閃乱カグラ~SHINOVI CHRONICLE~ 少女達の絆   作:XW

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27.漆月の決意。そして………

 

「……………」

 

 同時刻、乗っ取った忍本部の幹部室にあるソファに寝転びながら、漆月は数枚の写真を見ていた。

 その写真は全て姉陽花と共に撮った、漆月にとって大事な思い出が詰まった写真だった。

 

「……もうすぐ、もうすぐだよお姉ちゃん。もうすぐ夢が……忍の皆がそれぞれの夢を追いかけ、笑顔で居られる。お姉ちゃん夢が叶うよ。」

 

 そう陽花に話しかけるように呟きながら写真を見ていると、次に見たのは飛鳥と焔と一緒に撮った写真だった。

 

(これが漆月ちゃんの答えなの? これが漆月ちゃんの忍の道なの? だとしたらこんなの……こんなの陽花さんは望んでなんかいない!!)

 

(そんなの……そんなの陽花さんは望んじゃいねぇ!! そんな事妹にやって欲しいとも思わねぇ!! こんなの……こんなの陽花さんが悲しむだけだろうが!?)

 

「……くぅ、分かってる……そんな事、言われなくたって……」

 

 その写真を見ながら、飛鳥と焔に言われた言葉を思い出した漆月は歯を食いしばった後、起き上がりながら呟いた。

 

「けど……もう止められない。止まる事なんて……出来ない。」

 

 まさに覚悟を決めたように眼を鋭くし、拳を握りしめた漆月は、来るであろう飛鳥と焔を思い浮べると……

 

「だから二人共……止めれるものなら、止めてみなよ。」

 

 体内に宿る妖気を強くさせながら、飛鳥と焔に話す様に言う漆月だった。

 

――――

 

「………………………」

 

 道路裏のゴミ袋が溜まっている場所、そこに斑鳩は倒れていた。

 服装もボロボロのコートの下に黒の水着のみ、包帯も殆どほどけて傷痕と火傷後も丸見えになっており、その顔には生気も無くなっていた。

 

「…………………」

(何時まで……何時まで私は生きてるんだろう……結局私は……臆病者……卑怯者………いや、死神の方がお似合いかもしれません。こんな……こんな私なんて………)

 

 もはや何もする気力もなく、死のうと思っても死ねないような自分を軽蔑し続けていた斑鳩はふと、今だに持っていたスマホを見た。

 

――忍本部乗っ取り!? 破忍による犯行は明白。幹部は現在捜索中―――

 

 その画面には忍本部が破忍に乗っ取られたと書かれたニュースが、大きく書かれていた。

 

「…………ハハハ、ハハハハハハ………………」

 

 それを見た斑鳩は、乾いた笑みを浮かべながらスマホをゴミ捨て場に投げ捨てると、フラフラとした足で何処かへと歩いて行った。

 

 様々な悲劇、そして真実が明らかになった破忍との戦い。その決戦の時は………近い。

 


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