ドラえもん のび太の獣友冒険記   作:獅子河馬ブウ

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本編の投稿が遅れてすいませんでした。最近は台湾に行ってきたり、喉を痛めたりなどがあり結構身体と精神的に疲れてしまいましたが、ようやく後編を完成させる事が出来ました。今回はちょっと長く書きましたからどうぞ読んでください。


第6話 ともだち後編

バラバラだった遊具を組み立てあげたドラえもん達は先ずは滑り台から遊ぼうと提案をして、一同もその意見に賛成した。

 

 

「じゃあ、先ず誰が先に滑り台であそぶ?」

 

 

ドラえもんは誰が一番に遊ぶかを決めようとすると、サーバル達はそれぞれは互いの顔を見合わせて誰が最初に滑り台を遊ぶのか相談した結果。レッサーパンダが恐る恐る手をあげる。

 

 

「じゃ、じゃあ、私が先に遊んでもよろしいでしょうか」

 

「どうぞ」

 

 

最初に滑り台で遊びたいと真っ先に手を挙げたのはレッサーパンダだ。彼女は初めて自分とドラえもん達の力で作った滑り台に愛着が湧いていて、自分が先に滑ってみたいと思っていたのだ。ドラえもん達も彼女の気持ちに気付いたのか、一番最初は譲る事にした。

 

 

「ありがとうございます。じゃあ早速いきます!」

 

「うん。……あれ?」

 

 

ドラえもんが腑抜けた声を漏らすが、それもそのはず。レッサーパンダは滑り台の梯子の部分ではなく滑るす方の部分で登り始めたのだ。

 

 

「んしょ、んしょ……うわぁぁっ」

 

 

もう少しで登りきれそうだったが、耐えきれずそのままズルズルと下の方まで滑り落ちていった。

 

 

「大丈夫レッサーさん?」

 

「だ、大丈夫です」

 

 

心配そうにキュルルは彼女に話しかけると、彼女は大丈夫だと言って立ち上がった。

そもそも遊具の遊び方自体を知らないのだろう。ドラえもんは滑り台の正しいやり方を教えようとすると

 

 

「違うよレッサー、そっちで登るんじゃなくてこっちから登って滑るんだよ」

 

「そうなんですか?」

 

「あれ?サーバルちゃんは滑り台をしっているの?」

 

「うーん、なんか前にこれと似たような物を見た事がある気がしてね」

 

「けど、サーバル私たちの住んでいたさばんなちほーには滑り台や似たような物はなかったと思うけど」

 

 

自分でもなぜ知っているのかわからないサーバルは自分たちのいたさばんなちほーの何処かで似たような物を見たのだろうと思ったが、カラカルは否定する。

 

 

「あれ、そうだっけ?」

 

「あなたねぇ」

 

「まあ、今は別にいいんじゃないの?キュルルちゃん同様に遊んでいたら何処かで思い出すかもしれないよ」

 

「そうだね!」

 

「そ、それじゃあ今度こそ!」

 

 

レッサーパンダはサーバルに教わった方法でもう一度滑り台に挑み、今度は滑り台の梯子を使って登りきると、彼女は斜面に腰掛け下まで滑り降りて行った。

 

 

「どうだった?」

 

「はい!楽しかったです!」

 

 

滑り台を初めて滑る彼女の感想を聞くと、彼女は笑顔を浮かべながら興奮気味で語った。その姿を見たサーバルも自身の好奇心が疼きだすし始めたのか目を輝かせる。

 

 

「よーし、じゃあ次は私が滑るよー!」

 

 

サーバルはレッサーパンダがやったように自分も梯子を登りきり、斜面に腰掛ける。

 

 

「わーい!」

 

 

好奇心旺盛なサーバルは上から滑り降りると、興奮した様子で感想を口にする。

 

 

 

「おおおおー!なんか、凄くいい感じだね!」

 

「ただ、滑っただけなんだけどね」

 

「私!もう一回やるー!」

 

 

カラカルがやれやれとした表情を浮かべるが、先ほど滑ったばかりのサーバルは目を輝かせ、梯子を登り再び滑り降りる。

 

