人間擬きは異世界で静かに暮らせるか?   作:(´・ω・)

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(´・ω・)


第9話 賢者Rさん

家のなかは特に荒れているわけでもなく、落ち着いた感じであった。

壁が全部本なのはどうなのだろうか。

 

「随分と集めているのだな」

 

形や色こそ理解できないがどれもこれも魔術の道具なのは分かる。

だが理解できんな。

 

どこにも大量破壊兵器がない。

 

「・・・さて、他にはなにかあるかい?」

 

聞いていいのだろうか

いや聞くか爆弾にしたし

 

「いい紅茶だな、どこのやつだ?」

「あ~、それは裏庭で栽培した自作の葉っぱだよ、そっちの世界じゃ存在しない品種さ」

 

通りでクッソ甘いわけだ

これ紅茶ではあるけど角砂糖入れまくった感じなんだよなぁ。

 

「そうかぁ、じゃあ帰るか」

 

「えっ?」

 

?

 

「用件すんだはずだし帰るんだけど」

 

「・・・君だって一人の男だろう、こう、なんだ、ないのか」

「殺意しかないが?」

「・・・私、何かしたかしら、むしろやられた方だとおもうのだけど」

「いや、俺、昔色々合って殺意以外の感情がわかんなくなってきた・・・てゆーかうん、もともとストレス貯めたくないから殺意に変換してたけどあの糞姉のせいでストレスマッハなんだよ、帰らせろ、死にてぇのか、バラすぞてめぇ」

「なにこの豹変ぶり」

「いいからさっさと用件言え、帰って寝たい」

「君の姉のことさ」

 

場合によっちゃ始末しないとな。

 

「あぁ、そうか、なら聞こうか、なぁ、賢人、いや魔女かな?」

「そんな呼び方は正直どうでもいいさ、好きで賢人名乗ってるだけで実際やってることは魔女だしね、それでだ、君の姉のことだが、正直、この世界になんの恨みがあってあんなことをする」

「知らんな、俺も姉さんも人間は好感持てないからな、気分で殺し回ってるのでは」

「・・・ただの人間嫌いが魔王軍の幹部と契約して、そこら辺の人間を怪物に変えて転生者をそそのかして殺しあいをさせるのか?」

 

あ、なんか読めた。

 

「なぁ、急いで止めないと取り返しのつかないことになるぞそれ」

「知ってても止めないのかい?」

 

当然の質問に答える必要もないだろう

 

「そうかい、君も傍観者か」

「今は本気で邪魔する気もないしな」

 

 

ドアを開け、空を見上げる、空はもう暗くなっていた

 

「・・・」

 

確かに一歩進んだはず、だが、現実は違った

ドアはしまり、手はドアノブを握っていた。

自分の服を爆弾の変え

もう一度ドアを開け、進む。

 

・・・

ありのままに起こったことを話す必要もないか

 

「え?どうして・・」

「なぁ、お前さ、前に姉さんに会ったろ」

「確かに先週・・・訪れて来たわ」

 

静かに

冷たく

恐怖は

 

変わる。

 

「伏せろ、死ぬぜ。これ」

 

彼女の頭を無理矢理床に叩きつけ直ぐに自分も姿勢を下げる。

直後、三十本ぐらいのナイフがドアや窓を貫通しそのまま反対側に突き抜け、遅れて一本の太刀が飛んできた。

 

 

それは一瞬だろうか

まばたきするほどの一瞬

もし、これが本当に一瞬だったら死んでいたのだろう。

 

黒い影が人になり

無数の斬撃が部屋を無差別に破壊した

 

ボクサーとは、殴られる一瞬、世界がスローモーションで動いているとよく言う。

だがそれは結局のところ

ただの集中力なのだろう。

 

 

「あっぶねぇ、見切れてなかったら死んでたな、本気で殺すことは無いんじゃないのか?俺は怪物は嫌だぞ、美がないじゃないか」

 

「地獄ってさ、遠くて近かったよ、白夜・・・・ねぇ」

 

黒い羽織

銀のイヤリング

金細工のされている白い鎧

金髪のポニテ

 

 

誰?

 

「・・・あ、やっべ、こいつ・・・ミンチよりひでぇ」

 

避けれなきゃ内蔵ぶちまけてそこらじゅうに四肢をとばされてったかぁ。

 

「・・・おーいもしもーし、きいてるぅ?」

「邪魔するなら帰って、俺はもうのんびりしたいんだよ、また気が乗ったらでいいでしょ」

「・・とりあえず世界中の宝剣とか全部置いておくから隠しといて」

 

どおしよ、再生遅い

 

「別にいけど、何かあった?大方空いた空席座ってやりたい放題したら周りから刺されたんだろうけどさ」

「正解、ちょっと世界作り直そうと遊んだらこの世界の他の神に目をつけられたからちょっと全面戦争してくる」

「あっそ、こっちに迷惑かけるなよ」

 

 

散らばっていたエリクサーを箱に詰め、飛び散った肉片を瓶に詰める。

その頃にはもう、姉の姿もなく、置いてあったのは一つの銀の指輪。

 

外にある荷車にかろうじて残っている本や石も詰め込み家に火を放つ。

 

「っちょ、私の家が」

「流石に変に対抗策を練られても困るしな、焼かせてもらったよ」

 

静かな黒い森をゆっくりと、進む

月は雲に隠れ

今歩いている一本の道以外にもう、なにもない。

 

「・・・逃げたら駄目なようね」

「敵を知っている貴様が逃げるものか」

 

森を半分くらいだろうか、進み続けるとそこからは血生臭さと肉片が砂と混じり、遠くの村があるはずの所には煙が上っていた。

 

「あそこの衛兵か・・」

「・・・・何よ、これ、傷がおかしいわ」

 

刃の刺さり方からして農具なのだろう。

愉快なことになってきたな

 

「複数人の農民に心臓や首を抉られているな、ここら辺はなんか恨みを変われるようなことをしたのか?」

「そんなはずないわよ、国民にも慕われているし軍だってそんじょそこらの国とは違って精鋭揃いよ・・・貴方とかあの女がイカれているだけで普通は余程の魔術がないと倒すのは無理よ」

 

まぁ、そうだよな、完全に読めた。

あの人本気だ

 

やっぱいいねぇ

 

「ならば、貴様はずっと俺の横にいろ、命の保証はする、姉さんえげつないからさ」

「楽しそうね」

 

新聞ってあるのかな

 

「そういえばさ、名前、なんて言うんだ、お嬢さん」

「リリム・シェール・マーキュリー・・・・昔の捨てた名前よ」

「そうか、なら、こっちも名乗っておくか・・・・・・」

 

忘れた

どうしよ

 

 

姓名とか全然使わねえよ

てか

うんいいや

 

「忘れた、まぁいいや、宮木 白夜。捨てた名前につけた新しい名前さ・・・・」

 

 

ぼろぼろの城塞を眺めつつ、ゆっくりと、気楽に

もう堪えられないかもしれない

 

この狂った盤面を早くみたい

あと何億人死ぬのだ

楽しみは取りたくないものだな。




次回 日常
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