閃乱カグラ~SHINOVI CHRONICLE~ 少女達の絆   作:XW

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46.少女達が取り戻した日常

 

『お、終わった(ッス)~!!』

 

 破忍との戦いから数日後、世間は年も明けて正月になっていた。

 そんな日まで壊れた神社の修理がようやく終わり、巫神楽三姉妹は神社の前で座り込んでいた。

 

「破忍の洗脳も解けてやっと退院した直後に神社の修理って、流石にキツ過ぎるぜ。」

 

「で、でも……これで少しはゆっくり出来るッスね。」

 

「いや……この後近くの寺で初詣の手伝いしないと行けないから、どの道ゆっくり出来ないわ。はい、論破。」

 

 座り込みながら話す蓮華と華毘の会話に対し、華風流はそうツッコんだ。

 あの戦いの後、闇によって洗脳された忍学生の洗脳は解かれ、しばらく検査入院した後全員無事に退院したのである。

 巫神楽の三人もそうだったのだが、奈楽が鍛え直しと称して神社の修理を命じた為、ゆっくり出来る事の方が少なかったらしい。

 

「まったくお前達は……そんな事ではまた捕まって洗脳されるのがオチだぞ?」

 

「う、うるせぇ!! だいたい閃光、お前ら何時までここにいるんだ!?」

 

 そんな蓮華達に呆れながら声を掛けたのは、本来不雪帰の傍にいるはずの閃光だった。

 その閃光はなぜか、巫神楽三姉妹と同じ巫女服を着ていた。

 

「不雪帰様の命でここで鍛え直してるんだ。当然不雪帰様に認められるまでだ。」

 

「ふぇ~!! そっちはそっちで大変っスね。」

 

「ま、お互いあっけなくやられて、洗脳された身の上だからね。」

 

 蓮華にツッコまれた閃光が答えたのを聞いて、華毘と華風流は呟いた。

 どうやら閃光と月光は、不雪帰の命もあってここで鍛え直しているらしいのだ。

 

「フフフフ、でも閃光だって、時々蓮華さん達の手伝いをしてたじゃない?」

 

「あ!! あれはその、早く修理を終わらせて、修業相手になって欲しいと思っただけだ!!」

 

「お!! だったら今からでもやるか!? 年明け一日目の初修業だ!!」

 

「フン、腕が鈍ってなければな。」

 

 閃光の後ろから月光が笑みを浮かべながら話しかけると、その話に閃光が顔を真っ赤にしながら言い返したのを聞いた蓮華は、自身の得物を持って挑発し、それに閃光も拳を鳴らしながら答えた。

 

「ちょっと二人共!? これから手伝いがあるって言ったじゃん!? 修業はその後でも良いでしょ!?」

 

「そうそう、まずは何よりそれを終わらせないと行けないわ!! と言う事で……ジャーン!!」

 

 そんな二人に対して華風流がツッコんだ後、華風流に頷きながら言った月光が取り出したのは、露出が多く改造された巫女服だった。

 

 

「ぬぇええええええ!! 月光なんスか!? その巫女服!?」

 

「正月に向けて作ってたのが、ようやく出来たんです!! ささ、閃光も皆さんも、これを着て手伝いに!?」

 

「ま、待ってくれ!? 流石にそれはぁあああああああああ!!」

 

「ふ、ふざけるのも大概にしろ月光ぉおおおお!!」

 

 その巫女服を見て華毘にツッコまれた月光は、話しながら着させようと閃光と蓮華達に近付き、それを突っ込みながら蓮華と閃光は逃げ出し、華毘と華風流もその後に続いた。

 

「あぁもぉ!! 待ってぇ~!!」

 

「待てないッスよぉおおおおお!!」

 

「そんなん着て手伝いするって、どんな巫女にさせるつもりよぉおおおお!!」

 

 その後を追いかける月光に対して、華毘と華風流がツッコみながら走り続けていると……

 

「お前達!! 遊んでないで早く手伝いに行け!!」

 

『は、はいぃ!!』

 

