伝えやすいように頑張って文を構成致しますので
よろしければ最後までどうぞ。
それでは始まります!(`・∀・´)
禍憑、それは[凶禍]の力により生まれた
邪な存在の総称。
その禍憑は全国のあらゆる所に現れ
混乱と騒動を起こしていた。
そして、その禍憑は強い意思を持たないものが
ほとんどだが、稀に自我を持った強力な禍憑も現れる。
その強力な禍憑には[彼岸五将]と呼ばれる、
五体の禍憑が存在する。
[緋墨]、[阿依子]、[六道戒聖]、[煉獄]、
[蠱惑樹]。
…しかし、それは[現在の]彼岸五将である。
彼岸五将には一体だけ、知られていない禍憑が存在する
この物語はその禍憑と一人の男によるモノである。
~めいじ館~
「ん~っ、今日も良い天気じゃのぅ。」
とある日の朝、御華見衆という組織の支部である
めいじ館は浅草に建っている。
そのめいじ館の庭で一人の女性が烏に餌をあげていた。
端から見ればその姿は何気なく、
特に気にかける程でもない風景である。
しかし、その女性はただの女性ではない。
それより前に人ではない。
この女性は[巫剣]である。
その名は[小烏丸]。
御華見衆では伝令役を担っている。
「本当に、こうしていると世の中が平和に思えるのぅ」
「…はぁ、妾らしくないのぉ。しかしここには未だ巫剣使いが着任しておらぬしのぅ。」
小烏丸が溢した独り言の通り、
このめいじ館には巫剣使いがいない。
しかし、巫剣使いが見つからない訳ではない。
見つかってはいたが適正を持った者が病にかかったり、
禍憑の奇襲により死亡したりなど、
偶然に偶然が重なった為今まで存在しなかったのだ。
「全く、これからどうなるのかのぅ。」
小烏丸が小さいため息をつくと、
「カァカァ!」
小烏丸の烏の一羽が手紙を首に下げて戻ってきた。
「おぉ、ご苦労じゃったの。そなたも休むと良い。」
「カァ!」
戻ってきた烏が手紙を渡し、与えられた餌を
仲間と突きながら食べているのを横目に
小烏丸は手紙を読み始めた。
[伝令、新たな巫剣使いではないが、
少し謎がある男を調べて貰いたい。
男は浅草の収容所に収容されている。
本部から既に男がいる収容所に手紙を出している。
行けば話はつくだろう。
同行して貰う巫剣は此方で考えさせて貰った。
商売話と鋭い眼を持つ事から「岡田切吉房」、
途中で禍憑に遭遇したときの戦力として「獅子王」、
そして「小烏丸」。
この三振で当たって貰いたい。またそれに関して後で報告書を提出するように。 以上。]
「謎の男の調査、のぅ。」
「まぁ、今日は良い天気じゃ。それに非番じゃからのぅ。早速二人を呼んで出向くとしよう。」
「それで、僕達が選ばれたって訳ね。」
「……。」
「本部からの指示なのじゃから従うしかなかろう。」
伝令を受けたその日のお昼過ぎ。
小烏丸によって集められた岡田切吉房と獅子王は
浅草の収容所へ向かっていた。
「…そもそも、収容所にいるのにその男の人について
何も調べられなかったのかな?」
「さぁの、妾も手紙で伝えられただけじゃからのぅ。
まぁ、調査である以上、書かれていなくてもおかしくはないのぅ。」
「それもそうだね。」
「……。」
「…お、見えて来たぞ。あれが浅草の収容所じゃ。」
「……。(ひ、ひええぇ!こ、怖いよぉ!)」
「いやぁ流石に雰囲気出てるねぇ。」
「さて、どうすれば良いのかのぅ。」
小烏丸達が収容所へ進んで行くと、
正面に一人の軍人が立っていた。
胸元に勲章を複数着けており、
どうやら偉い地位の軍人らしい。
「御華見衆、めいじ館より参った、小烏丸じゃ。」
「うむ。話は既に聞いている。付いて来い。」
軍人の案内により収容所へ進んでいく小烏丸達。
それに続こうと獅子王も進み始めようとすると、
「失礼。」
と、中から若い軍人が一人出てきた。
すると獅子王の前に立ち、綺麗に「気をつけ」
の姿勢をとる。
