時間がかかったけど、納得できる内容かな……?
いつのまにか全話が評価たけぇ! まじかよ! 何があったよ!
続きです。誤字脱字あったらごめんね!
「ハルヒー! ご飯だぞー!」
いつまで経っても降りてこない娘にハルヒの父親は二階に向かって声をかける。
『……あっ。ちょ、ちょっと待ってて親父! ああっ、コ、コラァッ! 逃げるなぁっ!!』
『────ゲ、ゲニョオォッ……!』
「……?」
ハルヒ父は首を傾げる。
また娘がノラ猫か何かでも連れ込んでいるのだろうか。
ハルヒ父は痩せ気味な腕で電子レンジから温めた昨夜の夕飯の残りと即席ご飯をテーブルに置く。
「まったく困った子だ……」
そう言いつつハルヒ父は家族写真を見て穏やかに笑う。
「今日も平穏に過ごせますように……」
しばらくして彼女の部屋のドアが開き、ハルヒが階段をトトト、と降りてくる。
「おはよう、ハルヒ」
「おはよー親父」
ハルヒは勢いよく席に着き朝食を食べ始めてから『いただきます』を言う。
「いただきますは食べる前にしような……」
ハルヒ父は苦笑しつつ自分も箸を合わせ『いただきます』を言う。
「……もご……いいじゃない別に」
「せめて口の中の物を飲み込んでから話しなさい」
ハルヒはご飯を口につめてモゴモゴと口を動かす。
「食事前に『いただきます』だなんて、一体どこの世界の誰がそんなことを決めたのよ?」
「地球という星の、北緯二十度から四十六度。東経百二十三から百五十四度の間にある島国。昭和時代の日本人かな」
「細かっ。誰もそんなこと聞いてないわよっ!」
「知りたいのかなって」
「どうでもいいわよそんなの」
ハルヒはコップに入った牛乳を一気に飲み干しテーブルに置く。
その頰はいつもよりも少しほころんでいた。
まるでこれから起こる出来事にワクワクしているような、そんな風に感じ取れる。
「なんか機嫌良さそうだね、ハルヒ」
「────んっ!?」
飲んだはずの牛乳が上がってきたのか、ドンドンとハルヒは胸元を叩き咳き込む。
「……べ、別に? いつも通りよ?」
「なにか嬉しいことでもあったのかい?」
ニコニコと愛想良く父は問いかける。
「ま、まぁね」
「可愛い猫か何かでも見つけてきたのかなー?」
「そそ、そんなわけないでしょ!?」
そう答えたハルヒの口元は引きつっている。
「わ、私がネコなんか拾ってくるわけないじゃない」
「以前拾ってきてたよね。それも五匹も。子猫も含めて十匹」
「あ、あれは……ほんの気の迷いよ。ペットショップで見たやつよりも可愛かったから衝動的に……」
ハルヒはモジモジと指をすりあわせる。
「ってその話は、ちゃんと他の飼い主を探して終わったはずでしょ!? 掘り返さないでよ!」
「いや、さっき騒がしかったから────」
「なん・でも・ない!!」
娘に無理やり押し切られ苦笑する父。
その図がまさにこれだ。
「それより母さんは? 今日の朝食、私作ってないし。ご飯だって電子レンジだし」
「ごまかすように話題そらすね我が娘は。あと、父さんに向かってアンタとか言わない」
「か・あ・さ・んはっ!?」
「わかったわかった。母さんならもう出たよ。冷蔵庫に残りがあるから食べてって」
いちいち小言うるさい、と言わんばかりにハルヒは叫ぶ。
「ごちそうさま。私支度して出るから。皿を出して先出てて。帰ったら洗っとくから」
ハルヒは席から立ち、食器を簡単に水で注いでから部屋へと戻ろうとする。
「今日はいつもよりも食べるの早いねハルヒ。ちゃんと噛まないと消化に良くないよ?」
「うるさいわよ。……男のくせに細かいことは気にしすぎだっての」
そう言ってハルヒは階段を登る。
「あれ? 行ってきますのチューは? 小学生の頃はいつも──────」
「いってらっしゃい」
ぶっきらぼうに挨拶だけして部屋に入っていった。
「……まったく、しょうがない娘だ」
娘のハルヒももう中学一年。大人にも近くなってくるし、責任感も芽生えてもいい頃だ。
「よいしゃっと。皿は流しにっと。ハルヒは隠すのが下手くそだなぁ」
……面倒がないうちは母さんには黙っておいてあげよう。
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「……で? クルル曹長。結局本部が言ってた『謎のエネルギー反応』ってなんなのよ」
一度全身の関節をバッキバキに砕いてから縄による拘束を脱出。
次に手際よく棚に入れられたケロボールを奪取。救援ついでに部下に連絡をとる。さすが我輩、超軍人(自画自賛)。
『クク……クククククッ。休暇中に呼び出すんじゃねーよぉ』
「あんだよ!? そっちだって暇だろぉ!?」
声が出るのも我慢できずケロロは叫ぶ。
冗談じゃない。部下がバカンスで暇つぶししてる時になんで我輩だけ命の危険に晒されなくちゃならんのでありますか!?
