ドラえもん のび太の獣友冒険記   作:獅子河馬ブウ

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なんか次に公開されるドラえもんの映画、結構面白そうですよね。自分ドラえもんの映画は基本的にはレンタルした物を見ているんですけど、今回の映画のcmやpvを見る限りもしかしたらあの恐竜が出るかもしれないと言う噂ですよね。絶対に見に行きます。


それと遅れてすいません。


第10話おうちめぐり

ドラえもん達は時間が経つまでアリツカゲラ達と共にアードウルフの新しい住処探しにオオカミの運転するバスに乗っており、サーバルとカラカルにキュルルはモノレールとは違った乗り物であるバスを興味深そうに辺りを見ていた。アリツカゲラとアードウルフはこれから向かう物件についての詳細を話し合い、ドラえもんは運転席でバスを運転するオオカミと話をしている。

 

 

「オオカミさんってバスの運転が出来るんですね」

 

「まぁね、漫画を描くにあたっては色々と経験が必要だからね」

 

 

彼女は他のフレンズよりも道具や乗り物を使いこなしている事にドラえもんは珍しく思っていた。

最初はてっきり、このバスにもラッキーさんがいて運転しているのかと思い込んでいたが、オオカミ自身が運転していた事に少々驚いていたのだ。

 

 

「まあ、そこにいるボスも一応運転出来るはずだよ」

 

「そうなのラッキーさん?」

 

『僕たちラッキービーストはパークの乗り物を運転してお客様をガイドする事ができるんだ〜よ』

 

 

どうやらパークガイドを務めるラッキービーストは案内だけで無く他にも多くの事ができるようだ。ドラえもんはそれを聞いてラッキーさんがモノレールを動かせた事に納得する。

一方でサーバル達はモノレールとはまた異なる乗り物のバスにそれぞれ反応する。

 

 

「なんか、モノレールに似ているけど少し揺れるわね」

 

「そうかな?とてもワクワクするよ」

 

 

カラカルは安定したレールを走るモノレールより凸凹した道を走り揺れるバスに不安になるが、対してサーバルはその状況を楽しそうな表情を浮かべながらバスの壁に爪を研ぐ。

 

 

「さ、サーバルちゃんバスの壁を引っ掻いたらダメだって!」

 

「そうですよ!これはオオカミさんの乗り物なんですから傷つけてはダメですよ」

 

 

バスの壁を引っ掻くサーバルを見てキュルルとアードウルフは慌てて止めるように言う。すると、運転しているオオカミは2人の話声を聞いてニヤリと悪そうな笑みを浮かべて口を開く。

 

 

「ふーん、私の大事なバスに傷をつけるなんてサーバルは酷いね」

 

「あっ⁉︎ご、ごめんね!」

 

 

サーバルは慌てて壁に爪を砥ぐのをやめてオオカミに謝る。すると、オオカミは「ふふふ」と軽く笑う。

 

 

「今のは冗談だよ。別に私はそういう目に残るものはその日に何があったか覚えやすいからね」

 

「そう?それなr「ただし」へ?」

 

 

許してくれそうなオオカミにサーバルは一度安心するが、彼女が話を続けた事に話を聞いていると、オオカミがバスを一旦停車させる。

 

 

 

「過剰にやったらガブリといくよ」

 

「あ、ハイ」

 

 

サーバルの方に振り向いた彼女は一瞬だけ野生解放をしてサーバルに次は無いと言わんばかりに注意すると再び運転を再開する。一方でサーバルは顔色は青くなり、壊れたロボットのように硬い返事をする。

 

 

「オオカミさん今のって冗談ですよね」

 

「……さあ、どうだろうね」

 

「え?」

 

 

アードウルフは先ほどサーバルに注意した事は冗談であると思ったが、オオカミの考えさせる発言に思わず表情が固まってしまった。彼女の発言からするとどうやら半分本気のようだ。

 

 

「そ、それよりもオオカミさん私のためにありがとうございます」

 

「気にする事ないよ。困ったらお互い様って言うからね」

 

 

アードウルフは話題を変えようと、自身の住処の為にバスに乗せてくれたオオカミにお礼を言う。対してオオカミは気にするなと言っていた。それを見たキュルルは2人の仲の良さを見て思わず口に出した。

