閃乱カグラ~SHINOVI CHRONICLE~ 少女達の絆   作:XW

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第三章
18.幼き日の記憶


 

「ひっぐ……ひっぐ…えぐぅ……えっ……うぅう………」

 

 今より昔。とある公園で一人の女の子が泣き崩れていた。

 その女の子の前には、明らかに壊れてしまった砂のお城があった。

 

「どうしたの?」

 

「うぅ?」

 

「君、どうして泣いてるの?」

 

 そんな女の子が気になったのか、もう一人の女の子が話しかけて来た。

 髪をポニテに纏め、その笑顔からして明るい性格なのは、明らかだった。

 

「ねぇ? どうして泣いてるの?」

 

「………あれ?」

 

 話しかけ続ける女の子に対し、泣いていた女の子は壊れた砂の城を指差した。

 そして壊れた理由、あともう少しで完成する手前で男の子達のボールが当たってしまい、それで壊れてしまった事を話した。

 

「そっか……それで、その男の子達はどうしたの?」

 

「……分かんない、泣いてたから……」

 

「あぁそっか………あっ!! そうだ!!」

 

 その話を聞いたもう一人の女の子はある事を思いついたのか、笑顔になりながら手を叩いた。

 

「じゃあ、もう一回作り直そう!! 今度は私も手伝うから!!」

 

「……何で?」

 

「何でって? 壊れちゃったらまた作り直せば良いだけ……」

 

「そうじゃなくて!? 何であなたも手伝うの?」

 

 その提案に対して女の子の質問に対し、もう一人の女の子は一瞬首を傾げながら考える。

 

「う~ん、特に理由とか無いかな? ただ私がそうしたいだけ!!」

 

「………」

 

「とにかく早く作り直そう!! 日が暮れちゃう!!」

 

 考えたが特に深い理由がない事に女の子は呆れ、もう一人の女の子は城を作り直す為に砂場の砂を集め出した。

 

「…………」

 

 特に何も考えず、ただただ自分がやりたい事やるだけ。そして優しくて明るい。

 そんな女の子に慰められたのか、泣いていた女の子は泣くのを止め、もう一度その女の子と一緒に砂の城を作り直し始めた。

 

~~~~

 

「ねぇ? 二人で何作ってるの?」

 

 砂の城完成まで半分ぐらいまで行くと、二人の女の子に更にもう一人の女の子が声を掛けた。

 褐色肌と格好からして、かなり活発な女の子と言う第一印象な子だった。

 

「この子のお城を作り直してるの!!」

 

「お城? 作り直す?」

 

「えっとその……一回壊れちゃって。」

 

「ふ~ん……!!」

 

 明るい女の子の話を聞いて褐色肌の女の子がまた聞き、それに今度はさっきまで泣いていた女の子が恥ずかしながら答えた。

 それを聞いた褐色肌の女の子は何かを思いついたのか、目を見開いた。

 

「じゃあ私も手伝う!!」

 

「えぇ!? 本当!!」

 

「だってその方が早く出来るじゃん!! ねぇねぇ、私は何すれば良い?」

 

「ありがとう!! じゃああそこのスコップ取って……」

 

 褐色肌の話に泣いていた女の子が驚き、褐色肌の女の子が手伝う事に喜んだ明るい女の子は早速手伝わせ、それに褐色肌の女の子も進んで手伝った。

 

「………ありがとう。」

 

 初対面で自分の事も知らない、そんな二人の女の子が何の理由も無しに自分を助けてくれた。

 その優しさが嬉しいのか、一番最初の女の子は笑顔で呟いた。

 

~~~~

 

『できたぁあああああああ!!』

 

 それから数分後。ようやく砂の城は完成し、三人の女の子は嬉しさの余り大きな声で叫んだ。

 

「凄い……最初に作ってたのより、凄い。」

 

「本当!! やっぱり私達が手伝ったからかな?!」

 

「ま、私が手伝ったからには、こうでないとな!!」

 

 最初の時は泣いていた女の子は驚き、明るい女の子は笑顔で頭を掻き、褐色肌の女の子は胸を張りながら堂々と言った。

 

「お~い!!」

 

 そんな時、一人の女性が三人の女の子に向かって手を振りながらやって来た。

 ツインテールに纏められ、太陽のように明るいオレンジ色の髪。

 学生なのか何処かの学校の制服を着ており、その制服でも隠せない程大きな胸をしていた。

 

「あ!! お姉ちゃん!!」

 

「お姉ちゃんって君の?」

 

「へぇ~!! 綺麗な人だなぁ~!!」

 

「ゴメンね遅れちゃって!! あ、もしかして二人は妹の……」

 

 その女性は最初の女の子の姉らしく、その女の子の姉を見て明るい女の子と褐色肌の女の子がそう話してる中、その姉が妹に謝りながら二人の女の子に話しかけようとすると……

 

「……プッ!! プッハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!」

 

「えぇえ!? 急に笑った!?」

 

「お、お姉ちゃんどうしたの!?」

 

 急に笑い出した姉を見て明るい女の子は驚き、心配になった妹がそう声を掛けた。

 

「アハハハハハハハハハ!! ご、ごめんごめん!! 皆の、皆の顔が泥まみれだったからつい!!」

 

『へ?』

 

 姉が笑いながらも答えた話を聞いて首を傾げた三人の女の子は、改めて互いの顔を見た。

 すると顔は姉が言った通り泥まみれだった。大方城を作る際に顔についてしまったんだろう。

 

『……………プゥ!! プッハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!』

 

 それを見て意識してしまった三人の女の子は、姉どうよう大きな声で笑った。

 

 それからしばらく、三人の女の子と最初の女の子の姉は、その公園で日が暮れるまで遊んだ。

 そして、それぞれ自分の家に帰ろうとすると、最初の女の子の姉がある提案をした。

 

「ねぇ!! 今日の日を、思い出を忘れないようにさ、写真撮らない!!」

 

「あぁ良いね!!」

 

「撮ろう撮ろう!!」

 

「………うん。」

 

 偶然持ってたカメラを手にしながら話す姉に明るい女の子と褐色肌の女の子は賛成し、妹である女の子も賛成した。

 

「出来上がりまで何日か掛かると思うから、とりあえず二週間後ぐらいにまたここに集合ね!!」

 

『は~い!!』

 

 撮影の準備をしながら話した姉に返事した三人の女の子達。それから程なくして準備も終わり、カメラの写真が撮られる音が聞こえた。

 

カシャ!!

 

――――

 

「………………」

 

 その瞬間、漆月は目を覚ました。

 どうやら破忍アジトにある自室のソファで寝てしまっていたらしい。

 

「んぅうう~!! 何か、懐かしい夢見ちゃったなぁ。」

 

 腕を伸ばした後、目を擦りながら呟いた漆月は、机の上に置いてあった一枚の写真を手にした。

 かなり年月が経ったせいかボロボロではあったが、それでもなお持っているからして、漆月にとって大事な物なんだろう。

 

「今の二人は……私を見たら何て言うんだろう……お姉ちゃん。」

 

 そう言って再びソファに寝転びながら写真を……幼き頃の漆月と飛鳥と焔、そして漆月の姉を思わせる女性の忍が写った写真を見つめる漆月だった。

 

 

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