いつの間にかボスになってた。組織は滅んだけど 作:コズミック変質者
この作品ノリと勢いが天元突破の結果なので、そこまで真面目に読まないでください。
イタリアからトンズラしてきてもう一週間。スキューロが個人で持っていたプライベートジェットで空の旅をしていたのが約二日。日本に着いてからの五日間。私は充実した日々を送っていた。
朝起きて顔を洗ってシャワー浴びてスキューロの作った朝食を食べてゲームしてスキューロが作り置きして行った昼食を食べて昼寝して起きてゲームしてギター弾いてスキューロの作った晩御飯を食べてゲームして程々の時間に寝る。
アレ、これイタリアにいた頃と何にも変わらないんじゃないか?と思ってしまうような自堕落な生活。
その間一歩も外に出ていない。今住んでいる70階のマンションだって、私が寝てしまった時に背負って連れてこられたらしい。てか70階ってなんだよ。普通に10数階でいいんだよ?態々高い場所にする意味がある?マジョーレ教会の時と同じこと思った。
スキューロの話じゃ60階から70階と屋上まで私たちのフロアになったらしい(白目。らしいって・・・絶対前に住んでた人いるでしょ?医者とか弁護士とか政治家とか。強制退去させてない?脅してないよね?日本に来てまで訴えられたりとか嫌すぎるよ。
もし私かスキューロのどっちかを恨んでいる人がいて、ここに住んでることがバレたらきっとビルごと吹っ飛ばされるんだ〜。ケリ〇みたいなのが相手だったら逃げ場なくなるって。キンクリだって万能じゃないんだぞ。
それよりも窓から下を見るのが少しだけ怖い。いや、70階だよ?下見たらなんも見えないじゃん。もし落ちたらって思うとチビりそうになるって。
ていうか普段スキューロは何してるんだろ?9時くらいからいつもいなくなるし。
私は14の時に高卒認定取ったから16の今でも高校とか行ってない、というか小学校に2年間しか行ったことない。だから学校なんて今更行く必要も無いし、行ってボロ出すのとか嫌だし授業面倒だし。
本格的に自分がダメ人間だって思い知らされるよ。
外うるさいな〜ここ70階だよ?内からの防音は出来ても外は出来ないとか。後でスキューロに文句言っと・・・やめとこ。業者の人が宙吊りにされてまで壁の防音化をさせられそう。普通に可哀想だって思ってしまう。
『ホワイトスネイク』、視界共有するからちょっと見てこい。距離も別に1km位しか離れてないし、別に戦闘するわけじゃないから、スタンドパワー全部遠距離操作に振れるのは楽でいいわ。
んん?でっかいドームがなんか凄い煙とか暴風とか出してるんだけど。それに凄い人が集まってるな〜。放送局員かな?デッカイカメラ持った人まで来てる。もしかしてこれ、雄英体育祭?もしかしてヒロアカの原作ってもう始まってるの?
あ、あの目付き悪いボサボサの人って相澤消太じゃん。包帯は、ない?ってことは原作前?ふむふむ、一年生がいないと。え、原作一年前じゃん。来年原作?最初からお先真っ暗なのに今度は暗闇の荒野になった。
うわー嫌だー。脳ミソ丸出しの化け物がうじゃうじゃ出てくるんでしょ?超再生とオールマイトクラスのパワー、これに加えてショック吸収とかいう物理殺しがうじゃうじゃ闊歩するんでしょ?勘弁して欲しいよ。物理無効とかキンクリとホワスネじゃ抵抗出来ないって、
スタンドディスクがあるって?いや、あるんだけどさ・・・。スタンドディスクって私自身に使えないっていうか、私自身になぜか適合するのがほとんどなかったんだよね。
人によって適正や入れられる数の限界?があるみたいでさ。一枚も入れられない奴とかいたし。スキューロは限界が7で基本どんなディスクにも対応する特殊体質だし、私が唯一ってくらい知っている親衛隊は2枚が限界だった。そこら辺は精神力が関わってるのかな?それよりも7枚とかスキューロ凄いな。
それに強すぎる
全部のディスクを手元から離すのは気が引けるので、親衛隊や部下に使っているのは5部のディスクだけだ。他の部のディスクは何かと使い勝手がいいというか、性能が性能なだけにそれを使って反旗でも翻されたら流石にキンクリでも面倒。
間近で見るヒーローの卵達の戦闘って卵でも凄いんだな〜。地面からいきなり出てきたりなんか波動?みたいなので攻撃したり。あのすり抜ける子って『ビーチ・ボーイ』で釣ろうとしたらどうなるんだろ?
あ、誰か来たみたい。スキューロじゃない。誰が来たんだろ。
・・・なんで誰か来るの?
