最近投稿ができなくて本当にすみませんでした。
ちなみに自分はサッカー、水泳、器械体操で野球の経験は皆無なので矛盾があったとしてもお許しください。
それではどうぞ。
「優勝はA組です。」
野球のグラウンドに球技大会の優勝クラスが決まったアナウンスが響く。A組の生徒は優勝は当然だという顔でグラウンドを出て行く。
「あー負けた負けた。やっぱA組は違うな。」
「まぁ、この後の俺ら何かよりも何倍も出来ないやつらを見てスッキリしようぜ。」
「そうだな。」
小太りそばかすとヒョロリとした眼鏡が若干ヤケになりながらグラウンドから出てくる。そういえばあの2人は5月くらいの全校集会で渚に絡んでいた奴らだよな。と昔のことを思い出しながら今度きm
「さぁ、始めましょうか殺意と触手に彩られた地獄野球を。」
「1回表、E組の攻撃。サード木村。」
打者のアナウンスがウグイス嬢、、、ではなく男子生徒に呼ばれる。
そのアナウンスが流れ木村がバッターボックスに入る。先生は見送りの指示をだす。
まずは様子を見るらしい。木村は先生の指示どおり1球目を見逃した。続いて先生からさらなる指令が入る。ここからは自分らのターンだ。
ピッチャーの球をバントで木村ははじく。そもそも1回も打たれることを想定していなかった野球部の完全に意表を突いた。一瞬固まっている間にクラス1の俊足を誇る木村は1塁にでた。
続いて渚。渚も同じくバントを使い塁を進めることに成功。続く磯貝も同じように出塁した。
ここまで見れば誰にでも今回の作戦は分かるだろう。そう今回の作戦はバントで少しつづ出塁し点を稼ぐというものだ。
素の運動能力や技術では野球部には遠くかなわない。それでもいい。ここは暗殺教室。普通なんかでは自分たちのターゲットを殺るなんてことはできない。頭を、知識を、フルに使って弱者なりの戦い方をしなくてはならないのだ。
3番も無事に出塁し満塁となる。そしてこの満塁のチャンスにバッターボックスに立つのは唯一の野球経験者杉野だ。
結果的に自分は並までにしか能力を上げることは出来なかった。それは杉野以外全員が同じだ。いくらあの教師の指導を受けたとしても一朝一夕で全国レベルの野球部に追いつける訳がないのだから。
一方作戦が順調なE組とは違い野球部は焦りが隠せなくなってきていた。彼らにとってはエンドのE組は格下、いやそれ以下の存在のはずだった。しかし蓋を開けてみればどうだろう。素人が付け焼き刃で使っているバント戦法に完璧に翻弄され満塁を許してしまっている。
そして次にバッターボックスに立ったのは元野球部の杉野。
自分らにはとるに足らない相手のはずだ。だがどうだ?素人がここまで正確なバントをしてきた。もちろん偶然うまく事が運んでいる可能性は十分にある。だが彼らの直感はE組に満塁を許したのは偶然ではないと確信していた。故に杉野に対する警戒値も必然的に上がる。
もしかしたら実力を上げているのではないのだろうか。
進藤の球を見切っているのではないのだろうか。
そんな疑心暗鬼のような状態の野球部は陥っていた。そしてこの野球場はまるで自分たちに対してナイフを首元に突きつけられている感覚に陥った。
しかし杉野がバッターボックスに立ちしたのは先ほどの3名同様バントの構え。
彼らの心には若干のゆとりができた。
杉野も所詮は杉野だと。その心の緩みが、一瞬あった安心感が彼らにとって最悪の結果をもたらす。
進藤はいつもと変わらず剛速球のストレートを投げた。
しかし杉野はそれを全て見切っていたかのようにバントから通常の構えに戻しストレートを打った。
その球はホームランとはいかなかったがそれでもスタジアムの端まで届き先に出塁していた3人はホームに戻り杉野自身も3塁まで出ることができた。
