(完結)閃の軌跡Ⅰ ~鋼の意志 空の翼~ 作:アルカンシェル
「はあ……まさか初日からお城に泊まることになるなんて」
宛がわれた大きな部屋にエリオットは感嘆のため息を吐く。
一目で豪華だと分かる造りの大部屋。
男子達、Ⅶ組と先輩二人の分のベッドを用意されているのにそれでも十分に広い部屋と感じる部屋は流石グランセル城の一室と言えた。
「最後は王宮に泊まることになっていたから、それが早まったと思えば良いんだが……やはり何だか落ち着かないな」
「確かにこれまでの特別実習ではいろいろな所に泊まったが、これは極めつけだな」
広々とした空間に落ち着かないとマキアスは呟き、ガイウスも同意する。
最初の予定では女王陛下への謁見が済んだら宿泊地となるルーアンへ移動するはずだったのだが、レグナートの出現により定期飛行船は運休してしまったため一同はグランセル城に泊まることになった。
「やれやれ、動揺し過ぎだ」
「こういうのは慣れですよ」
そんな庶民を丸出しにして慄いている三人にユーシスとクリスはそれぞれの苦笑を浮かべる。
「坊ちゃんたちの言う通りだぜ。俺達はお客様なんだから堂々としていればいいんだよ」
「クロウ、僕達はあくまでもリィン君のオマケなんだからもう少し弁えようね」
開き直るクロウにジョルジュはため息を吐く。
そしてそのリィンは宛がわれたベッドに腰掛けて、肩を落として疲れた様に項垂れていた。
「えっと……リィン、大丈夫?」
「ああ、大丈夫だ」
その声は言いようのない疲れが滲んでいた。
「それにしてもリィンって本当にクローディア殿下と仲が良かったんだね」
「女王陛下も帝国の皇族とは違った意味で気さくな方だったな」
「リベールは身分制度は象徴的な意味の方が強いから、その違いだろうな……
それより今日は一日中空の上だったから明日に備えて早く休もう。明日はルーアンに移動しないといけなんだから」
「そう急ぐなよ……ところで後輩の明日からの予定はほとんど空いたんだよな?」
「ええ、まあ……」
クローディアからのお説教を思い出しながらリィンは頷く。
「リベールでは九月に《女王生誕祭》があるんです……
八月のクロスベルの《通商会議》も迫っていますから、この時期はみんな忙しいと思っていたんですが」
だがリィンの気遣いはむしろ無用で、通商会議という新しい試みに対して綿密な話し合いをするために週一で各都市の市長が集い会議が行われている。
帝国では考えられない頻度とフットワークの軽さだが、それはリベールが小国だからこそできる強みでもある。
「四日目の祝賀会の日に挨拶はすれば良いと言われたので、だいぶ時間に余裕は出来ましたね」
「なら明日の海水浴はお前も参加か?」
「いえ、それはどちらにしても俺はみんなとは別行動するつもりです」
「おいおい、何でだよ?」
「市長たちの挨拶回りは省略できましたが、各地の遊撃士協会やお世話になった人達は沢山いますから」
「こいつはどこまで真面目なんだ……」
せっかく遊ぶ時間ができたのにそれを棒に振るリィンをクロウは理解できない生き物のように見る。
「酷い言い掛かりですね。それに正直、遊ぶ気持ちにはなれないんですよ」
「ちっ……お前がいればナンパが成功する確率が上がるって言うのに」
「おい」
漏らしたクロウの言葉にリィンは白い目を向ける。
しかし、そんな侮蔑の眼差しを向けられてもクロウは気にも留めずに一同に向き直る。
「時に後輩共。この際だから聞いておきたいんだが、お前達は誰が好みなんだ?」
「こ、好みって……」
「い、いきなり何を言い出すんですか先輩っ!?」
クロウの言葉にエリオットとマキアスがあからさまに狼狽える。
「はっ、惚けんなよ……
特科クラスⅦ組、あれだけの綺麗どころが揃っているんだ。そういう風にお近づきになろうって少しくらい考えたことがあるんだろ?」
「何を言うかと思えば下らない」
「お、何だアルバレア公爵様は逃げるのか?」
「安い挑発に乗るつもりはない。そもそも俺はお前達のように伴侶をえり好みする立場にはないのだから興味などない」
「はっ、つまんねえ返しだな。誰がそんな重い話しろって言った?
