重力使いのヒーローアカデミア   作:はじ

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物語の始まり

雄英高校会議室。

プロヒーロー兼教師が集まり重苦しい空気のまま話し合いが行われていた。

 

「来期の生徒募集に関してですが・・・・・・」

 

司会をしている18禁ヒーローミッドナイトが書類を二度見して言葉を繋げずに校長を見る。

 

「HaHaHa、その書類に書いてある通りさ!彼を雄英初の特待生として呼ぼうと思ってるのさ!それに関して質問を受け付けるよ」

 

その言葉に教師達も書類に目を落としそれぞれ何かを考え始める。

 

元No. 2ヒーローの息子。現在は国外で(ヴィラン)ハンターという仕事をしている少年の事を。

 

No. 2ヒーローの失脚・・・・・・ヒーロー社会においてタブーとされていたが、現在はヒーロー協会の失態として事実が世間に広まっている。

 

「・・・・・・彼は来るでしょうか?」

 

教師の一人が声を上げる。

 

それもそのはずだ、この少年はヒーローを恨んでいる。あの事件のせいで日本という国で生活する事も出来ず海外に出て、どんな手を使ったかは分からないが父の名誉を取り戻した。それを成すには子供の彼には言葉では表せない苦労があったはずだ。それに(ヴィラン)ハンターとしての彼の仕事内容。日本では認められていないが、(ヴィラン)に賞金をかけての捕縛もしくは殺害。そして彼が行っていたのはDead or Aliveの賞金首ハンターだ。それが意味するのは子供と呼べる年齢で殺人を行っているということ。

 

「今この国は海外からの強烈なまでの批判にさらされている。もちろん理由は彼の事さ。どういう伝かは分からないがこのままではこの国、それにこの国のヒーローは世界から干される。現にヒーロー協会はあの事件に関わった人間達を(ヴィラン)認定して逮捕し、180度方向転換して彼の父の名誉回復運動をしている。もちろんヒーロー達は協会からの指示で動いただけだからお咎めはないけどね。それに今回のこれは国とヒーロー協会からの要望だから断る事が出来ないしね。彼が来ないんなら仕方ないけどね」

 

校長は、HaHaHaと力なく笑い紅茶を飲み始める。

 

「この書類によると、飛び級で大学も出てるみたいですが?」

 

「それも仕事の伝で手に入れたみたいだよ。本人の学力は相当高いみたいだけどね」

 

「来た。と仮定して問題は彼を抑えられるかですかね」

 

「来期から平和の象徴(オールマイト)が雄英に教師として赴任するのさ」

 

「あの事件はオールマイトが解決したのでは?」

 

逆効果になると教師の一人が声を上げる。彼の父を殺したも同然のオールマイトが抑える役では、煽ってると思われても仕方がない。

 

「オールマイトは恨まれているだろうね。でも彼の日本での後見人はオールマイトなんだよ」

 

書類にはない情報に皆声をつまらせる。

 

「どの科になるにせよ彼の入るクラスの副担任はオールマイトにしようと思う。ヒーロー科を選んでくれるのが一番いいんだけどね。その場合一応、一般入試を受けてもらおうと思うけど皆はどう思う?」

 

「実技試験で彼の実力を把握しようということですか?」

 

「その通りさ!そうすれば対外的な言い訳もできるしね」

 

「あとは本人にやる気があるのかどうかですね。まぁ、来るとなってから考えましょうか」

 

「早速連絡してみるのさ!」

 

ここまでの話しをまとめるとヤベー奴である。諸外国の権力者に伝があり、国に対して圧力をかける事が出来て、十四歳にして殺人歴まで持っている。客観的に見てもヤベー奴である。しかし、彼は人を殺した事はなく、海外に出たのも、唯一の血縁者がいたからである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

木製のテーブルの上に置かれた円盤。

そこから投影されたげっ歯類が『ウチの高校に来ませんか?』と勧誘のメッセージを送って来た。一応、書面上は大学卒になっているので、勘違いでは?と日本大使館の窓口に問い合わせたところ、本当に勧誘してるらしい。しかも今、日本では父の名誉回復運動も起きてるらしい。

 

「凄い事になってるんですね」

 

「何暢気なこと言ってんの?君の知り合いの弁護士も動いてるみたいだし、これから君も色々動くんでしょ」

 

まったく知らない事に巻き込まれている。いつもの事だと彼の脳裏には原因を作り出したであろう人物が浮かんでいるが頑張って平静を装う。帰ったら色々しなくちゃいけないなぁ、なんて考えながらなんとか挨拶をして帰る事にした。

 

しかし、彼の知らない所で物語は動き始めている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて、あやつはどう動くかのぅ」

 

「御老公も人が悪い。彼と話し合ってからでも良かったのでは?」

 

この国では珍しい日本家屋の一室に御老公と呼ばれた和服の人物とザ・出来る人と思われるスーツをピシッと着た男性弁護士が今後の話し合いをしていた。

 

「あやつは自分の欲がないからのぅ、周りが世話を妬いてやらんと動こうとせん。老い先短い孫馬鹿な爺いのお節介じゃよ。それに婿殿の名誉回復は娘の為でもある。なんせ儂が認めた男がいつまでも謂れの無い誹謗中傷に晒されたままでは死んでから娘にも顔向けが出来んのでな」

 

鋭い眼光のまま御老公は言い放った。その言葉には怒りと悔恨が混じっている。

 

「分かりました。まぁ、彼は感情を顕にする事が少ない子ですし、子供を守るのは大人の役目でしょうしね」

 

「あやつの日本での生活を出来るだけサポートしてやってくれ」

 

「彼なら私がいなくても大丈夫でしょうが出来るだけの事はさせていただきますよ」

 

「よろしく頼む。うむ、これから面白くなりそうじゃ」

 

御老公は孫は行ってしまうが曾孫との生活を思い浮かべたのだった。

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