ドラえもん のび太の獣友冒険記   作:獅子河馬ブウ

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まさか評価バーの色が早くも橙色に変わるとは思っても見ませんでした。これからも読者の皆様の期待に応えて頑張っていきます。


???「タカキも頑張ってるし、俺も頑張らないと」


第3話 ものれーる

カルガモの案内により絵の描かれた場所を目指すドラえもん一行は途中大きな危険(小さな溝)に遭遇するもの彼等はそれを乗り越えてまた一つ絆が深まった。そして、それから特にセルリアンや新たな危険とかに遭遇せず暫く歩いていると、一番前に歩いているカルガモが全員に足を止める様に指示した。

 

 

「はーい、皆さん止まってくださーい!」

 

「どうしたの?また地面でも割れているの?」

 

 

急に足を止める様に言ったカルガモがまた些細な事で大袈裟にリアクションを取るのかとドラえもんはそう思っていた。だが、カルガモはドラえもんの言葉に首を横に振って否定する。

 

 

「違います。目的地に着きましたよ」

 

「え、着いたの?」

 

 

カルガモが絵の場所に着いたと言いうと、其処にはキュルルが眠っていた建物とはまた違った形をした大きな建物が建てられていた。キュルルはスケッチブックを取り出すとドラえもん達と共にその建物と描かれている絵を見比べる。

 

 

「あれ?でも絵の場所と違うよ?」

 

「どう言う事?」

 

 

サーバルとキュルルが絵と目の前の風景が全くどころか一つも合っていなかった。絵には沢山の風車が建っているが、目の前にあるのは大きな建物に遠くまで建てられている乗り物のレールだった。サーバル達は何度も比較するが何処も一致するところは見当たらなかった。

 

 

「カルガモひょっとして道を間違えたんじゃないの?」

 

「とんでもない!私はそんな初歩的なミスを犯しませんよ!」

 

 

カラカルはカルガモが道を間違えたのかと疑うが、カルガモはそれを否定する。すると、ドラえもんはあるところを見つめて何かに気付き2人に話しかける。

 

 

「カルガモさんの言う通りだよ。それに絵の場所は多分あそこの事を言っているよ」

 

 

ドラえもんはカルガモを擁護する様に建物とは違った場所を指を指すと、其処には荒れた大地に絵に描かれていた風車が建てられていた。

 

 

「あー!あんな所にあった」

 

「たしかに絵の場所はあっているみたいだけど、少し雰囲気が異なるね」

 

 

サーバルとキュルルはスケッチブックの絵と実際の風景を比べてみると、ドラえもんもスケッチブックを覗いて比較してみると思わず目を細くした。

 

 

(あれ、おかしいな。いくらなんでも絵の風景と実際の風景が異なっている。どういう事だ?)

 

 

改めてキュルルの絵と実際の風景を比べるドラえもんは明らかに風景が全く違う事に気づく。

 

 

(ひょっとして見ている場所が絵とは違うのかな?)

 

 

ドラえもんは今いる場所が実際に絵の書いた場所ではないと考えるが、それ以上に何かが引っかかっている感じがするものの絵の場所はあっている事から取り敢えずそれはそれで納得をする。カラカルも絵の場所だと分かるとカルガモに頭を下げる。

 

 

「カルガモさっきは疑ったりして悪かったわね」

 

「いえ、お気にならずに。ところでキュルルさんは何かわかりましたか?」

 

 

ドラえもんが考えている横でカラカルは先ほどカルガモに絵の場所じゃないと疑った事に謝ると、カルガモは気にしていなかった。カルガモは視線をキュルルに移して何かわかったかと聞くが、キュルルは「う〜ん」と唸り声をあげながら考えている様子だ。

 

 

「お役に立てませんでしたか?」

 

「そ…そんな事ないよ!」

 

「そうだよ!カルガモが居なかったからここまでたどり着けなかったよ」

 

 

申し訳なさそうな表情を浮かべるカルガモに慌ててキュルルは否定をする。サーバルもここまで来れたのはカルガモのおかげだと言うが、カルガモは浮かない顔をしていた。キュルルはカルガモの浮かない顔を見て、どうしようかと悩んでいると持っていたスケッチブックに目が入る。

 

 

「あ、そうだ!」

 

「どうしたの急に声を上げて?」

 

 

