うのかもしれないけど、僕たちは前向きにシャーリィさんを受け入れるつもりだよ」

 

「クリス……」

 

 突き放された言葉にクルトは何とも言い難い表情をする。

 

「って言うかユーシスが言った通り、シャーリィやリィンが頑張ったのはお兄さんたち、クロスベルの警察があまりにも不甲斐なかったからでしょ?

 各国首脳陣が集まる会議を襲撃したんだよね? 問答無用で銃殺して何が悪いの?」

 

「それにガレリア要塞であいつらがしたことを考えれば自業自得よ」

 

 ミリアムとアリサは後になって聞いた《帝国解放戦線》の二面作戦を思い出して指摘する。

 

「だからって――」

 

「あんな奴等死んで当然だ。だってあいつらは……あいつらは……」

 

 言い返そうとしたエリィの言葉を遮ってそれまで黙っていたエリオットが口を開いた。

 その言葉は最後まで紡がれず、それでも詰まらせた言葉の重く、その場にいる一同の口を噤ませるだけの闇があった。

 

「――――ちっ……リィンやクリスのクラスメイトだからって期待していたが、どうやら典型的な帝国人だったみたいだな」

 

「むっ……何だその言い方は?」

 

 ランディの舌打ち交じりの捨て台詞にマキアスが噛みつく。

 

「やめておけ、マキアス。こんな自分達が被害者であることをひけらかしている属州国の人間に何を言っても無駄だ」

 

 が、詰め寄ろうとする前にその肩をユーシスが押さえる。

 

「聞き捨てなりませんね」

 

 ユーシスの言葉にティオは眦を上げる。

 

「事実であろう? 場も弁えずに独立すると言い出したディーター・クロイツを未だに市長にさせている恥知らずな自治州の人間らしい傲慢さだと言っている」

 

「傲慢さで帝国人にとやかく言われたくありません」

 

 売り言葉に買い言葉。

 口調はどんどん強く、相手を責める様なものへと互いに変わっていく。

 まるで何かに背中を押されるように二つの陣営は険悪に睨み合い、言論をヒートアップしていく。

 

『やれやれ』

 

 その存在はそんな人間たちの頭に血が昇ったやり取りにため息を吐くように肩を竦め――

 

「ウォンッ!」

 

 力を声に乗せて吠える。

 

「え……?」

 

「む……?」

 

 狼の一声で急激に頭が冷えた一同はバツが悪そうに互いに距離を取り――その空いたスペースにⅦ組の足元を抜けて閃光弾が転がった。

 次の瞬間、それはその役目通り目を眩ませる閃光を放って爆発した。

 

「くっ――」

 

「こんなところで閃光弾だと!? いったい誰が!?」

 

 一様に閃光から目を守る二つの陣営が耳にしたのは彼の声。

 

「二の型《疾風・打》」

 

 次の瞬間、総勢その場にいる者たちは男女平等に拳骨が降り注いだ。

 

「何をしているんだみんな……?」

 

 全員が倒れ伏した中でリィンが怒っていますと言わんばかりに、頭を押さえて蹲る彼、彼女たちを見下ろした。

 

 

 

 

 

「何をやってるんだみんな……」

 

 一人、アリオスと一緒に学院長室に赴いてリィンと会っていたロイドはリィンに遅れて校門に着いて説教を受けていた仲間たちに頭を抱えた。

 

「悪い、ロイド……シャーリィの顔を見たら頭に血が昇っちまった」

 

「ランディはそうかもしれないけど、他のみんなはどうして?」

 

「すいません。ランディ先輩と一緒で完全に頭に血が昇っていました」

 

「はは、売られた喧嘩は買うに決まってるじゃないか」

 

 恐縮して頭を下げるノエル達に対してワジは悪びれた様子もなく笑う。

 

「もう大半の生徒達が下校したからよかったものの、誰かに聞かれていたら大問題だったんだぞ」

 

「ごめんなさい」

 

 珍しいロイドからのきついお叱りの言葉にエリィは穴があったら入りたい気持ちで頭を下げる。

 交渉事は支援課の中で自分の担当なのに、感情だけで喋っていたことに猛省する。

 

