ケロロ軍曹の憂鬱   作:ゼロん

1 / 3
宇宙人つながりで。つい書いてしまった。


答えはいつも私の胸に……


前編 であります!

 1億2680万人。

 

 日本の総人口数、そして……あたしはその数の一割にも満たない、ありふれた者の一人。

 

 今までずっと自分のことを特別な人間と思っていた小学六年の時。

 

 あたしはその事実を痛感した。

 

 それに気がついた時、周りの世界が色あせて、何もかもが灰色に見えた。

 

 けど……そんなのは嫌だった。

 

 これだけ人がいて、なんで面白い人間が一人もいないのか。面白い人生を、充実した日々を送って過ごしている人だっているはずだって。

 

 あたしは──その中の一人になりたかった。

 

 思い続けて……はや一年。

 あたしは念願の中学一年生になった。

 

 これから。以前から決めていた通り、あたしは行動を起こすことにしていた。

 

 無茶も無謀も関係ない。

 

 あたしは変わって、退屈な毎日を捨て去ろうとした。

 

 そんな日々を過ごすうちに、徐々にイライラしていったのはなんでだったろう。

 

 こんなにたくさん、常人が考えないような……そう、色んなことをしているのに、何も起きない退屈な毎日。そんな毎日にイライラしていたのかもしれない。

 

 まぁ、どうだっていいことだ。

 

 だって────

 

「見つけたわよっ!! 宇宙人!! 黙ってないで、出てきちゃいなさいっ!!」

 

 退屈が逃げ去るようなことが、

 

 

「……ゲッ、ゲロォ……な、なぜ……なぜバレたでありますか……!?」

 

 

 あちらの方から、飛び込んで来てくれたんだから。

 

 

 ***

 

 

 

「ふぁ〜ぁ……」

 

 カバではないが……大口を開けて、あたしこと、涼宮ハルヒは起床する。ベッドから気だるげに身を起こし、パジャマを脱ぎ捨てる。

 

 側から見れば、下着姿で何をやっているのか、という状態であたしはさっきまで見ていた夢の内容を思い返す。

 

 素敵な夢は……すぐに忘れられてしまうものだから。

 

「……思い返せば変な夢よね。夢って人が頭の中で考えてることが出るっていうけど、本当なのかしら……」

 

 夢の中では、高校生になったあたしは、とある部室で、未来人、宇宙人、超能力者と……なぜか取るに足らない平凡な男子生徒と一緒に、部活動に勤しんでいるというものだった。

 

 夢の中でも……あたしはあたしだったけど。

 それでも、今のあたしよりもずっと生き生きしてて、まるで……

 

「昔みたい、ねぇ……。ま、あくまで夢よね」

 

 けど、もし……もし本当にそんな未来があったとしたら……。それは本当に素敵なことなのだろうなぁ。

 

「まさか、あたしの部屋にも宇宙人とか、UMAとかが姿を隠して潜んでたりして」

 

 なんてね、と。あたしはつまらなそうな顔をして下着姿のまま勉強机の椅子に座る。

 そして、すこしため息を吐いて、

 

 

「そこにいるんでしょっ!! 宇宙人!!! 姿を隠してないで出てきなさい!!!」

 

 

 ちょうどベッドの向こうにあった壁に向かって指を突きつける。

 それはもう、逆転裁判も顔負けの。

 

「黙ってないで…………観念して出てきちゃいなさいっ!!!!」

 

 大声をあげたはいいものの……ちょっとした思いつきでやったから、その後のことは考えてない。

 

 まぁ……本当はわかってる。宇宙人とか、UMAとか人が噂してるってだけで、本当はいないんだって。

 

 指を少しづつ下げて、あげた腰を再び椅子に戻す。

 

 ……あたしは何をやっているんだろう。

 

「はぁ……」

 

 ため息をつくと、目の前であたしの想像をはるかに超えたことが起こった。

 

「ゲッ、ゲロォ……な、なぜ……!?」

 

 最初は気のせいかなって思ってた。空耳の類でしょって。けど、それは気のせいでもなんでもなくて。

 

 ちょうどあたしが指を指した場所。そこが忍者の術にあるような偽の壁紙が少しづつ剥がれていって。

 