急に声を上げたキュルルにドラえもんはどうしたのだろうと聞くとキュルルは「ちょっとね」と言って、色鉛筆を取り出してスケッチブックに何かを書き込んでいき、暫くして満足した表情を浮かべるとスケッチブックの紙を切り取った。

 

 

「え!?」

 

「ちょ!何やっているのよ!」

 

 

いきなりキュルルがスケッチブックから紙を切り取る行動に思わず驚きの声を上げるが、ドラえもんはキュルルが何をしたいのかすぐ理解した。

 

 

「はい」

 

「これは……」

 

 

キュルルからスケッチブックの紙を受け取ったカルガモは恐る恐る見てみると、途端にカルガモの顔は笑顔を浮かべる。カルガモがキュルルから受け取ったその紙は先ほどまで見ていた風車の絵であった。しかし、その絵は先ほどと比べて違う箇所がある。それは旗を振りながら先頭に立つカルガモとその後ろに一列で並んでいるサーバル達の姿があった。

 

 

「手伝ってくれてありがとう」

 

「わ!コレ私達!?」

 

 

サーバルとカラカルもカルガモの横から絵を覗き込み自分たちが絵に描き加わっている事に気がつく。

 

 

「うん、今日の思い出に……。お礼はこのくらいしかできないけど……」

 

「感動です!険しい道のりを一人も欠ける事なく乗り越え───こんな素敵なお礼まで……!」

 

 

すると、カルガモは嬉しそうに絵を掲げて辺りを踊り回り感動を表現する。その姿にサーバル達は思わず苦笑いを浮かべる。

 

 

「それ程険しくなかったけど……」

 

「まあまあ、いいじゃない」

 

 

大袈裟な事を言うカルガモに思わずツッコミを入れるが、サーバルはそんなカラカルを宥めると、突然ある事を思い出す。

 

 

「あれ、もしかしてキュルルちゃんはさっきカバ達と別れた時にもカルガモと同じ絵を渡したの?」

 

「うん、さっきまでいた湖にカバさんやみんなの絵を描いて渡したんだ」

 

 

サーバルはキュルルに此処へ来る前にもカバとアードウルフに絵を渡したのかと聞くと、キュルルは頷いて渡したと答える。それを横で聞いていたカラカルは不満気な顔をする。

 

 

「ちょっと!それなら渡す前に私達にも見せてくれたって良かったじゃない」

 

「ご、ごめん。次からはそうするよ」

 

 

絵を見せてくれなかった事にカラカルはキュルルに不満をぶつける。実はカラカルはキュルルがどんな風に湖の絵を描いたのか気になっていたのだ。

すると、キュルルは偶然視界にこの場所へ来た時に初めて見た建物が入る。その建物を見たキュルルは何故か懐かしく感じた。

 

 

「どうしたのキュルルちゃん?」

 

「いや、あの建物が気になって……」

 

 

サーバルにどうしたのかと聞かれたキュルルは目の前の建物に指をさした。サーバルとカラカルはその建物が一体なんだろうと互いに眉間に皺を寄せながら考えていると、ドラえもんが口を開いた。

 

 

「あれは恐らくモノレールの駅だよ」

 

「「「ものれーるのえき?」」」

 

 

初めて聞く単語にサーバル達は同時に首を傾げながら復唱する。

 

 

「駅というのはあそこにあるモノレールが止まれるようになっている建物の事を言うんだ」

 

「じゃあ、ものれーるってなに?」

 

「モノレールは駅と駅に繋がっているレールという道の上を走る乗り物なんだ」

 

 

3人はドラえもんのモノレールと駅についての説明を聞いて「へ〜」と口から理解した声を漏らした。

 

 

「ドラえもんちゃんって本当になんでも知ってるね」

 

「いや〜、それ程でも〜」

 

「その割には結構満更でもない顔をしているわよ」

 

 

サーバルに褒められたドラえもんは口では大した事無いと言っているが、カラカルは鼻の下を伸ばしているドラえもんに指摘する。

 

 

「けど、そのモノレールだっけ?キュルルはなんであの…えきが気になったの?」

 

「いや、駅の方じゃなくてモノレールの方なんだけど前に僕はあれに乗った事がある気がするんだ」

 

 

サーバルは何故キュルルが駅を気になったのかを聞くが、キュルルは駅ではなくモノレールが気になると訂正しつつ記憶が失われる前にモノレールに乗ってきたかもしれないと言うと、サーバルは目を輝かせる。

 

 

「じゃあ!あれに乗ればキュルルちゃんの巣に行けるかも!」

 

