(完結)閃の軌跡Ⅰ ~鋼の意志 空の翼~ 作:アルカンシェル
8月22日日曜日。21:00。
ハリアスク地下道。
初日に基地から脱出した通路とは別の、フィーが追い駆けてクレドが入って行った入り口から地下道に入ったサラ達は魔獣の出迎えを受けていた。
「ノーザンイクシードッ!!」
紫電が迸り、剣を振るたびに魔獣は両断され雷に焼かれる、さらには斬撃の合間に至近距離からの銃弾を穿たれ、サラの突撃の跡には無残な魔獣の死骸が散らばる。
「こ……これがサラ教官の本気……」
「戦技教練の時とは比べものにならないんだけど」
魔獣相手とは言えあまりに一方的な蹂躙にアリサとエリオットはサラの戦いぶりに慄く。
「そっか……二人はサラの本気を見るの初めてなんだ」
「遊撃士でも猟兵でも“紫電”という二つ名を持っているくらいだからね。本領は乱戦の方が得意なのかも」
唖然とする二人にフィーとクリスは冷静だった。
「サラ教官、飛ばし過ぎです」
周囲の魔獣を一息で殲滅し、肩を激しく上下させて息を整えるサラにリィンは指摘する。
「これくらい……どうって……ことないわよ」
「そんなわけないでしょ」
ため息を吐き、リィンは周囲の気配を読み取る。
「どうやら俺達が脱出に使った地下道とは違って、この地下道は上位三属性の影響があるみたいです」
「上位三属性って……それって確か帝都の地下みたいになっているってこと?」
リィンの言葉にエリオットの脳裏には“暗黒竜”の存在が浮かぶ。
「帝都ほどの澱みはないけど、どんな魔獣が出てくるか分からないから注意はした方が良いだろうな……
だからサラ教官、逸る気持ちは分かりますがペースを落としてください」
「…………分かったわよ」
固く握りしめた剣と銃を納めてサラは深呼吸をして息を整える。
「さあ、行くわよ」
「え、もう?」
「何だか自信なくすわね。私たちって一緒に来た意味があるのかしら?」
すぐに回復して進んで行くサラの背中にアリサは思わずため息を吐く。
「基礎体力の差は気にしても仕方がないさ。それにアリサやエリオットにだってできることはあるさ」
「そうは言うけど……」
「敵の人数にもよるが、サラ教官のサポートはアリサ達に任せることになると思うから」
クレドのようなタイプはアリサとエリオットには身に余るだろう。
頼みの戦術リンクも、彼の速さの前ではあまり機能しないだろう。
「それにしても都市の地下にこんなに魔獣がいるんだね」
新しい魔獣の姿を通路の奥に見つけたエリオットが疑問をこぼし、リィンが答える。
「ハリアスクに限らず、帝国やリベールの都市でも地下水路には魔獣が住み着いているのはよくあることだ」
「そうよ。あんた達が普段住んでいるトリスタの街の下にも魔獣はいるんだから」
「ほ、本当ですか!?」
サラのおどけた口調から知らされた真実にエリオットは驚愕する。
「ほんと、ほんと……
定期的に生徒会を経由して二年生に間引かせているから、来年はあんたたちにもやってもらうわよ」
「めんどくさそう」
「そうかな? 僕は面白そうだと思うけど?」
フィーがもらした感想にクリスが応える。
「大丈夫だよ二人とも、トリスタの魔獣はそこまで強くはないから」
リィンが慰めの言葉を掛けてくれるが、アリサとエリオットはリィンの評価で素直に安心することはできなかった。
