さてどうしたものか。
人の居なくなった街道
ただ一人この惨状を見ているだけだが。
冷静に不味い。
まじの未来視はあかんって。
まぁ、確かに五秒先だったけどさ。
これがなぁ、ただの奴なら回避不能の攻撃でケリをつけれるがなぁ。
パーペキだわこりゃ。
なーんて
普通は思ってるんじゃろうな。
大方あの魔術師は転生者、でなきゃあそこまでシアハを無力化何てできるわけがない。
あっちも警戒してるだろーしなー
面制圧射撃も罠も近接戦闘もぜーんぶ無理。
はぁーくっそ
でも、抜け道がないわけではない。
どうせずっと巫女と同じところで行動するならこっちに手段がある。
どんな攻撃も防ぎどんな死すら回避する。
だがそれは五秒先での未来だ。
ならば
五秒以上先で死が確定する運命に固定させればいい。
知ったときには死
それ以外、純粋にやって勝ち目は無かろう。
・・・・・・ん
ちょい待て
よく考えたら未来視ってなんだ
・・もし、姉さんの粉かけだったら
来た方角は一緒だ
あり得ないわけがない
もしそうなら、あの巫女相当難敵だぞ。
・・・仕方がない、情報なしではやってられんか。
とはいえ、あぁも内部に籠られると並の方法じゃいけねよ。
地下水路から隠し通路を通って直接やりあってみるか。
秘策とはいえんが、一応の手段もあるしな。
今大体8時だろうか
月がのぼり、中央通りの活気が少し残っている今、やってみるしかない。
街一番の石橋の下にある鉄格子の錠を爆破しゆっくりと開けて中に入る。
この要塞はそもそも地上と地下両方のインフラが整っているから防衛戦においても強かったというのにこの捨てられ様、いずれ隠し通路を通って来る進行も・・・・
なんだこの青白い結晶・・・
メモにあったかな
あぁこれ、結界
うそやん
できて新しいし、これ最高ランクのやつんやん、あの魔術師もうか。
とはいえ、物質ならば無駄なことだ。
「・・・・あぁ」
そういうことか
そりゃそうだ
とはいえ、確認はいるな。
結晶に耳をあて、呼吸を落ち着かせる。
呼吸は12
鼓動は12
いるな
私にこんな精密さがあるだろうか。
スタンドは使用者の精神に寄りかかっているという、不安だな。
「・・・」
そっと始めるために目を下ろすと運は味方した
ネズミだ
この結界を迂回しようと細い土壁を掘っているねずみではないか。
あぁ、これなら未来が見えていようが爆風に巻き込める
ねずみを爆弾にし、全力でこの結晶を殴る
全力のラッシュではあるが狙いは正確に
張らす筋は計画的に
壊しきらない程度に
ねずみが隅の方の小さな小さな亀裂からねずみの出るであろう穴を確認する。
さぁ一発勝負だ
転生者
ねずみが穴を開け奥へ走り込むと同時に
「点火!!」
一瞬何かが跳んで逃げたがもう遅い
同時にスイッチを押し、爆発したねずみの爆風の方が早い!!
「うわぁあああ」「何が起こった!!報告いそげっ」
そして、綺麗にヒビを入れた結晶の一つを爆弾に変化させ、点火
こちらにもほんの少し爆風は来るが問題はない、だが、
ダイヤモンドみたいにしたこの結晶爆弾の向こうには
無数のヒビが爆風とあいまって延びきり弾け、それはちょっとした散弾になるであろう。
所詮は真似事だがな。
反応はない
呼吸も感じない
あぁそうか、一撃で頭を撃ち抜いたか。
おっそろしいものだよ、即死するほど固いのか
穴だらけの無数の出来立て死体と・・・・。
「そこのフード男!!顔を見せてみろ!」
無数の魔方陣の向こうからこちらを見据える二人。
射程距離外だが
無理か。
「・・・すまないな、貴様は私の平穏を乱す敵になるかもしれないのだ、だがな、聞かせろ」
こっからは賭けだな・・・シアハがうまく動いてくれよ
「それはこっちの台詞だ、お前も俺と同じ転生者か」
「そうだ」
何を怯えている?
