野獣先輩の体と魂が復活するとまたもや虐待された子犬のようにプルプル震えていた。
MUR「野獣、大丈夫かゾ!?」
真っ先に野獣先輩の所に駆けつけてくれたMUR大先輩。だがMUR先輩の言葉を聞いてもうずくまりながら淡々と「クゥーン…」と情けない声しか出さなくなっていた。
MUR先輩は優しく背中をさすり野獣先輩を落ち着かせようとしたが、少しずつだが震えが収まっていくのであった。
暫くするとKMR達も火継ぎの祭祀場に到着し、その頃には野獣先輩は体育座りまでになんとか立ち直っていた。
KMR「先輩大丈夫ですか!?」
MUR「木村来るのが随分遅かったゾ」
KMR「あ…あのですね…ちょっと僕達の方でも色々ありまして…」
チラッと膝をついている騎士ロートレクの方を見るKMR。MUR先輩は疑問に思ったが何故か急にアンモニア臭が漂ってきた。よく見るとロートレクの下半身に何故か水滴がポタポタと流れていて地面には水溜まりが出来ていた。
亡者「このあんさん、小便垂らしながら立って失禁しとったんや。……というか今も失禁しとる」
MUR「そうかよ(絶望)」
KMR「そのままにしておくのもアレなんでとりあえず連れてきたんです。……所で野獣先輩の方はどうですか?」
MUR「子犬から体育座りまで立ち直ったゾ」
亡者「基準がわからんのやけど…。野獣兄さん大丈夫でっか?」
野獣「カンノミホ…」
亡者「直ってないやん」
すると、後ろの階段からコツコツと誰かが上がってくる音がして振り替えると火防女アナスタシアが現れた。
アナスタシアを見るや否やすぐさまMUR先輩の後ろに隠れる野獣先輩を見てアナスタシアは野獣先輩に近づいた。
アナスタシア「野獣様、そんなに怯えないでくださいませんか?……私も少し傷ついてしまいますよ…?」
少し寂しそうな顔をしてアナスタシアはそう言ったが、当の本人にとてもとてもグロい殺され方をした野獣先輩にそんな言葉は信じられなかった。
そんな光景を見ていた根暗のおやっさんは大きなため息をつくのであった。
〜数分後〜
根暗「それで?どうなったらこんな状況になるんだ?」
片や失禁状態、片や怯えて喋れなかった筈の火防女があの牢屋から出て来て喋っている始末。こんな状態を見てかなり厄介な話になりそうだと内心、根暗のおやっさんは思っていた。
アナスタシア「それは…彼が篝火の剣を抜いたからですね」
根暗「だろうと思ったよ」
KMR「あ、あはは…」
苦笑いしながらなんとか誤魔化すKMR。まあ、これも全部野獣先輩の自業自得なのだが。
MUR「それで火防女さん。この世界の事について教えてくれないかゾ?」
アナスタシア「ええ、そのつもりですよ。ですが少々長くなりますがよろしいでしょうか?」
一同が頷くとアナスタシアは再び向き直って真剣な眼差しをした。
アナスタシア「では、私達火防女が伝えられているこの世界の事について話します」
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遥か太古の時代、まだ世界が灰色だった頃の時代。
そこはかつて朽ち果てぬ竜が正に世界を支配していました。そんな時が続いていく中、ある場所に火が灯りました。
後の時代まで語り継がれるはじまりの火と言われるものです。その火につられて近づいた者達がいました。
栄光輝く太陽の神、大王グウィン
強大な呪術を扱う者達、イザリスの魔女達
最初の死者とも呼ばれる者、墓王ニト
3人ははじまりの火と呼ばれる物の中にあるものを見出だしました。
それが私達の生きる力の源である『ソウル』でした。
やがてそのソウルを用いて、大王グウィンは世界を我が物としている竜達にソウルを用いて戦いを挑みました。
ですが幾らソウルの使うとはいえ不死の力を持つ竜達に苦戦を強いられていました。
ですが竜達の中から裏切り者が現れました。鱗のない竜の白竜シースです。
彼が竜達の弱点を教えた事で戦況は一変しやがて大王グウィンは全ての竜を滅ぼしました。
やがて世界に平和が訪れ我々「人」達は彼を王と崇め、繁栄を極めました。
アナスタシア「と、ここまでは大王グウィンにまつわる話でした」
KMR「とても壮大な話でしたね」
MUR「すっげー面白かったゾ〜」
アナスタシア「では、ここからはこの世界の異変の事についての話です」
ある日の事、大王グウィンに予期せぬ報せが届きました。
今は滅びた都市ウーラシールから謎の病気が発生したとの事。大王グウィンはその病気を調査する為、直属の部下であり騎士の中でも強き者として謳われた四騎士の1人、アルトリウスをウーラシールへと向かわせました。
アルトリウスはウーラシールに辿り着くとそこの住人達は我々も知らない奇っ怪な言葉を喋り地獄そのものと化していました。
アルトリウスは勇敢に立ち向かいやがて全ての元凶とも言える存在、マヌスと呼ばれる怪物を発見し見事討伐をしました。
ですがそれが事の始まり。マヌスの最後の断末魔と共に彼の怪物から「深淵」とも呼ばれるものが世界中に広がり徐々に人々や、そして神々をも影響が及ぼされました。
その深淵は最早防ぐ術はなく世界の一部として定着していくのでした。
そして深淵の急速な広がり方や感染の仕方からかいつしか深淵は「t-ウイルス」と呼ばれその事実は神々の者達と火防女達にしか知ることはなかったのです。
アナスタシア「そして混沌としたこの世界になっていったのです」
亡者「ちょ、ちょっと待ってくれ!この世界でそんな出来事が起きてたんか!?」
アナスタシア「はい。普通に生活をしているとまず気づく事はありません。ですが全て事実です」
根暗「だがそんな大きな話、何故俺達に話す事が出来る?不死とはいえ俺達は只の人だ」
アナスタシア「貴方様の言う通りです。この話は重大な話。易々と話す事はできませんが――」
アナスタシアは野獣先輩、MUR先輩、KMRを一瞥すると再び口を開いた。
アナスタシア「この方々3人が此処とは異なる世界から来た者達だからです」
野獣先輩達の運命は刻々と前に進んでいくのであった。
やっとt-ウイルスの単語出せた……
この単語の理由はしっかりあるので間違ってもバOイオハザードじゃないからね?