閃乱カグラ~SHINOVI CHRONICLE~ 少女達の絆 作:XW
8.改めて、決意
ここはとある山奥。そこは半蔵学院忍教室の修練場になっていた。
(飛鳥さん、遅いですよ!!)
(早く着かねぇと、また霧夜先生に廊下に逆立されるぞぉ!!)
(ふぇええ~ま、待ってよ二人共ぉ!!)
即座に罠が仕掛けられているであろう場所を避けながら進む斑鳩と葛城に対し、飛鳥は何処に罠が仕掛けられている分からないせいで遅れてしまっていた。
(ハァ……ハァ……、は、早く二人に追いつかないと。)
息を整えながら斑鳩と葛城を追いかける飛鳥。だがいくらペースを上げても、いくら素早く動いても二人には追い付けず、逆に離される一方だった。
(な……何で、何で追いつけないの? それに……ここ、何処?)
何時の間にか周囲が真っ暗になってしまい、さっきまで山奥だったはずなのに木々が揺れる音も臭いもしなくなった。
(ハァ……ハァ……斑鳩さぁん!! かつ姉ぇええええ!! 何処に居るのぉおおおおお!!)
息を整えながら斑鳩と葛城を探す飛鳥が叫んでいると、斑鳩と葛城をさっき以上に遠い所で見つけた。
(ハァ……ハァ……ハァ……い、斑鳩さん!! かつ姉ぇ!! 待って!! 置いて行かないで!!)
二人を見つけた飛鳥は急いで二人の元へ走ったのだが、いくら走っても斑鳩と葛城に追いつく事が出来ず、何時の間にか斑鳩と葛城はそれぞれ別方向に歩いて行く。
(待って……待ってよ……嫌だ……こんな……こんなの…………)
大切な先輩である斑鳩と葛城が自分の元から離れてしまう。それが飛鳥の心を痛め、涙を流し始め出した。そして……
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「嫌だよぉおおおおおおおおおおおおお!!」
斑鳩と葛城に向かって手を伸ばした。そこで飛鳥の視界は変わったと言うより、元の世界に戻ったと言った方が良いだろうか。
目を覚ました飛鳥が居たのは寮の自分の部屋で、さっきまで見ていたのは自分の夢だったと気付くのに、数分も掛からなかった。
「ハァ……ハァ……ハァ……夢でもこんなって、目覚めが悪いにも程があるよ。」
飛鳥は上半身を起こしながら流れていた涙を手で拭い、さっきの夢を思い出して頭を抱えた。
程なくして飛鳥は洗面台で顔を洗うなどした後、半蔵学院の制服に着替えながらある物を見つけた。
「……斑鳩さん、かつ姉ぇ………」
それは一年前、まだ雲雀と柳生が入学しておらず、斑鳩と葛城、そして飛鳥だけの忍教室で撮った写真だった。
額縁に入ったその写真を見た飛鳥はそれを手にし、思わず胸に抱き締めた。
「あ、飛鳥ちゃんおはよう!!」
「気持ちよく寝れ……てなさそうだな。」
「うん……嫌な夢見ちゃった。」
その後食堂に向かうと、朝食の準備をしていた雲雀と柳生に答えた飛鳥は、ある光景を目にしていた。
「……雲雀ちゃん、何でご飯五杯もあるの?」
「え? あぁあああ!! ゴメン間違えちゃった!!」
「まったく、お前も相変わらずだな。」
「そう言う柳生ちゃんだって、お茶五人分用意してるけど。」
「なぁ!?」
今ここには飛鳥と雲雀と柳生の三人しかいないはずのなのに、朝食を五人分用意してしまった事を飛鳥に指摘されてしまった雲雀と柳生。
『…………………』
「や、やっぱり、二人が居ないと何か……寂しいね。」
「あぁ、斑鳩だけじゃなく、葛城もいないと何か……あんまり楽しくないな。」
「………うん。」
前までの朝食だったら、葛城がお茶を飲んでいる斑鳩の胸を揉んで怒られたりと、それも気にせず雲雀におかずをあーんされた柳生が顔を真っ赤にしながら鼻血を拭き出し、それを見て飛鳥が笑うと言った、朝っぱらから騒がしいのだが、今はそんな光景は無く、寂しさだけがその場に会った。
「いっただきまぁ~す!!」
「うん……ってわぁああ!! 風魔ちゃん何でここに!?」
そんな空気をぶち壊したのは、ここの寮とは別の場所に住んでいるはずの風魔で、柳生が淹れたお茶を飲む風魔を見て飛鳥は驚きながら聞いた。
「いやぁ~実は今日朝飯準備しようにも食べ物良いのがなかったもんでねぇ~!! あ!! ちょうど近くをランニングしていた土方ちゃんも呼んで来たんですけどぉ~ご一緒して良いッスか?!」
「ど、どうも。」
と、嘘だと丸わかりな事を言いながら笑みを浮かべる風魔と、それに協力してるがどこかぎこちない土方。
だが飛鳥達三人はそんな二人を見ても呆れると言うより、何処かホッとした表情を見せていた。
「うん……一緒に食べよう。」
飛鳥は微笑みながら風魔と土方を朝食に招待した後、すぐさま食べ始めた。
「………………」
雲雀と柳生と風魔と土方と一緒に朝食を食べる飛鳥は、この光景を見ながら改めて決意した。
絶対に二人を、斑鳩と葛城を助けて、半蔵学院に戻して見せると。