閃乱カグラ~SHINOVI CHRONICLE~ 少女達の絆   作:XW

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47.エピローグ 少女達の絆と……それぞれの進む道

 

「……………」

 

「……………」

 

 斑鳩と詠は、詠が生まれ育った貧民街が良く見える場所に来ており、互いに目を逸らし続ける長い沈黙が続いていた。

 

「………あ、あの……よ、詠さん、」

 

「い、斑鳩さん……その……えっと………ご、」

 

『ごめんなさい!!』

 

 その沈黙を破るように、斑鳩と詠はそれぞれ言葉を濁らせた後、同じタイミングで頭を下げながら謝った。

 

「な!? 何で詠さんが謝るんですか!? 元を言えば私が勝手に忍の資格がないだとか悩んで、そのせいで詠さんを傷つけて!?」

 

「そ、それを言うなら私だって!? 斑鳩さんを助けようとして逆に傷つけて、挙句の果てにはあんな力まで手を出して!?」

 

「それも私が!?」

 

「いいえ私が勝手に!?」

 

 互いに自分が行ってしまった事に非があると思っているのか、斑鳩と詠は互いに言い合いじみた事を話し続けたが、結局決着は着かなかった。

 

『……………………』

 

「あ、あの……詠さん?」

 

「な、何ですか?」

 

 その後、再び沈黙な空気が流れた後、斑鳩は詠に話しかけながら、下に俯いた。

 

「その……こんな、こんな私が言うのも……い、今更だとは分かっています!! でも……でもその……こ……こ………」

 

 ぎこちない口調で話し続けていた斑鳩の目尻には、いつの間にか涙が浮かんで来ており、その涙が頬を伝った瞬間……

 

「こ、こんな私でも!! これからも、最強の友達としていてくれますか!?」

 

「っ!?」

 

 斑鳩は涙を流しながら詠に聞き、それを聞いた詠は目を見開かせたのと同時に、同じように涙を流した。

 

「…………ずっと、」

 

「え?」

 

「ずっと!! ずっとずっとずっぅうううと!! 私の最強の友達で親友で居てくれませんと、許しませんからね!!」

 

 詠は斑鳩に言いながら抱きつき、それに驚いた斑鳩だったがすぐに詠の身体を抱きつき返した。

 

「……はい!! もちろん………もちろんです!!」

 

 斑鳩は抱きつきながら答え、それを聞いた詠は抱きつきながら笑みを浮かべた。

 最強の友達にして親友、斑鳩と詠の絆は、こうして蘇り、更に強くなって行った。

 

――――

 

「……何だか、去年の事がずっと昔の様に思えちゃうね。」

 

「あぁ、昨年は本当に色々あったからな。」

 

「焔ちゃんの場合、悪忍から抜忍になっても大変だったしね。」

 

「うるせぇ。」

 

 その頃飛鳥と焔はと言うと、ビルの上で街を見渡しながら、昨年の事を思い出しながら話していた。

 

「………ねぇ、焔ちゃん。」

 

「何だ?」

 

「焔ちゃんは、これからどんな忍になりたいの?」

 

 飛鳥は焔に対し、かつて同じような質問をすると、焔はそれに動じる事無く答えた。

 

「……私は、今まで通りいや、今まで以上強く、そして生きた証を知らしめれる忍になる。それだけだ。」

 

「変わらないなぁ~。」

 

「そう言う飛鳥、お前はどうなんだ?」

 

「私?」

 

 焔の答えにそう反応した飛鳥に対し、今度は焔が質問すると、飛鳥は笑みを浮かべながら答えた。

 

「私は……じっちゃんや他の誰のでもない、自分だけの刀と盾、正義を信じ続けたい。そんな……そんな忍になりたいかな。」

 

「結局お前も、殆ど変わんねぇじゃねぇか。」

 

「それがなけなしの私の個性だもん!!」

 

「それ自分で言って寂しくないか?」

 

 飛鳥の答えを聞いて焔が反応し、その反応に対して飛鳥が言い返した事に焔はツッコんだ。

 

「………漆月ちゃん、今ごろ何してるのかなぁ?」

 

「さぁな、また仲間達と一緒に、どっかぶっ壊しに行ってるんじゃねぇか?」

 

「かもね。」

 

 今どこにいるか分からない漆月の事も話した飛鳥と焔は、互いに向き合いながら拳を作ると、

 

「それじゃあな飛鳥!! 今年もなんだかんだよろしく頼むぜ!! 私に倒されるまでな!!」

 

「その言葉、そっくりそのまま返すよ!! 焔ちゃん!!」

 

 飛鳥と焔は互いに話した後、作った拳でグータッチをして笑みを見せあった。

 

――――

 

「………ん?」

 

 焔と別れた飛鳥は、しばらく街中を歩いていると、前を歩く見慣れた後ろ姿を見付けた。

 

「い~か~る~が……さん!!」

 