E組は一挙に3得点もあげたのだ。
これには観客、放送席、野球部に衝撃が走った。
「そんなバカな。マズいぞこれは、、」
顔を青ざめそうつぶやいたのは椚ヶ丘中学野球部顧問の寺井だ。最初は余裕でいた彼も今は汗を浮かべて事態打開の策を大慌てで練っていた。そんな彼に声をかける人物が1人。そう理事長浅野学峯だ。
「顔色が優れませんね、寺井先生。体調が悪そうだすぐに保健室で休んだ方がいい。」
理事長はベンチに入るや否やすぐに顧問に声をかける。
「い、いえ。私はこのように元気なので、、、」
「あぁ、病気でよかった。病気でもなければこのような醜態をさらすような指導者が私の学校に在籍しているはずがない。」
顧問はすぐに問題ないことをアピールしようとするが最後まで話し終える前に理事長のプレッシャーに耐えきれずに失神してしまう。
「おぉ、すごい熱だ。早く寺井先生を保健室へ。」
わざとらしく声を上げて顧問を退場させた。そして
「寺井先生のいないあいだ私が臨時で監督を務めましょう。」
見事に野球部の指揮権を手に入れた。
「1回表からラスボス登場かぁ。」
E組サイドでは予想以上に早かった理事長の登場に不安を抱いていた。それには前回の中間試験での範囲変更の出来事がからんでいることは間違いないだろう。
今度はどのようなことをしてくるのかは検討もつかない。警戒をしておくことに異論はでなかった。
次の打順は岡島。理事長の策に警戒しつつもバッターボックスに立つ。
そこで理事長の策がみえてきた。
策と言うほどのものではない。野球部全員に前進守備を命じたのだ。ここまでを見れば野球経験のある杉野以外の全員がバントによって出塁をしている。だから相手方にはこちらにはバントしかないと気づかれた。
岡島にとってこの事態は完全に予定外。指示を仰ごうと殺先生の方をちらりと見るが先生も策が尽きたのか顔を隠して潜ってしまった。
結果、岡島はフライをあげてしまいアウトとなった。
「俺か。」
自分はそう呟いて準備を始める。ちらりと殺先生の方を見るが穴から出てくる気配はない。策が思いつかないのかあるいは俺に任せるということだろう。もし戦略上まずいことがあれば事前に注意をしてくるはずだ。
バッターボックスに立つと岡島が感じたプレッシャーがよく分かる。普通に考えたらすぐおかしいと感じる位の前進守備。通常の試合だとありえない光景だがE組がバントしかないと見抜いた手。こちらには効果抜群だ。
ここでふと違和感に気づく。先ほどよりも前進守備がほんの少しだが緩和されているのだ。
出される答えは1つ。警戒されている。杉野同様打てる人間として。それでも何人かはバントを警戒してかすぐに走りだせる状態にある。
この時点で策は完全に尽きた。俺の作戦は前進守備に集中させて奥に打ち杉野を帰らすつもりだったがこの状態ではその作戦も完全に潰れている。
大人しく諦めることにした。頭の中で考えても同じアウトになるという結論にしか辿りつかないからだ。
ピッチャー進藤君大きく振りかぶり投げた。」
「ストライク!」
審判の声が実況者のすぐに響いた。時間差をほとんど感じることがないほど進藤の球は速かった。殺先生の特訓を受けたおかげて多少遅くは感じても初見では素で見逃してしまう。先ほどとは大違いだ。理事長の手によりこの数分で一気に成長を遂げたのだ。
思わず体が熱くなる。ここ最近面白く感じる戦いがなかった。どこの奴らも少しの力を、優越感を持っただけで自分が強いと感じていただけで意志がなく面白さを持っていなかった。
だがこいつは違う。何かはわからないが強い意志を今は持っている。
改めて集中し直す今度こそ捕らえるためだ。再び進藤が振りかぶり投げる。