震えが止まってない
まさかな
「貴様、俺と同じような奴に会ったのか」
拳を握った・・・やっぱりかぁ
「あぁ、助けてくれよ!!あの白髪の長髪女、『世界』で・・・俺の・・・俺の仲間を全員殺して・・・あんなの人のやることじゃねえ!!」
「ユウキ様!!」
・・・姉さん
さいっこうに遊んでるな
「・・・そうか、だが貴様ほどの者だ、なぜ勝てなかった、所詮は敵も人間、たかが知れてただろ」
「あぁ、そうだよ、行けると思っていた・・・・だがどうだ、あいつは・・・・11秒、13秒と少しずつ少しずつ・・時間を伸ばしていった」
うそだろおい
「貴様はせいぜい9秒だったのか」
「そこからは地獄だった、一人、また一人心臓を抜かれた後にミンチになるまで殴り飛ばして・・・・俺はこいつだけでも連れて逃げてきた・・・いや、生かされた、ある男を探せと・・」
・・・ん?あの巫女、なぜ金色のオーラ・・・・未来予知だからキンクリ・・・・いやまさかめんどくさい者を
「えぇ、ここまでの長旅ご苦労様、この体は不便ね、捨てよ」
「こっちにこ・・・・い」
言いきる一瞬
体が硬直したように重くなり
世界が変わった
貫かれた胴体
砕かれていた魔方陣
気がついたら俺はこいつの近くにいた
この吐き気を催す邪悪な姉に
「・・人の体を使って来るとはまぁ・・・大方、十秒かそこらは止めたか・・」
「えぇ、ちょーと、悪魔との契約でね・・確かに朝のこの娘は本人、でも・・これは知らなかったのよねぇ」
そういい、背中を見せる。
そこには小さな本当に3カラットダイヤでしかない宝石が埋め込まれていた。
「・・・ちょっ、まっ、やめっ、キラークイーンはだめっ、しぬっ」
「・・・・姉さん、神からかっぱらった物ってスタンドだけじゃないよね♪」
「イヤー、ソノー、キラークイーンでカタポンはソノーえぇ、貴方が爆殺前にもうちょっと持ち越ししたけどそれ以外は違うわよ天国に至って手にいれたものよ」
あ、これEOHだ。
「だってだってだって、せっかく空いた空席、奪わない手がないじゃない、数百万人を軽く殺せるのよ、欲しいに決まっているじゃない、白も欲しいでしょ」
そーゆうとこだぞ姉さん
「ハァ・・・・そりゃあ、姉さんが居なきゃ人類なんて消してもいいと思うよ、さっさと滅ぼしてもいいと思うよ、軽く消せるなら効率いいし殺るよ、でもさ、もうしがらみもないんだ、だから・・・・・さ」
どうしよう、あまりにもあっけなく幕切れしたからなんもいえねぇ。
まぁ、うん。しょうがないか。
・・・是非もなし
「ねぇ、覚えてる?昔、二人でこんなことやったの」
「えぇ、あの時は結構ハイテンションだったわね、白」
背を向け、そっと足を進める。
「精々、頑張るといいさ・・・俺はもう、俺でしかないんだ」
世界なんてどうでもいい
他者なんて興味ない
目的は遂行した
なればもう平穏以外はいらない
狂帝なんてもううんざりだ。
俺は名は捨てただけの男でいい
もう、この世界に来た時点で俺は刃を落とした
もう、誰も望まないでくれ
くだらねえ野心燃やして来ないでくれ
光と影を見せないでくれ
また、面白くなってはじめたくなるじゃねえか
あぁそうだよ
まだ、血を流し足りないのか?
まだ不幸が足りないのか
まだ栄光を望むのか
なら代償を示せ
犠牲を作れ
俺が叶えよう
空っぽの器が叶えよう
どんなどす黒い願いも
どんな純白な戯れ言も
刃は落ちた
だが誰も
使い手が死んだとも
刀身がへし折れたとも言ってはいない。
ただ休むだけかもしれない
いいじゃないかそういうの
楽しそうだ
俺は生憎、仙人みたいな生き方は御免だ
何も縛るものがない
だがそれは同時につまらなさも感じるな
自由ではあるが不自由だ
また、気分で動こう。
・・・・・
目的は決まったが腹が減ったな。
適当に店いくか。
次回 魔女?魔法少女?いえ魔女っ子です