 

 

「それにしてもアードウルフさんとオオカミさんはどっちもイヌ科だから仲がいいんだね」

 

『それは違う〜よ』

 

「え?違うの」

 

 

2人とも同じイヌ科だと思っていたキュルルだが、それを否定したラッキーさんの言葉に耳を傾ける。

 

 

『タイリクオオカミはイヌ科だけど、アードウルフはイヌ科じゃなくてハイエナ科なんだ〜よ』

 

「そうなの⁉︎」

 

「はい、ラッキーさんの言う通り私は一応ハイエナ科です」

 

 

キュルルはてっきりアードウルフも見た目と名前にウルフがついているからてっきりイヌ科だと思っていたようだ。

 

 

「まあ、ハイエナって聞くと少し怖いイメージがあるけど、アードウルフは小さくて可愛らしいって事からそのイメージをひっくり返しているんだ」

 

「可愛いだなんてそんな…」

 

 

可愛いと言われたアードウルフは若干照れて、尻尾を揺らした。一方でキュルルは気になることがまだあった。

 

 

「でも、なんでハイエナの仲間なのにウルフって名前なの?」

 

『ハイ「ハイエナは前足の指が基本は4本なんだけど、アードウルフはオオカミなどのイヌ科と同じ前足の指が5本ある事から言われているんだよ」……』

 

「な、成る程…」

 

 

キュルルの質問に答えようとしたラッキーさんだが、先ほどのお返しと言わんばかりにドラえもんが割り込むように説明した。キュルルはそれを見て、納得したドラえもんが大人気なくラッキーさんにドヤ顔を浮かべている姿を見て苦笑いを浮かべる。カラカルもドラえもんを見て呆れた表情を浮かべる。すると、窓の外を見ていたアリツカゲラが声を上げる。

 

 

「あ、オオカミさんここら辺で止めてください」

 

「はいよ」

 

 

オオカミはアリツカゲラの声に応じてバスを停止させる。アリツカゲラはバスが止まった事を確認するとドラえもん達の方に顔を向ける。

 

 

「皆さん。紹介する2つの物件に着きましたので降りましょう」

 

「着いたんだね」

 

「いったいどんな物件か楽しみです」

 

 

全員はアリツカゲラを先頭にバスから降りると、これから見る物件を楽しみにしながら歩き出す。

そして、バスから少し歩いた先にはタイヤが外れ、少し錆が目立ち、一部窓ガラスが破損している小型のバスがあった。

 

 

「こちらは先ほどまでわたし達が乗っていたバスとは少し違った物でバスハコバスハイツと言います。とても丈夫ですし、いい感じに狭くて安心する感じ…元ラーテルさんの巣です」

 

「え、誰かがもう住んでいたの?」

 

「はい、アードウルフさんのご要望は少し古くて、尚且つセキュリティが良い物件が良いとの事でこちらの物件にしました」

 

「なんで新しい巣じゃなくて古い巣なの?」

 

 

キュルルにとっては新しい方が古い物件よりも頑丈で清潔感がある為、古い物件を選んだアードウルフに疑問の声を述べる。

 

 

『アードウルフは主に草原やサバンナなどの低い木々の茂った場所に住んでいる〜よ。巣は自分で掘った穴を使ったり、ツチブタやトビウサギの古巣を利用する事もある〜よ』

 

「そう言う習性なんだ」

 

 

すると、ラッキーさんがアードウルフの習性を説明すると、彼女が古巣を選んだ理由について理解した。

 

 

「はい!それに先に住んでいた子がいたって事はその場所がきっと安全だったって事だと思うんです〜」

 

「へぇ〜、ちゃんと理屈が通っているね」

 

 

ドラえもんはアードウルフが古巣を選んだ理由にちゃんと理屈が通っている事から感心する。しかし、それを聞いていたカラカルが少し疑問を持つ。

 

 

「何かあったから引き払うって事もあるでしょ」

 

「は⁉︎…そ、それは……」

 

「そこまでは考えていなかったんだね」

 

 

カラカルの発言に思わずアードウルフはそれは盲点だったと言わんばかりの驚愕の表情を浮かべる。それを見たドラえもんは苦笑いを浮かべる。

 

 

「事故物件は扱ってないのでご安心を」

 