投げた球種はストレート。俺は球を見切り打ち上げた。
球は杉野ほどはいかなかったが元々前進気味な守備だったため追いつき戻すまでに猶予ができその間に杉野を返すことができた。私は一塁で止まることにした。
その後ダブルプレーをとられE組はチェンジになった。
「お疲れ様、翠。」
ベンチに戻っていると外から声をかけられる。
「春菜。終わったのか。そっちこそお疲れ。」
バスケの試合を終えた女子がこちらに応援にきたようだ。
「負けちゃった。残念残念。」
春菜は笑いながら報告する。
「そっか。」
「うん。」
「あ、そういうことごめんね。じゃあ頑張って。」
会話が続かないことで察してくれたようで女子の方へ春菜は戻っていった。
1回裏は杉野の新しい投球により無失点で抑えられた。
2回表最初のバッターは赤羽君。ここで動く。
「ねぇ、おかしくない。この前進守備どう考えても異常でしょ。あ!そっかお前らバカだからそんなことも分からないのか。」
殺先生と話していた赤羽君が周りを煽った。でもこの行動によって状況が変わることはなく結局前進守備の餌食になり3アウト。
次の裏では杉野君の球を学習した野球部が順応し2点を返してしまった。
3回表ここでも3アウト。追加点なし。
そして裏。ここで理事長の策により状況が大きく動く。野球部がバントをしてきたのだ。当然こちらは対応しきれずあっという間に満塁に。
本来素人相手にバントは愚の骨頂だが先にこちらが使うことで大義名分ができた。
「手本を見せてやる。」というそして最初と全く同じ状況を作り上げることで最高の見せしめになっている。
しかし殺先生はこれを予測していたのか再び地中から赤羽君に話しかける。
話終えると赤羽君が磯貝君に話しかける。磯貝の顔が若干引きつる。
「降谷君!!」
「わ。」
下からかけられた声に思わず驚いてしまう。
「これはすみません。突然ですが君の役割を話します」
「え、わたs、、、いや僕?」
「、、はい。今からカルマ君たちは前進守備をします。君には開いた守備の穴を埋めてください。万が一に備えてです。少し大変ですがよろしくお願いします。」
そう言って先生は戻ってしまった。
視線を戻すと理事長の魔改造でモンスターになってしまった進藤がバッターボックスにたつ。スターの登場に会場は沸き立った。
赤羽と磯貝は予定通り前進守備を始める。審判は注意をしようとするが赤羽が先制を打つ。
「さっき聞いたとき誰もダメだと言わなかった文句ないよね。」
なるほど、先ほどの抗議でその場にいた誰もが前進守備を容認した。バントと同じく真似をしたわけだ。
「どうぞご自由に。強者は近づいただけでは動揺などしませんから。」
理事長は余裕そうに答える。
「へぇーじゃあもっと。」
2人はゼロ距離守備を始めた。目の前に守備役。流石に進藤の集中も切れてしまった。
「思い切り振りなさい。たとえ骨を砕こうとも打撃妨害をとられるのは向こうの方です。」
理事長が発破をかけるがもう進藤の耳には届いていない。この時点ですでに進藤は理事長の予測を下回りプレッシャーに負けていた。
杉野投球に腰の引けたスイングをするが2人はクラス随一の反射神経と肝の持ち主。
ほとんど動かず避ける。
しかし進藤は最後の意地を見せた。
次の球に当てたのだ。すでに闘志をほとんど失ったスイングだったのでゴロだが3塁の方へ転がる。それをしっかりとり繋げてトリプルプレーをとり試合終了。
2ー5でE組の勝利となった。
しばらく時間を空けた期間で色々アイデアを纏めてもいました。
今回の話で違和感を感じると思います。
その違和感は次回の投稿で解明していけたらいいなぁ。(願望です。)
次回は年越さないように頑張りたいと思います。これからもよろしくお願いします。