「……。……? ……! えっ……!?」

 

「なぜバレたでありますか……!?」

 

 完全に緑の……巨大カエルと思わしき姿が露わになった。

 

 

 ***

 

 

 西暦、20XX年5月。

 

 我輩こと、ケロロ軍曹は地球侵略の下調べ……またの名を調査任務に抜擢されたのであります。

 

 事の発端は一年前、地球において目撃された『謎の超常現象』。

 

 本部は『謎の超エネルギー反応』と呼んでいたでありますが……。

 

 とにかく、我輩はその意味わからないエネルギーの実態を調査すべく、地球に向かっていたのであります。

 

「……ていうかさ。なんで我輩一人を派遣させるわけ? いや、そりゃあ……吾輩にしかできない任務かもしてないけどさ」

 

 ほかの隊員は有給休暇ってマジふざけるなよな、オイ。

 

 

「我輩にだって用事くらいあるっつーの。ガンプラ作ったり、まだ観てない機動戦士ガンダムユニコーンとか、宇宙戦艦ヤマト2199とか!」

 

 

 本部は『暇でしょ?』みたいなノリで任されたし、まぁ……おだてにおだてられて仕方なく来ちゃったけどさ。

 

『これはチミにしかできない最重要任務だ!』とか言われちゃったけどさぁ。

 

「……ま、いっか! クルル曹長から貰ったアイテムがあれば『謎の超エネルギー源』の調査なんて楽勝っしょ!」

 

 まぁ、深くは考えないことにしたであります。

 

 それに地球は我輩の大好物なサブカルチャーの宝庫。任務なんてサッサと終わらせて、本部には仕事と称して、余った時間はゆっくり楽しませてもらうであります。

 

 あぁ、ついでに地球のwifiでもジャックして観てないアニメも観ちゃおうかな。こっちじゃ地球に比べて数年か放送遅れてるし。

 

「ゲ、ゲロッ。もう大気圏突入でありますか」

 

 

 ***

 

 

「さてさて……無事に大気圏は抜けたでありますな……」

 

 クルルから預かったアイテム……『スキャウター』を帽子から取り出して、と。

 

「つーか、どっかで見たことあるなー……この機械。なになに……えーと、これを使ってエネルギー反応の高い対象を探す……でありますか。どれ、試しに……」

 

『スキャウター』のスイッチを起動し、自分に向けてみる。起動音もまんまだ。これ。

 

「ふっ……。ケロン星にいた頃の我輩には及びはしないものの、最低でもエネルギー値は100万は確実でありますなぁ……!」

 

 と言っている間に数値測定が終わったようで、ピロピロピロ、という音がした瞬間に『スキャウター』をのぞいてみる。

 

 やっぱこれ、ドラゴ○ボールに出てくるやつだよ。ベジー○とかフリー○がつけてるアレ。

 

「どれどれ我輩の戦闘力は……」

 

 しかも戦闘力って言っちゃったよ。我輩。

 

 ケロロ軍曹 エネルギー値 分析結果

 

 [53]

 

 WEAK(倒すに値しないゴミ)

 

「はぁっ!? なに!? どゆこと、これ!!」

 

 低っ!?

 しかもバカにしてるのかな、この数字!? 

 

「我輩をゴミとか、ふざけんなよ! あのぐるぐるメガネ! ……故障! こんなの『スキャウター』の故障であります!!」

 

 ついつい握り潰したくなるが、堪える。

 いくら不良品でも、目安にはなるはずだ。

 

「いかんいかん……とりあえず、しばらく雨風を過ごせる前線基地が必要であります」

 

 どこか適当な民家を探して占拠して、地球人の生態調査も兼ねて捕虜とするであります。

 

 ついでに食事とか、お掃除とかやって貰ったり……。

 

「やべぇ……完璧じゃね?」

 

 ゴクリと息を呑んで、我輩は早速近くにあった適当な民家に降り立ったのであります。

 

「……あれ? そういえば地球人に見つからないようにするアイテムとかあったっけ……?」

 

 そういえば本部がなんか説明してたっけ……。

 

「やっべ、忘れた。…………ま、いっか!!」

 

 

 ***

 

 

「ほうほう……これが地球人の部屋でありますか……結構広いでありますなぁ」

 

 窓をゆっくりと開けてと。

 

 しめしめ、部屋の持ち主は寝ているようであります。窓も閉めないとは不用心な。

 

「まぁ、隣り合う部屋もない一軒家でありますからなぁ……2階へ飛びのってくるやつもいないだろうし。ヨッケロショっと」

 

 窓枠をまたいで住居内に侵入成功。これより部屋の中枢へ。

 

「ん……っ」

 

「ゲロッ!?」

 

 ──ぐぅぁ!? 