「そ…そうですか」

 

 

アリツカゲラが事故物件は用意してないと聞くとアードウルフは安堵の息を吐く。一方サーバルはハコバスハイツに興味深そうに眺めていた。

 

 

「ねぇ、中に入って良い?」

 

「はい、実際に中で横になった方が住み心地が良くわかると思いますよ」

 

「やったー!」

 

 

アリツカゲラから許可を得られた事にサーバルは喜び、そのままハコバスハイツに入り込むと、彼女はハコバスハイツから顔をみせる。

 

 

「みんなもおいでよ」

 

 

そう言ってサーバルは手を招き、全員はハコバスハイツに近づき中を覗くと、そこにはトタン板を毛布がわりにして横になっているサーバルの姿があった。

 

 

「なんかワクワクしてきたよ」

 

「そう…かしら?」

 

「ふむふむ、横になるときの姿はこんな感じか」

 

 

トタン板を使って横になっているサーバル姿にカラカルはシュールに思えた。その隣にいたオオカミは今のサーバルの姿をスケッチする。

 

 

「そうだ!キュルルちゃんもどう?こうすればお家について何かわかるかもしれないよ」

 

 

サーバルに誘われたキュルルは少し考えると、「いいよ」と返事をしてハコバスハイツに乗り込むとサーバルの隣に横になる。

 

 

「……なんだろう。僕もこうしてみると懐かしく思ってきたよ」

 

「ひょっとして、これがキュルルちゃんの巣かな?」

 

「うーん、違うかな」

 

 

キュルルが"懐かしく思った"と聞いて、サーバルはこのハコバスハイツが彼女のお家と思ったが、どうやら違ったようだ。それを聞いたドラえもんは"まぁ、そうだろうね"と心の中で呟いていた。

 

 

「アードウルフさんはどうですか?」

 

「えっと、まだ他のを見てから決めます」

 

 

アリツカゲラにハコバスハイツは如何か聞くが、まだアードウルフは真剣に考えて、もう一つの物件を見てからまだ決めるようだ。

そして、ある程度ハコバスハイツを満喫した一同は続いてそのすぐ隣に置かれてある物置の前に移動した。

 

 

「続いて紹介するのはこちらもかつてヒトが使っていた、沢山の荷物を入れていた大きな箱、"モノオキハウス"です。見た目はやや汚れていますが、頑丈で出来ているため、雨風を凌ぐ事ができます。そして、何よりこれは上と下が分かれているため、2人で住むことが可能です」

 

 

アリツカゲラが"モノオキハウス"について説明すると、サーバルは先ほどと同じようにモノオキハウスの上の段にに入って横になる。カラカルもサーバルと同じく興味深そうに恐る恐る下の段に入り込んだ。

 

 

「うわぁ、なんかここも落ち着くね〜」

 

「確かにそうね」

 

 

2人とも満足そうにしている顔を浮かべている事からアードウルフはモノオキハウスを気にしていた。一方でドラえもんが2人の様子を細目で見ていた事にキュルルは気づいた。

 

 

「あれ、どうしたのドラえもん?」

 

「いや、なんかとても見覚えある光景なんだけど」

 

 

物置の上の段に横になるサーバルを見て、のび太の部屋にある押入れで寝る自身の姿と重なって見えたのだ。

 

 

「ドラえもんちゃんもどう?」

 

 

先ほどからモノオキハウスにいたサーバルが出てくると、試しに寝てみないかと今度はドラえもんを誘い、誘われたドラえもんは「いいけど」と返事をして、先ほどまでサーバルがいた上の段に上がり、そこで横になる。

 

 

「ほぉ、なかなかいい絵になるね〜」

 

 

モノオキハウスに横になったドラえもんの姿にオオカミはスケッチブックにドラえもんの絵を描き込む、

 

 

「ドラえもんちゃんすっごく似合うよ」

 

「僕も何故だかわからないけど、ドラえもんにぴったりだね」

 

 

サーバルとキュルルはモノオキハウスの中で横になるドラえもんを褒める。2人の隣にいたカラカルはドラえもんの表情を見て何かに気づく。

 

 

「どうしたの?あんまり嬉しそうじゃないみたいだけど」

 

「いや、なんていうか。この状態を褒められてもそれ程喜べないかな」

 