「いや、そう都合よく行くかしら?」

 

 

サーバルの発言にカラカルは不安を覚える。そしてキュルルも仮にモノレールに乗っても行く先にお家があるとは想像しづらかった。

 

 

「まあ、少なくともキュルルちゃんの記憶の手掛かりになるからあのモノレールを調べても多分損は無いと思うよ」

 

 

ドラえもんはモノレールを調べようと彼女達に提案をすると、突然カルガモは「あっ」と声を漏らして踊り回るのを止めて、キュルルに話しかける。

 

 

「ところで今更なんですけど、皆さんはどうしてこの絵の場所を探しているのですか?」

 

「ほんと今更ね」

 

「というか、さっきまで踊り回りつづけていたんだ……」

 

 

カルガモが絵の場所に到着してから聞いてくる事に思わずカラカルは呆れた表情を見せ、ドラえもんも苦笑いを浮かべながら自分たちが考え合っている間踊り回っていた事に、その隣でサーバルはカルガモに絵の場所を探している訳を伝える。

 

 

「うん、実は私たちはこの絵を頼りにキュルルちゃんの巣とドラえもんちゃんの友達を探しているの」

 

「キュルルさんはのおうちとドラえもんさんの友達ですか?」

 

「そう、カルガモは何か知らないかしら?あ、因みにドラえもんの友達はヒトらしいから」

 

 

サーバルとカラカルにお家とドラえもんの友達について知らないかと聞かれるとカルガモは暫く考える。

 

 

「う〜ん、残念ながら私は結構さばんなちほーを歩いてはほかのフレンズに道を案内していたりしますが、キュルルさん以外のヒトや巣については何も知りません」

 

「そっか「あっ、でも!」え?」

 

 

キュルルはカルガモは何も知らないと聞いて顔を伏せるが、カルガモの声を聞いて思わず伏せていた顔を上げる。

 

 

「私の知り合いにジャパリパーク中を旅しているフレンズがいます。その方ならもしかしたら何か知っているかもしれません」

 

「ジャパリパーク中を旅しているフレンズって、カルガモよりも団体行動が厳しそうね」

 

「あ、ははは、そうかもね」

 

 

カラカルはそのフレンズがカルガモよりも面倒くさそうなフレンズだと想像して嫌そうな表情を見せる。ドラえもんも苦笑いを浮かべながら同意する。

 

 

「それでそのフレンズはなんていう名前なんですか?」

 

「はい、その方の名前は……⁉︎」

 

 

ズシィィーーン!!!

 

 

瞬間、地面に大きな音が響き渡る。

 

 

「な、なんだぁー!?」

 

「一体何が起きたの!?」

 

 

いきなりの出来事にドラえもん達はパニック状態になるが、唯一サーバルが何かに気付く。

 

 

「みんなあそこを見て!」

 

 

サーバルが指をさした方向は先ほど見ていた風車のある丘であった。ドラえもん達は何も変わっていないじゃないかと思っていると、大きな足音を響かせながらその足音の持ち主が姿を見せる。

 

 

「せ、セルリアンだぁーー!」

 

 

丘の上から出てきたのはサーバル達が此処へ来る前に倒したセルリアンに似た姿をしたセルリアンであった。しかし、違うところが二つあった。それは目の前に現れたセルリアンの形はサーバル達が倒したカメラのような形ではなく映像を撮るテレビカメラの形をしていた。そして、二つ目は大きさが倒したセルリアンの約二倍のデカさだ。

 

 

「すっごーい!さっき見たのより大きいよ!」

 

「そんな呑気な事を言っている場合じゃないよ‼︎」

 

「これ程の大きさじゃ分が悪いわ。逃げるわよ!」

 

「に、逃げるって一体どこに……」

 

 

サーバル達は何処へ逃げようと周囲を見渡していると、

 

 

「皆さんこちらの建物に入ってください!」

 

 

カルガモが駅の崩れた壁の中から入るようにサーバル達に言うと、サーバル達は慌てて駅の方に入っていった。だが、駅の中に入っていたサーバル達を追いかけて来たセルリアンが勢いよく駅の壁に衝突し、その衝撃でカルガモは地面に倒れてしまった。

 

 

「あ、カルガモがさんが!」

 

「助けなきゃ!」

 

 

倒れたカルガモの姿を見てキュルルとドラえもんはカルガモを助けようと引き返そうとする。

 

 