 

 ま、マズイぃ! これはマズイでありますっ! 

 部屋の持ち主が起きそうであります! 

 

「た、たしかここに……あっ、あった!!」

 

 帽子からクルル曹長のひみつ道具、『擬態ふろしき』を広げて、急いで壁にひっついて隠れなければ。

 

『擬態ふろしき』はたしか……身体ごとこの風呂敷を壁に貼り付けることで、敵をやり過ごす。イワユル、ステルス迷彩っ!! 素敵ぃ! 

 

 しかも、こっちからは一方的に向こうの姿が見える……。やるじゃん、あのぐるぐるメガネ。

 

 しばらく起きた部屋の持ち主……地球人の女を観察。隙を見て、まずはこの部屋……しまいには家を乗っ取ってやるであります。ゲーロゲロゲロゲロリンチョ! 

 

 ……。それにしても、さっきから彼女、ずっとブツブツと独り言を言っているでありますが……なんとももったいないでありますなぁ。

 

 冴えない顔してるでありますなぁ。笑ってたほうがもっと可愛いだろうに。

 

 しかし、その次に彼女が言った言葉は我輩の度肝を冷やしたであります。

 

 

「まさか、あたしの部屋にも宇宙人とか、UMAとかが姿を隠して潜んでたりして」

 

 

 ……ん?

 いやーまっさかぁ。ただの妄想でしょ? 

 

 そんな我輩の淡い幻想をぶっ壊すように、女はちょうど我輩の方に指を向けてきた。

 ……ウソ!? 

 

 

 

「そこにいるんでしょっ!! 宇宙人!!! 姿を隠してないで出てきなさい!!!」

 

 

 げぇぇぇぇぇっっっ!? 

 バカな、そんにゃバカな!! 

 

 いやいや……落ち着けケロロ。あんなの、ただのハッタリであります。地球人の戯言であります。たかがっ、たかが妄言ごときになに冷や汗かいているでありますかっ。

 

 いくら地球人の文化レベルが予想より高かったとしても、たかが民間人ごときに見破れる訳がないでありますっ! 

 

 

 

「黙ってないで…………観念して出てきちゃいなさいっ!!!!」

 

 

 

 ……あ、やべ。完全にバレてる。どうしよ。

 

 しまった。驚きすぎて『擬態ふろしき』が離れ……! 

 

「……。……? ……えっ……?」

 

 あー……もういいや。

 後学のため、素直に聞いてみよっと。

 

「な、なぜバレたでありますか……?」

 

「う、ウソ……本当に、本当に……宇宙人」

 

 女はふらふらとした足どりでこっちに近づいてきた。まずい。我輩としたことが、ショックで接近を許してしまったであります。

 

「ついに! ついに見つけたわぁぁぁぁぁ!!」

 

「おわっち!!」

 

 ギィヤァァァァァァァァァァァッ!!! 

 持つな! 頭を持つな!! 苦しい! 酔う! 

 振り回すなでありますぅぅぅ……!! 

 

「こ、この星の生き物は大変凶暴であります……ぅ!」

 

 だから頭わしづかみにするなって! え、急に抱き寄せ、

 

「あんた! あんた本当に本物!? 本物の宇宙人なんでしょ!? そうなんでしょ!?」

 

「うぐぁ……た、頼むからそんなに強く抱きしめるなであります。息ができ、ぶっ!!」

 

 余計に身体に押しつけられた。マズイ! 

 ガチで! ガチで死ぬ! 息できない! 

 

「こんな時に学校なんて行ってらんないわ! お母さんにはだるいから休むって伝えとこっと!」

 

 よし! わずかだが腕の力が弱まったぁ! 

 

「隙ありであります!!」

 

 腕をすり抜け緊急脱出!