『こっちだってプライベートがあるっつーの……』
「こっちにだってあるよ、ちみぃ!!」
『んなことは本部に言えっつーにょ』
クルルは鼻をほじり、ペイっと掘り出し物を指で弾く。……汚い。
「とにかくクルえもん、手伝ってよ!」
『…………めんどくせぇ〜』
「頼むよう……今度ケロイチで奢るからさー……」
『カレーライス。二日奢りでなぁ……』
「……吾輩上司なのに……!」
部下に頭を下げ、協力を依頼。
『……。なるほどぉ、こいつはくせ者だゼェ……く〜っくっくっく』
映像が転送され、ケロボールの真上に青白いスクリーンが浮かび上がる。
画面には赤い点が地球及び宇宙全体に広がり、エネルギー量の値を示すパラメータが表示される。
『隊長ぉ。本部からの資料には目を通してあんのかよぉ?』
「ええっ……!?」
額から謎の汗が。
「あっつ〜ほんと暑いなーペコポンの気温はーええっと。どうだったかな……ははは」
『通してねぇなぁ……クク』
「……ぎくり」
クルルは平時通りに意地悪く笑いながら顔をスクリーンに近づける。
『どうせ見る時間も惜しいから、例のごとくガンプラの塗装でもしてたんだろぉ? く〜っくっくっく……』
「ぐさぐさぁ!?」
心臓をロンギヌスの槍かなんかで貫かれた感じがする。二本ぐらいか刺さったかなぁ、エ◯ァの第二使徒?
『しょうがねぇなぁ。この俺様が、わかりやすく説明してやるゼェ〜……く〜っくっくっく……』
「……お、おねがいします……ぅ」
クルルに本部へ職務怠慢を報告されるのではとドキドキしつつ、冷や汗とともに顔を俯かせる。
『────この反応が見られる場合において必ず発生する現象は二つ。一つは人工的な巨大空間の形成。もう一つは巨大な情報量の爆発と操作だぁ』
「空間の形成……? 地球には人工的な空間の形成を行うほどの技術は無いでありますよ。ケロボールがあるわけでもあるまいし……」
ケロン人の科学力なら思うがままの空間を作ることなど容易い。
だが、地球には今までそのような技術はなかった。年数の経過により技術は発展しても、我々に追いつくのは数百年先の話。
そのような反応が見られるのは極めて妙だ。
「それに情報の爆発……操作ってなにさ?」
『隊長でもわかるように簡単に言えば、「世界を自分の思う通りに変えちまう」力だよぉ。く〜っくっくっく……』
「……はぁっ!? ナニソレ!? そんなんなんでもありじゃん!」
なにそれ欲しい。宇宙世紀とかマジ夢じゃねぇ! モビルスーツ乗って発進してぇ!
