閃乱カグラ~SHINOVI CHRONICLE~ 少女達の絆   作:XW

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36.己が限界を超えて

「ハァ……ハァ………ハァ………」

 

 四季は拷楽を前にしながら、鎌を杖代わりにして息を整えていた。

 こちらがどんなに攻撃しても、全て快楽として受け止めてしまう拷楽に相手に、四季は体力と気力を奪われる一方だった。

 

「あらあら~? どうしたの二人共? 私はまだまだイケる口よぉ~?」

 

「うぅ~ん!! 確かにイジメるのは面白いけど、やっぱり両奈ちゃん的にはイジメられる方が良いよぉ~!!」

 

「ちょっと両奈ちん黙ってて!!」

(あぁもう!? どんだけ攻撃しても、あっちは全部受け止めて快楽に変えちゃうから、逆に回復させちゃうし……ってかやりづらい!?)

 

 挑発気味に言った拷楽の言葉に対して、四季は腰を動かしながら言った両奈にツッコミながらも、拷楽相手にどうすれば良いか考えていた。

 

「うぅ~ん、どうも引き出し無くなっちゃった見たいだし……あっちの子のお望み通り、今度は私が虐めるターンかしら?」

 

 そんな中、唇に指を添えながら拷楽が言った直後、四季と両奈に広げた左手を向けた。

 

「それじゃあまずは……下準備と行きますか!!」

 

『っ!?』

 

 その広げた左手を一気に握りしめた直後、四季と両奈の身体に異変が起こった。

 

「んぅあああああああああああああああああああああ!!」

(な……何これ!? か、身体中が、痛い!?)

 

 突如として、四季の身体中に激痛が走り、四季はその痛みに立っているのがやっとだった。

 

「ワァウウウウウウウウウウン!! な、何これ!?」

 

「そちらのお嬢ちゃんはお気に召したようね。これが私の秘伝忍法が一つ、痛覚増量!! 今のあなた達の痛覚は通常の七百倍!! 立っているだけでも痛くて痛くてしょうがないでしょ?」

 

 同じように立っているだけで激痛が走るが、四季と違って顔を赤くしながら笑みを浮かべる両奈を見ながら、拷楽は自身の秘伝忍法「痛覚増量」を説明した。

 

「ハァ……ハァ……ハァ……ハァ……こ、こんなの………」

 

「あらら?やせ我慢とは言え耐えるわね? これは……雪泉ちゃんと雅緋ちゃん以上に楽しめそうね!!」

 

 立っているだけでも、鎌を握ってるだけでも身体中に流れ出る激痛に耐える四季を見て、拷楽は笑みを浮かべる右手の三つ指を立たせると、その指で四季と両奈が居る空間に向けて横三線に裂くように動かした。

 

『っ!?』

 

(な……何、これ?)

 

(何も……聞こえない……何も……見えない!?)

 

(フフ、流石のドMちゃんも、私の三感剥奪には困惑したようね。まぁ話した所で、聞こえないんじゃしょうがないでしょうけど?)

 

 その瞬間、両奈と四季の耳が聞こえなくなっただけでなく、目は何も見えず、鼻も何も匂えなかった。

 どうやら拷楽のもう一つの秘伝忍法「三感剥奪」が決まってしまい、四季と両奈の視覚、聴覚、嗅覚が奪われてしまったらしい。

 

「あぁ……あぁああああ……あぁあああああああああああああ!!」

(な……何なのコレ!? 何も聞こえないし、何も見えない!! 凄く痛いのだけは分るのに何で!? どうしたら!? 私はどうしたら良いの!?)

 

 何も聞こえず、何も見えず、何も匂えず、ただただ激痛に苦しむしかなかった四季は、悲鳴に似た声を上げながら困惑状態に陥ってしまった。

 

「金髪ちゃんは……もう限界見たいね。それじゃあ貴方から……壊してあげるわ!!」

 

「んぁあああああああああああ!!」

 

 そんな四季を見ながら、鞭を舐めた拷楽は四季に近付き、四季に向けてその鞭を叩き付けた。

 鞭が身体に当たると、痛覚が七百倍になっていた四季は更なる激痛に声を上げてしまった。

 