 

「あぁっ!?」

 

「ゲーロゲロゲロ!! 甘いでありますなぁ、地球人! 一瞬の油断が命取りであります!」

 

 ニヤニヤと笑い、ケロボールを取り出す。

 

「見られた以上は仕方がない……。地球人の女、貴様には死んでもらうであります!」

 

「うわぁ……!! 宇宙人に一度でいいから言われたかったのよねそのセリフ……!!」

 

 一応『スキャウター』で戦闘力……じゃなかった。エネルギー値を測定……殺れるか? 

 

 [5*****]

 

 ふっ……エネルギー値たったの5! ゴミめぇ! (人のこと言えない)

 

 我輩のエネルギー値(53)に遠く及ばないであります! 

 

「おぉっ! なんかそれっぽいの取り出してきたわね……!! 面白いわ! じゃあ早速何ができるか見せてもらおうじゃないの!!」

 

 えっ……?

 何その反応。あんた今殺されかけてるんダヨ? 

 

「調子狂うでありますが……しねぇ!! 『ドロドロ光線』!!」

 

 ケロボールのスイッチを押し、凄まじい勢いで放たれた光線が女に向かっていく。

 

 ゲーロゲロゲロ! さらばだ! 地球じ

 

「なるほどねぇ。まぁ、宇宙人って言えば光線銃ってイメージを壊さないところは良いことよね」

 

「!? よ、避けた!?」

 

 女は我輩の放った光線をあっさりと避け、呑気にも感心する始末。

 

「ふっやるなぁ……地球人の女。侮れん、しかし当たりさえすれば、貴様などぉ……!!」

 

「当たらなければどうということはないわ!」

 

「こしゃくなぁ!!」

 

 そのセリフは我輩が言いたかったであります! 

 

 激戦が始まると思いきや、『スキャウター』から計測終了の音が。

 

「なによそれ」

 

 ほほう、ケロン人の科学力に興味津々のようでありますなぁ。どうせだから、死ぬ前に教えておいてやるであります。

 

「ふふふ……これは相手のエネルギー値を計測する機械。たった今、貴様の計測が終了したであります」

 

 せっかくだから指とか突きつけちゃお。くぅー! 我輩、ぃかす! 

 

「へぇ……! で、あたしの力はどれくらいなのよ」

 

 いやだから、なんでそんなに興奮してんの? 

 

「ふん、見るまでもない。貴様のエネルギー値など我輩に比べればゴミでありま」

 

 目の前の地球人 エネルギー値 分析結果。

 

 [530000]

 

 !! DANGER!! ヤバし!!

 

 スグハナレロ!! 

 

「えぇーと……」

 

 うん……あ、えっとあれ……53万? 

 ちょ、ウソ。我輩がゴミじゃん。ネイルさんにも及ばないジャン。

 

 

「で? どうなの宇宙人」

 

 

 くっ……!! 気取られてる。我輩の方が弱いことがバレてるであります。

 

「その顔見れば嫌でもわかるわよ」

 

 小さく舌打ちをして『スキャウター』を床に叩きつける。

 

「はっ、はんっ! ちょ、ちょっと故障中のようでありますな。では、もう一度くらうでありま」

 

『ドロドロ光線』スイッチを押そうとしたその瞬間、不覚にも地球人の女にケロボールをぶんどられてしまった。

 

「あぁっ!!」

 

「へぇ〜なにこれ!? まさかひょっとしてとんでもない秘密兵器とかだったりするわけ!?」

 

「か、返せ! 早く返すであります!!」

 

「イヤよ。それよりもこれがどんなものか教えないさいよ!」

 

 女はケロボールを高々と上に上げて……! 

 あぁっ、そ、そんな高いところに持ち上げないで!? 

 

「くぅっ、くそぅ! くそぅ!」

 

「あははは、ほらほら、取れるものなら取ってみなさい?」

 

 ちっきしょう!! 隊長たる我輩がなんたるザマ……プロの軍人たる我輩が、これじゃあただのいじめられっ子であります!! 

 

「もっと、もっと我輩に身長があれば……!!」

 

「それよりも早く使い方教えなさいよ。さっきの光線とか、いろいろ出せるんでしょ?」

 

 おのれ……!! 我輩のケロボールをぷらぷらと振り回しおってぇ……! 