俺はお前達にどんな女がタイプなんだって聞いているだけだぜ? 将来の伴侶じゃなくてお前は女のどの部分に魅力を感じるのか話そうぜって言ってんだ」
「フン、だから下らないと――」
「あれあれ、ユーシスお坊ちゃんは意外と子供だったんだな?」
「ちょっとクロウ――」
流石に言い過ぎだとジョルジュが親友を止めようとする。
「なっ、クリスも興味あるだろ?」
「はい! 何だか如何にも学生の旅行って感じの話題ですよね!」
目をキラキラさせて振ってきたクロウにクリスは楽しそうに頷く。
「ほれほれ、次期皇帝陛下は乗り気だぞ?
それとも何か? お前らは異性よりも同性の方が良いっていうタイプなのか? もしそうなら以後俺の半径五アージュ以内に近付いて欲しくないんだが」
「そんなわけないでしょっ!」
「くっ……卑怯な……」
煽るクロウにマキアスとユーシスは忌々しいと言わんばかりに歯噛みする。
「クロウ先輩……どうしてそんなことを?」
クリスを味方に付け、逃げ道を塞がれたがそれでもエリオットは何とか逃げ道を探すために尋ねる。
「後輩共は知らないだろうから教えてやるが……
去年は女子の人気をゼリカの奴に独占されちまって野郎どもは寂しい灰色の青春を送るはめになっちまったんだ」
「確かにアンゼリカ先輩の人気は凄いらしいな。一年生の間でもお姉様と慕っている者たちも多いそうだ」
クロウの哀愁を漂わせた言葉にガイウスが頷く。
「なら分かるだろ! これからの学院生活をバラ色にするためにこの一夏のバカンスで女子の誰かとお近づきになるのは最大の好機……好機……」
「クロウ?」
握り拳を作ってまで力説していたクロウは何を思ったのかがっくりと肩を落とした。
「ダメだ……事故物件しかいねえ。グッバイ俺の青春……」
「何なんだこいつは?」
「先輩、まさかとは思いますがお酒を飲んでないですよね?」
勝手に盛り上がって、勝手に消沈したクロウにユーシスとマキアスは得体の知れないものを見るようにドン引きする。
「ちくしょうっ! こうなったら明日はリベールの砂浜でかわいい女の子をナンパするぞ付き合え後輩共」
「馬鹿馬鹿しい勝手にやっていろ」
「同感だ。そんなナンパなんて男として不誠実なことするわけがない」
付き合っていられないとユーシスとマキアスはクロウに背を向けて――
「何だ逃げるのか?」
その背にクロウは挑発の言葉を投げかける。
「何……?」
「ま、ここは帝国じゃないからアルバレアの威光が通用しないから仕方ねえか……
クールを気取っているが、実際は女の子に声を掛ける勇気もない恥ずかしがり屋なんだろ?」
「ユーシスが……」
「……恥ずかしがり屋……」
クロウの言葉をオウム返しにして繰り返したエリオットとガイウスは次の瞬間、吹き出した。
「あははっ! ユーシスが恥ずかしがり屋って……そんな――あははっ!」
「クロウ先輩、それはあまりにも――ククク……」
女子に声を掛けようとしておどおどしているユーシスを想像してエリオットとクリスは堪え切れずに声を上げて笑う。
「ふ、二人ともそんなに笑ったらユーシスに悪いだろ……くっ――」
声を上げて笑う二人をガイウスは宥めようとするが、彼も堪え切れずに吹き出す。
「それからマキアスは……お前、入学式の頃から太っただろ?」
「なっ!? 何をいきなり!?」
「そんな贅肉がついた体に自信がないから適当な言い訳をして逃げるんだろ」
「ち、違うっ! 僕は――」
「でも確かにマキアスって二つの意味で丸くなったよね?」
「確か最初の特別実習から食事の量が増えていたみたいだけど運動量はそこまで変わってないし」
「ああ、普段はあまり気にしていなかったが言われてみるとクロウ先輩の言う通りだな」
三人の視線が集まってマキアスはたじろぐ。
「くっ……太った……くくく……」
そしてユーシスはそんなマキアスに顔を伏せて体を震わせる。
「まあ、自分に自信がないなら無理強いはしねえよ……何と言ってもこの俺がいるんだから隣に立つのも覚悟がいるだろし」
「ふん、アンゼリカ先輩に負けたくせに随分と大きな顔をするのだな」
「先輩って本当に地元でモテていたんですかね? 見栄を張っているだけじゃないんですか?」
勝ち誇るクロウに対してユーシスとマキアスの辛辣な言葉が突き刺さる。
「言ってはならんことを……上等だ! お前達には先輩の偉大さを思い知らせてやるっ!」
「望むところだ」