『だぁから問題なんだヨゥ。もし宇宙人がいない世界が──────なんて書き換えられたら、俺たちの存在まで消えちまうんだからなぁ……く〜っくっくっく……』
「あっ、そっか。やっぱヤベー!!」
カレーがない世界も嫌だけどなぁ、とクルルは茶化す。
『そして、そのエネルギー源は物体からじゃねぇ。その源は……ある一人の地球人から発せられているぅ』
先の図の代わりに映し出されたのは──────涼宮ハルヒ。
『それが、隊長が接触を果たした地球人。涼宮ハルヒだぜぇ〜。く〜っくっくっく……!』
「──────っっぁー…………ぁ……」
ケロロ、マジ絶句。
『じゃっ、出前のカレー来たから切るぜ。……ほいほーい今出まーす』
「……あっ、ちょ!? ちょい待てよ黄色メガネ! おい! 聞いてんのか!?」
説明してもらった感謝すら頭の隅に置いて、クルルに怒鳴るが、クルルは聞く耳を持たない。
『……おっと。通信ボタン切るの忘れてたぜ……まぁ、最後に俺のカレー食う姿だけおさめとけや……く〜っくっくっ………………っ……!? ───────これボルシチじゃねーか!!』
クルルの文句を最後に通信は断絶。
「……ざまぁ」
「カエル人〜!! いるんでしょう!? 親父も居なくなったし、たっぷり遊びましょ!!」
ハルヒがドアを大きく開けて部屋に入ってきた。
「……吾輩もザマァ?」
「あっ!? いつのまにかボール取ってる! 返しなさい……よっ!」
ハルヒ、わずか数秒でケロボール奪取。
「ゲロッ!? あぁ元々吾輩のなのにぃっ!」
「じゃあじゃあ! なにして遊ぶ、宇宙人! バスケとか……サッカーとかどうかしら!」
聞いてないしこの人。
「えーと……」
やべっち、多分ボール用意してるし球技だよなぁ。
『サッカーやろうぜ、お前ボールな!』
『バスケやろーぜ! お前バスケボールな! ダンクシュゥゥゥッ!』
うん、どっちも地獄にしか聞こえない。
「そうだ! サッカーにしましょう! それがいいわ!」
「か、会話が
こ、こうなったら、遊びの間にもこのハルヒとかいうペコポン人からそのエネルギーとやらを奪うしかないであります……!
「で、ハルヒ殿……その、さっかー? とやらは、こ、この部屋でやるでありますか……!?」
「うん! そうよ!」
「そうよ、って……散らかして怒られやしないでありますか?」
吾輩はいつもそうだった。
『こんガキきゃあ! 何でもかんでも集めて部屋散らかしてきおって!!』
『あぁっ! あぁぁあ!!』
あの時は親父にこれでもかというくらい尻を叩かれて……っ!
「不可抗力なんでありますぅ……!」
「……? 何急にうずくまってんのよ? いいから早くボールを真ん中に置いて……」
……ボール? ボール? ボール……?
その瞬間、吾輩の中の
──────閃いちゃった。
「ハルヒ殿! 吾輩に名案があるであります!」
「……?」
何を言っているのだ、と言いたげだ。
ハルヒが首を傾げている。
「ケロン人の技術を使えば、部屋の中でも、もっと広い場所でさっかー? とやらができるでありますよ?」
「そ、そうなの!? 早く見せて見せて!」
くくく……この引っかかりよう。
この娘ちょろいであります。
「では、我がケロン軍技術の粋であるケロボールを……」
「いいわよいいわよ! さぁ! 早く早く!」
ケロボールがすぐさま吾輩の手元に……!
やった! これでこの小娘にドロドロ光線を喰らわせてやれば……!
『──────避けたっ!?』
……!?
……なんだろう。今、脳裏になんかよぎった。
もしかして我輩ニュータイプ? 気のせいか……いや。
なんか……とてつもないなにかが、よくわからんけど唐突になんか変なビジョンが浮かんだ気がする。
アレ……手の震えが、トマラナイヨ……?
『宇宙人なんか信用できないわ! こんなのいない方がマシよ!』
『えっ!? ちょ──────アッ────!!』
もし……もしもだけど、さ。避けられたら……ヤバくね? ていうか、殺っちゃっていいの(自問自答)?
命令って監視だよね? 調査だよね?
排除しちゃっていいの(全て自問自答)? ダメっぽくね?
「……? どうしたの? できるならやってよ」
「あっ、ごめんごめん! ちょっとボーッとしてたであります!」
とにかく……ここは従っておくのが良さそうでありますな。それに面倒な仕事は、もっと凄腕の部隊に任せればいっか。
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「す、すごい……! すごいすごい! あんた、ひょっとして大したことないかと思ってたけど、結構やるじゃない! ケロン人の科学力は宇宙一ってやつね!」
「ま、まあネー……」
ひとまず、ハルヒが言うサッカー場……とやらを押し入れの中に再現したのだが。
し、しかし、う、宇宙一……そ、そうかなぁ……お褒めいただき恐縮……って、はっ!
なぜ懐柔されそうになっているのだ、ケロロ軍曹! 所詮はペコポンの科学力。あちらから見ればなんでもすごく見えるに決まっている!
きっと、吾輩をおだてていいように操る気であります! ふーっ……あっぶね〜!
「……なんだけどさ、その……」
「ゲロ?」
「そのムキムキのキモい格好はどうにかならないの……?」
キモい……キモい?