 

ドラえもんは普段のび太の家ではのび太の部屋にある押入れを寝床にしている為、親近感と微妙な感覚に見舞われていた。その様子をアードウルフとアリツカゲラも見ていた。

 

 

「どうですかアードウルフさん?こちらのモノオキハウスも中々良いと思いますけど」

 

「やっぱり両方とも目立ち過ぎる気がして……セルリアンに見つからないか不安ですし」

 

「そうかしら?」

 

 

ドラえもん達の姿を見てモノオキハウスを新しい住処にするかと聞くが、アードウルフはセルリアンに見つかる可能性を考えて不安になる。

 

 

「あの箱ごとメリメリグシャグシャと…ああ!考えるだけに恐ろしい──もっと、もっと安全をー‼︎」

 

「い、イメージ膨らませ過ぎない?」

 

「おっ、いい顔いただき」

 

「何処がいい顔なのよ⁉︎」

 

 

更にアードウルフはまるで悪霊に取り憑かれたように顔面蒼白になって想像を膨らませる。それを見たカラカルは若干引いていた。その隣にいたオオカミはアードウルフの顔をスケッチブックに書き写していく。

 

 

「な、なんかアードウルフさんってこんなにも心配性だったんだね」

 

「僕も驚いているよ」

 

 

そして、ドラえもんとキュルルは初めてさばんなちほーで出会った彼女と目の前にいる彼女のギャップが全く異なる事に思わず困惑する。

しかし、サーバルだけは不思議そうにアードウルフを見ていた。

 

 

●●●●●

 

 

それからアードウルフはアリツカゲラに更にセキュリティの高い物件を求めるが、この近くには無い為、次の物件までは再びバスを動かして移動するが、その途中にあった森の入り口でバスを停止させる。

 

 

「ここから先は道が狭くなっている為歩いていきましょう」

 

「なんか蟻塚からどんどん遠ざかっていくね」

 

「すいません無理を言ってしまって」

 

 

アードウルフは自分の我がままで蟻塚から遠く離れた物件を巡ることになってしまった事にドラえもん達に申し訳ないと謝罪をする。

 

 

「大丈夫。すぐにアードウルフの新しい巣が見つかるよ」

 

「そうだといいんですが……」

 

 

夜までにはまだ時間があり、それまでには新しい住処が決まるだろうとサーバルは思っていた。

 

 

「そういえば、アードウルフちゃんって今回の引越しって何回目なの?」

 

 

少し前にサーバルからアードウルフはさばんなちほーで何回も引っ越しをしていたと聞いていた為、それがいったい何回かをドラえもんは好奇心で聞いてみる。

 

 

「引っ越しというよりは物件巡りなんですけど、先ほどの二つで50件目となります」

 

「「「「50件⁉︎」」」」

 

 

どうやら以前の引っ越しの時までは48件をめく巡って決めたようだ。

よくみるとアリツカゲラの目の下に薄らとクマができており、若干やつれている。その表情から彼女が長くアードウルフの為に物件を探している苦労がよくわかる。

 

 

「結構引っ越したって聞いたけど、幾らなんでも慎重過ぎるんじゃないかな?」

 

「すいません。私自分自身でも心配症なんです」

 

(これは慎重や心配症ではなく最早病気のような気が……)

 

 

キュルルとアードウルフが話し合う中でドラえもんはアードウルフのあまりの慎重さに内心やや引いていた。

一方でオオカミは窶れているアリツカゲラに近寄り心配そうに話しかけていた。

 

 

「アリツさん……大丈夫?」

 

「いえ、オオカミさん心配には及びません。これも私の不徳の致すところ。お客様に安心して頂ける物件を探すのが私の使命…そして、生き甲斐!