「返り討ちにしてやる」
売り言葉に買い言葉。
まんまとクロウに乗せられたというべきなのか、ユーシスとマキアスはらしくもなくナンパ勝負を受けてしまう。
「…………ジョルジュ先輩」
「うん、ごめんね。本当に……」
遠い目をするリィンにジョルジュは申し訳なさと恥ずかしさを混ぜて謝る。
「クロウ先輩、ナンパをするなとは言わないですが、くれぐれも節度を持って遊んでください」
「わーってるよ。ところでリィン、改めて聞くがお前の本命って誰なんだ?」
「何でそこに話を戻すんですか?」
「いや、深い意味はないぞ。ただ先輩として旅行での話題を提供――」
「賭けているんですか?」
言い訳を並べるクロウだったが、リィンの鋭い切り返しに言葉を詰まらせるのだった。
図星を刺されて固まるクロウにリィンはため息を吐いた。
なお男子陣に宛がわれた対面の、女子の部屋では――
「さて、みんなせっかくこうして集う機会ができたのだからここは一つ好みの女の子について存分に語り合おうじゃないか」
「アンちゃん、それを言うなら好きな男子じゃないかな?」
女子部屋も男子達とやっていることは変わらなかった。
*
早朝、まだ日出には少し早い時間に目を覚ましたリィンはクラスメイト達を起こさないように静かに部屋を出た。
多少の罪悪感を覚えながら、リィンは人目を避けて城の奥へと進み、空中庭園へと辿り着く。
「…………割り切ったつもりだったんだけどな」
二年前の光景を思い出しながらリィンは自嘲するように苦笑して手摺に触れる。
今でも鮮明に思い出せる彼女が初めて名乗ってくれた場所。
彼女がいるはずなんてないのに、気付けば目が覚めて、そしてこの場所に足を向けていた。
ただ何をするでもなくリィンはそこに佇み、日が昇るのを眺める。
「早いですねリィン君」
そんなリィンの背にクローディアが声を掛けた。
「クローゼさん……すみません」
「謝らなくて良いですよ」
頭を下げるリィンに苦笑をしながらクローディアはリィンの横に並んで湖を眺める。
「昨日は夜遅くまで楽しそうでしたね」
「本当にすみません」
「リィン君にちゃんと友達が出来ているようで安心しました」
「いや、クローゼさん。俺をどういう風に見ているんですか?」
「ふふ、さあどうでしょう。とりあえず私は二年前のリィン君を知っていますから」
「むぅ……」
それを引き合いに出されてしまえばリィンは唸るしかない。
「実は少しだけ心配だったんですよ。セドリック殿下とは年始の行事で会っていましたが、オリビエさんもトールズ士官学院に通っていた時期があったそうですから」
「お願いですから、その偏見だけはやめてください」
恐ろしいことを言い出すクローディアにリィンは狼狽する。
トールズ士官学院を卒業したらみんな、ああなると想像するだけでもげんなりする。
「ふふ……ところでリィン君、何かあったんですか?」
「…………別に何もありません」
「それじゃあどうしてここに?」
「ここはあの子が初めて名前を教えてくれた場所です。丁度こんな風に朝日が昇る時に」
リィンはクローディアから視線を移してヴァレリア湖から昇って来る太陽に顔を向ける。
「そうでしたね……でも何かあったことは確かですよね?」
クローディアの指摘にリィンは押し黙る。
顔を逸らしたリィンの横顔を見つめるその眼差しは確信を得ているように強く、言い逃れはできそうになかった。
「…………どうして分かったんですか?」
「どうしてでしょうね?」
「アネラスさんやエステルさんになら気付かれても仕方ないと納得できるのに、まさかクローゼさんに気付かれるなんて」
「あら、それはどういう意味ですか?」
「二年前に会ったクローゼ・リンツさんからは想像できないというだけです」
先程の意趣返しをしてみると、クローディアは苦笑をしてそっぽを向く。
「……大丈夫です。確かに衝撃的な事実に気付きましたが、ちょっと気持ちの整理に手間取っているだけですから心配いりません」
「そうですか、それは良かった――なんて納得すると思いましたか?」
「え?」
「話して下さいリィン君……
私には聞いてあげる事しかできませんが、このまま気持ちの整理が終わってしまったら一人で抱え込んでしまうんじゃないですか?」
「それは……」
クローディアの指摘にリィンは目を泳がせる。
「でも、ほら……クローゼさんは今月末の通商会議に参加するんですよね?