「このペコポン人スーツがでありますか? ふんっ! ふんぬっ!」
試しにポーズを取ってみると、露骨に嫌そうな顔するハルヒ。
なにを顔をしかめている? 見よ、この完成された美しい鋼の肉体を!
「ぺ、ペコポン人……?」
「この星の人類にぴったり馴染めているでありましょ?」
「……もう、色々突っ込むのめんどくさいわ……ていうか、あたしたちがそう見えてるって言うのも衝撃的だわ……」
「さぁっ! こいっ!! 受け止めてやるでありますっ!」
ハルヒ殿に教わったさっかーなるもの……どうやら2人でやる時はPK? なるものをやるそうであります。
「まっ、やる気があるならいいわ……ちょうど体型もハンデにならないしね……」
実に興味深い……とはいえ、所詮は遊戯、蹴り放ってくる女子のボールを受け止めるなど容易いことで、
「せいっ!!」
「──────────!?」
瞬時に顔面に走る痛みの
「あっ、ごめん! ちょっとやりすぎちゃったみたい!」
「……? ……!?」
なんだ……? 今一瞬、空が近く見えた。あれは……死兆星か? んん?
なぜ俺の掌に赤い水が付いている。錯覚か? 立ちくらみ……と言うやつなのか? 吾輩が?(ようやく自分を取り戻し始めた)
「あっ、けどボール入ってる! ゴールよ! やったーっ!」
えっ……ちょっと、意味わかんないんすけど。
吾輩負け……え……!? 鼻血出てる!
「次のいってもいいかしらー?」
「……!? ストップ! ハルヒ殿ストォーップ!! 」
────鬼畜かテメェ。
急ぎTの字を作り、次弾装填しかけたハルヒを制止。
「ルール確認。まず、顔面はアリでありますか?」
「えぇ。全身を使ってボールをゴールに入れないようにするの。ゴール真下の白い線を越えてもアウトよ!」
「そ、そうでありますか……」
な、なんと……これは、なんということだ……!
これは遊びと偽った
「ち、ちなみに……この遊びはいつ教わったでありますかー?」
「十一人の一チーム組んでやるサッカーの細かいルールはもっと後だったけど……そうね〜……概念としては幼稚園くらいかしら。あ、幼稚園は三歳くらいに行く学校ね」
なん、だと……!? チーム。で!?
*イメージ映像
『おらー死ねギロロー!!』
『グオハッ────!? …………(フラフラ)ぐ、う……ど、どおした!? その……その程度か!』
『ちっ……しぶとい奴……では二撃目であります! タママー!』
『な、なにぃっ!?』
『先行を譲ったのは貴様だギロロ……! さぁ、あと十人!』
な、なんと野蛮な(違う)……!
幼少期からこのような拷問を受け、いずれ砲弾を物ともしない頑強な身体を作り上げようとするとは(断じて間違った解釈)……!
『次は耳だ。タママ』
『はい軍曹さん!』
しかも打つのは一人ではなくチームで……!
「ふふ……ふっはっはっは……! 面白いであります! 軍人である吾輩がこの試練を乗り越えられぬとでも? ────さぁこい!」
「……なんか気合入ってるじゃない! じゃあ────行くわよ!」
****
「ギブ!! 無理ぃ!!」
五球目。心が折れた。
「ていうかなんでさっきから顔面ばっかなのよ!? もっと身体に打てよ!! 身体に!」
「じゃあ腕で掴めばいいじゃない!!」
「パンが無ければ────みたいなこと言うんじゃないであります!! せめて頭上を狙うのをやめるであります!!」
着用したユニフォームをビリビリに引き裂き、地面に叩きつける。
「ええいやってられるかぁ!! もっと文化的でかつ知的な遊びをするであります!!」
「えぇ〜せっかく面白くなってきたのにー」
「ハルヒ殿は人のツラを被った鬼でありますか!? このままだとワガハイ、良くて脳震盪であります!」
「じゃあなんなのよ、文化的で知的な遊びって ? 言ってみなさいよ?」
つまんなかったら承知しない……そんな声色でありますな。
ふふふ……我輩の推奨する文化的遊び……それは……!
「ハルヒ殿……」
「ん? なによ?」
「ハルヒ殿は、機動戦士ガンダム……なるものを知ってるでありますか?」
おまけ
****
「あっ、テンチョー! これとこれと、コレちょーだい!」
『まいどー!』
「一応親父がガンダム勧めるから観てたけど、これどう建てるの?」
「ゲロゲロ……それは、我輩が教えるでありますよ!」
意外とノッてくれたという。