四対の翼
人は神に何を望むのだろうか
日が登りだし、街が修復のために活気づき始めたこのころ。
暖かな光は全てを包み込んではくれるが
同時に、どうしようもない闇も蔓延っているらしい。
「・・・・これで良いか、曲は・・・何でも良いか」
一枚の楽譜を箱に入れネジを回しゆっくりと離す。
朝はやっぱり洋学でも流しながら窓から差し込む程度の光の中の暗い部屋ですごすのがいいね。
人は怪物を生み出し
怪物は敵に牙を向き
ならばどうする
「暗い」
「うっせえ、適当に魔法使って自分の視界だけ明るくしとけ」
このちっちゃくないチビスケ同居人。
肝が座っているというかなんとか。
「んぅ・・・・あれ、なに作ってるのさ」
「これからお前かそこの宝剣目当てに神託受けた敵が来るだろうからな、平穏を犯すのであれば始末しなくてはならないさ」
「私は無価値かい」
「テメーを爆弾にして簀巻きにして街に捨ててやろうか?」
「死んじゃう、それ私絶対死ぬよねそれ」
ナイフをポケットにしまい適当に袋から金貨を取り出す。
正直、ハッタリなんて効かないだろうが
「ほれ、これでなんか買ってこい、俺はここで待っとくからさ」
「ちょっと、いや、私一応敵なのだけど」
「早く帰らんと死ぬだけだろうが・・・まぁ、運良く見つかるといな」
大体三日分の食料は用意できる金貨の袋を投げ、すぐに作業台の箱に手を伸ばす。
「・・・・なにつくってんのさそれ」
「ストキャ」
「・・・ふーん、じゃあ、行ってくるよ」
「はよいけ、ここらへん人のがわ被ったバケモノだらけだ、正直反吐がでる、幹部が来るまで掃除でもしておいてくれ」
「はいはい」
扉がしまり人がいなくなった部屋
とりあえず箱の中に宝石とちょっとした魔方陣を書き固定する。
仕組みは至って簡単
魔法は魔力のパスさえあれば魔方陣を使ってファンネルみたいな運用もできる。
なら空気を物質までとはいかないが風船みたいに塊にすればいいだけ。
まぁ、ただ猫草を魔法で応用してやるだけ。
「よし、入ったな・・・動きよし、出し入れよし」
問題は自動防御してくれないんだよな
空気弾強いけど千里眼と併用する頭痛くなるし、スタンド使い相手だとまず対処法知られてるだろうしなぁ。
矢は死にかねないし、まずレクイエムできるかもわからん。
念には念というが、苦労はいつまでたっても絶えないものだ。
「・・・ぽい」
なんとなく空気弾を爆弾にしゆっくりと街の時計に持っていく。
ふよふよととんでいった爆弾は時計のはりに触れて爆発しそのまま霧散した。
・・・そういえば、まだだったな朝食。
「・・・パンと卵とベーコンだな」
さてと、どうしたことか。
昔からどうしてもあの感じは嫌いだった
正直、こんな面倒事引き受けるべきじゃなかった。
別に抑える必要がないってのはむしろ虚無を与えるものとはな。
だめだ、頭が回らん、さっさと来ないかな。
「・・・・はぁ」
ついさっきおいたはずの朝食が消えてる
「やっぱ考え事しながらだとだめだな」
食器を片付けもう一食分作り直す。
日常とは常に退屈なものだ。
いやちがうな
面倒事に巻き込まれて殺しができないからか
また、考えないとな。
「ただいま~」
「随分と早いな、なにかあったのか」
「外ではすごい大規模な戦争が起こってるんだって、もう小国はいくつか滅んでいるらしいし」
どっちが勝っても駄目じゃねえか。
「そうか、で、外はどうだった」
「なんか魔王軍の幹部クラスが数人紛れ込んでたよ、ここは安全地帯だけどある意味地獄ね」
「まぁ、これからあの姉のことだ、周辺の村を全部焼いてここに人を集めるだろうな、ここが一番安全な理由なんて敵は計り様はないし」
別に目の前で虐殺なんてしなくても良いんだけどなぁ
「まぁ、本格的な動きはこれからさ、ゆっくりと待っておけば良いさ・・・待ちたくねぇ」
いやだめだ、面白いとわかっているからこそ荒らしたい
( ・ω・)
日常とは
何をもってしてそういうのだろうか。
答えにはまだ遠い
だが
足音は聞こえてくる
誰も逃げられない
弱者は必ず生き残れない地獄
全てに決着がつくのは
神も知らないのだろう。
次回 紅月