「大丈夫!」

 

「だ、大丈夫って、このままだとカルガモさんがセルリアンにやられちゃうよ!」

 

 

だが、引き返そうとしたキュルルとドラえもんの腕をサーバル達が掴み引き止めた。サーバル達はカルガモなら大丈夫だと言っているが、目の前でカルガモがやられそうな姿を放って置く訳にいかなかった。

 

 

「大丈夫よ!あれはやられたふりをしているのよ!」

 

「ふり?」

 

 

すると、倒れているカルガモに対してセルリアンは鋭い爪を振り下ろすと、カルガモはそれをタイミングよく避ける。その姿を見てキュルルはホッとした。ドラえもんはカルガモの行動を見てある事を思い出す。

 

 

(そうだった!カルガモは仲間を危険から遠ざけるため()()という行動を取るんだ!)

 

 

カルガモの生態を思い出したドラえもんはカルガモが自分の身を犠牲にして囮の役を引き受けた事に少し心を痛めながらもサーバル達と共に駅の中にある階段を駆け上がり、モノレールが止まっているホームへと辿り着く。

 

 

「どうしよう行き止まりだよ!」

 

「どこかに逃げ道はないの!?」

 

 

どこにも逃げ道がない事にサーバルとカラカルは辺りを必死に見渡して逃げるところを探しいると、ドラえもんはモノレールが目に入る。

 

 

「モノレールに乗って逃げよう!」

 

「そうだね!って、あれ?」

 

「どうしたの?」

 

 

ドラえもんの意見に賛成したキュルルは何かに気付く。

 

 

「そ、それが入り口が開かないんだ!」

 

「そ、そんなー!?これじゃあ乗れないよ!」

 

 

ドラえもん達は何とかしてモノレールの扉を開けようとする。サーバルとカラカルは扉を開けようと扉を引っ張るが、ビクともしない。一方ドラえもんとキュルルは何処かに扉を開けるスイッチがないか探していると、扉に手の模様が付いている事に気付き、恐る恐るそれに触れると、扉が開いた。

 

 

「「うわぁぁああ!?」」バターーン!!!

 

 

だが、扉を開けようとしたサーバルとカラカルは急に開いた扉に勢い誤ってそのままモノレールの中へ転ぶ形で入った。

 

 

「サーバルちゃん!?」

 

「カラカルちゃんも大丈夫?」

 

「うみゃ〜、平気だよ」

 

「いてて、私も平気よ……あっ!」

 

 

すると、カラカルは何かに気づいた。カラカルの視線の先には海賊の帽子と眼帯をつけたキツネ?をデフォルメした様な()()の姿があった。

 

 

「ラッキーさん?」

 

「「ラッキーさん?」」

 

 

カラカルが誰に対して呼んだのかわからないドラえもんとキュルルはカラカルの視線の先を追いかける。視線の先にいたラッキーさんと呼ばれる物の姿を見て、ドラえもんは思わず呟いた。

 

 

「ロボット?」

 

「みゃ?違うよ、ラッキーさんだよー」

 

 

ドラえもんはラッキーさんの正体が自分と同じロボットである事に驚く。その隣にいたサーバルはドラえもんがラッキーさんをロボットと呼んだことから名前を間違えたと思いサーバルは訂正する。すると、その時ラッキーさんの瞳が発光する。

 

 

『アヅアエンイキものれーるハマモナク発車シマス。オノリノ方ハゴ注意下サイ───』

 

「ラッキーさんって喋れたの⁉︎」

 

「普段は喋らないの?」

 

 

カラカルの様子を見てキュルルはラッキーさんは普段は喋らないのかと思っていると、

 

 

『トビラシマリマース、ゴ注意下サイ』

 

「え、わっ!?」

 

 

ラッキーさんの声とともにモノレールの扉がプシューという蒸気の様な音を鳴らしながら閉まる。すぐ近くにいたキュルルは突然閉まった扉に思わず驚きの声を上げる。

 

 

『ハッシャシマース』

 

 

ラッキーさんの声とともにモノレールはゆっくりと動き出し、駅を出てレールの上を走り出した。サーバル達は窓の外から下を見下ろすとセルリアンが駅の中を暴れていた。

 

 

「やった!」

 

「これでセルリアンから逃げられるわ」

 

 

サーバルとカラカルはこのままモノレールが走り続ければセルリアンからの逃げられると安心する。しかし、その隣でドラえもんとキュルルはサーバル達とは反対に浮かない顔をしていた。

