閃乱カグラ~SHINOVI CHRONICLE~ 少女達の絆   作:XW

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7. それぞれの思い

「あぁ~身体に染みるぅ~!!」

 

「ったく、おっさんかお前は。」

 

「まぁしょうがないかも。飛鳥ちゃん一昨日から風呂入って無かったもん。」

 

 斑鳩との戦いの後、飛鳥は柳生と雲雀と風魔と共に銭湯に来ていた。

 つい先ほどの戦闘に加え一昨日からロクに休めて無かったのか、飛鳥は久しぶりに身体を伸ばしていた。

 

「あぁちょっと、隣良いですか?」

 

「あぁどうぞって……あ!!」

 

「んぅ?……あ!!」

 

 そんな時、湯船に津かっていた飛鳥の隣に座ろうとした人に声を掛けながら少し離れようとすると、飛鳥の隣に座ろうとしていたのは焔で、後ろに春花と未来もいる焔も飛鳥を見て驚いた。

 

 

「……そうか、そんな事が……」

 

「あぁ、すまない。結局葛城を、」

 

「あぁ良いよ気にしないで!! 私も、斑鳩さんを救えなかったし。」

 

 焔はつい先ほど起きた事飛鳥に話しながら謝罪し、それに対して飛鳥は笑みを浮かべながら答えた。

 

「しっかしあれだな。焔も案外寂しがり屋なんだな。俺はてっきり未来がそうなんだと思ってたが……」

 

「あぁそれ案外合ってるわよ。未来ったら焔が帰って来た途端、焔に抱きつきながら号泣してたし。」

 

「わぁああああああああ春花様!! それ柳生に言うのだけは止めてぇ!!」

 

「あぁ~やっぱりそうかぁ~!!」

 

「未来って案外子どもっぽいだね!! って体格的にはまだ子どもか!!」

 

「雲雀はそんな温かい目で見るなぁ!! 後風魔!! ここぞって時にからかうなぁ!!」

 

 飛鳥と焔の近くでそんなやり取りをしている柳生と春花と未来と雲雀と風魔を見て、飛鳥と焔は思わず微笑んだ。

 

「……なんて言うか、久しぶりな気がするな。こうして笑い合うのって。」

 

「でも……やっぱり物足りないかな?」

 

「あぁ……」

 

 そうすぐさま寂しそうな顔を浮かべながら話す飛鳥と焔。すると……

 

「あれ? 皆さんも来てたんですか?」

 

「奇遇ね。こんな所で、」

 

 飛鳥と焔達の前に現れたのは夜桜達月閃女学館メンバーと、両備達蛇女子学園メンバーだった。

 

「よ、夜桜ちゃんに両備ちゃん!! それに皆も!!」

 

「お前らも来てたのか?」

 

「えぇ……ちょうど良かったです。」

 

「後でリーダー二人は、更衣室に来てくれないかしら。」

 

 夜桜と両備達を見て飛鳥と焔が驚いていると、夜桜と両備は飛鳥と焔に話しがあると呼んだ。

 

 

「正直な話、私達の現状は最悪よ。雪泉と雅緋は今だ破忍に捕らわれたまま、忌夢と叢も未だ意識が戻ってない。日影と詠に居たっては独断行動取ってるし、斑鳩と葛城に至っては……」

 

「それについ先ほど薄桜女学院の忍学生も……すみません、儂らが居ながら。」

 

「あぁ気にしないで、今は反省する所じゃないと思うし。」

 

「けど、これで残っている忍学生が居る学校は半蔵、月閃、蛇女に限られて……おまけに戦力不十分だしな。」

 

 他のメンバーが風呂に使っている中、一時更衣室に戻った飛鳥と焔は、両備と夜桜の話を聞きながら状況の最悪さを改めて思い知った。

 

「っで、ここからが本題なんだけど、これ以上破忍の好き勝手を止める為にも、手を組まないかしら?」

 

「今の状況下で四チームバラバラに取って居たら埒があきません。ならばここは、力を合わせた方が得策だと思うんです!!」

 

「手を組むって……」

 

「何か今更感があるよね。」

 

 両備と夜桜の提案を聞いた焔と飛鳥は思わず苦笑した。

 手を組むって言っても、今まで一緒に行動する時があった事もある為、本当に今更感があるかららしい。

 

「今までのは殆ど成り行き見たいなもんでしょうが!? でも今回ばかりは、本当の意味で手を組まないとこの状況を打破出来ないわ!!」

 

「これ以上破忍の好き勝手にさせない為にも、そして……儂らの大切な物を取り戻す為にも!!」

 

 両備と夜桜はそう言って返答を聞こうとすると、飛鳥と焔は笑みを浮かべながら……

 

「そうだな、これ以上漆月って言う奴の好き勝手に事が進ものも御免だし、何より……オメェらが居た方が心強い。」

 

「うん!! 夜桜ちゃん両備ちゃん!! 一緒に頑張ろう!!」

 

 そう返答しながら飛鳥と焔は拳を前に出し、夜桜と両備がその拳に拳を重ねた事によって、交渉は成立に終わった。

 

(それにしても……あの漆月って子はなんなんだろう? 焔ちゃんの事も昔から知ってた見たいだし、焔ちゃんも私も同じで……一体、何を考えてるんだろう……)

 

 そんな中、先ほど焔から話も思い出しながら、飛鳥は漆月の目的や正体について考えていた……

 

――――

 

「あぁ~怠い。こうも階段が長いと疲れるだけだっての。何で神社の階段ってこう、長い奴ばっかりかなぁ~。」

 

 その日の深夜、漆月は一人ある神社に向かう為の階段を昇りながら愚痴っていた。

 そのかなり長い階段を昇りきると一つの神社があり、その前には……

 

「どうもお客さん。こんな時間に神頼みでしゅか?」

 

「でも残念っすね~!! 今ここは、アンタみたいな忍は出入り禁止なんっすよ。」

 

「そう言う事った。悪いが帰った方が良いぞ? じゃなかったら、」

「私達三人に、痛い目に合わさるぜ?」

 

 巫神楽三姉妹である華風流、華毘、そして蓮華が忍装束を身に纏って得物も手にし、漆月に対して戦闘態勢を取っていた。

 

「……ふぅ~ん、何時私が来ても良いように準備して、人払いもしたと……。でも、これは考えて無かった? 痛い目に合うのは……」

「自分達だって事を。」

 

 だが漆月は臆する処か余裕の態度を取っており、その笑みは何処か、妖艶な雰囲気をも持っていた。

 

――――

 

「…………」

 

 空に浮かぶ月、その月を何かを考えながら、葛城は見つめていた。

 飛鳥達を裏切り、善忍の正義を偽善と言ったその瞳には、何処か悲しみに満ちていた。

 だがそんな葛城を全く別の瞳で見る者がいた。

 

「……………………」

 

 その者は蒼志。蒼志は葛城を憎しみに満ちた瞳で見つめながら、得物である刀を握りしめていた。

 

――――

 

 所変わってここはとある漫画喫茶。その一室には一人の少女が寝止まっていた。

 ゴミも乱雑していて身体もボロボロ、そしてその瞳は光が失いかけていた。

 

「………蒼志、さん。」

 

 その少女、斑鳩は何故か蒼志の名を呟き、その表情には、かつての面影はなかった。

 

 

 

 それぞれの思いが重なり合う此度の戦い、その戦いはまだ、始まったばかりであった…………

 

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