アイドルの家庭教師は大変です   作:オオル

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超久しぶりです!メインの話ばかり投稿していてこちらの話は全然更新できていませんでした!今後こちらもちゃんと投稿しますからよろしくお願いしますね!

それではどうぞ!!


白鷺一斗は学級委員長

「はあ、なんでこんな目に」

 

 クラスの前に立ち隣には前に話したことがある少女が立っていた。

 

「では学級委員長、勉強合宿の話をよろしくなー」

 

 そう、俺こと白鷺一斗はクラスの学級委員長に任命されたのであった。

 

 時は数分前に溯る

 

「イヴとあの性格悪女以外の苦手科目は知ることができたぞ」

 

 昨日のテストの結果を全員と見比べるとわかったさ、いや簡単なことだったな

 

「……となると、苦手科目オンリーのテストを作って勉強させる?いやテストではなく教えるか?」

 

 でも千聖姉達が素直に俺から教わるとは思わないけどな

 

「では学級委員長決めるぞー」

 

 どうやら学級委員長を決めるようだな、俺には関係ないことだ。なんせこっちは学生って身でありながら家庭教師、それに一つ学年が上のだ。俺も勉強しないといけないってことさ

 

「つぐ〜やりなよ〜」

「え、えーでも生徒会の仕事もあるし…」

「副委員長ならできるかもよ?」

 

 ザワザワ、ガヤガヤ

 

 騒がしいな、早く決めろよ、学級委員長なんてクラスの中で人気があるやつでいいだろ?

 

「先生〜白鷺一斗君を推薦しま〜す」

「…………は?」

 

 俺のことを推薦したのは灰色の髪をした女子だった。そののほほんとした話し方で俺のことをしれっと推薦したのだ。

 

「ふざけるな、俺は勉強で忙しいんだ。学級委員長なんで暇なヤツがやればいいだろ」

「えーかずくん部活入ってないじゃーん」

「部活をしてないやつは他にもいるだろ」

 

 なんで俺がしないといけないんだよ

 

 お前らと違ってこっちは別件で忙しいんだよ、ほっといてくれ

 

「でもせっかく首席がいるしな?」

「もう白鷺でいいんじゃね?」

「そうだよ!学級委員長って言ったら頭がいいイメージだしね!」

「おい!お前らな!」

 

 まずい、この流れは俺が学級委員長をやらされる!

 

「……白鷺君、だめ、かな?」

「ッ!」

 

 俺の斜め前に座っている確か羽沢?さんが下から俺を除くように聞いてくる

 

 うう、その聞き方は反則だろ

 

「さっきも言ったが俺は忙しいんだ、学級委員長なんて仕事はできない」

 

 ただでさえ家庭教師の仕事すらまだまともにできてないんだぞ?今はこの仕事を安定させないといけないんだよ

 

「大丈夫!私副委員長ならできるからサポートするよ!」

「だったらあんたが学級委員長しなよ」

「……そ、それはー」

 

 だって副委員長するぐらいなら学級委員長の方が良くないか?

 

「……やっぱり感じ悪いねー」

「姉さんと大違いだね」

「ッ!」

 

 クソ、あーそうですよ、俺と千聖姉は血なんか繋がってないし似てないし大きな違いだってあるっての

 

 けど、姉さんに悪いイメージが着くのはよくないな

 

「白鷺千聖の弟はね…」

 

 って俺の悪い印象が回ればー

 

 うわあああ〜

 

 棒読みの叫びが頭の中に響く

 

「はあ、わかったよ学級委員長やりますよ、やればいいだろ、やりますよ」

「よし!決まりだな」

 

 ってなわけで俺は学級委員長となった。

 

「頑張ろうね!白鷺君!」

 

 この羽沢って人とあの灰色髪の女子さえ居なければこんな目にはならなかったんだよ

 

 まあそんなこと言ったところで仕方が無いさ、最後に自分からするって言ったんだしな?

 

「……では、勉強合宿について説明をする」

 

 さっき配られたプリントを元にみんなに説明を行う

 

「えっと、2泊3日の勉強合宿、第1回期末テストにて高得点を取るための対策として行う、1日目は…」

 

 

「以上の日程で進める、とのことだ」

 

 いや話聞いた感じ普通じゃね?