なら、俺なんかのことで変な心労を掛けるわけには――」
「リィン君、次に、自分なんかって卑下したら怒りますよ」
笑顔で凄まれたリィンは言葉を詰まらせて黙り込む。
一歩も引こうとしないクローディアにリィンは頭を抱え、唸り、熟考して、ため息を吐く。
「本当にどうなっても知りませんよ」
「ええ、構いません」
「後、まだ俺の推測だけで確定した話じゃないですから他言しないでください」
「分かっています」
躊躇わず頷いたクローディアにリィンはもう一度ため息を吐いて空を仰ぎ、それを漏らした。
「帝国の宰相、ギリアス・オズボーンのことは知っていますね?」
「ええ、二年前にオリビエさんがリベールを発つ前日にリベールに訪問されましたから」
「どうやらその鉄血宰相が俺の実の親みたいです」
「え……?」
リィンの口から知らされた事実にクローディアは固まる。
「主観を排した《観の目》と混在する情報から正解を導き出す《識の目》の両方の視点から今ある情報を照らし合わせてみれば、あの人が一番その可能性が高いんです」
「それは……それは確かに衝撃的な事実ですね」
驚きながらもクローディアは呆ける前にリィンの言葉に頷く。
「…………あ、はい……そうです」
しかし、リィンは同意したクローディアの言葉に一瞬虚を突かれたようにするとすぐに取り繕って頷いた。
「俺がまさかあの“鉄血宰相”の息子だったなんて驚きですよね。あははは」
「リィン君、もしかして今の話じゃないんですか?」
誤魔化そうとするリィンに惑わされずクローディアは踏み込む。
「そんなことないですよ。俺があんな強面の髭面になると将来約束されたことに落ち込んで――」
「リィン君っ!」
強い口調でクローディアはリィンの言葉を止める。
その眼差しにリィンは捲し立てた言葉を止めて、力のない笑みをこぼす。
「そうです……“鉄血宰相”の息子だった……それ自体は別にあまりショックではないんです」
今のリィンは胸を張ってシュバルツァー家のリィンだと言える。
だからこそ“鉄血宰相”の実子だったとしても、リィンはそこに驚きは感じても動揺はしていない。
「彼は“あと二年”だと言っていました……
おそらくそれが帝国で結社が《異変》を起こす時期であり…………その二年は俺にとって残された時間だと言うことです」
「…………え?」
リィンの口から出て来た言葉は、先の誰の実子だったかを明かす以上にクローディアを固まらせた。
しかし、リィンはそんなクローディアに構わず、自分の中の思考を口にする。
「俺は十年前に胸に致命傷を負っていた……
生き永らえたのは《黒の騎神》が俺を“不死者”にしたから、《鬼の力》はその副産物でしかなかった」
リィンは胸に手を当て、本体から独立してもなお細い糸で繋がっているその存在に自覚する。
厳密には“不死者”とは少し違うかもしれないが、その在り方はおそらく大差ないだろう。
「俺がこうして生きているのは《黒の騎神》の力があってこそ……
《黄昏》を止めるために《黒の騎神》を倒せば、それは同時に俺の命を終わらせるということになるはずです」
《贄》や《予備》から外れても、《黒》に生かされている事実は消えない。
「それは……つまりリィン君は……」
「二年、それがどんな結末だったとしても、俺の最後は決まっているでしょう」
はっきりと答えたリィンにクローディアは言葉を失った。
ギリアス・オズボーンが実の親であるということと同じように状況証拠だけの推論だが、おそらく間違っていないとリィンは確信していた。
「そんな顔をしないで下さい」
何も言葉を返せず呆然と立ち尽くすクローディアにリィンは苦笑する。
「確かに今は戸惑いの方が大きいです。だけど今気付けて良かったと思っています……
直前で知らされたらきっと揺らいでしまったでしょうし、“聖女”のように背水の陣で《相克》に臨めるなら悪いことばかりじゃありません」
