(完結)閃の軌跡Ⅰ ~鋼の意志 空の翼~   作:アルカンシェル

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47話 対話

 

 7月18日、日曜日の夕方。

 部活動などに勤しんでいた生徒達が帰路に着く時分。

 とある理由でその生徒達が騒然としている中、リィン・シュバルツァーはクリスとシュミット博士たちと旧校舎の地下にいた。

 目的はそのある理由のほとぼりが冷めるまでの避難。

 真っ先に旧校舎が疑われて追手が訪ねて来たが、それはエリカ博士にうまく対応してもらった。

 もっとも旧校舎のシステムを掌握しているリィンが地下構造を操作して入り口を塞げば全く問題なかったりするのだが、彼女たちには学院中を駆け回って疲弊してもらうことにする。

 例え、相手に皇女がいたとしてもリィンはそうすることに一片も躊躇いはなかった。

 

「うむ、いよいよじゃな」

 

 最奥、《灰の騎神》が安置されていた場所を前にラッセル博士は嬉しそうに呟く。

 その輪の中に来ると思っていたエマの姿はない。

 どうやら他の人達に《魔女》だと明かすことを割り切れていないようなので立ち会いは部屋の隅にさり気なくいるセリーヌ越しだった。

 

「リィンさん、早く早く」

 

「ああ、今行く」

 

 ティータに急かされリィンは前へと進み出る。

 最初にここに来た時に安置されていた《灰の騎神》はリンの力により霊脈から造られたゼムリアストーンの塊に覆い尽くされた。

 最初は輝きを宿していたのだが、今では内包する力を使い切ってしまったせいなのか輝きはない。

 

「さて……」

 

 そのゼムリアストーンだったものにリィンが触れれば、その慣れ果ては崩れ落ちて中から《灰の騎神》が完全な形で目を覚ます。

 臆することはないのだが、強いて上げるとすれば果たして彼が自分のことを正式に《起動者》と認めるかどうかがリィンには分からなかった。

 

 ――繋がっている感覚はある。だけどそれはリンが作ってくれた繋がりだからな……

 

 やはり正式な試練を乗り越えていないことが懸念である。

 出来る事ならこの時までに第六層全てを攻略し直しておくつもりだったのだが、忙しくてできなかったのだ。

 

「まあ、なる様になるか」

 

 最悪、《騎神》と一対一で戦うことを考えながらリィンはゼムリアストーンに触れる。

 それを合図にするように大岩に亀裂が走る。

 音を立てて砕け、岩はまるで砂になるかのように細かく崩れ落ちて行き、足元の地脈へと吸収されていく。

 そして、その崩れていくゼムリアストーンの中から膝を着いた状態の《灰》が現れる。

 

「おおっ! これがティータが言っておった《灰の騎神》か!」

 

「帝国に伝わる巨大な騎士の伝承……その正体……」

 

 ラッセル博士が歓声を上げ、クリスは感激に体を震わせる。

 

「ヴァリマール。俺が分かるか?」

 

 背後の声に苦笑を覚えながらリィンは《灰》に声を掛ける。

 

『ウム……今代ノ起動者、りぃん・しゅばるつぁー』

 

「喋ったっ!? って戦術殻も話すようになったからおかしくはないか」

 

 ヴァリマールの返事にクリスは驚くが、すぐに大したことではなかったと割り切る。

 その呟きの内容にリィンは再び苦笑しながらヴァリマールとの対話を続ける。

 

「俺を《起動者》として認めてくれるのか?」

 

『ウム……繋ガリハ確カニアル……シカシ……』

 

 言い淀むヴァリマールにリィンは首を傾げる。

 

「不満があるなら何でも言ってくれ、正規の試練をやり直せって言うならそれに従うつもりだ」

 

『イヤ、ソウデハナイ……ソコニイル存在ハ我ラの母ナノカ?』

 

「え……? わたしのこと?」

 

 ヴァリマールの視線を感じてノイが困惑しながらリィンの後ろに怯えたように隠れる。

 

「ああ、そうだな」

 

 ノイを背中に感じながらリィンはヴァリマールの言葉を肯定する。

 