 

「学級委員長!ギターは持って行ってもいいんでしょうか!」

「ダメだろ、少しは頭を使え」

「学級委員長!木刀は…」

「てめぇは勉強しろ」

「学級委員長〜バナナはおやつに入りますか〜?」

 

 あの灰色髪の女子め、普通に質問してきやがって…はあ、

 

「バナナはおやつに入んねーよ、好きなだけ持ってこい」

「えー!はぐみは中学の時ダメだって言われたよ?」

「……先生、ジャッチを」

 

 もうめんどい!オレンジ髪!面倒になることを言うな

 

「バナナおやつ入らない、以上!」

「だ、そうだ」

 

 と言った瞬間何故か教室中に歓声が沸いた。

 

「バナナがおやつに入らないとか革命だぞ!」

「たくさん持っていこう!」

「先輩達の話によるとマジで地獄らしいから助かったー」

 

 バナナ一つでここまで話が盛り上がるのかよ!このクラスってヤベーな

 

「白鷺君!ちゃんと学級委員長できてるよ!」

「あーその白鷺って呼び方やめてくれ」

 

 確かに戸籍上白鷺って苗字だが元は違うからな、なんか慣れないしやだなんだよ

 

「気安く一斗、いや一斗様って呼んでもいいよ」

「あはは、じゃあ一斗君で」

 

 珍しくぼけてやったのにスルーですか、二度としないな

 

「はい、じゃあ話は終わったから次の時間から授業始まるからなー」

 

 担任がそう言い話し合いは終わり次の授業に向けて予習を行っていた。いや2年の勉強する時間まじでないな

 

 

 

◆◇◆◇

 

 

 

 数学の授業か、まあ数学は得意な方だなーまあどの教科も点数変わんねーけど

 

 全部90点数以上を取る一斗である

 

「はい!本日からは新しい仲間が加わりますよ!」

 

 先生が教卓に立つとすぐに訳のわからん発言をした。

 

 先生がどうぞーっと言った瞬間ドアが開き

 

「……えっと、丸山彩でーす」

 

 いつも千聖姉と隣で元気よく自分の名前を発言しているが今回ばかりは違う。下を向きながら聞こえるか聞こえないかの声で自己紹介をしていた。

 

「丸山さんは仕事上数学の授業にあまり参加できず出席日数が足りないため1年の授業に参加することになってるんです」

「あはは、あはは…」

 

 全然アイドルスマイルじゃない

 

 でもクラスの男子は

 

「ええ!!丸山彩だって!」

「絶対絡むことがない人だと思ってたのにこんなことが起きるなんて!」

 

 さっきのバナナの時と同じ、いやそれ以上の歓声がクラスに響き先生に注意されていた。

 

「席は…あ、白鷺君の隣が空いてますね」

「……はい」

 

 まじかよ、席隣ですか

 

「……………………」

 

 座ってもずっと下を向いたままの丸山彩に俺は呆れたように話しかける

 

「出席日数が足りてない、ねー」

「ッ!」

「お前、数学苦手だろ?」

「な、なんでそれを!」

 

 いやまず1年の授業に来ることと昨日のテストでわかるっての、それほど馬鹿じゃない、てか俺は馬鹿じゃねえ

 

「……恥ずいな?留年は逃れたものの1教科だけ上がれてないってのは」

 

 2年の勉強の前に1年の総復習が必要なようだな

 

「数学だけはどうしてもできないんだよね」

「……それはーお前が」

「こら白鷺さん!丸山さん!喋らず授業を受けなさい!」

「ご、ごめんなさい!」

 

 チッ、こいつのせいで俺まで怒られる羽目に、てかもう何となく予想が着くよ

 

 次の授業である理科、授業開始前には

 

「えー大和さんは仕事上授業に参加すること…」

 

 同じなんで略

 

「やっぱりお前もか…」

「面目ないっす…」

 

 丸山彩同様下を向いたまま授業なんて受けようとしてない、何してんだか…注意しようにもさっき怒られたしな?