「ですが、ロイドさん。ランディさんの前でこんなこと言っていいか分かりませんが、あのシャーリィ・オルランドが帝国の高等学校に通うなんてトラブルの予感しかしません」

 

「そうかもしれないけど、俺達が口を挟んで良いことじゃないだろ」

 

 謝ってはいるものの自分達は間違っていないと主張する仲間たちにロイドは途方に暮れる。

 

「それにしては軽率なことをしたな」

 

「アリオスさん」

 

 そんなロイドを見兼ねてアリオスが口を挟む。

 

「クロスベルの市民に認められたから帝国でも通じると増長したか? お前らの知名度などクロスベルを出れば意味のないものだ」

 

 ぐうの音も出ない正論にランディ達だけではなくロイドまで黙り込む。

 

「それでどうするつもりだ? お前達は不当にこの学院の生徒を批判したんだ。この落とし前をどうつけるつもりだ?」

 

「それは……」

 

「お前達がクロスベルで横柄に振る舞っている帝国人や共和国人に良い感情を持っていないのは分かる……

 だがここでは、逆にお前達の振る舞いが帝国にクロスベルの人間はこうなのだと印象付けることになる。振る舞いにはくれぐれも気を付ける事だな」

 

「アリオスさん」

 

「リィンか、そちらの話は終わったのか?」

 

「ええ、何とか落ち着かせることができました」

 

「そうか、すまないな。礼を言いに来たはずがこんなことになってしまって」

 

「いえ、本来なら警察に任せるべきことを俺が出しゃばって動いてしまったことが原因ですから……

 ただ通商会議の時、みんなはガレリア要塞にいて《帝国解放戦線》の襲撃に巻き込まれたんです。エリオットはそこで家族を殺されていたから……」

 

「なるほど、《帝国解放戦線》への虐殺をやり過ぎだと批難したこいつらと対立するわけだ」

 

 ぐさりと《帝国解放戦線》を擁護していた特務支援課の胸にリィンの言葉が矢になって突き刺さる。

 

「ねえ私達……」

 

「そうですね。別の場所で虐殺していた組織を擁護し、あまつさえ肉親を殺された人にそれを言う……

 どう考えてもわたし達の方がやらかしてしまいました」

 

 ティオの言葉にエリィたちはさらに項垂れる。

 

「気にしなくて良いですよ。皆さんは警察なんですからむしろ殺人を肯定してはいけない立場でしょう……

 警察や遊撃士が猟兵や俺とは相いれない存在だと言うことはちゃんと分かっていますから」

 

 嫌な顔せずに自分達のフォローをしてくれたリィンに一同はさらに居たたまれなくなる。

 

「聞いたな? これが大人の対応だ」

 

 年下の学生を引き合いにした容赦のないアリオスの指摘に特務支援課はぐうの音も出なかった。

 

「いえ、そんな風に持ち上げられても困ります……

 ところでロイドさん、この後時間はありますか?」

 

「え……? ああ、今日は帝都のホテルに宿を取ってあるから大丈夫だけど」

 

「なら折角なのでⅦ組のみんなと特務支援課の皆さんで手合わせをしてもらえませんか?」

 

「え……何を言ってるんだ? さっき俺達は――」

 

「ここで別れても禍根だけが残って、みんなにクロスベル人に対する悪印象を残すだけですよ……

 ならいっそ、ちゃんとぶつかってみたらどうですか? 他のみんなは初対面でもシャーリィに言いたい事があるんですよね?」

 

「それは……」

 

「クルト、あれから半年……中間報告をするには良い機会なんじゃないかな?」

 

「あ……」

 

 リィンの言葉にクルトは思わずクリスの方を向いてしまう。

 

「………………あのリィンさん、Ⅶ組の皆さんが凄く殺気立った目で僕達を見ているんですけど……」

 

「大丈夫だ。さっきの言い争いが原因じゃなくて、特務支援課のみんなと戦った時は《鬼の力》を使わされたって少し煽っただけだから」

 

「リィンさんっ!?」

 

 クルトが挙げる悲鳴に、はははと軽い調子で笑うリィンにアリオスは兄弟子に似て来たなと思うのであった。

 

 

 

 

 突如として始まったⅦ組と特務支援課のサバイバル戦。

 障害物を作ったが、“エイオンシステム”を持ち感応能力の高いティオが戦術リンクの繋がりを察知できるため先手の有利を取る。

 かと思いきや、ティオの感知能力を知っているクリスが障害物の上から単独で先行して強襲を掛けた。

 

「カラミティホークッ!」

 

 雷を纏った雷槍の投擲がまだ戦術リンクが遠いと油断していた特務支援課のど真ん中に穿たれ、共に投げ込んだリヴァルトが竜巻を作って支援課を分断する。

 

「あははっ!