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デパートの中、階と階の間にある階段の踊り場というのは死角である。基本的にデパートというのは階段のある場所に監視カメラというものをつけない。エレベーターやエスカレーターという便利な機能があるのに、階段を使うものがいないからだ。
今では店員さえもが、店員用のエレベーターを用意されているため、何かがあって避難する場合にしか使われない。
誰にも使われず、誰にも見られないからこそそこは死角となり、構造上、何をしても大してバレることは無い。例えば勝手に扉を一つ作っても、デパート側が設計を用意したわけではないので、きっと用務員の誰かが使用しているのだろうと思うし、用務員は店員の誰かが使っているのだろうと思う。
知らない物に自分の都合のいいモノを重ね合わせた結果、そこは空白の部屋となった。
後ろに誰も着いてこないことを確認する。別に振り向く必要は無い。
扉を開けばその部屋にはバーテン服を着た男一人しかいない。バーのような内装をしており、棚には酒瓶が並べられている。入ってきたのに気付いた男は愛想のいい笑顔を向けて、カウンターに座るように促す。
「予約していた者だ」
「鍵はどちらに?」
「受け取れ」
出した一本の鍵を男はまじまじとじっくりと見て、確認が取れたのかごゆっくりと言って鍵を棚にしまう。この男は情報屋でもなければ武器商人でもない。ただ場所を提供するだけの男。幾多の秘密の部屋を持ち、その中であった会話を確実に隠匿する。信頼を獲ることが仕事なのだ。
鍵を渡すことで男の仕事は本格的に始まった。男はこれより何も聞いてないし何も見ていない。部屋でも何も起こっていない。ただここにいただけである。
「ワインを一杯貰おうか」
「かしこまりました」
注文し、ワインを選び始めた男を他所に持ち込んだケースからパソコンを取り出して開く。手馴れた手つきでパスワードを入力し、チャット形式のテレビ電話機能を起動する。
起動すれば既にウインドウが二つ出て、それぞれに顔が表示される。男と女だ。女顔の褐色肌の男と、男気が見える女。
彼ら二人は親衛隊だ。ボス、右腕、親衛隊と、パッショーネの中で三番目に高い地位を得た者達である。
拝金主義の組織の中で、全く別の、純粋にボスに選ばれた者達だけが親衛隊になれる。パッショーネの中でも特別な存在達。
「バローロ・リゼルヴァ・モンフォルティーノです」
「ああ、ありがとう」
出されたワインを一口含み、喉を潤して彼らは会話を始める。
「今回は二人か。久しぶりだな、ティッツァーノ、シーラ・E。そちらの方はどうなっている?おや、珍しいな。スクアーロはどうした」
『ええ、お久しぶりですスキューロ。こちらは順調です。つい先程も、スクアーロが順調に処理をしてくれました。何も問題はありません。全てボスの要望通りに事は進んでいますよ』
『私の方も何も問題はないよ、スキューロ様。むしろもう少しハードでも良いくらいです。味気なさすぎて少しばかり退屈を覚えてしまう』
「順調そうだな。ボスも喜んでくれるだろう」
『しかし良かったのですか、スキューロ。ボスに不満を言う訳ではありませんが、拡大した組織を一度瓦解させるのは、流石に勿体ないと言わざるを得ません』
「だが結果としてボスには何一つとしてデメリットは生まれていない。デカくなり過ぎたパッショーネという組織は一度間引き、必要な人材と全ての資金を持ってその姿を消す。そうすればボスの正体に辿り着くための足掛かりは、見ることすら叶わなくなる」
パッショーネという組織の禁忌。ボスの正体を探ること。ほんの少しでも組織に探っていることがバレれば、入念な拷問の末、恐怖と苦痛の中で絶望的な死を与えられる。代表的な殺し方と言えば、ホルマリン漬けにして輪切りにされるなど。
それほどの恐怖を与えてまでも、組織はボスの正体を隠し通す。それで不満が生まれ、恐怖で逃げ出そうとするのならばソレすらも始末する。
血も涙もパッショーネには一滴たりとも存在しない。存在しなくていい。
「シーラ・E、お前はオーストラリアから撤退し、日本に来い。ボスの護衛役としてな。残った仕事は信頼出来る部下に預けるんだ」
『構わないが、いいのか?既にスキューロ様が護衛として就いているのに、私まで必要になるのか?いや、決して多すぎるって言いたいんじゃない。私が護衛に就くことで、少しでも怪しまれたりしないか』
「怪しまれるだけなら動き方次第でどうにでも隠蔽できる。重要なのは直接的に危険な者達だ。純粋に、戦力として警戒しなければならない者達だ」
『スキューロ様でも手に余るほどの奴らが、
「ああ。少なくとも俺が日本に来てから裏を辿って、確認しただけでも二人。一人は日本のギャング、ヤクザと呼ばれる奴らのボス。オーバーホールと呼ばれている男だ。まだ掴んだばかりの情報だから顔はない。そしてもう一人、厄介なのはこちらの方だ」
『そこまで警戒するほどの相手なのですか?』
「そうだ。コイツに関しては情報が多すぎる」
『多すぎる?その情報には信憑性があるのですか?』
「恐らくは、あるのだろう。類似した情報が幾つかある。一や五なんかじゃあない。同様の何十件もだ。曰く、そいつは個性黎明期から存在する、他者から個性を奪いストックし、他者に個性を与える怪物らしい」
