魔法少女リリカルなのは~恋する融合騎~   作:旗本

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行間を多少整理してみました。
こっちの方が見やすいかな?ただ地の文がスッカスカなのがバレ(ry


第5話

***

「な、なんや!?」

「あの固い2人が一撃だなんて……」

「ちょっ!? 大丈夫かよ! あの2人!」

 

 観戦していたアリーナの面々は、思っていたより随分早く訪れた勝負の幕切れに半ば唖然としたが、すぐに倒れたヴィータとザフィーラの状態を確認する。

 

「ぬ、ぬぐおぉぉ……」

「おおぉ……や、やっべぇ……一瞬意識飛んだ……」

 

声を聞く限りは2人とも案外平気そうであったが倒れ伏しているので気が気でない。

 

「「ユニゾン・アウト」」

 

シグナムのユニゾンが解け、フェイトもどきからいつものシグナムへと戻る。

 

「だ、大丈夫ですか……?」

「デプスー! さっきのは一体何やったんやー!?」

 

見物していたはやての声が響く。

 

「簡単に言えば、電気のバリア……ですね。ただ、俺の魔法……その、速さは自信あるんですけど、威力は全然で……」

「いや、確かに魔力ダメージはほぼ無かったが……この電力、すさまじい物があったぞ……」

 

 もう動けるようになったのか、ゆっくりと立ち上がったザフィーラが、存外にしっかりとした足取りでデプスの方へ歩いてくる。

さらにヴィータも復帰し、頭をかきながらデプスに近づく。

どうやら二人ともダメージは無く、痺れて動けなくなっただけの様だった。

 

「あたしの時はあんなことにならなかったけどなぁ。」

 

 ヴィータとの初めてのユニゾンの際、デプスが放ったボルテックブリッツは、疾風迅雷をかけた状態で纏雷(まといいかずち)を生成するという複合技である。でもそういえばあの時は、魔力ダメージより衝突の物理ダメージで攻撃してたなぁ、と、ヴィータは頭の中で結論づける。

 

「そこは、こちらの方で調整しました。あの時は硬度重視でしたし……」

「あの、シグナムがさっきから全然喋りませんけど、大丈夫ですか?」

「あ、それは……」

「大丈夫だ……い、息を整えているだけだ……」

 

 シグナムの方はというと、全身から玉のような汗を流し、正に満身創痍といった様子であった。

ゆっくりと深呼吸することに意識を集中していたようである。

 

「ちょ、何であたしらよりダメージ受けた感じになってんだよ!」

「いや、あはは……俺の魔法…威力低すぎて……お二人の意識を一瞬飛ばす程度の電力を出すためにですね、シグナムさんの魔力ほとんど持っていっちゃって……」

「なるほどな。しかしそれでこの状態か……」

 

 シグナムの魔力量はAAAランクだが、それをありったけ使ってこの威力かと微妙に思う反面、それだけの魔力をあの一瞬で魔法に練り込んだデプスの能力にも驚きだな、と言いながら、ザフィーラはシグナムに寄り、「肩を貸すか?」と問いかける。

 

「……すまない、頼む……。」

「何かホントすみません、シグナムさん…」

「気にするな。承知の上だ。」

「承知の上って……こうなるの分かっててやったのかよ……」

 

 ヴィータは呆れ半分にシグナムに苦笑を向ける。

シグナムは予めデプスから念話でデプスの魔法について聞いたので、この結果も分かっていたことだという。

 

「まぁ、正直速さだけではお前たち2人を相手にするのは骨だったからな」

「です、ね……何て言うか……すみません……」

 

 デプス自身、本来もう少し役に立てるとは思っていたのだが、ザフィーラ達の対応力と実力を実感した瞬間に、大立ち回りはできないと理解した。

デプスに内抱されている魔力量は、実はそう多くない。持久力を捨て、全能力をとにかく速さに特化させる事でようやくこの速さなのだ。少ない魔力でも、凝縮すれば大きな力を生み出す。その分、息切れはもっと早くなるのだが。

そうして得た速さも、対応されてしまえば何も役に立たない。それだけ彼らが手錬である事も理解できていたが、それでも、悔しいものは悔しかった。

 

「何、リインとユニゾンしたとしても、キツいことには変わりなかったさ。それに、中々に心地よかったぞ。お前とのユニゾンは。」

 

シグナムがそう言ってデプスに優しく微笑みかける。

 

「……ありがとうございます。」

 

 少しだけ救われた気分になったデプスは、素直にシグナムに例を言い、これからも精進しなければ、と気を新たにするのだった。

 

「癖になりそうなくらいにな……。ふふふ、これがテスタロッサが体感していた世界か。存外に気持ちいいものだ……。……これからが楽しみだ……」

 