「わぁあああ!! ちょっと何ですか飛鳥さん!? 驚かせないでください!?」

 

「エヘヘへ……」

 

 飛鳥は後ろからその見慣れた後ろ姿、斑鳩に思いきり抱きつくと、抱きつかれた斑鳩は当然驚いた。

 

「………その傷、まだ残しているの?」

 

「え? あぁ……自分が行った罪と、また蒼志の事を忘れないようにする為の戒め、見たいな物ですから。」

 

「……そっか。」

 

 飛鳥は今だ残っている斑鳩の顔の傷の事を聞くと、斑鳩は少しだけ笑みを見せながら答え、その答えに飛鳥も納得した。

 

「………ねぇ斑鳩さん。」

 

「はい?」

 

「斑鳩さんは……どんな忍になりたいの?」

 

 すると飛鳥は再び斑鳩に聞き、聞かれた斑鳩はそれに一瞬驚いたが、その答えにはすぐに答えれた。

 

「私は……私の愛する友達、仲間、そして………家族を護れるような忍になりたい……ですかね。」

 

「斑鳩さんらしい忍だね。」

 

「そうですか? そう言う飛鳥さんは……」

 

 斑鳩の答えを聞いて飛鳥が笑みを浮かべていると、そんな飛鳥に対して斑鳩が聞こうとしたその時、

 

「キャ!!」

 

「わぁあ!!」

 

 突然強い風が一瞬吹いて来、その風に斑鳩と飛鳥は驚いた。

 

「うぅ~、何か一瞬、強い風吹いて来たね……」

 

「そうですね……って、」

 

 飛鳥の話に対して斑鳩が答えようとすると、上着のポケットにいつの間にか、何かを入れてるケースが入っている事に気付いた。

 

「これは………」

 

 ケースの中を見ると、そこにはペンダント付きのネックレスが入っていた。

 斑鳩は更に、そのペンダントの中身を確認した。

 

「っ!?」

 

 そのペンダントの中身を見て、斑鳩は一瞬驚いた。

 何せ中には、まだ幼き頃の、まだ一緒に暮らしていた頃の斑鳩と蒼志の写真が入っていたからだ。

 

「………フフッ、」

 

「ど、どうしたの斑鳩さん? あれ!? それどうしたの!? いつの間に!?」

 

「別に、何でもありませんよ。さ、早く皆の所に帰りましょう。」

 

「えぇ~!! 何でもない事無いって!? それどうしたの!? ねぇ?!」

 

「飛鳥さんには秘密です!!」

 

「えぇ~!!」

 

 その写真を見て微笑んだ斑鳩を見て飛鳥は聞いたが、それに笑みを浮かべながらも答えない斑鳩は先に進み、それを何とかして聞こうとしながら追いかける飛鳥だった。

 

――――

 

「………………」

 

 そんな斑鳩と飛鳥の様子を観ていた蒼志。

 その顔にはもう、復讐と言った表情は無くなっているように見えた。

 

「……今度は、忘れないでくださいよ。」

 

 恐らくさっきの風ともに斑鳩のポケットにアレを入れたのも蒼志なのだろう。

 蒼志は斑鳩の幸せそうな顔を見ながら、自分も笑みを浮かべていた。

 

「お~い!! 蒼志~!!」

 

 そんな蒼志の後ろから声を掛けて来たのは、蒼志の仲間にして破忍のリーダーである漆月だった。

 

「もう用事は済ませたの?」

 

「………はい。」

 

「………そっか。」

 

 漆月の質問に対して、蒼志は笑みを浮かべながら答え、その答えを見た漆月も笑みを浮かべた後……

 

「良し!! それじゃあ皆!! 今日もいや!! 今年もいっちょ、気に入らない、好き勝手やり過ぎてる忍組織!!」

 

「ぶっ壊しに行きますか!!」

 

 漆月は近くにいた仲間達、転界、項羽、拷楽、闇、鎌倉、龍姫、蒼志を見ながら笑顔で言い、蒼志達もそれに頷いた次の瞬間、その場所から去って行くのであった。

 

――――

 

――人とは、罪を犯す生き物だ。自らの意思で、いつの間にか、そしてその当人ですら気づかぬ内に、罪を犯してしまう。

 忍ならば尚更だ。――

 

――人は絆を作る生き物だ。親、兄弟、姉妹、友人、様なな形でアレ、人は絆を作る。

 忍びもまたしかり。――

 

――罪と絆、それは人が生まれた時から定められた性なのだろう。だが……その生まれた時から定められ、積もりに積もって溢れ出した罪も受け入れ、そしてその時助けてくれる絆の大事さに気付く事こそが、人として、そして忍として大事な事だろう。――

 

――これはそう、そんな忍を志す少女達の罪、そして絆の物語であった。

 だが、これで終わりではない。何故なら……少女達の進み未来は、まだ終わって無いのだから――

 

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