お気に入りが20になりました。ありがとうございます。
今回の話は最初は降谷視点→高崎視点へと動きます。複雑ですみません。
それでは本編をどうぞ。
修学旅行2日目
自分たちは祇園付近に来ていた。自分たちは今殺先生をどこで暗殺をするかを考えながら観光をしている。
「渚、ここなら暗殺によさそうだな。」
「スナイパーの人からは見えるかな?」
「なんだか不思議な修学旅行になったね?」
「そうだね。でも僕は楽しいよ。茅野。」
「んぁ~折角京都まで来たんだから抹茶わらび餅が食べたい~。」
(え?嘘でしょ。さっき昼飯食べたばっかだけど!?)
茅野の言葉に自分は密かに戦慄していた。
「で、ではそれに毒を入れるのはどうですか?」
「なんで!?」
奥田の提案に体を大きく使ってリアクションをする茅野。
「ほら、殺先生は甘い物にはほんとに目がないので。」
「いいねぇ~。名物で毒殺。」
「そんな、、折角の抹茶わらび餅が勿体ないよ~。」
赤羽も賛同するのに抗議をする茅野。ほんとに彼女も甘い物が好きみたいだ。
「殺先生に有効な毒があればいいんだけど、、」
神崎さんがこの暗殺の問題点を指摘する。
「そこなんだなぁ。僕が来る前の話だから詳しくは知らないが効かなかったらしいじゃん奥田の毒は。」
クラスの中でトップの科学知識を持つ奥田時間をかけて準備をしても無理なら今この場で有効な毒を作るなど不可能だ。
「もっとも先生に効く毒が存在するのか怪しいところだけどね。」
付け加えとく。ここでみんなの思考が停止してしまった。
「んん~、にしても修学旅行の間くらいは暗殺は忘れて楽しみたかったよなぁ。暗殺とは一切縁が無い場所でさ。」
杉野が体を伸ばしながら言う。
「ううn。そんなことはないよ。着いてきて。」
そう言われて渚について行く。渚は小さな石碑の前で止まった。
その石碑には坂本龍馬の文字が。
「坂本龍馬?そっか1867年龍馬暗殺近江屋の跡地ここだったんだ。」
「他にもすぐ近くには本能寺もあるよ。」
「そうか、あれも暗殺の一種か。」
「うん。かつて日本の中心だったここ京都は観光地でもあり暗殺の聖地でもあるんだよ。」
(はぇ~歴史は面白いなぁ。全く知らないが。)
「なるほどそう考えるとこの修学旅行は確かに暗殺旅行だな。」
杉野は納得できたようだ。
「次はどこなんだっけ?」
自分が聞く。
「え~っと次は八坂神社です。」
「結構遠いなぁ。」
「もういいから休もう。甘~いコーヒーが飲みたい。」
茅野に続き赤羽も糖分を欲しがり始めた。
(つけられてる、、、?気のせいか?)
少し休憩を挟んだ後は神崎のオススメスポットに来ていた。
「祇園、、なにやら不思議な雰囲気だな。」
「そうだね奥まで来ればこんなに人気がないんだね。」
「そう、一見さんはお断りのお店が多いからここに来る人はいない。見通しがいい必要は今回ないからピッタリだと思って。」
「流石神崎さん。下調べ完璧~。」
「じゃあここで決行にしょうか。」
みんなが神崎の意見に賛成し意見がまとまった。
そこに奴らは現れた。
「マジで完璧~な~んでこんなに拉致りやすいところ歩くかね~?」
自分たちの前にいかにも不良です。と言ったような格好をした集団が現れた。既に後ろも包囲され逃げ場はないようだ。既に勝利を確信しているようでニヤニヤ気色の悪い笑顔を浮かべている。
「何おにいさんたち?観光が目的じゃないみたいだけど。」
「ほんと、ここにいたって時間の無駄だからどっかに失せな。」
自分と赤羽は状況を理解し挑発しながらも臨戦態勢にはいる。
「男に用はねぇ。女を置いてさっさと消えn。」
不良が言い終わる前に赤羽がすかさず顔面を掴んではりたおし不良を1人倒した。
「はらね渚君?目撃者がいなけりゃ問題ないでしょ?」
赤羽は余裕そうだ。
不良はいきなりの先制攻撃に一瞬気を取られるがすぐに立て直し路地裏の乱戦が始まった。
不良がこちらに攻撃を仕掛けようとして足を出す。