「――と、ここから先がハリアスク基地かな?」
地下道の壁が天然の洞窟から石造りのものと変わり、格子の扉が行く手を阻む。
「あまり時間を掛けていられないから爆破する?」
「爆破って、フィー爆弾を持ってるの?」
「乙女のたしなみ」
驚くエリオットにフィーは平然と答える。
「いや……その必要はないみたいだ」
クリスが近くの壁を探り、隠してあるスイッチを見つけて押すと重い音を立てて格子扉は開く。
「この先に……ノーザンブリアの真実があるのよね?」
ごくりと緊張にアリサが唾を飲み、リィンはサラに声を掛ける。
「大丈夫ですかサラ教官?」
「ええ、問題ないわ。行くわよ」
サラを先頭にして、基地の内部に入るとそこは大きな広間だった。
「随分広い場所に出たけど……私たちの侵入は気付かれていないのかしら?」
「それはないと思うよ。わざと振り切らなかったようにも感じたから」
クレドを追い駆けてこの通路を見つけて来たフィーはアリサの呟きに首を横に振る。
「みんな、あれを見て」
広間の向こう、基地の中へと続く階段の前に鎮座している大きな石像。
「……ねえみんな。私、あの石像に見覚えがあるんだけど」
「奇遇だねアリサ。僕も見覚えがある気がするよ」
アリサとエリオットがそんな言葉を交わすと、二人が思い浮かべた通りにそれは動き出す。
「リィンさん、フィー、それにサラ教官。手を出さないで下さい」
「クリス?」
「アリサ、エリオット。丁度いいオリエンテーリングの時のリベンジをしよう」
「リベンジって、あの時よりも何か凶悪な見た目なんだけど!?」
「僕達三人でやるの!?」
「いつまでもリィンさんやフィーに頼ってばかりではいられないだろ? アリサ、エリオット。僕に続けっ!」
「ああ、もうしょうがないわね」
「あ、危なくなったら援護、お願いね」
動き出した白いガーゴイルに突撃するクリスを追い駆けてアリサとエリオットがそれに続く。
「やれやれ、少しは成長したと思ったんだけどな」
「いいんじゃない? この後はあれよりメンドウな相手が待っているんだから」
「むぅ……」
「サラ教官、せっかくだから少し休んでください。クリス達のことは俺達が見ておきますから」
「ええ……分かっているわよ」
*
「オーバルエネルギー充填、出力40%っ! 砕けなさいっ! エレトリックアローッ!!」
「セブンラプソディッ!!」
鉄杭の矢がガーゴイルの身体を抉り、七つのエネルギー球が畳み掛ける。
「炎よ唸れ、全てを喰らい尽くせ――プルガトリーセイバーッ!!」
そして風を纏った焔の刃が白いガーゴイルの首を落とした。
「やった!」
首を落とされたことでガーゴイルは再生が止まり、全身に亀裂が走ったと思うと白い粉になって崩れ落ちる。
「やりましたよ。リィンさん!」
「ま、当然よね」
「本当に僕達だけで倒せた……」
それぞれが勝利を喜ぶが、サラはそれを労いながら注意を促す。
「お疲れ様、だけどここからが本番よ」
「その通りだ」
サラの言葉に肯定を返したのはクリス達ではない第三者の声。
振り返ればガーゴイルが守っていた階段の上には銀髪の男が佇んでいた。
「あれは……」
「サラ教官の写真に写っていた一人?」
「シャトラール……」
生徒達の疑問に答えるようにサラはその男の名前を呟く。
「久しぶりだなサラ」
「ええ、そうね。それよりもこれはいったいどういう事?