 

 

「けど、カルガモさんが……」

 

「僕たちの為に……」

 

 

自分たちの為に囮となったカルガモがどうなったかと不安になっていると、サーバルはその不安を払おうとする。

 

 

「大丈夫だよ、カルガモはとーってもすばしっこいから直ぐにセルリアンから逃げられるよ」

 

「だと良んだけど……」

 

 

サーバルに宥められるキュルルだが、それでもカルガモが今どうなっているか不安だった。

 

 

ガシャーーン

 

 

「「「「うわぁぁぁぁぁああ!!?」」」」

 

 

その時、駅にいた大型セルリアンはドラえもん達の乗るモノレールに標的を変え、レールの上に飛び乗ってモノレールを追いかけ始めた。

 

 

「セルリアンがこっちにやってきた!」

 

「私たちよりもすごいジャンプだね!」

 

「言ってる場合か〜〜ッ!!!」

 

 

自分たちが襲われそうだというのにこんな時でも呑気なことを言うサーバルにカラカルは思わずツッコムが、その間セルリアンは大きな足音を立てながら徐々にモノレールに近づいて来る。

 

 

「どんどん近づいてくるよ!」

 

「もっと速く走れないの!?」

 

『ムリダヨ』

 

「いや、其処は頑張りなさいよ‼︎」

 

『ムリダヨ』

 

 

もっとスピードを上げられないかとサーバルはラッキーさんに聞くが、ラッキーさんは無理の一言を即答する。カラカルも思わずツッコミを交えながら努力しろというが返ってきた返事は同じ一言だった。

 

 

「ど、ど、どうしよう⁉︎」

 

 

ドラえもん迫って来るセルリアンにパニック状態に陥っていると、キュルルは「あっ!」と何かを思いついた声を上げる。

 

 

「そうだ!ドラえもんスモールライトだよ!あれを使えばセルリアンを小さくできるよ」

 

「そうか!その手があったか!」

 

「「おお〜!」」

 

 

ドラえもんはキュルルの思いついた作戦を聞いて早速スモールライトを使おうとポケットに手を入れる。サーバルとカラカルも感心の声を上げながらドラえもんを見ていると、

 

 

「……あれ?」

 

 

突然ドラえもんは何かおかしい事に気付く。サーバル達もドラえもんの声を聞いて思わず首を傾げる。

 

 

「どうしたの?」

 

「いや、ちょっと待ってて」

 

 

もう一度ドラえもんはポケットに両手を入れるとそこから沢山のスモールライトに似たような形をしたライトを取り出した。サーバル達は恐る恐る出てきたライトを手に取ってみた。

 

 

「これもスモールライト?」

 

「でも、全然形が違うよ」

 

「似たようなのが結構あるのね」

 

 

余談だが3人が手に取った道具はそれぞれビックライトともどりライトに月光灯の三つだ。そして、更にドラえもんはライト系の道具を暫く出していると、漸く手の動きが止まる。それをみたサーバル達は不審に思い「どうしたの」と訪ねようとしようとしたら、

 

 

「……ない」

 

「「「え?」」」

 

 

と、ドラえもんの一言にサーバル達は疑問の声を上げ、暫くすると3人はドラえもんの言葉の意味を察した。

 

 

「ま、まさか……!」

 

「あんた……!」

 

「スモールライトを……!」

 

 

3人は今同じ事を考えていた。決してそうであって欲しくないと思いながらドラえもんにスモールライトはどうしたのだと問うと、ドラえもんは彼女たちの方に振り向く。

 

 

「あ、ははは、す、スモールライトを何処かで落としちゃったみたい」

 

「笑っている場合かーーッ‼︎」

 

「うわぁぁぁぁ!どんどん近づいて来る!」

 

 

笑って誤魔化そうとするドラえもんにカラカルが怒っていると、その間にセルリアンは段々とモノレールの距離を詰めていった。ドラえもんは迫って来るセルリアンを見て慌ててポケットに手を入れる。

 

 

「こうなったら空気砲!」

 

 

ドラえもんはスモールライトの代わりにポケットから黒色の筒(空気砲)を取り出すとそれを右手に装備する。そして迫ってくるセルリアンに向かって空気砲を向けた。

 

 

「ドカーン‼︎」

 

 

ドラえもんの爆発の様な声が引き金となり、空気砲から圧縮された空気の塊が発射され、セルリアンの巨体に命中する。しかし衝撃こそ与えたがダメージは与えられず、こちらに迫って来る