 クリスなんかにしてやられるなんて本当に鈍ったんじゃないランディ兄!?」

 

 孤立したランディに戦術リンクを切り変えて単騎となったシャーリィがテスタ=ロッサを唸らせて斬りかかる。

 

「シャーリィ……テメエの仕込みか?」

 

「残念、ランディ兄と一対一がやりたいって言っただけで後はクリスがお膳立てしてくれたからシャーリィは作戦に口出ししてないよ」

 

「ちっ――少し見ない間にえげつない戦い方を覚えやがって」

 

 ここにはいないクリスに向かってランディは思わず毒づく。

 

「それにしてもランディ兄、相変わらずそのハルバード……ベルゼルガーなしでシャーリィに勝てると思ってるの?」

 

「は、抜かせ小娘」

 

 そうランディは不満そうなシャーリィを鼻で笑い、くるりと身を翻すとまるで手品のようにスタンハルバードをブレードライフルに持ち替える。

 

「ちゃんとこいつも持って来てるぜ」

 

「アハッ! 何それ!? いつのまにそんな手品覚えたの!?」

 

「それは聞くな」

 

 満面の笑顔で喜ぶシャーリィにランディは真剣な顔でそう答える。

 

「それにしても意外だな。戦場じゃないこんなお遊びにお前が付き合うとは思ってなかったぜ」

 

「ああ……うん、まあ今回のいざこざはシャーリィが原因って言うのもあるからね」

 

 ランディの問いにシャーリィは歯切れの悪い言葉で頷く。

 その姿にランディは強烈な違和感を覚えた。

 

「なんだよ……らしくねえな」

 

 訝しむランディにシャーリィは戸惑ったように、何かを持て余しているように頷く。

 

「それはわたしも分かってるけどさ……

 シャーリィは猟兵で死神で、雇い主にだって疎まれる存在なのが当たり前……

 なのにさユーシスとかラウラは当たり前みたいに仲間って言ってくれてさ……」

 

 ううん、と首を悩ましく傾げながらもシャーリィはにへらとだらしのない笑みを浮かべてテスタ=ロッサをベルゼルガーへ叩き込む。

 

「何かよく分からないけど、それに応えたくなっちゃたんだよね!!」

 

「くっ――」

 

 いっそう強く打ち込まれた斬撃にランディは顔をしかめる。

 

「《テスタ=ロッサ》を完全に使いこなしやがったかっ!」

 

「くす、ランディ兄に教わってた頃のシャーリィじゃないんだってば。わっかんないかなァ、そこんとこ!」

 

「くそっ! 前言撤回だ! お前はやっぱり“人喰い虎”だっ!」

 

「あはは! そんなの今更じゃないっ! それじゃあイッちゃえええええええ!」

 

 凶悪な二つの武器が激しくぶつかり合い、余人が立ち入ることができない戦いとなる。

 

 

 

 

「クルト・ヴァンダールだな」

 

「ええ、そういう貴方は?」

 

 竜巻を背にクルトは冷静に聞き返す。

 隣にはワジがいるが、他のメンバーの姿はない。

 分断されてしまったことにクルトはクリスの奇襲を防げなかった自分を恥じる。

 

「俺の名はガイウス・ウォーゼル。ノルドからこの士官学院に留学している……

 ロラン・ヴァンダールが使っていた双剣術には以前から興味があった。手合わせ願おう」

 

「まさか彼のヴァンダールの子息がクロスベルに家出をしていたとはな」

 

 ガイウスに並び立つのはユーシス・アルバレア。

 

