閃乱カグラ~SHINOVI CHRONICLE~ 少女達の絆   作:XW

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34.風魔の忍道

「フゥウン!!」

 

 大導寺が相手をしていた閃光は、大導寺の猛攻を何とか耐え抜き、隙をついて秘伝忍法「黒葬・乱鬼龍」を使ったが、大導寺は避けることなく、その拳を掴んだ。

 

「っ!?」

 

「ふむ……悪くない拳だ。だが所詮、破忍に操られた拳などに!?」

 

 それを見て目を見開いた閃光に対して大導寺は言いながら、閃光を上へ殴り飛ばすと、そのまま連打を食らわせ続け……

 

「この大導寺に!? 勝ると思ったか!?」

 

 叫びながら大導寺は秘伝忍法「天地閃乱猛虎拳」を放ち、それを食らってしまった閃光は、地面に倒れてしまう。

 

「フン……洗脳が解けてから、出直してくるのだな。」

 

 倒れた閃光を見下ろしながら、大導寺は腕を組んで呟いた。

 

「フン……やるな大導寺、なら私も!?」

 

「っ!?」

 

 そんな光景を見ていた凛は笑みを浮かべて言いながら、月光が放った秘伝忍法「リフレクトミラー」を避けると、そのまま両手に持った大手裏剣回転させる。

 

「さっさとケリを着けんと、なぁ!?」

 

 そのまま秘伝忍法「燐光万華鏡」を発動し、月光を倒すのだった。

 

「……あまり私を見くびらない事だなって、もう聞こえて無いか。」

 

 大手裏剣をしまった凛は、気を失っている月光を見ながら呟いた。

 

――――

 

「フン!! ハァア!!」

 

 奈楽もまた、蓮華、華毘、華風流の秘伝忍法を避け続け、そのまま宙を舞った。

 

『っ!!?』

 

「これでも食らって……大人しくしてろ!!」

 

 見上げながら目を見開いた蓮華達を見ながら言うと、地面に降りてすぐに鉄球を蓮華達にぶつけ、そのまま身体を回転させながら鉄球を巨大化。蓮華達を巻き込んで行った次の瞬間……

 

「絶・秘伝忍法……地獄落とし!!」

 

 奈楽の絶・秘伝忍法「地獄落とし」が決まり、奈楽がかかと落としした鉄球の下では、蓮華達巫神楽三姉妹が気を失っていた。

 

「ったく……やはりお前達全員、一から修業だな。」

 

 鉄球を元の大きさに戻し、完全に気を失った巫神楽三姉妹を見ながら、奈楽はため息混じりに呟くのだった。

 

――――

 

「えぇえええええい!!」

 

 洗脳忍学生達相手に候補生達は今だ奮闘していた。

 

 襲いかかって来る洗脳忍学生数名の攻撃を、園子は槍を展開して盾を作り、その攻撃を防いだ。

 

「ぬぅうううう~!! ふ、二人共ぉ~!! 今だよぉ~!!」

 

『はい!!』

 

 踏ん張る園子がかけ声を出すと菖蒲と芭蕉が宙を飛び、攻撃している洗脳忍学生の真上に飛んだ。

 

『秘伝忍法!!』

 

「ワイルドリンクス!!」

 

「大蛇墨渦流!!」

 

 そのまま菖蒲は「ワイルドリンクス」、芭蕉は「大蛇墨渦流」と、それぞれ秘伝忍法を放ち、洗脳忍学生を蹴散らすのだった。

 

「ハァ……ハァ……だ、大丈夫ですか? 二人共?」

 

「フゥ……フゥ……な、何とかですぅ~!?」

 

「お、同じく~」

 

 倒したのを確認した後、芭蕉が息を整えながら菖蒲と園子に聞くと、菖蒲も園子も息を整えながら頷き、そのまま座り込んだ。

 三人共洗脳忍学生を相手に奮闘した為か全身ボロボロで、忍装束も至る所が破かけていた。

 

「お~い!!」

 

「皆無事ですかぁ!!」

 

「ちょ、大きな声出し過ぎです。」

 

 そんな菖蒲と芭蕉と園子に気付いた土方が幸村と千歳共に、声を掛け乍ら近付いた。

 その最中、大きな声で呼んだ幸村に対して、千歳は耳を塞ぎながらツッコンだ。

 

「あぁ三人共、無事でしたか?」

 

「無事って言うのは……ちょっと答えづらいですね。」

 

「お互いこんな有様ですしね。」

 

 土方達に気付いた菖蒲が声を掛けると、千歳と土方が互いの身体を見ながら答えた。

 土方達も菖蒲達同様、激しい戦闘のせいで忍装束もボロボロになっていた。

 

「まぁ、全員生きてるって事だけでも、良しとしましょう。」

 

「うむ!! ではさっそく神裂殿達の救援に、」

 

 芭蕉が言った事に対して幸村も頷き、麗王と夕焼と戦っている風魔と総司と神裂の元へ向かおうとしたその直後だった。

 

「がぁあああああ!?」

 

「なぁ!?」

 

「か、神裂殿!?」

 

 その内の一人、神裂が吹き飛んで来たのを見て園子と幸村達が驚き、飛んでいた出発点を見るとそこには、

 