アプリリスといい、クレドといい、このノーザンブリアであんた達はいったい何をしようとしているの?」
「その質問は30点だな……君たちは私たちの成果を今しがた体感したはずだ」
「成果……?」
シャトラールの言葉にクリスは視線を落としてガーゴイルだった白い塊を見る。
「とは言え、まさか学生にそれもたった三人に倒されてしまうとは、その健闘はプラス10点だな」
「……相変わらずみたいね」
勝手に採点するシャトラールに苛立ち、サラは導力銃の銃口を突きつける。
「さっさと答えを言いなさい。あんた達は何を企んでいるの!?」
「ノーザンブリアから帝国への宣戦布告の準備と言ったところですか?」
答えはサラの背後、リィンからもたらされた。
「え……?」
「ほう……」
「帝国に宣戦布告って……そんな無謀などれだけ国力に差が――」
「その差を埋めるのがさっきの“塩のガーゴイル”……
術式に関しては中世の物からだいぶ変わっているから“塩”に合わせて作り替えたんだろうな……
そして“塩”はノーザンブリアではいくらでも手に入る。つまりいくらでもガーゴイルは錬成できる。それこそ軍隊だって作れるだろう」
「素晴らしい90点あげようじゃないか」
リィンの答えにシャトラールは笑って頷く。
「シャトラール……あんた本気で言っているの!?」
「ああ、私たちは本気だ。ノーザンブリアはもうこれ以上耐えられない所まで来ている」
悪びれることなくシャトラールはサラの激昂に涼し気に応える。
「本気で帝国に勝てると思っているの?」
「エリオット・クレイグ。40点だな……
何も全面戦争をしようというわけではない。力を示し、ノーザンブリアの領土を広げる、それだけで十分なのだから」
「だからって……御自慢のガーゴイルは私達三人で倒したのよ。その程度の魔獣なんてどうってことないわよ」
「アリサ・ラインフォルト、10点……君は何を聞いていた?」
シャトラールが指を鳴らすと左右の壁が突然音を上げて沈んだ。
「な、何っ!?」
「これは……」
壁が消えた奥の通路から咆哮を上げて先程と同じガーゴイルが広間に次々に雪崩れ込んで来る。
「な……な……な……」
「この数は……」
あっと言う間に周囲を白いガーゴイルに囲まれる。
「リィンッ!」
「はいっ!」
サラの声にリィンが応え――
「おっと、てめえの相手はオレだ」
白いガーゴイルの群れに紛れて肉薄した金髪のクレドの一撃がリィンを彼らの輪から突き飛ばす。
「くっ……」
「クカカ……今のも受け止めるか。だがうちの大将の話が終わるまで大人しくしてもらうぜ」
「まだ語り足りないって言うのか?」
クレドに剣を向けられ、リィンはその言葉からひとまず抵抗することをやめる。
「無限の兵隊である“塩のガーゴイル”……
それを指揮するのは“塩の花”と適合した“怪人”。彼らは寿命を引き換えに《達人級》の力を得た将だ……
だが帝国を相手にするにはおそらくまだ足りないだろう」
「それが分かっているならどうして?」
忌々しいと言わんばかりに睨むサラにシャトラールは笑みを浮かべて、こう言った。
「私たちはこの地に“塩の杭”を蘇らせる」
「…………は?」
シャトラールの口から出て来た言葉をサラは理解することができなかった。
「判断が遅いな……まあいい……」
呆けるサラに点数をつけずにシャトラールは改めて宣言する。
「“塩のガーゴイル”“怪人”そして“塩の杭”……
この三つを使ってノーザンブリアは領土を広げるため帝国に戦争を仕掛けるということだ」
「…………それは……本気で言っているの?」
「ああ、本気だとも。私たちは“塩の杭”によって全てを奪われた。ならばそれを使って全てを取り戻すことの何が悪い?」
感情を押し殺したような声で聞き返すサラにシャトラールは得意気に語る。
「“塩の杭”は教会に回収されたはず! どうやって――」
「それはここでは明かすことはできない。だがこれは机上の空論ではなく、すでに我々は“塩の杭”の制御に成功しているとだけは言っておこう」
「なっ――」
シャトラールの言葉にサラは絶句する。
「そんなことしたら七耀教会だって黙ってないわよ」
「それがどうした?」
サラの苦し紛れの反論をクレドが吐き捨てるように否定する。
「あいつらが何をしてくれるって言うんだ?
止まった“塩の杭”を持って行っただけでふんぞり返っている間抜け共に何で下手にでなくちゃなんねえ?
いもしねえ“女神”なんて知ったことか。ノーザンブリアを救いたければオレ達がやらねえといけねえんだよ」
「“女神”を否定するなんて、なんてバチ当たりな」
「なら何だって言うんだ?」
クリスの呟きにクレドは逆に聞き返す。
「お前はなぜ“女神”に祈る? 日曜学校で教わるからか? はっくだらねえ」
クレドは吐き捨てて続ける。
「この荒廃した大地で、どれだけの人間が“女神”に祈りを捧げて来たと思ってる?