 

「え?」

 

「アードウルフさんに安心して頂ける最高のセキュリティ!究極の安心物件…ご案内させていただけます!」

 

「あ、アリツさん?」

 

 

先ほどまでと比べて急にテンションが高くなったアリツカゲラにオオカミは思わず目が点になる。

それから森の中を暫く歩くと、次の物件に着いたのかアリツカゲラが足を止める。

 

 

「皆さん、次の物件に着きました」

 

「次の物件って……」

 

「何も無さそうだけど?」

 

 

アリツカゲラが次の物件に着いたと言うが、サーバル達は周りを見渡すが、何処にも物件らしきものは無かった。

 

 

「何を言っているんですか、次の物件はこちらです!」

 

「こちらって……」

 

 

アリツカゲラが指を指したところを見ると、そこには周りの木と比べて一回り大きな木が生えていた。どうやらこの気が物件のようらしい。

 

 

「それでは紹介させていただきます。まず究極の刺客その1ッ!」

 

「「刺客⁉︎」」

 

 

アリツカゲラの発言にドラえもんとカラカルの2人は思わず声を上げる。対して、アリツカゲラは2人の話は聞かずそのまま物件の紹介を始める。

 

 

「こちらは先日までキゴシツリスドリさんの物件だった"ツリツリツリーハウス"です!」

 

 

周りの木と比べて一回り高い木が生えており、その木の枝には幾つもの食虫植物(ウツボカズラ)に似た籠が引っ掛けられていた。それを見たオオカミは「ほほう」と興味を示した声を漏らし、スケッチブックに目の前の巣を描いていく、

 

 

(ツリツリツリーハウスって……駄洒落じゃん)

 

「キゴシツリスドリ?」

 

『"キゴシツリスドリ"は木の枝に籠状の巣を作る鳥なんだ〜よ。コロニーを作る習性があるから一つの木に沢山の巣がぶら下がっている様子が見られる〜ね』

 

「あの籠の中なら外敵は心配無用です」

 

「でも、ちょっと目立ち過ぎる気も…」

 

「そうかな〜?」

 

 

目の前の物件を見てアードウルフは目立つと心配する。しかし、アリツカゲラは「ふふん」と得意げな顔を見せる。

 

 

「安心してください。そこでさらなるセキュリティを配しています」

 

「なんと!」

 

「アードウルフ、ノリノリだね」

 

「そ、そうね…」

 

 

アリツカゲラの影響でテンションが高くなっているアードウルフにサーバルは嬉しそうな顔を浮かべるが、対してカラカルは若干引き気味であった。

 

 

「でも、更なるセキュリティってなんだろう?」

 

「さぁ」

 

 

ドラえもんとキュルルは辺りを見渡すが、何処にもそれらしき物は存在しなかった。キュルルはひょっとしてあの巣の中に何か秘密があるのではと考える。

 

 

「ん?…まてよ」

 

「どうしたのドラえもん?」

 

 

一方でドラえもんは何かに気づいたようだ。

 

 

「確かキゴシツリスドリって巣の近くに……あ、そうだ!」

 

「何か思い出したの?」

 

「うん、キゴシツリスドリって"スズメバチの巣"の近くに自分の巣を作っているんだった」

 

「「「「「へぇ〜……え?」」」」」

 

 

アリツカゲラ以外の全員はドラえもんの発言を聞いて最初は納得した声を上げるが、少し間が空くと疑問の声を漏らす。

 

 

「ま、まさか」

 

「セキュリティって……」

 

 

ドラえもんの話を聞いたオオカミとカラカルは段々と顔色が青くなっていく。そして、背後からは「ブーン」と言う音が聞こえ、全員は恐る恐る背後を振り返るとそこにはスズメバチの大軍がこちらを鋭い複眼で睨んでいた。

 

 

「「「「に、逃げろぉぉぉー!」」」」

 

 

襲いかかってくるスズメバチの大軍に全員はその場から全力疾走する。それから暫くしてスズメバチから振り切り、ツリツリツリーハウスから離れたところの木の下で休憩していた。

 

 

「はぁ、はぁ、す、スズメバチの巣が近く、に、あるなら、さ、ざきに言いなさいよ、は、はぁ」

 

「す、す、すいません、こ、こんな、こ、事になる、とは思っても、み、み、みませんでした」

 

 

スズメバチの事を前もって教えなかったアリツカゲラにカラカルは息を切らしながら文句を言う。対して説明不足だった彼女も息を切らしながら謝った。

 

 

「で、ですが、はぁ、はぁ、これはすごいセキュリティです」

 

「身の、安全がはぁ、守られない、はぁ、セキュリティなんて、はぁ、き、危険よ!」

 

 

