降谷翠の暗殺教室 (連載休止)   作:リリーマクリーン

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みなさんこんにちは。

遅くなってしまい本当にすみません。

テストに大会が重なり終わってからでいいかと先延ばしにしていたら1ヶ月が過ぎてしまいました。今日から投稿を再開します。

急ぎで書いたので短めです。

それでは本編をどうぞ。



第24話 球技大会の時間 1

梅雨が終わり夏が近づいてきた。ここ暗殺教室ではLHR(ロングホームルーム)が開かれていた。今日の内容は近々行われる球技大会のチーム決めだ。

 

「スポーツで健康な心身を鍛える、実に素晴らしいことです。しかし、、E組だけトーナメント表に入っていないのはなぜですか?」

 

学校から受け取ったパンフレットを読み終えた先生が聞く。

 

「E組は本戦には出場しないんだよ。1チームだけ余るという素敵な理由でな。その代わりエキシビションマッチに出場することになっているんだ。男子は野球部、女子はバスケットボール部と。要は見世物だよ。」

 

「なるほどいつものやつですか。」

 

殺先生の問いに対してキノコ頭の三村が半笑いで答えた。三村の言葉で察せたらしい。

なるほどここでもお約束のあれがあるらしい。この学校はそんな行事でも抜かりがない。流石、、といったものなのかは分からないがその徹底ぶりには一種の執着を感じる。

 

「俺ら晒し者とか勘弁だからお前らで適当にやっていてくれ。」

 

後方で寺坂たちがその一言を残して教室を出て行った。磯貝が引き留めようと声をかけたが届くことはなかった。

 

「野球と言えば杉野だよな!」

 

誰かが暗くなった空気を払拭するかのように話題を変える。みんなの視線は杉野に向くが張本人は気まずそうに目をそらす。

 

「無理だよ。うちの野球部強いんだ。特に今の主将の進藤は剛速球で有名で強豪高校からも目を付けられている。勉強もスポーツも万能なんて不公平だよな。

だけど勝ちたいんだ。殺先生。好きな野球で負けたくない。ここに来てからその想いが強くなった。こいつらとチームを組んで勝ちたい!」

 

杉野が熱い胸の内を語り殺先生を見るとすでに先生はユニフォームに着替えバットを触手に持っていて一目でやる気満々なのが分かった。

 

「あ、あぁ殺先生も野球がしたいのは伝わったよ。」

 

「最近の君たちは実に素晴らしい。目標をしっかりと口に出して言えるようになりました。勝ちたい。殺りたい。まずは口に出すことが大切です。」

 

「今回先生が直々にコーチを務めましょう。実は先生一度スポ根ものをやってみたかったんです。もちろん殴ったりはしないのでちゃぶ台返しで代用します。」

 

殺先生がやる気に満ちた声でそう言う。

 

「用意良すぎだろ!」

 

いつものようにツッコミがとぶがこここそ先生のすごいところだ。

 

 

 

放課後

 

 

早速特訓が始まった。しかしの内容はおおよそ人間がやるような内容ではなかった。バッティングでは殺ピッチャーが時速300キロのボールを投げ仮に打てたとしても内野、外野共に先生も分身が守っており何人かが顔を赤らめているのを見るとどこかで何かを囁かれていたようだ。人間がやるような内容ではなかった。前に渚に先生は体育だけは教えるのが下手だと言われた真相をここで知った。

 

かくゆう俺は他よりも劣っている。今回初めて触る自分とは違いみんなは一度はやったことがあるらしく人並み以上にできていた。

みんな暗殺の訓練で鍛えられており普通以上の運動能力を持っているからだ。

そもそも今やっているのは野球であって野球じゃないのだから焦る必要はない。そう感じていた。しかしその考えは甘いと思い知らされる。

 

 

 

今日の練習が終わった自分は春菜を迎えに行った。ちなみに女子は近くの公民館の体育館で練習をしている。自分が扉を開けたとき中で小さな歓声が上がった。

春菜が他の女子をごぼう抜きして得点を決めたのだ。自分は雷に打たれたような衝撃を受けた。元々春菜の運動能力が高いのは知っていた。でも、、、春菜と出会って約5年まだ、、まだ娘に負ける訳にはいかない。

そう思ったらすぐに行動を始める。自分は杉野とに連絡を取る。

返事はオーケーだった。

 

次の日

 

早朝、校庭には杉野がボールとグローブを持って来てくれた。

 

「悪いな。こんな早朝から付き合わせちまって。」

 

自分は軽い謝罪をいれる。もちろん杉野がここでキレる性格ではないのは知っている。一応のだ。

 

「かまわねぇよ。こっちが協力してもらってんだ。にしても意外だな。朝から練習がしたいって。てっきり適当にやるのかと。」

 

別に何事も無気力で生きているわけではないが確かに昨日までの自分だったら杉野の言うとおり全力で挑むことはなかっただろう。しかし、現時点でみんなと差がついておりなおかつ春菜にも負けるなどあってはならない。足を引っ張るわけにはいかないのだ。

 

「まぁ。色々あったんだ。杉野も負けたくないだろ。」

 

「あぁ。とりあえずまずは基本だな。キャッチボールをして正確に投げられるようにしよう。」

 

杉野はじしんの経験から自分に1番必要な練習メニューを伝えてくれた。

 

 

「ヌルフフフフ。朝から練習とは頑張りますねぇ。」

 

しばらくするとかなり強い風が吹いて先生の声が聞こえてきた。

 

「なるほど、杉野君が降谷君に教えているのですね。確かに降谷君は他のみんなと違い経験が足りてなく劣っています。しかしここでの戦い方はもう学んでいるはずです。」

 

その言葉を残して先生は再びどこかへとんでいってしまった。

 

「ここでの戦い方か。先生らしいや。続けようか。」

 

杉野はそう言ってくれたが自分にはもう聞こえなくなってきた。

そうだ俺はここの生徒だ。普通の殺り方をしては勝てないんだ。思わず口角が上がった。決戦は球技大会エキシビションマッチだ。


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