 

 

「くっ、今度はリミッターを解除だ!ドカァァァァーーン!!!」

 

 

ドラえもんは空気砲のリミッターを外すと、先程よりも強力な空気の塊を発射する。すると、セルリアンに命中してその巨体はバラバラになって吹き飛んでいった。

 

 

「すっごーい!ドラえもんちゃんセルリアンをやっつけちゃったよー!」

 

「はぁ〜、一時はどうなるかとおもったけど……」

 

「いや〜、それほどでも〜」

 

 

サーバルとカラカルは自分たちの危機を救ってくれたドラえもんにお礼を言うと、ドラえもんは顔を赤くしながら謙遜する。

 

 

「………」

 

 

だが、キュルルだけは呆然として先程までセルリアンがいたところを見ていた。それに気づいたカラカルはキュルルに話しかける。

 

 

「キュルルどうしたの?さっきから黙って……」

 

「あ、ううん、なんでもないよ」

 

 

カラカルの声を聞いて我に返ったキュルルはなんでもないと返事をすると、カラカルは「そう?」と言って納得する。

 

 

(なんだろう、あの時ドラえもんがセルリアンに攻撃した時に誰かいた様な気がする)

 

 

ドラえもん達はセルリアンに集中していた為、気がつかなかったがキュルルだけはセルリアンに空気砲のタイミングに合わせる様に攻撃した人影がいた様な気がしていた。だが、その人影はセルリアンがバラバラになると同時に消え、まるで最初からそんな物は存在していなかった様に見えた。キュルルはそう考えようとしたが、先程の人影について考えると奇妙な感覚を感じ、気がつくと無意識に自分の胸に手を当てていた。

 

 

(それになんだろうこの気持ち……妙に懐かしい様な気がする……)

 

 

なぜ懐かしい気持ちになるのだろう、その問いにはこの場にいる誰もわからない事だろう。キュルルは永遠にわからない謎を考えていると、

 

 

「みなさーん!大丈夫ですかー?」

 

 

その時外から聞き覚えのある声が聞こえてきてキュルルは我に返った。

 

 

「その声はカルガモさんって、ええっ!?」

 

「どうしたのキュル……ええっ!?」

 

 

先程自分たちの為に囮になってくれたカルガモの声が外から聞こえて、ドラえもんは窓の外を見て思わず驚きの声を上げ、キュルルもドラえもんに釣られて驚きの声を上げる。外にはモノレールと並行に飛ぶカルガモの姿があった。

 

 

「か、カルガモさん!?」

 

「そ、空を飛んでいるゥ!?」

 

 

ドラえもんとキュルルは目が飛び出るほどカルガモの飛んでいる姿に驚いていると、カラカルとサーバルは2人の驚いている姿を見て首を傾げながら話しかける。

 

 

「そこまで驚く事かしら?」

 

「カルガモは鳥のフレンズだからわたし達と違って頭に生えている羽で空を飛ぶことが出来るんだよ」

 

「「え、そうなの?」」

 

 

サーバルの説明を聞いて元々カルガモは飛べる様になっているのだと聞かされると、ドラえもんは思い出してみればフレンズは元々動物で鳥の動物がフレンズ化すれば飛べるのは当たり前だと気がつく。

 

 

「それでは皆さんここから先は別のちほーになりますのでわたしの案内はここまでで〜す」

 

「ちょ、ちょっと待ちなさいよ!」

 

 

カルガモはそう言ってさばんなちほーに引き返そうとするが、カラカルは慌ててカルガモを呼び止める。

 

 

「帰る前にパーク中を旅している知り合いのフレンズの名前を教えなさいよ」

 

「あ、すいません!セルリアンが襲ってきたので言いそびれていました」

 

 

引き返そうとしたカルガモは知り合いのフレンズの名をまだ伝えていない事を思い出し、慌ててモノレールの隣を飛びながら話す。

 

 

「それでそのフレンズの名前はなんて言うんですか?」

 

「はい、その方はリョコウバトさんと言って様々のちほーを旅しているフレンズなので恐らくキュルルさんの巣について何か知っているかもしれません」

 

「わかったリョコウバトだね」

 

 

カルガモはサーバル達に知り合いの名を言うと、だんだんとモノレールから離れていった。

 

 

「それでは皆さん良い旅を〜!」

 

「ありがと〜!」

 