アードウルフのズレた発言にカラカルはなんとか声を上げる。一方で、3人の話に交わらないドラえもん達は地面にぐったりと倒れていた。

 

 

「ちょ、ちょっと、走り過ぎて、喉が渇いた…」

 

「あ、アリツカゲラァ〜、どこかに水が、飲める、場所はないのぉ?」

 

 

一同を代表にサーバルとカラカルの2人はアリツカゲラに水飲み場は何処かと聞くと、アリツカゲラは息を整えて答える。

 

 

「それなら、次の紹介する物件に水飲み場があるのでそこでお水を飲みましょう」

 

 

そう言うと、アリツカゲラはサーバル達を再び次の物件までの案内をする。

 

 

●●●●●

 

 

次の物件の近くに辿り着いた一行はそこにあった激しく流れる滝のしたにある滝壺の水を飲み、渇いた喉を潤わせた。

 

 

「さて、水を飲んだ所で早速物件紹介といきましょう」

 

 

そう言ってアリツカゲラは滝の裏側の岩壁を登り出す。その後をアードウルフとサーバルとドラえもんが付いていく。

 

 

「それではご紹介いたします!究極の刺客その2ッ‼︎」

 

「どうですかあああ!!大迫力でしょおおお!!」

 

「すっごおおおおおい!!」

 

 

4人は滝の大きな音に自分たちの声が消えない様に声を張り上げながら岩壁を登っていく。

 

 

「や、やっぱり危険だから降りよおおおお!!」

 

「へーきぃ!!へーきぃ!!」

 

 

一方でドラえもんは危険である為、3人に止める様に言うが、サーバルはいつもの様に呑気な発言をする。※但し声は大きい。

一方でアードウルフは先程から激しく流れる滝の飛沫に耐えながら周りを見渡すが、何処にも物件らしきものは見当たらなかった。

 

 

「あのおおお!!それで巣はいったい何処にぃぃぃー!!」

 

「此処ですぅぅ!!」

 

「へ⁉︎」

 

 

アリツカゲラの発言に彼女は思わず声の大きさが元に戻って呆然となり、アリツカゲラはそのまま話を続ける。

 

 

「此処が元オオムジアマツバメさんの巣…滝裏ゴーゴー庵です!」

 

「え、あんなところにも住んでいるの?」

 

 

アリツカゲラの物件の説明を聞いたキュルルは滝の裏側に住む動物がいる事に驚きの声を上げる。すると、その声に反応したラッキーさんが解説を始める。

 

 

『オオムジアマツバメは滝の裏を巣にしている鳥なんだ〜よ。滝裏の岩壁にしがみついて外敵から身を守るんだ〜よ。因みに出入りは滝の正面から突入する〜よ』

 

「これ、完全にあの子向きじゃないよね」

 

「ははは…確かにね」

 

 

ラッキーさんの解説を聞いたカラカルはアードウルフに全く適した物件ではないと思い、キュルルも苦笑いを浮かべながら同意する。

 

 

「うぎゃー!」

 

「あ、サーバルが落ちた!」

 

 

その時、サーバルの掴んでいた岩壁部分が脆かった所為で崩れ、そのまま真下にいるドラえもんの方に真っ逆さまに落ちていく。

 

 

「へ?」

 

ガァァァーン!!!!

 

「「ぐえっ⁉︎」」

 

「あ、ドラえもんも巻き込まれた」

 

 

上から落ちてきたサーバルにドラえもんは見上げたが、すでに手遅れで、そのまま2人の頭は激突して、ドラえもんはあまりの衝撃で岩壁から手を離してしまい。サーバルと共に滝壺へ落ちていった。

 

 

●●●●●

 

 

滝壺に落ちたサーバルとドラえもんは下にいた3人に岸に引き上げられて、なんとか命に関わる事は起きなかったが、サーバルの頭には大きなタンコブができていた。

 

 

「うう…頭が痛いよぉ〜」

 

「大丈夫サーバルちゃん」

 

 

自身の石頭の所為でできてしまった痛々しいタンコブを見てドラえもんは心配そうにする。

 

 

「ドラえもんは甘やかさなくて良いわよ。そもそもサーバルがドラえもんの忠告を無視したからそうなったのよ」

 

「うう……」

 

 