「ホラホラ!! もっと!! もっとよぉ!! その可愛らしい悲鳴を、私に聞かせて頂戴な!!」

 

「がぁああ!! あぁああ!! あぁああ!! あぁあああ!!」

 

 拷楽はその鞭を何十回も四季の身体に叩きつけ、何処から来てるのかすら分からず、ただただ鞭に打たれるだけの四季は激痛に苦しみ、悲鳴を上げるしかなかった。

 

「あぁ……あぁあああ……あぁ………」

(い……意識が……こ、これ……本当に、マジで……や、ヤバイ……)

 

 その鞭の嵐が止むと、四季は先程までの鞭打ちによって、気を失いかけていた。

 身体中の至る所に鞭による腫れ、忍装束すらもボロボロになっていた。

 

「がぁああ!?」

 

「随分と楽しませて貰ったわ。ちょっと名残惜しいけど……貴方とはこれで終わり!!」

 

 そんな四季に対して、拷楽は鞭で四季の首を縛り、とどめを刺そうとした。

 

「ぐぅあああああああ!? あぁあああああああ!!」

(ご……ゴメン皆……どうやらウチ、ここまで……)

 

 首を絞めつけられる激痛にも苦しむ四季は自身の限界を悟り出し、心中で仲間達に謝罪しかけたその瞬間……

 

バァン!!

 

「なぁ!?」

 

「うぅうううううううううん!! 気持ち良かった!!」

 

 両奈の銃弾らしき物が放たれ、銃弾が鞭を壊したのを見た拷楽は、思わず両奈の方を見ると、そこには背伸びしながら笑みを浮かべる両奈の姿が居た。

 

(う、嘘!? 私以外にもあの痛覚が気持ちいと思うなんて!? いや……それ以前に、何で私の位置と状況が分かって!?)

 

 両奈も四季と同じで、視覚、聴覚、嗅覚を失っているはず。

 なのに自分や先ほどの状況が分かった事に、拷楽は驚きを隠せずにいた。

 

「うぅう~ん!! 立っているだけで激痛が全身に流れて来て、おまけに放置プレイしてくれるなんて~!! 凄いよ拷楽ちゃん!! まさに拷問のプロフェッショナルだね!!」

 

「え……えぇそう、ありが、」

 

「まぁでも………両備ちゃんの方が絶対、気持ち良いんだけどね。」

 

 腰をくねらせながら笑みを浮かべる両奈の言葉に拷楽は答えようとしたが、そう言って最後まで聞かなかった両奈は、拷楽が居る場所に向けて銃撃を放った。

 

「なぁ!? くぅうう!?」

 

 確実に自分の場所が分かって狙って来た両奈の銃撃に驚いた拷楽は、今度はその身で受けようとせず、もう一本の鞭でその銃撃を防いだ。

 

(か……確実に私を狙って来てる!? もしかしてこの子、本気で私の気配だけで見つけてるの!?)

「あぁもう!! お陰でその銃弾受け止めきれないじゃないの!?」

 

 鞭を唸らせながら銃撃の弾を落とししながら拷楽は考えた後、一旦距離を取ろうと離れようとした次の瞬間、

 

「なぁ!? がぁああああああああああ!!」

 

突如として現れた無数の蝙蝠が拷楽を襲い、その襲撃を急に食らったせいで快楽に変える事にも失敗し、拷楽はそのまま地面に倒れてしまった。

 

「ハァ……ハァ……あ、当たった……見たい。」

 

「ま……まさか、あなたも!?」

 

 その無数の蝙蝠を放ったのは、先ほどまで限界を悟りかけていたはずの四季だった。

 

(さっきマジで限界だと思った瞬間、二つ程気配を感じた……もし両奈ちんの位置が見えなくなる前から移動して無かったと思って、ぶっつけ本番でやったけど……どうやら成功したっぽいね。)

 

 四季も拷楽の気配がうっすらだが分かったらしく、その気配を信じて攻撃を放ったらしいのだが、先ほどから飛び跳ねてるように感じる両奈の気配を感じるからにして、成功した事に笑みを浮かべた。

 

「な……何なの、何なのあんた達!? 身体中に激痛が走ってるって言うのに、何も見えないし聞こえないはずなのに!? 何で……何でそこまで!?」

 