だが“女神”は一度だってノーザンブリアの誰かを救ったことはねえ……ま、それでも馬鹿みたいにあいつらは祈っているが……オレは祈らねぇ……」
クレドははっきりと告げる。
「祈りなど……祈りなんてモンは……弱者であることの証明だ」
「っ……」
はっきりと断言するクレドに“女神”を信じないと言ったことに顔をしかめたクリス達は気押されたように黙り込む。
「…………アプリリスもそれを認めたって言うの?」
気押されて何も言い返せなくなってしまったクリス達を横目にサラはシャトラールにここにはいない姉妹の思惑を尋ねる。
「その通りだ……
そしてここにバレスタイン大佐の娘であり“北の英雄”であるお前が旗頭がなればノーザンブリアの市民の士気も上がることだろう」
「そんな馬鹿げたことに誰が――」
「五年前、あの時あえて言わなかった言葉をここで言わせてもらおう」
そう前置きをしてシャトラールはその言葉を口にした。
「俺達の“英雄”バレスタイン大佐を……先生を死なせた責任を取れ、サラ・バレスタイン」
「っ――」
シャトラールのその言葉はこれまでずっと目を逸らし続けていたサラの“欺瞞”を貫いた。
「先生が死んだことは確かに君にとって辛いことだっただろう。だがモラトリアムももう十分ではないか?」
「モラトリアムですって……」
「そうだ。俺達はこの場所で共に過ごし“英雄”となりノーザンブリアを救う戦う夢を語り合った……
例え誰かに後ろ指を指されることになっても、例え友が道半ばで力尽きたとしても故郷のために戦い続けると俺達は誓い、血と硝煙に塗れるその生き方を選んだのではなかったのか?」
「それは……」
「それとも君は私達の“英雄”のこれまでの戦いが間違いだったと否定するのか?」
「っ…………」
容赦なく畳み掛けてくる言葉にサラは閉口してしまう。
シャトラールの言ったことは全て正しい。
血と硝煙に塗れる覚悟は“猟兵”となる訓練生の時点で何度も問われてきた。
隣にいる誰かが死んだのもあの時が初めてだったわけじゃない。
「戻って来いサラ……君の中にまだ故郷を憂う気持ちは残っているはずだ……
“塩の呪い”を脱し、この地を豊かにし、誰も飢えで死ななくて済む国を実現するのだ……
そして“北の英雄”をノーザンブリアから解放するんだ」
演説を終えたシャトラールはサラの答えを待つ。
「サラ……」
「サラ教官」
微動だにしないサラに生徒達の不安をもらす。
「シャトラール……確かにあたしはパパの死から、猟兵の業から逃げていたわ」
突き付けていた銃を下ろしてサラは自嘲する。
「そうね……確かにあたし達はこの基地で共に学び、支え合って厳しい訓練を乗り越えて来た」
瞼を閉じればあの頃のことは鮮明に思い出すことが出来る。
「厳しい訓練を乗り越えて……
いつかパパやみんなと肩を並べてノーザンブリアのために戦うんだってはしゃいで……我ながらガキだったのよね」
教官たちには何度も教えられた。
人を殺すことの意味を、そして人を死なせることの意味を。
あの瞬間が訪れるまでサラはどこかで自分や仲間たちが死ぬわけがないと、自惚れていたのかもしれない。
「あんた達からしたらあたしは半端なんでしょうね……
故郷を捨て切ることもできず二束三文のミラを送って自己満足を満たしているだけの愚かな女……
そんなあたしが故郷のために本気で戦おうとしているあんた達に意見を言うのは間違ってるんでしょうね」
「我ながら愚かな道だということは理解している……
だが例え人の道を踏み外したとしても、これ以上私たちはこの26年を繰り返すわけにはいかない……
だからこそ手に入れるのだ……理想を実現するために必要な力を」
「力の行使は否定しない。帝国だって決して綺麗なだけの国じゃないのは分かっているから。でもね――」
サラは息を深く吸い込み、その身に紫電を纏わせた。
「何の関係もない人々に“塩の呪い”を振り撒く非道を働くのは元遊撃士として、いえ人としても見過ごすわけにはいかない……