カラカルに的確な事を言われたサーバルはぐうの音も出なかった。すると、風が吹き全身ずぶ濡れのサーバルの体を余計に冷やす。

 

 

「へ、へっくーしょん!」

 

「うわっ⁉︎ちょっとサーバル!くしゃみするならこっちでやらないでよ」

 

「ご、ごめーん」

 

 

誤ってカラカルの方にくしゃみをしてしまったサーバルは彼女に謝るが、そこから2、3回くしゃみをしてしまった。

 

 

「このままにすると風邪を引くかもしれないから取り敢えずその服を乾かさないとね」

 

 

そう言うとドラえもんは右手をポケットに突っ込むとそこから道具を取り出した。

 

 

「瞬間クリーニングドライヤー」

 

「なんですかそれは?」

 

 

ドラえもんのポケットに入っている道具を初めて見るアードウルフ達は興味深そうに見つめていた。

 

 

「これは水とかで濡れた物を一瞬で乾かす事のできるドライ…道具だよ。使い方は簡単。この道具をサーバルちゃんに向けてスイッチを押す」

 

 

そう言うとドラえもんはサーバルの濡れた体に瞬間クリーニングドライヤーの吹き出し口から出てくる熱風を当てると10秒くらいで濡れた体は乾いた。

 

 

「うわぁ〜!毛皮がもう乾いたよ!それに体がポカポカするー!」

 

 

先程まで冷えていた体があっという間に暖かくなった事にサーバルは気持ちよさそうな顔を浮かべる。

 

 

「すごいや!……あれ、カラカル何か言わないの?」

 

 

いつもドラえもんの出す道具にツッコミを入れる彼女が今回はただ黙って見ている事にキュルルは不思議に思っていた。

 

 

「いや、なんていうか。今まで見てきた道具と比べると今使っている道具が普通に見えるのよ」

 

「ま、まぁ、確かにそうだね」

 

 

ドラえもんは今までなにかとあっと驚く凄い道具を出してきたが、今使っている道具は熱風を出す道具(ドライヤー)である為、驚く事は無かった。

 

 

「ほう、君のポケットには不思議物が入っているようだね」

 

「凄いですよドラえもんさん!」

 

「他にもまだあるんですか?」

 

 

3人はドラえもんに寄って追求する。カラカルにとっては地味な道具に見えたかもしれないが3人にとっては物凄い道具であると認識している。

 

 

「いや〜、照れるなぁ〜」

 

 

ドラえもんはオオカミ達に褒められた事にまた鼻の下を伸ばして顔を赤くする。それを見たカラカルは呆れた表情を浮かべ、キュルルは苦笑いを浮かべる。そして、サーバルはそれを見て自分の事みたいにドラえもんを自慢する。

 

 

「ドラえもんちゃんはすごいんだよ!何時もこうして私たちや他のみんなを助けてくれるの!」

 

「「っ!」」

 

 

すると、サーバルの発言にオオカミとアリツカゲラは目を見開く。対してサーバルは2人の顔を見て疑問符を浮かべる。

 

 

「あれ、私変なこと言った?」

 

「い、いえ、なんでもないです!」

 

「………」

 

(なんか怪しい)

 

 

アリツカゲラは慌てて否定するが、カラカルは一瞬だったがアリツカゲラの目が泳いだところを見逃さなかった。

カラカルの視線に気付いたアリツカゲラは何か言おうと考えだす。

 

 

「そ、そう言えばドラえもんさんって、爪とか指が無さそうですけど、どうやってその手で物を持ったり壁を登ることができるのですか?」

 

「へ、僕の手?」

 

 

急に話題を振られた事にドラえもんは自身の手に視線を移した。

 

 

「そう言えばそうだね」

 

「……まぁ、確かに私たちそこはあまり考えた事がなかったわね」

 

「ドラえもんいったいその手はどうなっているの?」

 

 

サーバル達もあまり意識していなかったが、意識するとドラえもんの手が何故物を掴めるのか疑問を感じ、3人は彼の手に視線を移す。

 

 

「ふふん、それは僕にはもともと道具以外にも常に備わっている物があるんだ」

 

「それはいったいなんですか?」

 

 

ドラえもんは得意げな顔を浮かべると、いつもの様にポケットの中に手をしばらく入れてそこから手を出した。

 

 

