閃乱カグラ~SHINOVI CHRONICLE~ 少女達の絆 作:XW
「ウワァアアアアアアアアアアアアアア!!」
項羽の「サイノ猛進」を食らい、再び吹き飛ばされ頭から地面に落ちる柳生と雲雀と春花と未来。
正直言って、転界と項羽のコンビは最強だった。
どんなに項羽が方向変更不可な秘伝忍法を使っても、転界の転移忍法で別の場所へ転移、しかも不意打ちじみた場所に攻撃出来るように転移するので避けても無意味に近い。
かと言って先に転界を倒そうとしても、転界自身も転移忍法を使ってその攻撃を避け、更に項羽の攻撃を逆に食わらせると言う、殆ど無敵のコンビネーションだった。
「ウゥウウウ……」
「フフ……流石ですね項羽。さてと、そろそろ諦めた頃ですか……」
転界の元へ戻って来た項羽を褒めながら、転界は既に倒れてるでだろう四人が居る前を見たのだが……
「ハァ……ハァ……ハァ………」
「うぅ……うぅ………」
「フゥ……フゥ……」
「ハァ……ハァ……ハァ……」
柳生も、雲雀も、春花も、未来も、項羽の猛攻に苦戦を強いられ、忍装束もボロボロにも関わらず、それぞれ息を整えながら立ち上がったのを見て、転界だけでなく項羽も動揺した。
「ナ……何デ……何デ……立チ…アガレル?」
「攻撃もまともに当たらない……避けるのもほぼ無意味。その様な状況なのに……何であなた達は!?」
そう立ち上がった柳生達を見て項羽と転界が聞くと、柳生が最初に口を開いた。
「ハァ……ハァ……ハァ……さぁな。まぁしいて言えるとすれば雲雀を守る事と………こいつらに負けたくないって事ぐらいだな。」
そう言って柳生は、春花と未来を指差しながら答えた。
「方や雲雀に色目を使って、自分の物しようとする変態女。方や何かと俺に絡んで来るしつこいチビ。そんな奴らが居る前で諦めて、ここで負けるとあったら……こいつらに、何て言われるか分かったもんじゃない。」
「……そ、それはこっちの台詞よ。眼帯被り。」
柳生が少しだけニヤリと笑いながら話した後、今度は未来が答え始めた。
「ちょくちょく私の事は無視するわ、絡んで来たと思ったら殆ど雲雀絡みだわ……まったく、こっちはあんたに色々文句が言いたい事だらけなのよ!!」
そう言いながらも、未来の瞳は柳生を映していた。
「だから……私も、その文句をいっぱいいっぱい言うまでは、こんな所で……負けるわけには行かないのよ!?」
「……フッ、そうか。じゃあ……その文句とやらを聞く為にも、負けるわけには行かんか!!」
そうして柳生に向かって未来が言った事に対して、柳生は笑みを浮かべながら頷いた。
「ハァ……ハァ……わ、私は……柳生ちゃんや未来ちゃんのような理由はないけど……わ、私だって、半蔵学院の忍だもん!!」
すると今度は、雲雀が答え始めようと口を開いた。
「それに……ここには春花さんもいる……良く私に近付いて、変な事する人だけど……本当は、優しい人だって事ぐらい分かってるもん!! だから……そんな春花さんが居る前で、恥ずかしい格好は見せたくないもん!!」
雲雀は顔を少し赤くしながら言った事を聞いて、今度は春花が口を開いた。
「……フフ、雲雀にそう言われるなんて、私もまだまだ、柳生に負けて無いって事かしらね? だったら私も……そんな雲雀に恥ずかしい格好!! 見せれないわね!!」
雲雀の言葉を聞いて嬉しかったのか、春花はボロボロの上着を脱ぎ、笑みを浮かべながら言った。
「……春花、お前また雲雀に何かしたか?」
「さぁ? ご想像に任せるけど、今大事なのは、皆一緒って事でしょ?」