何となく悪寒がしたが、気にしないことにした。

 

***

「それにしても、デプスくんのバリアジャケット自体はフェイトちゃんっぽくは無いのに、ユニゾンするとここまで印象変わるのも面白いわねぇ」

 

シャマルがくすりと手を口に当てて笑う。

 

「シグナムなんてホントに露出減らしたフェイトの2Pカラーだもんな」

「……確かに否定はしない。」

「まぁ、俺は男性型ですし、カラーリングで結構印象って変わりますよね。ザフィーラさんとユニゾンすればそうでもないと思いますよ。」

 

 今はシグナムが魔力枯渇で戦闘不能に近い状態になったので、アリーナを使うのは止め、一度家に帰って、リビングで談笑中である。

ちなみにデプスのバリアジャケットは、黒のベストに黒のニッカーと、それなりな露出度ではあるが、フェイトとはまた違った印象を受ける装備だ。

 

「適合率が高い順で言えば、ザフィーラさん、シャマルさん、シグナムさん、ヴィータさん、はやてさんとなりますね。」

「ザフィーラとシャマルが適合率高いのはちょっと意外やな。私はちょっと特殊やしまぁ分かるけども。」

「それはたまたまとしか……」

「シャマルも案外適合率は高いんだな。スタイル的に相性は微妙だけど。」

 

 シャマルは完全な支援タイプであるので、速度を上げる以外にほぼ出来ることがないデプスとの相性は微妙である。

 

「逆にザフィーラは……ちょっと考えたくねぇな……」

「ザフィーラの固い障壁があの速さで迫ってくると思ったら……」

「しかも鋼の軛にスタン属性追加ですぅ!」

 

 ザフィーラの場合、適合率の高さもあってかなりの速度が出そうである。

まぁ、シグナムは素で速いので恐らくユニゾンしたシグナムとユニゾンしたザフィーラではどっこいどっこいと言ったところか。

 

「シグ姉とはアタシの方が相性良かったな。……お株を奪われなくて良かった……」

 

 最後の方は少し呟き気味に言うアギト。アギトはシグナム以外とユニゾンするつもりは無い様であった。

 

「ヴィータは……可もなく不可もなくと言ったところだな。」

「だな。まぁ別に十分使えるレベルだしいいや。」

 

 八神家の中で最下位とはいえ、デプスの能力のお陰で適合率は実用に足るくらいで安定しており、もともと近中距離で万能に立ち回れる事もあって戦力的には問題ないことになる。

 

「リインとデプス、状況によって使い分ければいいという事ですね! 何かRPGっぽくて素敵です! ね、デプス!」

「うわっ、ね、姉さん!?」

 

 リインがデプスの手を取ってリビングの中を飛び回るが、八神家は広いので何かにぶつかることもない。すいすいと辺りを飛んでいる内に、段々とテンションが上がって行く2人。

 

「ついでに家の中を案内するですよ! リインの八神家観光ツアーです!」

「あ、それは楽しみだよ!」

 

 遂にはデプスもノリにノってしまい、2人はそのまま2階へと上がって行ってしまった。取り残された面々は、顔を見合わせてこの後どうするかを視線だけで会議する。

 

「ま、しばらく遊ばしとこか。」

「ふふ、そうですね。」

 

暫く見合っていると、はやてが頭を掻きながらそう言った。

 こんなに活き活きとマイペースなリインを見るのは珍しい。それに見ていて微笑ましくもあったし、しばらくは好きにさせておくのもいいだろう。

 

「まぁ、デプスを管理局に入れるのは下策やろうなぁ。」

「そうですね。あの施設、管理局が関わっていないとも言えませんし……」

 

 JS事件により管理局の最高評議会は潰え、闇の部分が一部明るみに出たことで一斉告発とまで行きはしたが、それでも全てが解決した訳ではない。

根底は何とかなったとはいえ、まだまだ中間部の汚職等は洗いきれていないのだ。

そんな状況でデプスの存在が明るみに出れば、少々厄介なことになる。

精々、記録の残らない、非公式な模擬戦に使うくらいが関の山だ。

 

(それでもシグナム辺りは嬉々として使いそうやなぁ……)

 

 それと言うのも、以前リミッター解除状態でフェイトと模擬戦に望んだ時、シグナムはフェイトの真・ソニックフォームに惨敗したのである。途中からは速さに「慣れる」ことで善戦したのだが、いかんせん速さのレベルが違いすぎた。アギトとのユニゾンもあって、正に一撃入れれば勝てる試合であったのに、翻弄され続けたのはさぞシグナムのプライドに傷がついたことだろう。

 

(さっきの戦いの後のシグナム、水を得た魚みたいな顔しとったからなぁ……)

 