「やれやれ、このメンバーっていうかクルトのところにはクリスが来ると思っていたんだけど当てが外れたな」

 

 ワジは背後の風の壁を振り返って肩を竦める。

 

「そのクリスから伝言だ。『クルト、君と戦うのは二年後だから、今日はⅦ組として勝つことを優先させてもらう』と」

 

「…………それは本当にクリスの言葉なんですか?」

 

「ああ、女神と風に誓って嘘偽りはない」

 

 真っ直ぐに頷くガイウスにクルトはクリスとここで戦うことのだと意気込んでいただけに、目の前にガイウスとユーシスが現れて落胆を感じていた。

 

「…………はは、やってくれる」

 

「クルト、大丈夫かい?」

 

「ええ、問題ありません」

 

 ワジの言葉にクルトは気持ちを切り替えて頷く、落胆を感じながらクリスの思惑を肯定している自分を素直に受け入れる。

 しかし――

 

「ワジさん、俺はクリスに舐められているみたいですね」

 

「ああ、そうだね。それじゃあどうする?」

 

 この場では戦わない。

 だがこれは七対七のサバイバル戦。

 当然、目の前の敵を倒せば、次の敵と戦い、制限時間が許す限り最後の一人になるまで戦う。

 クリスはこの中でクルトとは戦わないと言って別の誰かと戦いに行った。

 つまりはガイウスとユーシスのコンビにクルトが負けると判断したのだろう。

 

「悪いですが、これ以上貴方達の思い通りにはさせません」

 

 そう言ってクルトは剣帯から奇妙な導力器を両手に取る。

 見た目は長めの筒。

 側面のスイッチを入れることでクルトの身の丈程の導力の刃が筒の先に顕現する。

 

「魔導杖の剣タイプか……」

 

「ふむ……初めて見るが相手にとって不足はない」

 

「やれやれ、僕としてはもう少し肩の力を抜いて遊びたいんだけどな」

 

 真面目な人間しかいない空気にワジは耐え切れず、やる気がなさそうに肩を竦めた。

 

 

 

 

「くっ――」

 

 土塊の障害物から半身を出してアーツを連射する。

 返答はマシンガンの掃射。

 咄嗟に隠れた土の壁に弾丸が降り注ぐ衝撃を背中越しにエリオットは感じて息を荒くする。。

 

「うーん、近付けそうにないねー」

 

「そんな呑気なこと言ってないでミリアムも真面目にやってよっ!」

 

「そう言われてもなー。ボクアーツは苦手だし――あっ、がーちゃんっ!」

 

 土塊によじ登って頭を出したミリアムが見たのは、同じく土塊の障害物によじ登って魔導杖を構えるティオの姿。

 駆動の光を纏うティオの姿にミリアムは素早く土塊から降りてエリオットの首根っこを掴んで“アガートラム”を呼んで飛び乗る。

 

「え――なあっ!?」

 

「いっけぇがーちゃん! 突撃っ!」

 

 エリオットの悲鳴を引き連れて、火球が降り注いでミリアムたちが隠れていた土塊が爆散する。

 

「来ますっ!」

 

 その爆発を背後に突撃して来る奇妙な傀儡にノエルは慌てずに両手のサブマシンガンを照準して引き金を引く。

 が、銃弾はバリアに阻まれる。

 

「ノエルさん下がってっ!」

 

 ティオは新たな導力魔法の駆動を中断して叫ぶ。

 

「とりゃー!」

 

 気の抜ける号令に合わせ、“アガートラム”はティオの足場を殴る。

 大きく傾いた土塊にティオは空中に放り出される。

 

「もらったっ!」

 

「させませんっ!」

 

 追撃しようとする“アガートラム”にノエルはサブマシンガンをスタンハルバードに持ち替えて横撃する。

 

「くっ――このっ!」

 

 無理矢理引っ張られて来たエリオットは体勢を立て直し、ノエルに向けて魔導杖から水泡を飛ばす。

 

「っ――」

 

 ノエルは咄嗟に身を翻し、スタンハルバードを一閃して水泡を弾くと、それを手放して両手にグレネードを持つ。

 撃ち出したのは炸裂系の弾頭ではなく、暴徒鎮圧用の電磁ネット。

 “アガートラム”とエリオットに向けて同時に撃ったそれは、それぞれの頭から覆い被さり、接触と同時に電気ショックを与える。

 