「さようなら〜!」

 

「カルガモさんも気をつけて〜!」

 

 

サーバル達はさばんなちほーに帰っていくカルガモにそれぞれ別れの挨拶とお礼を言いながら姿が見えなくなるまで手を振った。

 

 

の の の の の

 

 

カルガモと別れた後、サーバル達はこの後の方針について考え出した。

 

 

「それじゃあ、この後どうする?」

 

「取り敢えず今はこのモノレールに乗って、この先にあるちほーにキュルルちゃんと僕の友達を探そう」

 

「「「そうだね(ええ)(うん)!」」」

 

 

ドラえもんの意見を聞いてサーバル達は異議なしと言う代わりに頷きながら返事をする。

 

 

「そうだ!ねえ、キュルルちゃん。もう少しスケッチブックを見たら?さっきの絵みたいに何か描かれているかも」

 

「うん」

 

 

サーバルの提案を聞いてキュルルはカバンからスケッチブックを取り出してページを捲るといくつか絵が描かれていた。

 

 

「あれ?」

 

 

スケッチブックのページを捲っているとキュルルは何かを見つける。

 

 

(このページ……破り取られている)

 

 

絵が描かれているページと何も描かれていないページの真ん中に紙を雑に切り取られた後を見つける。そして更にページを捲るとまた一つ破り取られた後を見つける。

 

 

(こっちのページもだ)

 

 

何故スケッチブックの紙が2枚程なくなっているのか疑問に思うキュルルは記憶を失う前に誰かに絵を描いて渡したのかと考えていると、

 

 

『ツギハ アヅアエン マエ アヅアエン マエ』

 

 

その時ラッキーさんが次の駅の名前を報告する。それを聞いたキュルルは一旦考えるのをやめる。

 

 

「次の駅にはのび太くん達はいるかな?」

 

 

さっきまでいたさばんなちほーには結局のび太達はいなかった為、ドラえもんは不安そうにのび太達がこの先にあるアヅアエンと呼ばれるちほーにいて欲しいと思っていた。その様子を見ていたカラカルがドラえもんに話しかける。

 

 

「ドラえもんもう一度たずね人ステッキを使ってみたら?今度はちゃんとわかるかもしれないわよ」

 

「あ、そうだね!」

 

 

ドラえもんはカラカルの提案を聞いて少し元気が出てポケットからたずね人ステッキを取り出した。

 

 

『のび太くん達は何処?』

 

 

ドラえもんはそう言ってステッキから手を離すとステッキは真っ直ぐ続くモノレールの先へ倒れる。

 

 

「どうやらこの先にいるみたいね」

 

「うん、そうみたいだ……あ、そうだ。リョコウバトさんの場所も調べないと」

 

 

ドラえもんはたずね人ステッキを仕舞おうとしたが、キュルルの事を思い出してもう一度たずね人ステッキを床につける。

 

 

『リョコウバトさんは何処?』

 

 

先程と同様にドラえもんはステッキから手を離すと、先程倒れた同じ方向に倒れた。

 

 

「うーん、どうやらリョコウバトさんもこの先にいるみたいだね」

 

「けど、友達とリョコウバトも次の場所にいるとは限らないわよ」

 

「その時は駅でもう一度ステッキを使って確かめるよ」

 

 

カラカルにそう言うとドラえもんはたずね人ステッキをポケットにしまうと、外から夕日の光が窓から入り込む。

 

 

「それにしてももう日が沈んできたね……そうだ、みんなお腹は空いていない?」

 

「そういえば、今日はセルリアンに襲われたからお腹ぺこぺこだよ」

 

「わたしも〜」

 

「僕も」

 

「じゃあ、そろそろ夕飯にしようか」

 

 

ドラえもんは3人に腹を空かしていないかと聞くと案の定腹の音を立てながら空かしていた。それを見てドラえもんはポケットから何か道具を出そうとポケットに手を伸ばすが、

 

 

『チョット待ッテテ』

 

「ラッキーさん?」

 

 

其処へモノレールの先頭にいたラッキーさんがサーバル達の前にやってくる。彼女たちはどうしたんだろうと疑問を浮かべていると、席に座るキュルルの前に歩み寄った。

 

 

『チョットドイテ』

 

「あ、はい」

 

 

キュルルはラッキーさんに言われた通りに席から立ち上がってどいた。そして、ラッキーさんはシートに向かって軽く体当たりをすると、シートが開きそこから大量のじゃぱりまんやその他の食料が出てきた。