 それを見た奈楽に思いきり怒られてしまい、蓮華と華毘と華風流と閃光と月光は、急いで手伝いを頼まれた寺に走って行った。

 

「まったくアイツらと来たら、閃光と月光も本気鍛え直す気があるのか?」

 

「まぁまぁ、あの子達も色々あったんだし、たまには良いじゃん!!」

 

「そうは言うが、アイツらと来たら……ハァ~」

 

 五人の後ろ姿を見ながらため息を付いた奈楽に対し、神楽が後ろから話しかけると、それに言い返しながら奈楽はまたため息を付いた。

 

「でも……そこまで満更でもないでしょ?」

 

「……まぁな。」

 

 そんな奈楽に対して神楽が聞くと、奈楽は少し照れながら笑みを浮かべた。

 

――――

 

「ハァアアアアアアア!!」

 

「フン!!」

 

 蛇女では、両備と雅緋が正月にも関わらず修業を行っていた。

 ちなみに修業を申し出たのは両備の方で、雅緋は今だ松葉杖を使っていながらも、その申し出を受けたらしい。

 

「うむ、中々良い筋だが、もう少し肩の力を抜いても良いと思うぞ?」

 

「あんたにそう言うアドバイス言われるのは、少し変な気がするわね。」

 

「かもな。………それにしても両備、どうして正月からこうして修業を? 私は別に構わんが。」

 

 雅緋のアドバイスに対して両備が言い返すと、そんな両備に対して雅緋が質問したのを聞いて、両備は持っていた木刀を見ながら答えた。

 

「………私、代理とかじゃなくて、本当の意味で蛇女のリーダーになろうと思っているの。」

 

「……………」

 

「だからもっと強くなって、あの戦いで手に入れた両姫お姉ちゃんの力をもっと使えるようになりたいの!? それに………」

 

「それに?」

 

「私ぐらいしか、あんたの後継げないでしょ?」

 

 笑みを浮かべながら答えた両備の顔を見た雅緋も、思わず笑みを浮かべた。

 

「そうか………良いだろう!! だったらお前を望み通り……いや、どうせなら両姫よりも強くしてやる!! その覚悟はあるか!?」

 

「っへ!! 上等よ!!」

 

 そう言って雅緋は再び木刀を構え直し、両備も笑みを浮かべながら構え直して、そのまま雅緋に向かって行った。

 

「ぬぅうううううううう!! 何か……何か両備の奴!! 雅緋と仲良すぎないか!? もう僕より、両備の事しか見て無いのか!?」

 

「お姉ちゃん………」

 

 そんな二人の様子を観ていたのか、忌夢が柱に噛みつきながら両備に対して嫉妬しており、そんな実の姉に紫は呆れていた。

 

「………フフ。」

(大丈夫、両備ちゃんなら絶対、ぜぇーたい、両姫お姉ちゃんより凄い忍になれるから。)

 

 その近くで両備の姿を見ていた両奈は、何時もとは違う笑みを浮かべながら、両備に対してそう心中で呟いた。

 

「…………」

 

「どうしたんですか総司? さっきから両備の方を見て。」

 

 同時刻、同じように雅緋と修業をしている両備を見てた総司に対し、千歳が話しかけた。

 

「………アイツの右腕として力を振るうのも、悪くはないかもな。」

 

「え? ちょ、それどう言う意味って……ちょっと!?」

 

 っと、総司は呟きながらこの場から去り、総司の言葉に千歳は首を傾げる中、芭蕉は笑みを浮かべていた。

 

「………あぁ、今日も良い天気だな。」

 

 そう呟きながら、芭蕉は空を見上げるのだった。

 

――――

 

「夜桜殿、無事弟妹達と会えたのでしょうか?」

 

「もう駅降りて、実家に向かってるってメール来てたよ?」

 

「じゃあ問題ないね!!」

 

 月閃では、夜桜が用意してくれていたおせちを食べながら、幸村と美野里と四季が話していた。

 その夜桜が何故いないかと言うと、どうやら久方ぶりに里帰りしているらしく、四季達の話題はその話ばっかりだった。

 