「がーちゃんにそんなの効かないよ!」

 

 ミリアムは構わず“アガートラム”を操り電磁ネットを引きちぎる。

 

「ぎゃっ!?」

 

 対してエリオットはそれを正面から受けて倒れる。

 

「あらら、やられちゃった」

 

「これで二体一ですっ!」

 

「っ――まだだっ!」

 

 痺れる体をエリオットは無理矢理動かし、魔導杖に新たに追加した機能を起動する。

 杖の柄が短く収縮され、杖の先端から導力の刃が形成される。エリオットはそれを使って無理矢理ネットを切り裂いて脱出する。

 

「あれはティオちゃんのビームザンバー!?」

 

「不思議ではないでしょう。あれはエプスタイン財団から市販されているシステムですから……

 ノエルさん、紅毛のあの人はわたしに任せてください」

 

「了解しましたっ!」

 

「いっくよーっ!」

 

 ノエルはスタンハルバードを、ミリアムは“アガートラム”を嗾けるようにして殴り合いを始める。

 

「エイオンシステム起動――エニグマ駆動……」

 

「っ…………《ARCUS》駆動っ!」

 

 痺れる体に喝を入れて立ち上がったエリオットは歯を食いしばって導力魔法を駆動する。

 少年と少女は足を止めて導力魔法の撃ち合いを始めた。

 

 

 

 

「――腕を上げたみたいだなクリスッ!」

 

 二本の何の変哲もない短剣と二つのトンファーが噛み合って押し合う中でロイドはクリスに声を掛ける。

 

「はい、あれから半年。それなりの修羅場をくぐって来ましたから」

 

「それなら俺達もだっ!」

 

 ロイドはナイフを腕ごと弾く。

 が、弾く勢いに逆らわずに体を入れ替えたクリスはその衝撃を受け止めて、弾いたナイフは戻って来てロイドを襲う。

 

「くっ――これ程のナイフの腕前だったとは、流石は未来の皇帝と言うべきか?」

 

「無理に褒めなくて良いですよ。所詮ただ使っているだけの二流止まりの技ですから」

 

「そんな謙遜は――」

 

 しなくていいという言葉は呑み込まされた。

 間断なく責めてくる二つのナイフ。

 手首をうまく使い変幻自在の軌道で狙って来る様は堂に張っていてとてもではないが二流の技とは思えない。

 

 ――いや、確かにヨシュアと比べればまだ分かりやすいかもしれないが……

 

「どうしましたロイドさん? その程度ですか?」

 

 クリスの攻めが途切れ、代わりに言葉をぶつけられる。

 

「買い被りすぎだ……特務支援課の中で俺はそこまで強い方じゃない」

 

 むしろ単純な戦闘力では後ろから数えた方が良いのではないかとロイドは自嘲する。

 ベルゼルガーを使う事を躊躇わなくなったランディは言うに及ばず、警備隊のノエルと正面から何度か手合わせしたことがあるが勝率は芳しくない。

 ワジは手合わせをしようともしないが、何か奥の手を持っている感じがする。

 体力面では流石にエリィやティオに勝てるが、彼女たちには正確無比な射撃と大規模なアーツ攻撃はロイドには真似できない。

 そしてクルトに至ってはランディに迫る実力を身に着けている。

 

「…………何ですかそれは?」

 

 そんなロイドの自嘲にクリスは顔を歪めた。

 

「強くないって自覚があるならそんな顔をする前にやることがあるでしょうっ!」

 

 左右からのナイフをトンファーで防がせ、クリスはロイドの腹に前蹴りを叩き込む。

 

「がっ!」

 

「ロイド――っ!」

 

 仰け反って倒れるロイドを援護しようと後方からエリィが銃を構えるが、アリサの矢がそれを阻む。

 

「ロイドさん……僕は前から貴方に聞きたいことがあります」

 

「クリス……」

 

「今のクロスベルの空気、あれはいったい何ですか?」

 

「それは……」

 