「彼女はノイ……本体は高位次元に封印されたままだけど、意志だけをここに繋いでいる《鋼の至宝》の意志だ」

 

『鋼ノ至宝……』

 

「ヴァリマール……?」

 

『記憶データニ破損ヲ確認……《鋼ノ至宝》ニ関スルデータヲ読ミ取リニ失敗」

 

「データの破損……ヴァリマール。俺と一緒に戦ったことは覚えているか?」

 

『肯定……湖畔ノ地ニテ影ヲ使イ五人ノ戦士ト戦闘、敗北シタ』

 

「《影の国》の戦いは?」

 

『該当スル記憶ハ存在シナイ』

 

 ヴァリマールに《影の国》での記憶がないことにリィンは首を傾げるが、すぐに仮説を考える。

 元々はリィンの想念で組み上げた存在だった。本物と干渉していなかったと考えてもおかしくはない。

 

『りぃんヨ』

 

「ん……? どうしたヴァリマール?」

 

『我ハ“巨イナル力”ノ一端、小サキ者ニ敗北スル道理ハナイ。起動者ヨ――更ナル練達ヲ期待スル』

 

 無感情な言葉の羅列に過ぎないがどこか不満を感じさせる辛辣な上から目線の言葉。

 《七の騎神》としての自負。

 後は歴代の起動者たちと比べられているのかもしれない。

 それ程までに生身の人間を相手に敗北したことは屈辱だったのかもしれない。

 棘を感じる言葉をリィンは静かに受け止める。

 

「ああ、そうだな……

 お前のことはまだ良く分からないけど、俺なんかじゃ釣り合わないほどの存在だというのは知っている」

 

『フム……?』

 

「お前の力を完全に引き出せるようにもっと強くなってみせる。その時に改めてお前の《起動者》として認めてくれ」

 

 言外にまだ認めないという言葉に対してリィンはそう答える。

 

「差し当ってはこれからの作業を我慢してくれよな?」

 

『……ナニ?』

 

 友好的な笑顔を浮かべてリィンは手を挙げて合図を出す。

 

「良しっ! まずは導力波を当てて内部の結晶回路を見るぞ」

 

「何を言うラッセル。先に装甲を外してフレームの調査だ」

 

「そっちこそ何言ってるのよ、先にコックピットに入れてもらって内部システムの調査よ!」

 

『ナ、ナニヲスルツモリダ?』

 

 目の色を変えて自分に迫り、目の前で口論を始める三人の博士たちにヴァリマールはたじろぐ声を出す。

 

「何って、武装デバイスを作るためにもお前の身体を色々調べないといけないだろ?」

 

 笑顔のままリィンはヴァリマールの疑問に答える。

 

『《騎神》ニツイテノ知識ハ《起動者》トナッタ時点デ汝ノ中に入力サレタハズ』

 

「それはあくまで基礎知識だろ?

 お前の重心の位置は? 体の重量配分は? 出力は? どれくらいの重さまで持つことができる? 関節の可動域はどれくらいある?」

 

『ソ、ソレハ……』

 

 矢継ぎ早にぶつけられる疑問にヴァリマールは答えに窮する。

 

「俺が不甲斐ない《起動者》なのは認めるさ……

 だけど、それならお前はどれ程のものなんだ?

 元々お前は《鋼の至宝》を封印するための重石として造られて、戦闘力はオマケみたいなものだったはずだろ?」

 

『イ、イヤ……我ハ……我ハ……』

 

「“大いなる”って言ってもパテル=マテルの半分くらいの大きさだし……」

 

『ム……』

 

「ダメージに関しても、機体のダメージを致命傷のレベルまでフィードバックするんだよな……パテル=マテルは回復してくれるのに」

 

『ムゥ……』

 

「メイン武装は人それぞれだからないのは仕方ないが、もしもの時のために副武装くらいは搭載していて良かったんじゃないか?

 丸腰で戦わされて辛口の戦闘評価を言われても、お前が目覚める前に予め武装も造っておけとでも言うつもりなのか?