 次々とあり得ない事が連続で起きた拷楽は思わず声を上げながら、聞こえても無いはずなのに四季と両奈に聞くが、何かを叫んでいる事ぐらいは二人には分かっていた。

 

「……へ、本当……ウチもさっき何であんな事考えていたかと思うよ。こんな所で、限界を感じるなんてね!!」

 

 四季は激痛にも耐え、見えない筈の瞳を開きながら構え、その姿に拷楽は再び戸惑った。

 

「ウチは……ウチは誓ったんだ!! 絶対になって見せるって!! 世界で活躍する、スーパーニンジャになるって!! だから……だからこんな所で、」

「終わってたまるかぁあああああああああああああ!!」

 

 四季は拷楽に向かって叫んだ。

 見えてもないし聞こえても無い、只々叫んでいるだけ。

 だが、それはある意味では、四季が限界を超える為の鼓舞だったのだろう。

 

「ぬぅ……けど、私もここで、負けてられないのよ!!」

 

 だが負けられないのは拷楽も同じで、拷楽は得物の鞭の長さを伸ばして地面を叩き、今の四季と両奈に更なる激痛を与えようとした。

 

「両奈ちん!!」

 

「っ!! 分かった!!」

 

 だが、そんな拷楽の気配に屈することなく、四季は気配だけで感じた両奈に向けるように言うと、それを感じ取ったのか両奈も頷き答えた。

 

「それじゃ私から……行っくよぉ~!!」

 

 両奈は拷楽の気配を感じ取りながら、そのまま体を回転させながら氷の銃撃を放つと、その銃撃を受けた拷楽は反撃する暇も無く、その銃撃によって氷漬けにされて行き……

 

「リベリオンコンチェルト!!」

 

「なぁあああああああ!!」

 

 両奈の絶・秘伝忍法「リベリオンコンチェルト」を食らった拷楽は、両奈が作り出したブタの氷彫刻の中に封じられてしまう。

 

(か……身体が冷たい!! あぁでもこれは……)

 

「四季ちゃん!!」

 

「OK!!」

 

 氷彫刻の中に埋め込まれ、冷たさにそう思いかけていた直後、四季に向けて行った両奈の気配を感じ取った四季は、そのまま氷彫刻の中にいる拷楽に近付き……

 

「絶・秘伝忍法………ショギョウムZEX!!」

 

 四季は絶・秘伝忍法「ショギョウムZEX」を最大出力で放ち、赤く染まった蝙蝠の嵐は、すぐさま氷彫刻を粉砕するのと同時に、中に居た拷楽に大きな攻撃を与えた。

 

「あぁああああああああああああああああああああああ!!」

(そ……そんな……私が……私がこんな所でぇ………あぁ、でも漆月ちゃんゴメン、私……この子達の最後の攻撃を受けて………)

 

(超~~~~~~~~!! 快感しちゃったぁ~~~~~!!!)

 

 それをまともに食らってしまった拷楽は吹っ飛んだのだが、その顔はまんざらでないような笑みを浮かべており、気持ちよさそうに気を失っていた。

 

「ハァ……ハァ……な、何とか、倒せたみたいって……あれ?」

 

 それを感じ取って、拷楽が倒れたのを確認した矢先、倒れている拷楽が見えた事に困惑した四季が周囲を見渡すと、拷楽の忍結界が消えて行くのと同時に、何処からか来る風の音も聞こえて来た。

 

「も……もしかして、アイツの秘伝忍法の効果が消え…って………」

(ヤ……ヤバイ、もう身体が……)

 

 先程まで激痛に耐えていた反動か、四季の決意とは裏腹に肉体は限界が来てしまい、四季は倒れようとしてた。

 

「よっと!!」

 

「おぉ……」

 

 それを止めたのは両奈で、両奈が四季を支えてくれたお陰で、四季は倒れずに済んだのだった。

 

「あ……ありがとう、両奈ちん。」

 

「良いの良いの!! 私も最高に気持ち良かったし!! あ!! これを気に四季ちゃんもドMにならない!? そしたら絶対!! 絶対!!」

 

「マジでお断りします。」

 

 四季が礼を言った矢先に両奈が笑みを浮かべながら言うと、四季は即答で断った。

 

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