重力使いのヒーローアカデミア   作:はじ

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入学式

春───新たな一歩を踏み出す季節。

そんな本日は、国立雄英高等学校の入学式である。

 

入学試験が行われた2月末から彼は二ヶ国を行ったり来たりし、雄英の敷地内に新しい平屋の3LDKを貰って引っ越したり、義理の娘と共に某夢の国テーマパークに出掛けたりと忙く過ごしていた。

 

義理の娘とは、とある(ヴィラン)を捕まえた時に出会った。彼女の両親は件の(ヴィラン)に殺害されており、彼女自身誘拐された子供だった。事件解決後、血縁をたどってみたがおらず、更にはこの事件のせいで厄介なおまけが付いてしまった為、周りと相談した結果、彼が引き取る事になった。最初は義理の兄妹で戸籍の登録をしようとしたが基本的に法定血族は養子縁組しかないと言われ義理の娘として戸籍登録した。この時、御老公は死んだ事になっている事を涙を流して後悔していた。彼は未成年ではあったが十分な収入あるのと、彼の住んでいたその国に対する貢献が認められ国籍と共に養子縁組が認められた。この時彼は13歳。飛び級で大学の卒論を書いてはいるが、中学生の父である。ちなみに娘は、この時4才だった。

 

そんな愛娘を連れて行く時向こうの国で、御老公と呼ばれていた孫・曾孫馬鹿な爺は「まってぇ~、その子まで連れて行くなんて聞いてないぃ~」と涙、鼻水その他もろもろを流し叫んでいたことをここに記しておく。

 

そんな愛娘と新しい生活を始め数日たったが本日、ベッドの上である事件が起きた。事件の名は、“おねしょ”である。

二人共に濡れてしまった為、とりあえずお風呂に入り洗濯機を回す。申し訳なさそうにしている愛娘に「気にするな」と頭を撫でてやり、替えのシーツや毛布が無い事に気付いた彼は、昨夜愛娘にジュースをたくさん飲ませ“おねしょ”の原因を作ったミッドナイトが明日は入学式の後ガイダンスで終わりと言っていたのを思い出し、雄英高校の事務に電話を入れる事にしたのだった。

 

彼はこちらに来る際、雄英との条件の一つに卒業に関し単位取得は関係なしと前代未聞の契約をしている。これは彼が1日も出席しなくても雄英を卒業出来るという破格な条件。これに給与型奨学金も連動しているため三年間寝て過ごしていても毎月お金が振り込まれる。さらにヒーローライセンス。雄英高校では二年生で仮免を獲りに行くが、彼は海外での(ヴィラン)ハンターとしての経験を加味し、すでに仮免許が発行されている。彼自身更々使う気もないため財布に入れっぱなしだが、これもみな、ザ・出来る人のおかげである。

 

そんな彼は小学校の途中から学校に通っていない為、簡単に休むという選択肢を選び買い物に出かける事にした。後々、この選択のせいでクラスメイトの一人に多大なる迷惑をかけてしまい謝罪する事になるとは思ってもいなかった。

 

 

 

 

 

■  

 

 

 

 

 

彼女の名前は、『八神 フラン』。六歳である。

義理の父は、現在買い物に出掛けてしまいお留守番をしている。この事について非常に申し訳なく思っており、なんとか父の為に出来る事は無いかと考えを廻らせている。理由は昨晩、こちらに来てから仲良くなったミッドナイトが入学式前夜祭と言いランチラッシュやプレゼントマイク、イレイザーヘッドとブラドキングを連れ家に突入してきたことが原因である。ミッドナイトが言うには『一生で一回しかない高校入学を祝いに来た』との事だったが、そんな父の大事な日を自分のせいでダメにしてしまったことを、どうにか挽回したいと思っていた。

そこでふと思いついたのは父からの言葉。

 

「分からなかったら周りに聞いてみる」

 

そしてそれを実行する為にフランは、部屋のドアを開けるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「担任の相澤消太だ。よろしくね」

 

無精髭でボサボサ髪の不審者が寝袋を脱いで皆に挨拶をした。

 

「訳あってこのクラスは今年21人になっている。一人は今日休みだが・・・・・・」

 

1ーA教室入り口から兎ミミが伸びていた。生徒は相澤に集中している為気づいてないが、相澤を誘うように揺れていた。

 

「・・・・・・ちょっとまってろ」

 

相澤はそう生徒達に伝えると捕獲するために廊下に出て近づいて行った。

 

「フランちゃん、どうした?」

 

予想通りの少女を廊下で捕まえ声をかける。兎ミミかと思ったら長めのリボンが可愛らしく揺れている。父親の教育が良いのか日本語も少しなら話せるし、頭の良い子だと相澤は評価している。そんな子が内緒話をするように口に手を当てたので話しやすいようにしゃがむ。

 

「フランのせいでパパのだいじなひをダメにしちゃったの、だからどうしたらいいかききにきたの。パパがわからないことはわまりのひとにきいてみなさいっていってたから」

 

どうやらこの子が原因で、彼は休む事になったらしい。大事な日とは、昨日ミッドナイトが入学式を理由に彼を祝いに行くのに相澤自身付き合わされたから分かっている。だが、このあと生徒達には『個性把握テスト』を行うつもりだ。その為入学式には出席しない。どうしたものかとフランを見る。この子の個性や身体の秘密については彼から聞かされているので問題はない。

 

「フランちゃん、パパの変わりにみんなとテスト受けてみるかい?」

 

「テスト?」

 

「そう、かけっこしたり跳んだりするテストだよ」

 

「パパみたくできないけどいいの」

 

「パパみたくやらなくても大丈夫だよ」

 

「パパよろこぶ?」

 

「そうだね。パパも喜ぶと思うよ」

 

「ならがんばる!」

 

ふんす!と身体の前で両手を握るフランに相澤は頭を撫でてじゃあ行こうと教室のドアを開け、今年の生徒達に失望させるなよ。と思いながらこの後の試練を伝えに行った。

 

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