 せめてパテル=マテルの腕みたいに頑丈な手だったら良かったんだけどな」

 

『…………』

 

 リィンの容赦のないダメ出しにヴァリマールは閉口する。

 目覚めたばかりで記憶は定かではないが、ここまでダメ出しをしてきた《起動者》は彼が初めてだろう。

 

「ああ、それから俺が気に入らないならその時ははっきり言ってくれ……

 まだ《起動者》が決まっていない《騎神》は二つあるから、遠慮しないでいいぞ」

 

 言外に自分には選択の余地があると匂わせるリィンにヴァリマールは人で言う所の悪寒を感じる。

 本来なら騎神が起動者を選定し、逆はあり得ない。

 が、リィンの言葉には本気だと言う凄みを感じてしまう。何よりもリィンの傍らに控えている《空の至宝》と《鋼の至宝》の意志がリィンに説得力を与えていた。

 

「とりあえずこれからよろしく頼む。ヴァリマール」

 

『ア、アア……コチラコソ……』

 

 先程までの高圧的な態度は鳴りを潜めてヴァリマールはリィンの言葉に静かに頷いた。

 この短いやり取りで格付けは決まったも同然だった。

 

 ………………

 …………

 ……

 

 ファーストコンタクトを乗り切ったリィンはヴァリマールの事を博士たちに任せて離れて彼らの作業を見守る。

 

「あ、あのリィンさん。触ってみても良いですか?」

 

「それは本人に聞いてくれ」

 

 感激した様子のまま尋ねてくるクリスにリィンはヴァリマールの意志を尊重する。

 恐る恐ると言った様子でヴァリマールに声を掛けるクリスに苦笑していると、セリーヌが話しかけて来た。

 

「あんた、騎神を使って生身の人間に負けたんですって?」

 

「ああ……」

 

 ヴァリマールと同様に非難が籠った言葉にリィンは静かに頷く。

 

「ふん……“彼”の力を借りておいて情けない。今からでも遅くないから《起動者》を辞退したらどうなの?」

 

「悪いけど、俺は降りないよ」

 

 ヴァリマールにはああ言ったが、ノイを通して知った起動していない二機が自分を認めるかどうかの保証はない。

 そもそもその内の一機は血筋によるロックが掛かっているので、実質は一機しか枠は残っていない。

 《灰の騎神》は《黄昏》に食い込むための重要なカードである以上、リィンがそれを辞退することはできない。

 

「だったら精々力を付ける事ね……

 騎神の目覚めにはいつも戦乱がついて回るんだから、二つの《至宝》の加護があるからって調子に乗っていたらいつか痛い目を見るわよ」

 

「ああ、分かっているよ」

 

 セリーヌの指摘する《至宝の加護》にリィンは何の事だと首を傾げながらも彼女の忠告を素直に受け止める。

 

「ふん、どうだか……」

 

 言いたいことを言ったセリーヌはもう用はないと言わんばかりにリフトへと乗り、勝手に起動してそこから立ち去った。

 

「リィン、わたしあいつ嫌いっ!」

 

 去って行ったセリーヌを指差してノイが叫ぶ。

 

「まあまあ、セリーヌも悪気があるわけじゃないから、魔女としてのプライドからの忠告のつもりだろ」

 

 そんなノイを宥めながら、リィンは博士たちに群がられるヴァリマールを改めて見る。

 

「分かっているさ……俺が未熟だって言う事くらい……」

 

 ヴァリマールが指摘した力不足、セリーヌが指摘した不甲斐なさ。

 どちらもリィンが一番痛感していることだった。

 

「強くなってみせるさ」

 

 二人の言葉にリィンは拳を握り締め、何度目になるか分からない決意を固めるのだった。

 

 

 

 

 

 その頃、地上では一週間の強制禁酒撤回と引き換えに騒動の鎮静化に奮闘するサラがいた。

 

 

 

 

 女装の危機がなくなったと《ARCUS》に連絡が来て戻った地上はすっかり日が落ちていた。

 リィンとクリスはヴァリマールの事を博士たちに任せて学生寮へと帰り、そこで事の元凶となったアルフィン、エリゼ、ミルディーヌの三人と改めて顔を合わせた。

 