「てめぇなめてんじゃねぇぞ! いだ。 な、なんだ。」
時間は十分にあった。不良の足は小さな針に貫かれていた。まきびしだ。
痛みによって一瞬隙が生まれる。その隙を使って壁を足場に不良の後ろにまわり顔面にけりをいれる。こちらに反応できたようで後ろを向いたが逆に蹴りが直撃した。そのまま飛ばされた。鼻は少し形が変わり血がでていた。それでも他の不良は気にもとめず襲いかかってくる。今度は鈍器を振りかぶり殴りかかってきた。振りかぶってがら空きになったみぞおちに拳をいれた。そいつもダウンした。後ろで奇襲をかけているのは気づいていたので倒れている不良を足場に少し高くジャンプした。
こんな相手自分には楽勝のはずだった。だが向こうは違った。かなりピンチだった。
赤羽が一瞬の隙を突かれリンチ状態になり茅野と神崎が捕らえられ渚と杉野は簡単に気絶させられていた。
(や、やばい。)
そう今戦えるのは自分しかいなくなってしまったのだ。
とりあえず奇襲をかけている不良は跳び蹴りで黙らせた。
ここまで3人不良を倒した。それでもかなりの人数がまだ残っている。やはり数の力は偉大だった。
流石の自分でもここではきつかった。ただでさえ人数では圧倒的な差がある。おまけにここは路地裏。
囲まれて潰されるのに時間はかからなかった。
「が」
「はぁはぁはぁ、クソがてこずらせやがって。」
「おい、ずらかるぞ。だいぶ時間を使った。あいつらの方も獲物を捕らえたそうだ。待ち合わせ場所に向かう。」
不良のリーダー格の男が指示を出す。それを聞き行動を下っ端は始めた。
(ま、待て、、、。)
(甘いんだよ。おめぇはよ、、、たく情けねぇあんな雑魚どもに負けやがって。見せてやるよ。殺り方を。あのクズやろうどもにようぅ。)
(だめ、、、だ。でちゃダメなんだ。おまえ、は)
意識を支配されながら去って行く不良を見ることしか自分にはできなかった。
~???~
(はぁ、あいつは簡単にやられやがった。ほんとに情けない。自分がやばい状況なのに本気を出さなかった。
そういうところがむかつく。
だが1番むかつくのはあのクズやろうどもだ。この借りはキッチリかえす。)
視界の端では難を逃れた奥田が降谷を心配して声をかけていた。だがもうその声は届かない。
(さぁ、今度は俺が殺る番だ。)
~~高崎視点~~
心地よい風が髪を揺らして私をくすぐった。私たちの班は今殺先生と行動している。その殺先生と来てるのは
嵐山の辺りの嵯峨野のトロッコに乗っていた。
「いや~、時速25kmは速いですね~。」
殺先生がトロッコから身を乗り出して呟いた。ちなみにこのトロッコは窓ガラスも天井もない。だから風も一緒に入ってくる。それが心地いい。
「いや、マッハ20が何言ってんだ。」
前原君が呆れながら言っていた。
トロッコが進むたびみんなの表情に緊張が現れ始める。私たちはこのトロッコでの暗殺を計画した。
「えー鉄橋の上で少し停車いたします。」
のんびりとした乗務員の車内アナウンスが聞こえてきた。
(いよいよだ、、。)
今回私たちの班が狙撃を決行する場所に指定したのはこのトロッコ列車の名所の1つ保津川橋梁。
この場所は川下りをしている舟が見られる時がある場所だ。
「あ!殺先生下を見て。ちょうど川下りをしているよ。」
陽菜乃ちゃんがさりげなく殺先生を窓の外へ誘導した。これがスナイパーへの合図だ。
奥の森で何かが反射する光が見えた。おそらくあそこにスナイパーがいる。
結果が気になり殺先生の方を見てみる。殺先生には弾は命中していなかった。殺先生は止めた。
八つ橋で
「おや~八つ橋に小骨が、、、こんなこともあるもんですねぇ~」
殺先生は余裕そうに言った。やっぱり見抜いてたようだ。そうこうしている内に列車は発車して何事もなく終着駅に到着した。
「それでは先生次の班があるのでここで。」
そう言って先生は飛んでいってしまった。
(次は確か中村さんがいた班だっけ?)