そんな光景を見た柳生が聞いた事に対して春花は答えると、その答えを聞いた柳生だけでなく、未来と雲雀も頷いた。
「言われなくともな……だから俺は、」
「私は、」
「私は、」
「私は!!」
「こんな所で負けてられないんだ!?」
「こんな所で負けていられないもん!?」
「こんな所で負けていられないんだから!?」
「こんな所で負けていられないのよ!?」
柳生と雲雀と未来と春花は、ほぼ同じ言葉を同時に発した。
ただ負けたくない、あれこれ言ってたものの最終的にはその一択意地。
それだけの理由で立ち上がった四人を見て、転界と項羽は思わず冷や汗を掻いた。
「……くぅ!? 負け惜しみじみた事を……だったらその無駄な意地事、あなた達を倒すまでです!! 項羽!!」
「ウォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!」
転界の指示を聞いた項羽は、叫びながら「サイノ猛進」を発動し、そのまま柳生達に向かってとどめを刺そうと、猛進したのだが……
『っ!?』
「なぁ!?」
次の瞬間、柳生と雲雀と春花と未来は同時に宙に飛び、とどめの一撃を避けられた項羽が驚いたのもつかの間、柳生と未来はそのまま転界の方へと向かって行った。
(何をするかと思えば……何度やっても!?)
「ヴォルフシャンツェ!!」
「なぁ!?」
柳生と未来の姿を見ながら、転界は避けようと転移空間を展開しようとしたが、その僅かな隙を狙って未来が秘伝忍法「ヴォルフシャンツェ」を発動。
スカートの中から八つのガトリングを展開して銃撃を食らわせた事により、転界の転移を阻止した。
「くぅ!? ゴホォ!! ゴホォ!!」
(私が転移空間を作る時の僅かな隙を狙うなんて……そんな事出来るわけが……)
「それが……出来るんだなこいつには。」
「なぁ!?」
その銃撃の際に起こった煙に咳き込みながら転界が考えていると、転界の考えていた事が分かったかのように言った柳生が目の前に現れ、柳生を見て転界が驚いたのもつかの間………
「そしてそんなあいつを……俺達を甘くて見ていたのが……お前達の運の尽きだ!!」
柳生は自身の眼帯を外すと、隠されていた右目から血に帯びたように真っ赤な烏賊の足が現れ、その足で転界を何度も叩いた。
「これが隠忍の……いや、俺達の力だ!!」
「がぁああああああああああああ!?」
柳生は絶・秘伝忍法「隠忍斬」の足を最後に勢い良く振り回し、それをまともに食らった転界は壁まで吹っ飛んだ。
「っ!? 転カ、」
「どこ見てるのかしら!?」
「こっちだよ!!」
転界が倒されたのを見て項羽が驚き駆けつけようとしたのもつかの間、上から春花と雲雀の声が聞こえて上を向くと、いつの間にか春花と雲雀は背中合わせで腕を組んでいた。
「行くわよ!!」
「はい!! せーの!!」
『おしくらまんじゅう!!』
「グハァアアアアアアアアアアアアアアア!!」
そのまま春花と雲雀は合わせ秘伝忍法「おしくらまんじゅう」を発動、尻から地面に落ちた二人の下敷きになってしまった項羽は悲鳴を上げ、そのまま気を失う。
「ガァ……アゥ……」
「や……やったの、かな?」
「見た感じ……完全に気を失ってるわね。っで、あっちの方は、」
完全に項羽が気を失ったのを確認した雲雀と春花は、前の方に居る柳生と未来の様子を見ると……
『………ッフ。』
「フフ、」
「ニヒィ!!」
同じく転界も気を失ったのを確認した柳生と未来は笑みを浮かべて答え、それを見た春花と雲雀も、笑みで答えた。
そうこうしている内に転界の忍結界も解除され、元の部屋の姿に戻った。