また力ダメの日々に入る
その時空気が固まった。お互いの大技をかけて最後の一手にするという言葉からお互いの最強技を放つと思われていた。
合図として高町士郎が人が出せないほどの圧倒的な速度で接近した。問題は模擬戦相手の康だ。
何を思ったか急に木刀を片手で帯刀のような形で手に収め、降参のポーズの意味を持つ両手お手上げを披露する。これには隊長を信頼していた水心子正秀も驚愕に顔を染める。
士郎もその動きを見ることができ目を開けたが、なにせ必殺技は放たれた。止めることは難しい。それに彼に言われたのだ。対剣士用の大技を使うから気にせず突っ込めと。
そして木刀の切っ先が彼の心臓付近に到達しようとした瞬間不思議な光景を見る。
キィンと鳴る謎の金属音。同時に攻撃を仕掛けていた士郎の体に走る謎のプラズマ波。康はいつの間にか士郎の背後に片膝立ちで木刀を帯刀するような構えを取っていた。
先ほどの速度とは思えないような速度で帯刀していた彼の姿は隙が大きすぎる。
しかし、士郎は動けない。体がしびれるとかの話ではなく、本当にかけらも動けない。さらに言えば士郎からは康の姿を確認することができない。神速をもってとらえることのできない速度。もはや人ではないだろう。
時は来た。手と手を突き合わせて木刀を帯刀するような構えをとる。
瞬間吹き飛ばされる士郎の体。見ていた者たちは理解の範疇を超えた動きに思わず無感情になる。水心子正秀は安心して小さく息をこぼしていた。
これも彼の問題行動に慣れてきたからだろう。巫剣たちの気苦労は絶えない。
できたー!一刀両断カウンター!禍憑相手には本物の刀で行ったから爆発四散したが、木刀だったおかげで吹き飛ばされる程度に収まってくれた!そう予測もしたので当然と言えば当然なんだけれど。
気を張っていたのもあって精神的に疲れた。士郎さんが呆けながらこちらを見ているので起こしに行く。倒れたまんま俺を凝視されても困るだけですよ。
手をとって起こした後、数秒経って頭の整理がついてきたのかこちらに質問してくる。もちろんこれの答えはちゃんとあるので答えていく。
「い、いまのはいったい…」
「だから言ったじゃないですか。対剣士用の大技だって。さらに言えば剣士だけではなく、蹴りや鎌などの近接攻撃用の技なんですど。」
「ど、どういったものなんだい!?」
「簡単に言えばカウンターです。俺の場合はそのカウンターが少々特殊で完全に攻撃できなくなる代わりにカウンターが成立すれば相手を動けない状態にしてそこから攻撃を加えることができるんです。」
「あ、あの衝撃は」
「あれもほぼ自動で行われています。相手に剣の、もしくは刀の腹を当ててそこに気を込め、動作の終わりに暴発させるようにしています。少々時間がかかるのは体全体にその気を送っているためですね」
実際そういう風にできていると知ったのは初めての禍憑カウンター成功時である。カウンター成功時に相手の体に気が急激に広がるのを感じた。これを使って爆発させてんだなぁとわかった瞬間。リボル〇インと叫びたくなった俺は悪くない。
「体が動かなくなったのは」
「私の気が関係しているともいます。気はすなわち精神そのもの。それが私の気で阻害されて動かなくなると考えていますね。」
体にまとわるプラズマ波はいわば俺の気そのもの。神経が微弱な電気信号で動いているものをさらに大きな電気信号で上書きして動けなくなっているというものが、目が見える変化というもので出てきた結果と思われている。
このあとも俺が放ったカウンターの技で少々話し合いと考察が入り交じり、やっと復活してきた観戦者たちの歓声とすいちゃんのキラキラした目を見たところで模擬戦終了と相成った。
ふ~疲れた。
そのあと高町士郎と連絡先を交換し、困ったところをお互いに助け合いましょうという話をして解散した。すいちゃ~ん、帰るよ~。
「はい、了解しました。第97管理外世界地球と第179管理外世界銘治との転送ポートの常時設置と管理を月村忍さんと康少尉に譲渡します。」
あれからちょっと移動して次元航行艦アースラへ移動し、軽く転送ポートとこちら側の説明がされた。俺に魔力は検知されなかったようだが、高町士郎との模擬戦が見られていたので、時空管理局へ勧誘が行われたが、丁寧に断った。
さすがに二つの職を兼任するほど要領はよくないので仕方ないといえば仕方ない。もしもだが必要になったらなおや君経由で教えてくれと言っておいた。基本的に念話は届かないが、専用の端末を手に入れたのでそれも可能だろう。
ちょっと難しい話を軽くしていたが、その後の談笑に少し時間をくってしまい、海鳴市へ戻るのが午後7時となってしまった。
夜ご飯を高町家でご馳走してもらい、めいじ館で待っている(はずの)きくちゃんまっちゃんなどの巫剣たちや秘書の七香、その妹の八宵のお土産に翠屋のシュークリームを持っていくことにした。ちゃんとしゅーくりーむと表示するので問題はない。
帰るまでに30分あるのですいちゃんはなのはちゃんたちの話し相手をして、俺はなおや君や士郎さん、恭也君と話ていた。
「父さんに勝ったって本当ですか?それと康さん20歳だったんですか?」
「なんとかね。年齢で驚かれるとはそんな老けて見えるの俺」
「アハハ…」
帰る前まで俺に心のダメージを負わせるとはこの子できる(精神的気疲れ)
「なおや君、いつでも相談に乗るから困ることがあったら士郎さんや恭也君、それに俺に連絡をくれな」
「はい!ありがとうございます!(ほとんどなのはちゃんたちの話をするのであなたに相談する回数が多くなると思います。)」
最後まで苦労人の域を出なかったなおや君のフォローをしておく。女性って怖いよね。分かるわ。
そして一時のお別れの時間。
「海鳴市のみなさん、今日はありがとうございました。黄金の禍要柱のようなものが現れたら俺に一報を。すっ飛んできますんで。」
「Every one!今日はThank youね!楽しかったですよ!」
「隊長さんも今日はありがとうなの!」
「お二人さんもお元気でー!」
「ハハハ!ありがとな!ではオタッシャデー!」
「See you! また今度会いましょう!」
『ばいば~い!』
「すいちゃん。どうだった?地球」
「とてもとても楽しかったです!」
「それはよかった。俺としても言った意味のある休暇だったよ。さて、明日から頑張るぞ!みんなに任せっきりは隊長としてまずいもんな!」
「はい!頑張っていきましょう!」
さて!お土産のシュークリームを渡して明日から禍憑退治の日々だ。精をつけていかなければ。
第1目標
→転生者のチート化 成功
第2目標
→ハーレム 条件付き成功
第3目標
→高町士郎さんから赤枠改式カウンター 大成功
まずは1部終わります。
できれば感想お願いします。