 

 家庭教師だし別に授業中手出ししていい権利はねーしな

 

 次の英語では

 

「白鷺さんは…」

 

 略します。

 

「……千聖姉まで」

「………………ごめんなさい」

 

 本来揃うはずのない姉弟が英語の授業だけ揃うことになりましたよ

 

 千聖姉は英語を聞いた瞬間???って顔をしては溜息をつきその音は俺まで聞こえてくる

 

「わかんないなら俺が教えるよ?」

「いえ結構よ、弟になんて教えられたくないわ」

「いつまで強がってんだよ、簡単な英単語聞くだけでため息ついてさ?」

「簡単ってあなた!難しいわよ!」

 

 この単語のどこか難しいんだよ

 

「はあ、放課後図書室集合、こんな恥ずかし目を受けたんだから来てくれよな」

「…………考えとくわ」

 

 この会話を後に千聖姉とは喋ることなく授業は終わった。

 

 この話は3人に共通するが授業の後はみんなに囲まれて質問攻めされてたな、いや可哀想だったな

 

 

 

◆◇放課後◇◆

 

 

 

『……………………』

「お前ら恥ずかしくないのか?……俺は恥ずかしいな!?」

「ご、ごめんなさいい!!」

「許して欲しいっす!」

 

 俺がもし1教科だけでも留年していたらそれはそれは恥ずかしいさ、てかこいつらの家庭教師である俺が恥ずい

 

「大丈夫、次のテストでいいん店取ればいいのよ」

「千聖姉は取れる未来が見えない…」

「う、うるさいわね」

「てか他のメンツは?」

「日菜さんは行かないって言ってたっす」

 

 まああの性格悪ガールは来ないだろうな

 

「イヴちゃんは?一斗君が呼ぶって言ってなかった?」

「呼んださ、けど逃げられた」

「逃げられた?」

「ああ、戦国武将が呼んでるとか言って教室から出ていきやがった」

 

 あの野郎戦国武将が好きなら歴史の勉強をしろよ!好きなら普通勉強するだろ

 

「イヴと性格悪ガールはまだ実力が知れてないがお前ら3人!成績悪いのが目に見えてるんだから勉強するぞ」

「一斗、ちょっといいかしら?」

「なんだよ千聖姉」

 

 仕事とか言って抜け出すのは勘弁してくれよな…てかこいつらの仕事のスケジュール表とかくれねーかな?そしたら嘘つけないのに

 

「私は成績が悪くて留年したんじゃないの、仕事の都合上仕方がなくよ」

「じゃあなんで英語だけ留年してんだよ」

「そんなの簡単よ」

 

 言い訳できるのならして見せろ!

 

「英語だけサボってたのよ」

「それ苦手科目から逃げてるだけじゃねーか!」

「……逃げてないわ、いい一斗、姉さんは人気者で忙しいのよ」

「それは弟である俺が一番知ってる」

 

 家族のために働いてくれているからな?まあ両親も働いてるんだけどさ?あんまり給料に差がないって恐ろしいよな

 

「……じゃあお前ら2人は?」

「あのー、一斗君?私達一応先輩なんだけど…」

「馬鹿に敬語は使わん、使ってもわからないだろ?」

「グサッ!」

「あ、彩さんが黙り込んだっす」

 

 さすがに言いすぎたか?ま、まあ馬鹿なら敬語知らないもんだろ?多分

 

「わかったよ」

 

「どうして、先輩なのに、こんなに、頭が、悪いん、ですかー?」

「ぅううう!」

 

 俺は彩の前まで行き一区切り一区切りに大きな声で言い最後にちゃんと敬語を使ってやった。

 

「一斗さん彩さんのライフはもうゼロっすよ…」

「他人事みたいに言うな!お前もだよ!」

「ジブンもですか!?」

「当たり前だろ!お前も理科だけ留年してるだろ?」

「そ、それはー」

 

 なんだ?上から呼んでも下から呼んでも大和麻弥も何か言い訳をするのか?

 

「ジブンも仕事の都合上…っすね」

「なんの」

「機材関係で呼び出されまして、理科なんか受けてるより機械いじってる方が楽しいっすよ、フヘヘ」

「なわけあるか!勉強しろ!」

 

 可愛い見た目して機械いじりが好きとか以外だな、でも勉強をしないといけないだろ

 

「それじゃあ彩もそんな感じ?」

「わ、私はー」

「なんだ?お前は理由が違うのか?」

 

 この2人以外の理由ってなんだ?

 

「その、普通に授業受けてもわかりません…」

「いや!2人みたいに私個人で呼ばれることあまりないから…」

 

 あーそれはなんか、そのー

 

『ごめんなさい』

「なんでみんなで謝るのー!!??」

 

 俺は普通に馬鹿であることを理解してやれなくてごめんなさいのつもりで言ったがこいつらは違う意味だな

 

 私達ばかり仕事を貰ってごめんなさい?って感じだろうか

 

「い、いいもん!私センターだし!だ、大丈夫だもん!……大丈夫だよね!?」

「頭は大丈夫じゃない、勉強しろ」

「し、してるけど身につかないって言うか…」

「あ?なんてー?」

「な、なんでもないです!」

 

 だけど彩はまだましだ、他の2人は言い訳をして授業をサボり成績も悪いくせに授業日数が足りないと言ってる。いや待てよ?