 

「ふっ、貴様ごとき民間人に教える義理などないであります」

 

「ふーん、なるほど。これ、機密事項とかある重要な物なのね」

 

 やけに頭働かせおってこのアマぁァァァァァ。

 

 青筋が立った瞬間、ケロボールから本部からの通信が入った。

 

『こちら本部。ケロロ軍曹、調査の方はどうか────』

 

 あぁそっか、ちょうど定期報告の時間だったから、

 

 

「えい」

 

「あぁぁぁぁぁぁっ!?!?」

 

 

 すると女はいきなり部屋の床にケロボールを叩きつけた。

 

 な……なんということを……! 我輩がそれを手にするのにどれほどの歳月と苦労をしたと思っているでありますかぁ……!! 

 

「仲間に連絡なんて取らせないわよ?」

 

 今ので通信機能がイカレたのか、テレビでよくある、ザーッという音しか聞こえない。

 

「きっっっっ……summerぁっ!! 壊れたらどうするでありますかぁ!?」

 

「その時はその時よ。あたしはアンタに興味があるんだもん」

 

 虚を突かれ、コケにされ、プライドを傷つけられ……遂にはケロボールまで……! 

 

 我輩の中で、なにかがキレた。

 

「ふ。ふふふっ、ふふふ……! とうとう我輩を怒らせたでありますなぁ……!?」

 

 全身に力をみなぎらせ、短時間ではあるが通常の3倍の力を発揮する……フルパワーケロン! 

 

「さぁてお待たせしましたねぇ……ここまでは単なるおふざけ。──これから始まる最終攻撃のための準備運動でありますっ!」

 

「な、なに……?」

 

 しめしめ、怯えているであります。怯んでいる今が絶好のチャンス! 

 

 足に思いっきり力を入れて地面をもヘコませる勢いで(気分)…………!! 

 

「ひぃやああああああああああ!!!!」

 

 思いっきり飛び蹴りキィィィィッック!! 

 

『ケロロ軍曹! こちら本部! 繰り返す、こちら地球侵略部隊本部!』

 

「え?」

 

 キックは女にぶつかる前に宙で止まった。

 というか通信! 早く助けを呼ぶであります!! 

 

「お、おおーい!! ヘルプ! 本部ヘルプ!!」

 

「ああっ!! いつのまにか直ってる!?」

 

 しめた! これでこの星からもオサラバであります! 

 

『緊急のため、これは一方的な通信となる! 繰り返す! このメッセージは貴殿へ一方的に送られるものである! 凶暴な敵性生命体に貴殿が襲われた可能性がある故────我々は一時撤退する! 繰り返す! 我々は貴殿を置いて、一時撤退する!』

 

 

 え? 

 

『貴殿を救助できないまま去るのは不本意ではあるが、これは決定事項である! 幸運を祈る!』

 

 

 通信はそこで終わった。

 

 

 ***

 

 

「つまり、あんたは見捨てられちゃったと」

 

「グサッ!?」

 

 哀れではあるが、どうやらこの宇宙人は仲間に見捨てられたのだとさ。

 

「じゃあしばらくの間よろしくねっケロロ!」

 

「ゲ……ゲロォ──────ーッ…………!」

 

 

 

 ケロロ軍曹の憂鬱は、ここからだったとさ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ここまでお読みいただき、ありがとうございます!


ハッピー令和スタート!

令和初の作品になりました。
既存のシリーズも見てくれている方はありがとう! ゼロんです。

そっかぁ……いよいよ自分の見ていたアニメマンガ作品が、えっ、平成の作品だよねって言われるようになるのかぁ。昭和ね、みたく。

……なんか寂しい。

そんなことより!

ハルヒの派生作品を含め、アニメを全見した後、ケロロ軍曹の漫画を全部読んで、あのマーチをたまたま聴いたらピンと来て書いてしまった本作です。

本当はもっと長い感じにしようと思った汗。
ガンプラ遊びや別れのシーンとか!

希望があれば描きたいです。最近疲れ気味なのよね……他にも色々描きたいのに。くっそう。

読んでくれてありがとう! 令和でもよろしく!

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。