『・・・まさか、本当にそのような怪物が?幾ら何でもありの個性でも、いえ何でもありだからこそ、そういった絶望的なまでの個性が生まれるのですね。私達にはわからない感覚だ』
『だけどそれだけなら私達が恐れる程じゃないでしょう?個性を奪えようが与えられようが、私達の
「ああ。どうやらソイツは、日本各地から
『我が強い
「いや、そちらはもう少し身を潜めていろ。今の
『分かりました。では、そのように』
「ああ。シーラ・Eも頼むぞ」
『分かりましたスキューロ様。明日には日本に向かわせてもらいます』
シーラ・Eの最後の言葉と共に、全てのウインドウがブラックアウトする。残ったワインを飲み干し、スキューロはケースにパソコンを戻す。本来ならばこんなやり取り、携帯で済ませるのが一番いいのだが、声だけならいくらでも誤魔化せるため、互いの映像を見せ合いその仕草などから、相手が本物なのかを確かめ合わなければならない。多少面倒だが、互いの信頼の為だ。
やることは全て終えた。男に背を向けて入ってきた扉の方に向かう。スキューロの背中を見ながら、やはり男は愛想のいい笑顔を浮かべて、軽く頭を下げる。
店から出た直後、スキューロの胸の携帯が音もなく震えた。
直ぐに取り出し、画面を起動してみれば画面には一つの文章、部屋の隔壁が作動したという文章が書いてあった。
その文章を見たスキューロの目の色が変わる。潜め続けていたオーラは邪悪な物へと変わり、漏れ出ていく。溢れ出んばかりの特大の殺意に、スキューロは弾かれたように走り出す。
階段を飛び越え、ドアを蹴破り、車を全速力で走らせる。この調子なら目的地に10分とかからない。だが道路は混んでいた。普段ならばガラ空きのことも珍しくない時間帯なのに、よりによって今日、よりによって今に限って混んでしまっていた。
理由は後ろにあるドーム。雄英体育祭のせいだ。
「チィっ!『ベイビィ・フェイス』ならばどうにか出来たが、『息子』を作る時間が足りない!いいや、焦るな。こんな時にこそ冷静を保つのだ。今必要なのは誰か、恐らくは襲撃者に類する者から即刻ボスを護ること。そしてそのためにはマンションに最速で行かなければならない」
だが無慈悲にも道路は混雑している。どれだけの長蛇の列か分からない以上、手の打ちようがない、はずだった。
「鏡だ!そうだ、俺には鏡があるじゃあないか。車は無理だ、今この場に、車が入れるサイズの鏡はない。だが!車なんかよりもボスの身が重要なのは当然のこと。ならば、迷うことなどない!
来い、『マン・イン・ザ・ミラー』!!俺が鏡の世界に入ることを、許可しろ!」
車の中に人型の何かが現れる。その人型はレザージャケットとサングラスのようなものを纏っている。見方によってはカメにも見える。だが重要なのは見た目ではなく、その能力。
『マン・イン・ザ・ミラー』その能力は、鏡の世界を作りだし、その世界に自由に入ることが出来るのだ。
視界がねじ曲がりながらも、スキューロは鏡の世界に降り立った。鏡の世界に生物はいないが、車などの物は現実世界で動けば鏡の世界でも動く。今ここで、スキューロが鏡の世界の車から出たのなら、現実世界の車もドアが突然開いて、後ろの車を驚かせているだろう。
「すぐに向かう、ボス。次だ、『ホワイト・アルバム』」
スキューロの身体から冷気が漏れでる。視界に映るほどの超低温の冷気はスキューロの身体を覆い、氷がボディスーツの様に身を守る外装となる。
ボディスーツが全身に形成された瞬間、スキューロの正面の道路が氷でコーティングされ、その上をボディスーツの足についているスケート靴でスキューロは滑り出す。車に近いスピードを出せるが、この行為は少々賭けになるともいえる。
『マン・イン・ザ・ミラー』で作り出す鏡の世界はエネルギーの消耗が激しい。その上から更なる
だが、スキューロには命を賭してでも守りたいものがある。その為ならば、今ここで身体が千切れてしまおうが、守りたいものの為ならばスキューロはお構い無しに進むことが出来る。
強靭なボスへの忠誠は、そのまま精神力へと変換された。
7枚ものスタンドディスクを身体に収めることが出来るその精神力は、ボスが思った以上に強いものだった。
今回出てきたスクアーロにティッツァーノは原作通りです。恥知らずのパープルヘイズ読んでないからシーラ・Eはwiki見てオリキャラ化してるけど。
よく神様転生特典でホワイトスネイクとスタンドディスク全部貰った、とかあるけど、どうせ使い勝手のいいスタプラとかクレイジーとかレッチリしか使わないんだったら全部とか必要ないんじゃね?ってずっと疑問に思っていました。
スタンドのいい所って、例えパワーもスピードも低くて使い勝手の悪い能力で、状況が整っていなきゃ使えない能力だとしてもそれをどれだけ工夫して使い、敵を倒すだったり、どれだけ役立てられるかだと思うんですよ。
再)今後の展開、主に2、3話後について
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原作前に原作キャラと関わってもいい
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何言ってやがる、直行で原作いけやダボが
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関わる原作キャラは俺達が決める