それにこの子達の担当教官として情けない姿をこれ以上見せるわけにはいかないのよ」
「そうか……残念だよ」
サラの拒否をシャトラールは目を伏せて受け入れる。
「ならば君はもはや私の障害ということになる」
その言葉に場の空気の緊張が一気に張り詰める。が、彼が剣を抜くよりも速くサラが動いた。
「サラ教官っ!?」
雷となったサラは一瞬で階上に佇むシャトラールの目の前に移動してブレードを振り被る。
「あんたさえ倒せば――」
「ふっ……20点、落第だな」
無造作に構えた腕でサラのブレードを受け止めたシャトラールは不敵な笑みを浮かべる。
「――今の手応え……シャトラール。あんたまさか――」
「クレド、ここにはもう用はない。行くぞ」
「は……だから言っただろ時間の無駄になるってな」
リィンに剣を突き付けていたクレドはシャトラールの呼ぶ声に応じて、飛んで彼の下へと戻る。
「私たちはこれより“始まりの場所”で“塩の杭”の錬成を行う。止めたければ追って来るが良い」
「馬鹿言ってんじゃないわよ。あんたたちはここであたしが倒す」
「それは無理と言うものだよ」
シャトラールの言葉に応じるようにそれは広間の高い天井から降って来る。
「あ、あれもガーゴイルなの!?」
「なんて大きさヴァリマールよりも大きい?」
周囲を埋め尽くす群れのガーゴイルとは比べものにならない程に巨大なガーゴイルの登場に一同は息を呑む。
「シャトラール……あんたこんなものまで」
「龍神兵《ソル・ガルヴァ》……暗黒時代の錬金術師が造り出したとされるゴーレムの一種さ」
「シャトラール様、クレド様、乗ってください」
龍神兵の肩に乗った少女が二人を促し、それに応じて二人は龍神兵の手の上に乗る。
「待ちなさい」
「ああ、“始まりの場所”で待っているよ。そこにはアプリリス達もいるから我ら全員で歓迎しよう」
「クカカ、オレたちを止めたければ殺す気で来るんだな」
「ごめんなさいサラ先輩、でもこうするしか私たちには時間が――」
「余計なことは言わなくて良い。それよりも」
謝ろうとする少女の言葉をシャトラールは遮って、促す。
「は、はい。申し訳ありません。ソル」
恐縮したように少女は謝って龍神兵の名を呼ぶと、それに呼応して龍神兵は翼を広げて上昇する。
「くっ……」
上昇していく龍神兵をサラは悔しそうに睨み付けることしかできなかった。
だが、そんなことをしていると階下にひしめき合っていたガーゴイルたちが一斉に咆哮を上げた。
「まさか――」
慌てて下を見ると、それまで威嚇するだけだったガーゴイルの群れが一斉にクリス達に襲い掛かる。
「ちっ……」
サラは舌打ちをして階上から身を投げ出し、すでにリィンとフィーが駆け回っている戦場に参戦した。
*
8月23日月曜日。9:00。
かつて災厄が現れたその場所に、その日再び“塩の杭”が現れた。
その日のレグラムA班
ゼノ
「あかん、あかんなぁ」
レオニダス
「戦術リンク、確かに有効なシステムだがそれだけだ」
マキアス
「くそ……何でこいつら戦術リンクもないのに僕達以上に連携が取れているんだ!?」
ユーシス
「これが猟兵の力だというのか」
ゼノ
「ほれ、導力波を撹乱するチャフや」
ガイウス
「なっ――戦術リンクがこんなにあっさり壊されるだと!?」
エマ
「セリーヌ、キリシャ。サポートして戦術リンクを補強します」
レオニダス
「お前達の敗因は戦術リンクに頼り過ぎだということだ。純粋な力比べとなれば連携など意味はない」
ラウラ
「ぐっ……何と言う力……」
ミリアム
「がーちゃんが殴り負けた!?」
ゼノ
「そして何よりそないなもん使わなくても――」
レオニダス
「阿吽の連携など我らにとって造作もない」
ゼノ・レオニダス
「合技《キアノス・ゼフィール》」
ミリアム
「やったなーそれじゃあボクも本気で行くよっ!
がーちゃん、合体っ!! アルカディス・ギアッ!!」