「ペタリハンド!」

 

「なにも持っていないじゃない」

 

 

カラカルの言う通りでドラえもんの手には何も持っていなく、いつもの団子みたいな手しかなかった。

 

 

「違うよ。ペタリハンドは僕の手の事で触れた物を意識している間この手にくっ付ける事が可能なんだよ」

 

 

そう言って足元に落ちていた小石を拾って、そのまま石を振り払う様に払うが、全く手から石が落ちなかった。

 

 

「へぇー、だからドラえもんは道具を持てたのね」

 

「そーゆう事。まあ、例えばさっきの岩壁とかはサーバルちゃんと頭をぶつける前までは落ちる様子はなかったでしょ」

 

「成る程…」

 

 

一同はドラえもんからペタリハンドについての説明を聞きいて理解した。

 

 

「そういえばアードウルフさんはどうするの?さっきの物件にするの?」

 

「いえ、さっきのサーバルさんを見てやっぱりやめようと思います。それに岩壁に長時間しがみついていられるか不安ですし」

 

「うん、それがいいよ」

 

 

アードウルフもドラえもんや岩壁に長時間しがみつく事は出来ないと判断して、別の物件にする事にした。一方でカラカルはそんなアードウルフに声をかける。

 

 

「ねえ、やっぱりさばんなちほーに戻ったらどうなの?」

 

「え?」

 

「そうだよ。サバンナにいればカバがいるからセルリアンに襲われる心配はないよ」

 

 

サーバル達にとってカバはさばんなちほーの中でも1、2を争う程の実力を持っている為、彼女の近くにいれば安全であると言うが、

 

 

「だ、駄目です!」

 

「え?」

 

「アードウルフ?」

 

 

突然アードウルフは血相を変えて叫んだ事にその場にいた全員は呆然とする。

 

 

「私がカバさんのところにいると……」

 

「カバがどうかしたの?」

 

 

アードウルフの発言に不審に思ったカラカルは追求するが、彼女はハッとなり慌てて首を横に振る。

 

 

「い、いえ、なんでもありません!そ、それよりもアリツカゲラさん次の物件をお願いします!」

 

 

アードウルフはアリツカゲラに次の物件紹介を頼むと彼女は目を輝かせる。

 

 

「ご安心して下さい!それなら次なる刺客を…!」

 

「ちょっとアリツさん興奮し過ぎだよ」

 

「は⁉︎…す、すいません。私とした事が」

 

 

オオカミに止められたアリツカゲラは冷静になり、もっと安全に住める物件の資料を整理してアードウルフに相談する。

一方でドラえもん達はアードウルフ達が相談している間に彼女を見つめていた。

 

 

「さっきのアードウルフさん変だね」

 

「あの慌てっぷりは絶対に何かを隠しているわね」

 

 

先程の慌てて誤魔化したアードウルフにキュルルとカラカルは何かを隠していると確信していた。

 

 

「ひょっとしてカバと喧嘩でもしたのかしら?」

 

「え、そうかな?とても仲が良い筈なのに」

 

 

カラカルは先程アードウルフがポツリとカバと呟いたところを見て、カバと何かあったのではと思っていた。それとは反対にサーバルは違うと思っていた。

 

 

「取り敢えず、もう少しアードウルフちゃんに付き合えばこの引越しの動機を聞けると思うよ」

 

「そうね。それじゃあ、もう少し付き合ってみましょうか」

 

「「うん」」

 

 

3人はドラえもんの意見に賛成して、もう少し様子を見る事にした。そして、この後次の物件紹介が始まるのであった。




フレンズ図鑑

アリツカゲラ

キツツキ目キツツキ科ハシボソキツツキ属

Colaptes campestris

お家を紹介する事が得意なフレンズ。
その名が表す様に蟻塚に巣を作ることで知られるが、通常は他のキツツキと同様、木のうろなどを利用して営巣する。また、木が生えていない場所では蟻塚の他にも土手などで営巣する。蟻塚には15cmほどの穴を上部に開け、その中で抱卵、雛の育成をする。4、5個の卵を産み、抱卵は雌雄で行われる。群居性があり、小さな群れをつくって生活しており、繁殖時には小さなコロニーを作る。基本的には地上性であり、アリやシロアリを主食とする。
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