 

 

「あ!じゃぱりまんとジャパリパンだ!」

 

「椅子の下に入っているんだ……」

 

 

キュルルとドラえもんはまさか椅子の下に食料を仕舞ってあるとは思ってもみなく、呆然と椅子の下から出てきた食料を眺めているとラッキーさんが話しかける。

 

 

『コノものれーるハ駅ト駅トノ距離ガ一日カカルカラ、ソノ間ノ食料ヲ乗セテイルンダ』

 

「へぇ〜、それならこの先も安心だね」

 

「ところでドラえもんは何を出そうとしたの?」

 

「まあ、ちょっと道具を使ってみんなのご飯を用意しようと思ったんだけどね、これは次の機会に使うよ」

 

 

ドラえもんは自分の持つ秘密道具が活躍出来ない事に少し残念感を覚えながらもサーバル達と共にじゃぱりまんを食べ始めるのだった。

 

 

の の の の の

 

 

その頃、さばんなちほーにあるキュルルがいた建物の中では2人のフレンズが何かを探し回っていた。

 

 

(ロバさんの情報通り此処にいた痕跡がありますね)

 

 

茶色い帽子と桃色の服を纏った松ぼっくりの様な鱗のついた尻尾を生やしたフレンズはキュルルが眠っていた装置を観察している。

 

 

「ねえねえ、センちゃん」

 

(それにしてもこの場所は一体なんでしょうか)

 

「ねえったら!」

 

「ちょっとうるさいですよアルマーさん!」

 

 

センちゃんと呼ばれるフレンズはもう1人一緒に調査しにきたアルマーと呼ばれるフレンズに静かにする様に言う。彼女の目の前にはセンちゃんと似た格好をしているが肩や肘に膝にプロテクターを着けていた。

 

 

「見てみて、面白いの見つけたよー」

 

 

彼女が手にしていたのは何かの装置の操作パネルの様な物だ。しかも裏側には無理やり外した後が付いていた。それをみたセンちゃんは顔を青ざめる。

 

 

「何やっているんですか⁉︎わたし達が此処に来たのは遊びに来たんじゃなくて調査が目的ですよ!遊んでいる暇があったら貴方も何かターゲットが残した痕跡を見つけてください!」

 

「はーい、もうつまんないよー!」

 

(うう、こんな事ならアルマーさんを留守番にしてハシビロさんを連れてくるべきでした)

 

 

一緒にきたアルマーが全く調査しようとはせず、遊び始めてしまった事に悩まされるセンちゃんは溜息を吐きながら調査を再開しようとするが、アルマーが持っていた操作盤を放り投げる。

 

 

ドンガラガッシャーン!!!

 

 

その時アルマーの投げた操作盤が近くにあった部品の山にあたりそれが大きく崩れて激しい物音を立てる。瞬間、2人は土下座する形でその場に蹲った。

 

 

「きょ、今日はもう暗いですからまた明日にしましょう」

 

「そ、そうだね〜」

 

 

2人はそう言うと建物の外に出た。

 

 

「はぁ〜、それにしても何処にターゲットがいるんでしょうね」

 

 

そう言ってセンちゃんは胸ポケットからターゲットの絵が描かれた折紙を取り出すとその姿を見た。その隣でアルマーもその紙を覗き込む。

 

 

「というか本当にこんなのが存在するかな〜?」

 

「アルマーさん我々が依頼人を信じなくてどうするんですか。取り敢えず明日から近くにある湖に行ってそこで聞き込み調査をしますよ」

 

「はーい」

 

 

センちゃんに返事をするアルマーはそのまま自分たちの持つ縄張りへ帰っていった。そして、センちゃんの持つ紙に描かれていたのは全体的に青くて丸っぽい何かであった。それは何処と無くドラえもんの姿に似ているのだった。




フレンズ図鑑

カルガモ

カモ目カモ科マガモ属

Anas zonorhyncha

親子でお引越し、が印象的なカルガモのフレンズ。
河川や湖沼・湿地・干潟・水田などに生息する。
全体的に黒褐色で、顔は白っぽく二本の黒褐色線があります。口ばしは黒く先端は黄色でよく目立ちます。足は橙赤色。飛行時の翼下面の風切花の黒褐色と雨覆羽の白色の対照が鮮やかです。
仲間を危険から遠ざける為、「偽傷」という行動をとることができる。

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