「独立したい? ええ、その気持ちは分かります……

 二つの大国に挟まれていることでクロスベルに多くの不自由があることは、白々しく聞こえるかもしれませんが僕も心を痛めています」

 

「……いや……君にそう言ってもらえるのは――」

 

「だけど! 今のクロスベルに流れている噂は何ですか!?」

 

 ロイドの言葉を遮ってクリスは叫ぶ。

 導力ネットや取り寄せたクロスベルタイムズのリィン・シュバルツァーの特集。

 ギリアス・オズボーンの隠し子だったこと。

 通商会議でのクロスベル上空で起きた大きな爆発はやらせであり、教団事件のことに遡って悪し様な噂が好き勝手に流れている。

 

「ロイドさん、今日はクロスベルの代表としてリィンさんに御礼を言いに来たそうですね?」

 

「……ああ」

 

「ならロイドさん自身はリィンさんに御礼を言ったんですよね」

 

「それは……」

 

 思わすロイドはクリスから目を逸らす。

 その反応にクリスは余計に抑え込んでいた憤りを爆発させる。

 

「っ――それが恩人に対する仕打ちなんですか!?

 それが貴方達がいつも言っていたクロスベルの“誇り”なのか!?」

 

「っ――俺だってありがとうって言いたかったさっ!」

 

 侮蔑の言葉にロイドは叫び返す。

 

「だけど……どうしても悔しくて……」

 

 ロイドはこれまでの事件を思い出して歯を食いしばる。

 教団事件、通商会議の襲撃。

 どちらもリィンがいてくれたから被害は最小限に留められ、クロスベルは救われた。

 教団事件に至ってはその功績を特務支援課に譲ってくれる始末。

 

「あの時何もできなかった自分が惨めで……

 警察学校で習ったことなんて何の役にも立たなくて俺がして来た努力は何だったんだって、思ったら俺は何も言えなかった」

 

 リィンが譲ってくれた功績のおかげでクロスベルの特務支援課の見る目は大きく変わった。

 だがその事を理由に“英雄”のように持ち上げられる度に後ろ暗い感情が胸にざわめく。

 せめて成人している大人として役目を果たすことはできたが、どうしてもロイドはリィンの顔を直視できなかった。

 

「正直、羨ましいと思ったよ……

 俺にも《鬼の力》や《騎神》があればリィン君に頼ったりしないでクロスベルを守れたんじゃないかって何度も思った」

 

 特務支援課として様々な事件を解決して少しは憧れの背中に追い付けたかと思っていた自負も、リィンの活躍によって自分の至らなさを思い知らされる。

 

「幻滅しただろ? 俺は恩人に向かって浅ましい嫉妬をしている馬鹿な男だったんだ」

 

「…………馬鹿になんてしませんよ」

 

 クリスは二つのナイフを捨て、リィンに頼み込んでこの模擬戦に持ち込んだ魔剣を抜く。 

 

「他人の才能が羨ましい。自分の不甲斐なさが恨めしい。だけど周りには良い顔をしないといけない……その気持ちは僕も良く分かります」

 

「クリス……」

 

「結局、僕達のように才能がない人間ができることなんてせいぜい夢を見て“諦めない”ことくらいしかないんですよ」

 

「君は……本当にこの半年で見違えるほどに成長したみたいだな」

 

 クリスが特務支援課にいた時は自分に自信を持てない子供だった。

 しかし、今はどうだろう。

 相応の自信を身に着けた少年にロイドは自分以上の成長を感じずにはいられない。

 

「だけど“諦めない”か……ああ、そうだったな。俺にできることはその程度だった」

 

 そしてクリスの言葉が胸に落ちたように心地を得る。

 

「クルト共々あの場に足踏みしているならそれで構いません。ただ今日、僕は貴方達を倒してもう一段上に行かせてもらいます」

 

「はは、生意気さも成長したみたいだな……だけど、そう簡単に負けるつもりはない」

 

 ロイドは呼吸を整え、気合いを入れ直す。

 

 ――この戦いが終わったら、ちゃんとリィン君にこれまでの御礼を言おう……

 

 そう決意をしてロイドは――

 

「エイドロンギア召喚っ!」

 