「しかし珍しいですね。夜桜先輩が実家に里帰りしたいと言うなんて……」

 

「まぁ……昨年は色々とありましたしね。正月ぐらい弟妹達とゆっくりしても、わ、我は良いと思います。」

 

「そうですね。」

 

 神裂がお雑煮を食べながら話した事に対して叢が答えると、今だ車椅子に乗っている雪泉も頷いた。

 

「昨年は……特にあの戦いでは、夜桜さんに負担ばかりかけてしまいました………だから、そんな夜桜さんに報いる為にも私は、必ず身体を完治させて、卒業試験に合格して見せます!!」

 

 っと、胸を張りながら豪語した雪泉を見て、四季達は思わず笑みを浮かべた。

 

「あ!! ねぇねぇそう言えばさ!! 近くのスーパー銭湯で、正月スペシャルセールやってる見たい!!」

 

「ぬぅおおおおおおおお!! ならばこの後、一緒に行きましょうぞ!!」

 

「わぁーい!! 美野里も温泉行きたぁい!!」

 

「私もぉ~!!」

 

「わ、我も………」

 

「まぁ、たまには良いですかね。雪泉先輩はどうし……」

 

 っと、近くの銭湯の事で思い出した四季はチラシを見せながら言い、それに幸村と美野里と園子も頷き、叢も少し照れながら賛成した。

 神裂もその話に賛成した後、雪泉の意見を聞こうとしたのだが……

 

「…………………………」

 

「ゆ、雪泉先輩? ちょっと!? 大丈夫ですか!? 雪泉先輩!!」

 

 雪泉は何故か固まっており、それに気づいた神裂は雪泉の目の前で手を振ったのだが、雪泉は微動だにしなかった。

 

「えぇええええええ?! 雪泉ちゃんどうしたの!?」

 

「ま……まさか、さっきの会話で、破忍に捕まった時の事を思い出して!?」

 

「銭湯の事を話しただけで!? 一体どんな拷問受けてたんですか!?」

 

「おぉおおおおおおおお!! その話私も聞きたい!?」

 

「な、何で園子殿は目を輝かせてるのですかぁ!?」

 

 そんな雪泉を見て美野里と叢と神裂は慌てて、何故か目を輝かせる園子に対して幸村がツッコんだ後、

 

「雪泉ちん!? ちょっと雪泉ちんってば!? あぁもぉ~!! ウチが悪かったからぁああああ!!」

 

 四季も慌てながらも、とりあえず雪泉に謝った。

 

――――

 

「アハハハハ……まぁ、雪泉ならそのトラウマも、何とか乗り越えれるじゃろ。」

 

 そんな月閃の様子をメールで知った夜桜は、苦笑しながらもそう思い立った。

 

「………………」

 

 そんな夜桜は今、実家の玄関の前に立っていた。

 久方ぶりの弟妹達の再会。夜桜は多少緊張しながらも、その玄関のドアを開いた。

 

「皆!! 明けましておめでとう!!」

 

 夜桜は笑みを見せながら、弟妹達に大きな声で挨拶した。

 

――――

 

「明けましておめでとうございます!!」

 

「今年もよろしくお願いしまぁす!!」

 

 一方未来と春花はと言うと、正月にも関わらずデパートでバイトをしており、こうして売り子として宣伝していた。

 

「正月早々バイトとは、お前達も大変だな。」

 

「二人共ぉ!! 明けましておめでとう!!」

 

 そんな未来と春花を見かけたのか、柳生と雲雀が声をかけて来て、その後ろには風魔と菖蒲と土方の姿もあった。

 

「あら? 明けましておめでとう。今日はどうしたの?」

 

「新年会も兼ねて、風魔の選抜候補入りを祝う会をしようと思ってな。その買い出しだ!!」

 

「えぇ!? それマジで!?」

 

「エヘヘヘヘへ、まぁ自分が一番驚いてるッスけどね。」

 