「残念だったわね。」
まず始めに口をひらいたのは片岡さんだ。
「いや~、上手くいったと思ったのに、、、まさか八つ橋でとめるとは、、」
「「「ほんとそれ」」」
「まぁ暗殺はここまでだ。これから観光を楽しもう。」
「賛成~」
「私も~」
今は悔やむより楽しむ方が大切だ。
~~~~~
「ねぇこれとかどう?」
「あ、かわいい!」
今はお土産を探している。あの後京都に戻って色々な観光地を巡った。お昼や食後のデザートも食べた。
すごく楽しい。
「ねぇ男の子たちは買わないの?」」
さっきから店の外で待っている3人に聞く。
「あぁ俺たちはもう行きたい店決まってるし。」
「うん。」
「俺はそんな金ないから、、」
磯貝君が少し悲しそうな表情で言った。
(これくらいなら翠も許してくれるよね?)
やたらお金に厳しいあの人を思い浮かべた。
「じゃあみんなでお金出し合って買おうよ。」
私がそう提案する。
「お、それいいな。」
「私賛成~」
みんなが賛成してくれたことに内心ホッとする。
「い、いや、いいよ。気にするなって。」
磯貝君は遠慮をする。
「気にするなって!折角のみんなの好意だぞ?」
「う~ん、じゃあ甘えさせてもらおうかな?」
前原君が背中を押してくれたみたいで磯貝君も折れてくれた。
磯貝君たちのお土産も買って次の場所を目指していた。
すると隣で車が止まりドアが開いて
気がついたら自分と陽菜乃ちゃんと桃花ちゃんと私が中にいた。
(え?)
一瞬の出来事に訳が分からなくなっていた。
「ひゃひゃっひゃ~。思ったよりあっさり手に入ったなぁ。」
その言葉で自分たちが攫われたと自覚する。
自覚をすると共にあの時の記憶が蘇り恐怖心が体の奥底から湧き上がってくる。
その途端体の震えが止まらなくなった。
自分たちは廃屋に連れてこられた。
「春菜ちゃん、大丈夫?」
陽菜乃ちゃんに聞かれる。
「う、うん、だ、大丈夫だよ。」
2人を不安にさせまいと必死に言葉を紡ぐが震えて上手く言えなかった。
しばらく時間が経つとまた扉が開いた。
「え?」
そこには同じく拘束されている茅野ちゃんと神崎ちゃん、そして何人もの不良がいた。
「2人も捕まったの?」
「うん」
「なんだ?お前ら知り合いか・よく見たら同じ制服だな。そうだこれ見ろよ。そこの黒髪ロングの奴だぜ。」
そう言って携帯の写真を見せて向こうの部屋に行ってしまった。
神崎ちゃんの目は暗くなっていた。
「神崎さんにもそんな時期があったんだね。」
「うん。私自分が嫌いなの。家でも学校でも居場所がなくてそれでそんな自分を捨てたくてゲームセンターに通ってたら成績が落ちちゃってもう、分からない。」
「「「、、、」」」
「ならぁよ俺らのところに来いよ。エリート気取ってる男には女使って落としたり女にも一生消えない傷作ってやったりしたりそんな遊びやってきたんだぜ。台無しの先輩が色々教えてやるよ。」
「さいてー」
茅野ちゃんが軽蔑した声で言った。
その瞬間不良が首を掴んで投げた。
「もういい!カメラ待つつもりだったがやっちまうぞ。」
(もうダメだ。)
そう思ったときまた扉が開いて自分が1番安心する顔が見えてきた。
「翠!」
でもその顔はいつもの顔ではなく
あの時と同じ顔になっていた。
今回自分の作品の中で最高字数になりました。
疲れました、、、、
感想・アドバイスありましたらどしどし送ってくださるとありがたいです。