条件はそれこそアリアンロードと対して変わらない。
違いがあるとすれば彼女は《銀》の力を基礎にして“不死者”となっているため、勝ち抜けばそのまま生き永らえることができる。
しかしリィンは《黒》の力を基礎にして“不死者”となっているため、勝っても負けても結末は変わらない。
《灰》にその力を引き継がせれば良いのかもしれないが、《黒》の力が染みついた自分の体では《灰》の力で“不死者”になり直すのも不可能。
「それにあと二年、それだけあれば覚悟だってできます」
「リィン君……貴方はそれで良いんですか?」
声の震えを隠せずクローディアは言葉を絞り出す。
「良い訳ないですよ」
そんな言葉にリィンは当然の答えを返す。
「母さんや“あの子”から譲ってもらった命……
このまま黙って終わるのを待つなんてできるわけないじゃないですか」
“不死者”を蘇生する。
方法について全く当てがないわけではない。
“空間を司る”リンでは“不死者”は専門外であり、頼る力はまだ何の“力”もないノイの方になる。
「……教材にするなら丁度良いか」
今は自由にさせているが、二年後ノイも《黒》や己の“力”と向き合う時が来るだろう。
もちろん我が身可愛さに“至宝の力”に頼ることに迷いはある。
だが、それを踏まえてちゃんと話をする――いや助けて欲しいと頼るべきなのだろう。
「うん……」
言葉にして、方針が固まったリィンはそれまで鬱屈としていた心情が晴れるのを感じた。
「未来のためにやることが一つ増えただけでやることは何も変わらない……
話を聞いてくれてありがとうございます。おかげで迷いは晴れました」
晴れやかな顔を見せるリィンにクローディアは初めに言うつもりだった、もっと自分を労われという忠告を最後まで言うことはできなかった。
海港都市ルーアンにて
クロウ
「お、おい……何か言えよ」
ガイウス
「そう言われても……」
クリス
「こうして改めて向き合うと気恥ずかしいって言うか……」
ジョルジュ
「目のやり場に困るって言うか……」
マキアス
「…………っ」
ユーシス
「ちっ……」
エリオット
「えっと……その……」
リィン
「えっとアリサの水着は可憐ながらも可愛らしさを兼ね揃えたものか……
うん、良く似合っているよ」
アリサ
「べ、別に貴方に褒められたからって嬉しくなんてないんだからね」
リィン
「ラウラはスポーティーだけど少し大胆な水着を選んだんだな。鍛えているだけあって様になっているよ」
ラウラ
「う、うむ……部活の先輩に勧められたのだが……
まあ、その……そう言ってもらえたなら良かった」
リィン
「エマは清らかながらも活動的かつ開放的な水着か……
元々スタイルは良いからシンプルな水着でも良く似合っているよ。それに爪も塗っているんだな」
エマ
「あ、ありがとうございます」
リィン
「フィーは随分とエキゾチックなものを選んだな」
フィー
「ラウラと同じで先輩に相談したら、いろいろ試着させられて選ばされただけ。別に無理に褒めなくて良い」
リィン
「無理なんてしてないよ。良く似合ってる。何だったら写真に撮ってガルシアさんに送るか?」
フィー
「それはやめて」
リィン
「それでトワさんは学院指定の水着ですか?」
トワ
「あ、あはは……実は水着を買いに行く暇がなかったんだ……
アンちゃんが用意してくれたのはほとんど紐だったし」
リィン
「アンゼリカ先輩は後で吊るしておきます」
トワ
「うん、お願いねリィン君」
クロウ
「やべえ、ナチュラルに口説いてやがる。これが魔王の真の実力なのか!?」
リィン
「人聞きの悪いことを言わないでくれ」
ジョルジュ
「ところでサラ教官は海に入らないんですか?」
サラ
「ちょっと野暮用があるのよ。それ次第かしら……
だから私のことは気にせず楽しんで来なさい」