「……?」
「申し訳ないが、中に入られるのならその甲冑を外して頂きたい。」
「……!」
「そもそもその大きさでは廊下を歩けまい。もしもの事に備え、どうかご協力願いたい。」
「……(えぇ~っ!?百獣丸を脱ぐの~!?で、でも、そうしないと入れないし、でもでも、今汗だくだしぃ…。)」
「…全く、仕方がないのぅ。獅子王、どうするのじゃ?」
「そ、外で、待機しておく。(ご、ごめんなさ~い!)」
「というわけじゃが、問題ないかのぅ?」
「そういうことならそれで良いのだが…。」
軍人は少し困った顔をして、中へ戻って行った。
「では、こちらへ。」
出迎えてくれた軍人の案内により、
小烏丸と岡田切吉房は中へ入って行った。
収容所の中は薄暗く、人が想像する収容所のイメージを
崩すことなくその気味悪さを漂わせていた。
「…それで、その男とやらの身元等はわかっておるのか?」
「いや、現時点でわかっているのは、男の名は[萩野 龍平]。年齢21歳、浅草に現れた化け物と交戦しているところを目撃した住人に報告を受け、捜査を行い発見し捕らえた。」
「(禍憑と交戦?でもそれは正義感高い一般人ならやりかねないけど、わりと珍しいことじゃない。)」
「それで、何故捕らえたのじゃ?今の話には捕らえる理由が見当たらぬのじゃが?」
「…報告してきた住人は、「化け物を食っていた」と聞いている。」
「「!?」」
「(そんな、禍憑を食うだなんて!?)」
「(まさか男も禍憑か!?)」
「…さて、ここが男の収容されている檻だ。」
軍人の案内により、かなり中まで歩いたところで
先頭の軍人が足を止め、そこへ顔を向けた。
「……。」
男は両腕、両足、腰を鎖で繋がれて
地べたに座らされており、全く動いていなかった。
「……では、我々軍人はこの件に余り知ってはいけないと釘を刺されておるからな。終わったら来た道をまっすぐ戻って来てくられ。」
「わかった、すまぬのぅ。」
「では。」
そう言うと軍人は踵を返し、戻って行った。
「さて、何から聞くとするかのぅ。」
「聞いて答えてくれれば良いんだけどねぇ。」
と岡田切はまっすぐ男を見る。
「……まず、君は人なのかな?」
「……。」
その岡田切の質問に男はビクともしない。
「……まぁでも、名前はわかったみたいだし話せるだろうね。さて、どうしようかn「お前らは、」…ん?」
「……お前らは、人じゃない。」
男は岡田切の話を遮って、声を発した。
この声は一般人より少し低く、
怖いという印象を付けるのにはそれなりに充分だった。
「……そうだよ?僕らは人じゃない。君は?」
「…聞いて何になる。」
「さぁ?君から洗いざらい全部聞いたところで、その後を決めるのは僕らじゃないからね。」
「……そうか。」
「君はそこから出たいのかな?」
「俺はどちらでも構わん。だが「奴」はそういう訳にはいかんだろうがな。」
「…「奴」?随分とありきたりだね。」
「…俺が話して良い内容なのか、俺にはわからん。」
「そっか。その「奴」ならお話をしてくれるのかな?」
「…さぁな、…話してみるか?」
「…親切だね。」
「…どうなんだ?」
「勿論。よろしく頼むよ。」
「わかった。」
すると、今まで話していた男から一気に生力が消え、
別のモノが湧き出してきた。
これを知らない巫剣はいないだろう。
何故ならそれは「禍憑」に全く同じ魂、
「禍魂」とほぼ同じだったからである。
「「!?」」
二人はとっさに身構える。
そして男の変化の波が消え、明らかに男の中の何かが
変わった事に理解してから一分も経たないうちに
男が口を開いた。
「………僕(やつがれ)の名は[地飢狼鬼](じきろうき)。貴様ら巫剣共の敵だ。」
「「!?」」
「地飢狼鬼、禍憑か…!」
そう名乗った男の目は元々何色だったのかは
わからないが、その目はドス黒い赤い血の色をしていた
ネーミングセンスはどこかに落っことした。