 

「お前も紹介の時日数が足りてないって話だっただろ」

「うん、あれ嘘だよ?」

『ッ!』

「……お前なー!」

「ひー!ご、ごめんなさい!」

 

 先生を巻き込む大きな嘘なんかつくなよ!

 

「彩ちゃん?さすがに嘘は良くないわ」

「そーっすよ、ジブン達はちゃんと理由があるんすから」

「……一斗君、千聖ちゃん麻弥ちゃんも嘘をついています」

『な、何言ってるのよ(るんすか)!?』

「私聞いたもん!先生にそう言ったらみんなそう言ってるって!」

「一斗私は違うわ」

「じ、ジブンも違うっすよ!」

 

 もうどうでもいいよ嘘だろうがなんだろうが留年したことには代わりねーだろ?

 

「はあ、許してやるから」

 

 2人はとても明るい顔になっていた。ってことはやっぱり嘘ついてたのかよ

 

「でも次のテストで点数取ればいいんだろ?」

『ッ!』

「ま、まさか一斗君?」

「ジブンちょっと御手洗に…」

「私もそろそろ仕事が…」

 

「行かせねーよ!」

 

 ドアを思いっきり叩きつけ押さえつける。こいつらはすぐに図書室から出ようとするからな!出入口前で話しててよかったぜ

 

「今日からたっぷりスパルタ勉強だ!俺がお前らの点数を上げてやる!」

『べ、勉強はいや(っすよ)!!』

 

 そういうと思っていたさ、けどこれさえ言えばお前らは勉強するだろう!

 

「このまま恥をかいてていいのか?パスパレは馬鹿ばかりって広められるぞ〜」

「それは事実だけど嫌だ!」

「だったら勉強しろ」

「勉強はもっと嫌よ」

「やってみれば楽しいって!」

「それよくある詐欺っすよ」

 

 こ、こいつらー!ああ言えばこう言う!

 

「四の五の言わず勉強しやがれー!!」

『は、はいー!』

 

 2年の勉強なんて先の先だ!まずは1年の復習!これなら俺も丁度いいだろうさ

 

 俺の勉強法、それはそれぞれにそれぞれの苦手科目の勉強をさせる。答えは俺が持っているため俺に聞かないと見ることは出来ない

 

 と言っても俺はそこまで鬼じゃない、わからなくなったら質問を受けるしなんなら答えだって貸してやるさ

 

「……よしと、なんだやればできるじゃねーな!」

「まあ点数低いけど」

『……………………』

 

 50点問題10点台、でも1桁じゃないだけ全然マシだ

 

「じゃあ復習するぞー」

 

 テストを解かせてそれの復習、この復習が一番大切なんだよ、テストの後にはよく訂正ノートってあるだろ?あれは本当に大切なもんさ

 

「よし!今日はここまで!お前らが真面目に受けてくれるなんて俺嬉しいよ!」

「あはは、そうだね」

「やばいっす勉強しすぎて頭痛い…」

「……………………」

 

 彩は笑っていて麻弥は頭痛いといいだし頭を抑えており、千聖姉は完全に沈黙だ。

 

「こんなの序の口だろ、今度ある合宿の方がきついと思うぞ?」

「その話はしないでー!!」

「思い出したくもないわ!」

「あ、あれは地獄っすよ」

 

 な、なんだ?こいつらのこの反応

 

「あんなの勉強合宿と言うなの拷問よ」

「逃げたくても山の奥だから逃げれない!」

「まさかに恐怖っすよ!?」

「……だからこう呼ばれているの」

 

『地獄の勉強合宿、ってね』

 

 おいおいおい!なんだその燃える行事は!

 

「たくさん勉強できるじゃねーか!よし、お前ら居残り勉強確定な」

『それだけは勘弁をー!!』

 

 図書室に響く彼女達3人の声は先生の耳に入りこっぴどく注意を受けるのであった。




次回合宿編、お楽しみに!

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それではまた次回の話で、または別の作品でお会いしましょう!

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