「ふ、風魔ちゃん!?」

 

「総司さん!!」

 

 そこには麗王と夕焼の猛攻により、傷だらけになった風魔と総司が倒れていた。

 

「そ、総司さっ!? くぅ!?」

 

「か、身体が、もう………」

 

 助けに向かおうとした芭蕉と菖蒲達だったが、数人の洗脳忍学生達と先ほどまで戦ったせいでダメージも大きく、うまく動けずにその場に座り込んでしまった。

 

『…………』

 

「くぅ!?」

(こ……ここまでか………)

 

 刃を光らせながら、風魔と総司にトドメをさそうと向かって来る麗王と夕焼に対して、立ち上がろうしても立ち上がれずにいた総司は諦めかけていた。

 

「……ま、まだ………お、終わって……ない!?」

 

 そんな中、総司とは違って風魔は今だに諦めきれてないのか、痛む身体に鞭を打ちながら立ち上がった。

 

「ふ……風魔……」

 

「ハァ……ハァ……んぅ!? んぅううううううう!! んぅなああああああ!!!」

 

 その姿に総司が思わず見とれていた次の瞬間、風魔は息を整えた後に鎖付き手裏剣の、手裏剣と鎖のつなぎ目近くを掴み、力一杯その鎖を引き千切った。

 

「なぁ!?」

 

「ハァ……ハァ……こ、これから話すの……私の独り言だから……」

 

 その光景を見て総司が驚く中、風魔は手裏剣を杖代わりにしながら、一人語り出した。

 

「私……結構有名な家柄の忍の出なんだけどさ、何やってもダメダメでいっつも落ちこぼれ。もう忍なんて辞めたいって思ったりもした。」

 

 風魔の話に総司だけでなく、後ろで聞いていた神裂達も聞き入ってしまう。

 特に菖蒲と土方は、あまり話そうともしなかった風魔が、自分の事を珍しく語ったから尚更だった。

 

「でも……そんな私にさ、飛鳥先輩は優しく……笑顔で声を掛けてくれたんだ。自分も同じ落ちこぼれ見たいだしとか……一緒に頑張ろうとか、正直最初は良く分かんなかったけど、何時だったかな? あの人の笑顔に惹かれて行ったんだ!!」

 

 そう話す風魔の顔は笑みを浮かべており、それだけ飛鳥の出会いが、彼女にとって救いだったのだろう。

 

「だから……だからさ私、見てて辛いんだ。飛鳥さんが辛そうな顔をして、苦しそうな顔をしてるのが……、それを見てるだけで辛い、それ見てるだけで、嫌な気持ちになる!! そんなの……嫌だ。」

 

 だがその笑みはすぐに悲しげな表情に変わったかと思えば、一瞬目を閉じ開けると、その目は……決意の眼差しをしていた。

 

「だから……だから私は戦う!! 強くなる!! あの人の……飛鳥先輩の笑顔を守る為に!! それが私の……私だけの!!」

 

「忍道だぁああああああああああああああ!!」

 

 そう飛鳥が話しながら立ち上がり、手に持っていた手裏剣を上に上げた次の瞬間、その手裏剣は拘束に回転し始めるとの同時に、巨大な風の刃を作り出した。

 

「わわわわわわわわわわ!! これは一体~~!!」

 

「ま、まさか!?」

 

「風魔さんの!?」

 

 その突風を身体に受けた園子と幸村と土方が話す中、同じく風魔を見ていた麗王と総司は止めようと、風魔の元へ向おうとしたのだが……

 

『っ!?』

 

「彼女の……風魔の邪魔はさせません!!」

 

「見せ場は作ってやったぞ……やるならやれ!! 風魔!!」

 

 神裂の鋼糸と、総司の鎖鎌が麗王と夕焼の動きを封じ込み、神裂と総司が叫んだ次の瞬間、風魔は動き出した。

 

「うぉおおおおおおおおおおおおお!! 秘伝……忍法ぉ!!」

 

「風烈!! 大手裏けぇええええええええええん!!」

 

 風魔は新たな秘伝忍法「風烈大手裏剣」を放ち、その巨大で鋭い風の刃を纏った大手裏剣に直撃した麗王と夕焼は、忍装束が切り裂かれるのと同時に吹っ飛び、そのまま気を失った。

 

「ハァ……ハァ……こ、これで少しは……あの人に……」

 

「風魔ちゃん!?」

 

「風魔さん!?」

 

 息を荒立てながら、倒され気を失った麗王と夕焼を見て呟きかけながら、こちらも気を失い倒れ始めるのを見て駆けつける菖蒲と土方だったが、今の二人と風魔の距離では、間に合いそうになかった。

 

「おっと!!」

 

『……え?』

 

 だが風魔がそのまま地面に倒れる事は無かった。

 何故なら、こちらもボロボロにも構わず、立ち上がった総司が支えてくれたからだ。

 

「まったく……まさか私が、焔以外の奴にしてやられるとはな。……だがま、認めざるを得ないか。」

 

 総司はまいったような顔を浮かべながら、気を失い眠りにつく風魔を見て呟き、

 

(風魔……お前が、お前こそが私の……ライバルだ!!)

 

 総司は風魔を見ながら、そう自身の心に刻み込むのだった。

 

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