 近い内にフェイトは模擬戦を散々申し込まれる事になるんだろうなぁと考えながら、はやてはフェイトに合掌した。

 

***

 

「ここが物置きです! ヴィータちゃんがイタズラをして一日中ここに閉じ込められてしまった時は本当に怖かったのですよ!」

「イタズラ?」

「物置きに入った瞬間、魔法でドアを完全ロックされたのです! あの時のことを思い返すとそれはもうはらわたが煮えくるような!」

「ヴィータさんもえげつないことするなぁ……」

「最初は幽霊かと思って本気で泣いてしま……あぁ! 今のはウソです! 泣いてなんかいませんよ!」

 

 またもや一人で盛大に自爆しながらデプスに八神家を紹介していくリイン。だがその表情はとても楽しげで、デプスの方もこのような生活感溢れるものに触れる経験が無かったので、興味深そうにしている。

 

「あ、あはは……まぁ、確かに急にドアが開かなくなったら怖いよね。あ、コレってアルバム?」

「おぉ、懐かしいですね! それは前に皆でビーチに行った時の写真です! あ、そういえばそこにフェイトちゃんも映っているはずですよ! えぇと……確かこの辺りのに……あった、この人です!」

「あ、この人かぁ……」

 

こうして見てみると、周りに散々似ていると言われるのも合点がいく。

 確かに自分と同じ金髪で、シグナムと同じくらいスタイルがいい。水着なのでバリアジャケットは分からないが、確かに黒いバリアジャケットを纏えば自分とユニゾンしたシグナムに似ているかもしれない。と納得するデプス。

 

「しかも高機動での急襲が基本スタイルなんですよねぇ。」

「は、速さなら負けないよ!」

 

 何せデプスは能力のほとんどを速さに振り分けられ、速さをひたすら追求したデバイスだ。火力までも犠牲にしてしまったのは正しいのか分からないが……それだけに、速さで負けてしまえば自分の唯一のとりえがなくなってしまう。

 

「うーん……申し訳ありませんが、正直デプスもフェイトちゃんも、2人ともあまりにも速すぎてリインには判定できないのですよ……」

 

しょぼんと肩を落としたリインを見ると申しわけない気持ちになって、あわてながら

「い、いやいや気にしないで!」

と取り繕うように訂正する。

 

「……まぁ、それでも、速さだけなら絶対に負けないよ……絶対……」

 

それが自分の存在意義なのだから、と、言い聞かせるようにつぶやくデプスだった。

 

「むぅ、変に気負ってはダメですよ、デプス。」

「へ?」

「競うことは悪いことではないですが、別に負けたからと言ってあなたが何か変わるということも、私達が変わるということもないのです。そんな風にどんよりしていると、周りの空気まで悪くなっちゃいます!」

「そう……かな……?」

「そうです! リイン達がいつも笑顔なら、周りもみんな笑顔だってはやてちゃんも言ってました! デプスが新しく来てくれたので、八神家はもっともっと笑顔でいっぱいになるのですよ!」

「姉さん……」

 

 リインにそう言われて、自分がいかに情けない考えを持っていたかを思い知らされる。

そうだ、負けたところで、リインはきっと自分に変わらない笑顔を向けてくれるのだ。

 

「研究所にずっといたから、こんな凝り固まった思考になっちゃうのかもね。ありがとう、姉さん! 目が覚めた!」

「素直でよろしいのです!」

 

 やっぱり僕は幸せ者だ、と救出された時から何度ももらったぬくもりを、大事に大事にかみしめるデプスだった。

 

***

 

「おーい、はやてー、お風呂沸いたー」

「んー、わかったー!」

 

 ヴィータの報告に応え、そういえばもうそんな時間か、と時計を見る。

ユニゾンを試したかった為、早めに夕食をとりはしたが、案外時間が経っていたようで、もうすっかり夜である。

と、ここで1つ、名案がはやての頭に浮かぶ。

早速実践しようとリインに念話を繋げた。

 

(リイン、リイン。)

(はいです、どうしましたか、はやてちゃん!)

(ほら、もうええ時間やし、デプスとお風呂に入ったら?)

(え、ええっ! デプスと一緒にですか!?)

(弟の体を洗ってあげるのもいいお姉ちゃんの仕事やで。)

(い、いいお姉ちゃん……! わかりました! リイン頑張りますぅ!)

 

 にやり、と口角を上げ、リインとデプス以外の八神家を念話で召集しながら、計画通りと言わんばかりの悪役主人公顔を披露するはやてであった。

 

 

 

その後、リインが落とした特大の爆弾により、八神家でデプスの悲鳴の様な叫びが響き渡ることになる

 




( ゜∀゜)o彡°おふろ!( ゜∀゜)o彡°おふろ!
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