朝からマスコミの襲来をこなした1ーAの面々はそれぞれの席に着き担任である相澤から昨日の戦闘訓練のダメ出しを受けていた。
「オールマイトから聞いたが、八神の講評がこれからのお前達に一番必要になる話だと俺も思う。
「「「学校っぽいのキターーーーーー!!!!」」」
ダメ出しで下がったテンションを上げるかのように生徒達は立候補したのだった。しかしテンションのままに皆が騒ぎ、結局飯田の意見を採用して投票という形に落ち着いた。
「委員長は緑谷、副委員長は八百万で決まりだな。んじゃ、昨日言った通り『八神凛』について教えてやる。気になることとかはその都度答えるから言ってこいと言いたいところだがまずはこれを見ておけ」
放課後残っていた生徒から聞いていたのか、あの場にいなかった者達も姿勢を正し相澤に視線を向けた。『見ておけ』と言った相澤は手元のタブレットを操作すると黒板の前にスクリーンが下りてきた。
「一応、校長の許可もとってはいるがこれから見る映像について許可なく洩らした者は除籍処分になるから気をつけろよ!」
『何その危険映像!』
生徒達の心の声が一致する。
「個性把握テストや戦闘訓練で八神の力の一端は見ているだろうがこれからお前達が見るのは八神の実技試験の映像だ。それと八神の『個性』を教えてやる」
「・・・・・・え?」
誰が上げた声だろうか?相澤には分からなかったが、生徒達も『八神凛』のことを少しでも知っておけば何処にあるかは分からないが八神の地雷を踏み抜く事はないだろう。
「八神の『個性』は『
■
映像を見終わった生徒達は、驚愕の表情を浮かべていた。
「・・・・・・先生、・・・・・・あれは何ですか?」
相澤は13号の言葉を思い出していた。
「あの黒い球はそれぞれが擬似的なブラックホールらしい。俺も詳しくは分からん」
個性のコントロールどころの話ではない。見えない場所まで飛ばし的確にロボットを破壊しているのだ。それも
猛獣が食い荒らすように・・・・・・
「オールマイトと近接でやりあえて中長距離も出来るって最強じゃねぇか・・・・・・」
「最後のは何だったんだ?景色が歪んだと思ったら0ポイントのロボが消し飛んだぞ」
「それじゃ、八神の事をこれから話す。とは言ってもプライバシーの問題もあるから本人に許可を得た部分になるぞ」
相澤がそう言うと騒ぎ出した生徒達は静まりかえる。
「先生、そう言えば八神は今日も休みですか?」
「そのあたりも話してやる。まず・・・・・・八神は雄英に来る必要がない。そもそも八神は海外で大学を卒業している」
「「「はぁ?」」」
「お前達みたいな反応になるのも分かる。日本でもあるが、飛び級制度を利用して八神は大学を卒業した」
「じゃあ何で雄英に?」
「理由は2つある。これから話すのは『プロヒーロー』として俺も含め雄英の教師達も考えさせられた内容だ。そもそも俺は話すつもりはなかったが、八神が『良い教材だろう』と言うもんでな。話を聞いてお前達も『ヒーロー』とは何なのかを考えろ。まず・・・・・・八神が海外に行くきっかけになったのが六年前の事件だ。最近改めて元No.2ヒーロー『マグネティ』の名誉回復運動が起きてることは知ってるな?」
「はい!確か『ヒーローの悪夢』と呼ばれたオールマイトが解決した事件です。マグネティがヒーローと
オールマイトオタクの緑谷が答えたが、相澤は視線を下に向け言いにくそうに言葉を吐き出した。
「八神はマグネティの息子だ。この事件のせいで八神の実家は焼かれ、この国から追い出されたんだ。そして八神は言葉も分からない外国に九歳という年齢で行った。この国を出るのも一苦労あったらしいが、八神は言わないからわからん」
予想外の話に生徒達は黙るしかなかった。ただ一人蛙吹だけは凛から聞いていた話と当時の関係もあり言葉を出す事が出来た。この後の話、それが今の凛を取り巻く状況なのだから・・・・・・真っ直ぐ視線を相澤に向けた。
「先生、凛ちゃんは外国に出てから何をしていたの?」
「この国では、
「そんな・・・・・・」
「まぁ、九歳から
「・・・・・・分かりません。講評では俺達がヒーローになるために必要な事を教えてくれたけど、正直言ってレベルが違いすぎる。でも先ほどの映像の、あの表情の理由は先生の話を聞いて少しだけ分かった気がします」
「そうか、・・・・・・なら八神が雄英に来た理由を教えてやろう・・・・・・それは国からの要請だ。八神の事をヒーロー協会や政治家達は怯えてるんだ。八神は
「凛ちゃん・・・・・・そんな事をしていたのね」
「八神は許せなかったんだろうな、自分の父親にかけられていた罪が・・・・・・そして今回堂々と罪を撤回させこの国に戻ったんだ。それと八神が休んでる理由だったな。ヒーローにも免許が必要だ。雄英のカリキュラム上二年になってから仮免を取って段階をへて行くんだが、八神は
■
「ヘックショイ!」
凛は盛大なくしゃみを炸裂させた。
「風邪かい?」
「いや、多分相澤さんが例の話をしてるだろうからそのせいだと思います。ところでセメントス先生、小学生高学年から高校一年までの国語のカリキュラムってありませんか?」
「急にどうしたんだい?」
「娘よりも出来ないのは、格好つかないので頑張ろうかと・・・・・・」
「君にも苦手があったか・・・・・・」
「ずっと
恥ずかしそうに笑う八神を見てセメントスは漸く緊張をといた。
八神凛という少年の話も聞いている。過去にあった事も今現在の状況もだ。だからこそ警戒し、緊張もしていた。彼の普段仕事をしない表情筋が珍しく仕事をするのも彼が
「漢字は反復だよ、まぁテキストも用意するからやってみなさい」
「うへぇ」と
■
「凛君が笑ったですってぇー!」
今日の出来事を職員室で語ったセメントスにミッドナイトは掴みかかった。
「落ち着けミッドナイト!」
近くにいた相澤やブラドキングがミッドナイトを羽交い締めにして止める。
「私はまだなのにぃー」
地団駄を踏んで悔しがるミッドナイトに周りは苦笑いを浮かべ、フランとの第一印象が最悪だった