 春花の質問に対して柳生が答え、それを聞いた風魔は照れながら頭を掻いた。

 あの戦いの際、神裂や総司の助力があったにせよあの夕焼と麗王を倒したのが評価されたか、風魔は菖蒲と同じ選抜候補入りしたきっかけらしい。

 

「あれ? そう言えば焔に日影、詠の姿が見当たらないが?」

 

「焔も日影も詠お姉ちゃんも、用事があるって。」

 

「そうなんだ。まぁこっちも飛鳥ちゃんと斑鳩さんとかつ姉ぇも用事済ませてから帰るって言ってた。」

 

 今度は柳生が質問すると未来が答え、その話を聞いて雲雀が話すと、ほんの少し沈黙な空気が漂ったが、それもすぐに解消された。

 

「ハァ、まったく私達と来たら、似た者同士の集まりね。」

 

「エヘヘへ!! そうですね!!」

 

「いやそこ納得するな!!」

「いやそこ納得しないでよ!!」

 

 ため息混じりに春花が言った事に雲雀は頷き、それに柳生と未来がツッコんだものの、全員の顔には、笑みがこぼれていた。

 

「本当に皆さん、仲良いですね。」

 

「そうだね~……あぁ!! かつ姉ぇ先輩も日影先輩も用事って事は……二人でデートだったりして!?」

 

「デ!! デデデデデデデデデデ!! デートぉ!! 風魔ちゃんその話本当!? 本当なんですか!?」

 

「あぁもう!! 菖蒲さんは落ち着いて!? 風魔さんも余計な事言わない!!」

 

『痛っ!! ご、ごめんなさい………』

 

 そんな四人を見ながら菖蒲は話した直後、風魔が発した言葉を聞いて肩を掴みながら大きな声で聞こうとしたのを見て、土方は風魔と菖蒲の頭を軽く叩きながらツッコんだ。

 

――――

 

「なんかすまんなぁ。ラーメンごちそうになって。」

 

「良いって、良いって!! あたいがそうしたかっただけなんだからよぉ!!」

 

 同時刻、日影と葛城はと言うと、葛城の行きつけのラーメン屋に来ており、そこで日影は葛城にラーメンをご馳走になっていた。」

 

「しかしなんや? 正月早々ウチにご馳走するって、何かあったんか?」

 

「あぁ……そのなんだ? しいて言えば……あの時の詫びって所かな?」

 

 日影の質問に対して、葛城は頭を掻きながら答えた。

 どうやら、破忍との戦いで迷惑を掛けた、その詫びも兼ねて奢ったらしい。

 

「あの時のあたいは、本当にどうかしてた。挙句の果てにはお前にもすっごく迷惑かけた。………これで許してくれるとは思ってねぇけどさ、せめて……せめてその……あぁとにかく日影!! 迷惑かけてすまん!!」

 

 葛城は少し顔を赤らめながら話した後、日影に向かって頭を下げながら謝った。

 それに対して日影は、ラーメンの麺を口にし、スープを飲んだ後……

 

「フゥ………今度、」

 

「え?」

 

「今度楽しい勝負してくれたら、許したる。」

 

「……………お、おぉ!! 任せとけって!!」

 

 日影の言葉を聞いた葛城は嬉しかったのか、思わず笑みを浮かべながら頷くのだった。

 

(……やっぱ、葛城にはそっちの方が似合うな。)

「…………ッフ。」

 

「んぅ? 今笑った!? 笑ったよなさっき!!」

 

「わ、笑ってへんわ。ワシ感情ないし。」

 

「いや笑ったって!! 絶対笑ったよな!! そう恥ずかしがるなって!? ホラ、あたいにもう一回!! もう一回見せてみろって!!」

 

「あぁもう……少し落ち着け!!」

 

「痛っ!!」

 

 そんな葛城の笑みを見て、日影がそう思いながらほんの少し笑みを浮かべると、その笑みに気付いた葛城は少しだけ興奮しながら日影に近付くと、少し落ち着かせようと、日影は頭にチョップを食らわせながらツッコんだ。

 

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