「もうリィンさんったら本気で逃げることないじゃないですか、ほんのちょっとしたお茶目だったのに」

 

「いいや、あれは本気の目だった」

 

「あら? 何ですかクリスさん?」

 

「い、いえ……何でもありません」

 

 アルフィンに笑顔を向けられてクリスは身を竦ませて首を振る。

 

「はは、それよりもどうしてアルフィン達はこちらに? クレアさんに護衛してもらってまで」

 

 エリゼ一人が自分を尋ねて来たのなら分かるが、皇女であるアルフィンと公爵家の娘であるミルディーヌまで揃ってしまえば護衛を付けないわけにはいかない。

 皇族の思い付きに振り回されることになったクレアに目配せでリィンが労うと、返って来たのは疲れたというよりもどこか嬉しそうな笑顔だった。

 

「兄様……」

 

「ん? どうかしたのかエリゼ?」

 

 妹が呼ぶ声にリィンはすぐに反応するが、エリゼが向けてくる眼差しの温度は冷たかった。

 

「今日、リィンさんを訪ねさせてもらった理由はですね」

 

 睨んでくるだけで口を開こうとしないエリゼに代わってアルフィンが徐に語り出す。

 

「一緒に帝都で買い物をする日を楽しみにしているのに、いつも忙しそうにしていて構ってくれないお兄様に甘えに来たんですわよね」

 

「ひっ姫様っ! 適当なこと言わないでくださいっ!」

 

「あら、でもこの数週間のエリゼ先輩ったらずっとリィンさんに買っていただいた導力通信機とにらめっこしていたじゃないですか」

 

「ミルディーヌッ!」

 

「ごめんエリゼ、そんなに寂しい思いをさせていたなんて」

 

「兄様っ……違うんです。これは姫様とミルディーヌが勝手に言っていることで決してそのようなことは……

 だいたいトールズに行こうと言い出したのは姫様じゃないですか!」

 

 矛先を向けられたアルフィンはその追及を軽く流して続ける。

 

「それにミルディーヌも五月にテロリストによる列車占領事件に巻き込まれてから、ふとした拍子に物憂げに遠くを見るようになったそうで……

 その事件に関わったと聞くⅦ組の皆さんとお話できればその時に負ってしまった心の傷も癒せるのではないかと思って」

 

「ひ、姫様っ!?」

 

 アルフィンの言葉を想定していなかったのか、ミルディーヌは突然話を振られてあからさまに狼狽える。

 

「かく言う、私はクロスベルの観覧車でお誘いしたダンスの相手の御返事を頂きたくて来てしまいました」

 

 てへっと可愛らしくアルフィンは言った。

 

「その件については返事が遅れてしまって申し訳ありません……

 お誘いはありがたいのですが、その日は学院の特別実習が組まれているので断らせていただきます」

 

「あら、そうでしたか残念」

 

 丁重に断るリィンにアルフィンは気分を悪くすることなくそれを受け入れた。

 

「どう思う?」

 

「あれは社交辞令じゃなくて、本当に残念に思っている顔だよ」

 

 ユーシスからの質問に何故か、クリスは確信を得ているようにアルフィンの感情を断言する。

 

「くっ……皇女殿下に、公爵令嬢、それに義理の妹……やっぱり噂は本当だったんじゃないか」

 

「クロスベルではアルカンシェルのイリアとリーシャとも仲良さそうにしてたしね」

 

 マキアスの呟きにフィーが付け加える。

 そんなⅦ組の感想を他所にアルフィンは手を合わせてリィンに質問を重ねた。

 

「ああ、ひょっとしてもう心に決めた方がいらっしゃるとか?