「ガーちゃん! アルカディスギアッ!」

 

「うん?」

 

「え……?」

 

 戦場に二つの声が響いたかと思うと、空中に無数の爆発が起きる。

 

「いっくよーっ!」

 

「スラスター射出」

 

 白い鎧をまとって殴り掛かるミリアムを射出スラスターでティオは迎撃する。

 

「ビットミサイル発射」

 

「なんのガーちゃんビームッ!」

 

 無数のミサイルが光線に薙ぎ払われて更に空を彩る。

 

「エーテルバスター改――」

 

 ティオが大型の導力砲のエネルギーをチャージして――

 

「ギャラクシーカノン――」

 

 ミリアムは白い鎧を纏ったまま両手を合わせてそれを砲に見立てて掌にエネルギーを収束させる。

 

「――ファイアッ!!」

 

「――発射ぁっ!」

 

 二つの野太い導力砲の光線が空中でぶつかり合い、せめぎ合って膨張して爆発する。

 結界に閉ざされたその空間をその衝撃は遍く蹂躙して、撃ち合った二人も含め全てを蹂躙するのだった。

 

 

 

 

 

 9月22日水曜日。

 ロイド達との戦いが終わったその日の夜。消灯時間が迫る刻限にリィンの部屋に珍しい来訪者が訪れた。

 

「リィン……ちょっと良いかしら?」

 

「アリサ? どうしたんだ珍しいな?」

 

「うん、ちょっと思い出したことがあって誰かに話しを聞いて欲しくて」

 

「俺で良いのか?」

 

「ええ……まあ正直誰でも良かったんだけど……こう言ったらリィンに失礼なのは分かってはいるんだけど」

 

「いや、構わないよ。それで何を話したいんだ?」

 

「…………前にリィンには父様が亡くなったことは話したわよね?」

 

「ああ……」

 

「私は事故だって聞かされていた。私もずっとそうだって思っていた……

 だけど違った……私思い出したの……父様は私の目の前で“誰か”に殺されたってことを」

 

 そう告白したアリサの目には暗い光が宿っていた。

 

 

 





特務支援課のやらかしはあくまでシャーリィとの因縁が暴走した結果です。
もう少し時間が経っていればもう少しマシな対応ができたでしょう。
またクロスベル組にとっては初めての帝国ということで緊張によるストレスもあったのでしょう。
クロスベルの代表として完全にアウトな行動ですが、創ではいつの間にかクロスベル組に全面協力しているⅦ組に違和感があったので一度ぶつけてみました。


そう言えば創の軌跡の前情報だと、帝国組は鉄血宰相がいなくなったこと、また機甲兵の運用問題に焦点を当てた話になるはずだったような……
そこら辺触れてましたっけ?




復讐同盟
アリサ
「よ、よろしく」

エリオット
「あ……あはは……」

フィー
「ウェルカム」

マキアス
「おおおお……胃が……胃が……」

クリス
「どちらかと言えばマキアスもそっち側だよね」

シャーリィ
「何か面白くなってきたねっ!」






帰路の列車内
ロイド
「みんな、帰ったらとりあえず始末書を提出してもらうからな」

エリィ
「はい……」

ノエル
「ああ、こんなことがソーニャ司令に知られたら……ガクガク」

アリオス
「だがいい経験だっただろう。仕合を含め、後の食事会も含めて」

ティオ
「ええ、どうやらⅦ組の皆さんも良い人達だったみたいで、だからこそ申し訳ないと言うか」

ワジ
「ま、そこら辺は結局どこに行っても良い人と悪い人がいるってことだね」

ランディ
「しかしあの猛獣が帝国のエリート学校になぁ……コネ入学なんだろうが未だに信じられねえ」

クルト
「それは同感です。そういえば来月には学院祭があるらしいですね」

ランディ
「へえ、あいつらは何をやるんだ?」

クルト
「どうやら講堂を使ってのミニコンサートをするそうです……
 ああ、そういえばティオさんが興味を示しそうな出し物もあるみたいです。たしか……『みっしぃたたき』」

ティオ
「やはり帝国は悪です!」

ツァイト
『…………やれやれ、それにしてもナユタか……ううむ』




  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。