 それとも既にお付き合いなさっている方がいらっしゃるのでしょうか?」

 

「ひ、姫様っ!?」

 

 突然のアルフィンの質問に狼狽えた声を上げたのはエリゼだった。

 そんな彼女を真っ先にからかうだろうミルディーヌはエリゼよりもリィンの顔を見る事に集中していた。

 そして、その話題にⅦ組の女子数名は身を固くするのだった。

 

「はは、それはありません。今は次の恋に目を向けている余裕はないですから」

 

「え……リィンが恋……?」

 

 彼とは縁遠い言葉が出て来たことにエリオットは自分の耳を疑う。

 

「あのリィンが……」

 

 学院内での彼の素行を思い出しガイウスは戦慄する。

 

「次の恋……リィンが失恋していた……つまりリィンが振られたのか!」

 

 超が付くほどの優良物件であるリィンを振った女傑がいることにラウラは驚きを隠せなかった。

 

「いや……みんな人を何だと思っているんだ?

 俺だって人を好きになったことくらいあるぞ。初恋の経験なんてそれこそみんなにもあるんじゃないのか?」

 

「ま、まあ初恋くらいはあるわよね」

 

 アリサはリィンの言葉に頷いてⅦ組に同意を求める。が、Ⅶ組一同は一様に沈黙を返した。

 

「えっと……ごめん……」

 

「ふふふ、皆さん仲がよろしいんですね」

 

 そんなⅦ組の様子にアルフィンは安心したように微笑む。

 

「ちょっとうらやましいですね……

 ラウラさんもアンゼリカさんもトールズに行ってしまうし……こうなったらわたしくも来年そちらに編入しようかしら」

 

「うえっ!?」

 

 そんなアルフィンの提案にクリスが奇妙な悲鳴を上げる。

 

「こらクリス不敬だぞっ!」

 

 そんなクリスの反応にマキアスが顔を蒼くして慌ててその口を塞ぐ。

 

「ふふふ、そんな気になさらなくて結構ですよ。ここは公式の場ではないんですから」

 

 気を悪くした素振りもなく許す皇女にマキアスは安堵し、その寛容な態度にこれがあるべき貴族の姿なのかと感激している。

 

「くっ……」

 

 オリビエを感じさせる眼差しでマキアスに微笑みかけるアルフィンにリィンは思わず目を伏せた。

 

「ふふ……リィンさん、ダンスの件ですが“今回”は諦めます」

 

「えっ……」

 

「ですが、来年はわたくしも妹さんと同じく16歳――正式に社交会にデビューするのでその時の御相手を考えていただけると嬉しいです」

 

「…………分かりました。前向きに検討させていただきます」

 

 一度断った以上、リィンはそう答えるしかなかった。

 

 

 





お泊り会

クリス
「と、ところでアルフィン殿下はこの後はどうするおつもりですか?」

アルフィン
「どうするって、このまま帝都に帰るつもりですが」

クレア
「そのことですがアルフィン殿下、近頃はテロリストの警戒が強まっているので本日はこの第三学生寮に泊まっていただいてもよろしいでしょうか?」

アルフィン
「あら、よろしいんですか?」

クレア
「はい。ここならリィン君もいますし、すでに周囲も鉄道憲兵隊が配置についています……
 それに学院並びに寮長にも話は通しておりますので御安心ください」

クリス
「ク、クレア先生っ! 僕に死ねと言うんですか!?」

エリオット
「クリス、慌て過ぎだよ。まあ皇女殿下と同じ屋根の下で過ごす気持ちは分かるけど」

リィン
「そうなると、アルフィン殿下は三階の予備の部屋として、エリゼは俺の部屋のベッドを使うか?
 予備のマットを用意するからミルディーヌもそこで一緒に寝てもらえるかな?」

エリゼ
「に、兄様っ!?」

ミルディーヌ
「リリリ、リィンさん!?」

リィン
「俺はリビングのソファを使うつもりだから安心してくれ」

エリゼ
「そ、そうですよね……いえ、でも兄様、そんな悪いです」

ミルディーヌ
「そ、そうですよ。リィンさん」

リィン
「遠慮なんかしなくて良いよ。俺は慣れているから」


 ………………
 …………
 ……

ミルディーヌ
「…………エリゼ先輩」

エリゼ
「…………何かしらミルディーヌ?」

ミルディーヌ
「……どちらがリィンさんのベッドを使いますか?」

エリゼ
「……………………」



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