 

「あはは!たーのしー!」

 

「楽しそうで何よりだね」

 

「うん」

 

 

楽しく滑るサーバルの姿を見て滑り台を組み立てたドラえもん達も嬉しい気持ちになる。

 

 

「あは!あはは!あはーーーッ!」

 

「サーバル〜、程々にねー!」

 

「分かってるよー!だけどもう一回!」

 

 

滑り終えたサーバルはそこから5、6回更に滑っていく。しばらくして、サーバルも落ち着くだろうと思っていたキュルル達だが甘く見ていた。サーバルの底知れぬスタミナを…

 

 

 

の の の の の

 

 

 

「わーい!たーのしー!」

 

「「「………」」」

 

「あはは!うぃひひひ!たーのしーーーッ!」

 

「何回やれば気が済むの!?」

 

 

更に数十回も滑り台から滑っていくサーバルは心の底から楽しんでいる様子を見て思わず、ドラえもんは声を上げる。隣ではキュルルとレッサーパンダが苦笑いを浮かべる。

 

 

「はあ〜、何かじゃんぐるちほーに似たようなフレンズが居た気がする……」

 

 

額を抑えながらカラカルは呟く。だが、キュルルはサーバルが滑る度にソワソワとする彼女の仕草を見逃さなかった。

 

 

「ねぇ、カラカルは滑らないの?」

 

「えっ、いや!私は……」

 

 

滑らないと言おうとしたが、そこへサーバルが話に入り込んできた。

 

 

「カラカルも一緒に滑ろうよ!」

 

「……し、仕方ないわね!」

 

 

最初は断ろうとしたが、サーバルの笑顔に惹かれて彼女はサーバルと共に梯子を登ると、目の前の光景に「おお」と呟く。

 

 

「なんか、ツルツルしてるわね……」

 

「カラカルー!早く早く!」

 

 

恐る恐る滑る部分に爪研ぎをするカラカル。すると、後ろで待機しているサーバルに向けて口を開く。

 

 

「一応言っておくけど、押さないでねサーバル!絶対に押しちゃダメだからねサーバル!」

 

 

いきなり後ろから押してこないようにカラカルは彼女に対して念入りに忠告する。

 

 

「分かったよ、カラカル……それじゃ一緒に滑ろっか」

 

「ええ、そうね………え?」

 

 

すると何の躊躇いもなくサーバルはカラカルを背後から抱きしめ、滑り始めた。

 

 

「わぁぁああああッ!?」

 

「わぁぁぁーーーい!」

 

 

心の準備ができていなかったカラカルの情けない悲鳴とサーバルの嬉しそうな声が混ざり合う。

 

 

「あー、楽しかったねカラカル!」

 

「や、やってくれたわねサーバル!」

 

「きゃーっ!狩りごっこだね!」

 

 

そのまま滑り台を中心にカラカルとサーバルの追いかけっこ(狩りごっこ)が始まる。

その後2人をそっとしておいてキュルル、ラッキービーストを抱えたドラえもんは滑り台を楽しんだ。

 

 

 

の の の の の

 

 

 

「楽しかったね」

 

「うん、こーえんってこんなにも楽しい物とは思わなかったわ」

 

「滑り台は途中から狩りごっこに変わっていたけどね」

 

「よし、じゃあ次はこのブランコだね」

 

 

一同は次にとなりにあるブランコに目線を移す。其処には2人同時に遊べるようになっていた。片方はシンプルな板を上から吊るした二本の縄で支えるようになっており、もう片方は板ではなく大きなタイヤが使われて、大きさ故に二本の縄ではバランスよく支えられないため三本の縄が使われていた。

 

 

「これはどうやって遊ぶの?」

 

「サーバルは知ってるの?」

 

「ううん、全くわからないや」

 

 

滑り台の遊び方はサーバルが知っていたものの、ブランコの遊び方は知らないようだ。その様子を見たドラえもんは3人に話しかける。

 

 

「じゃあ、僕がブランコについての遊び方を教えるよ」

 

 

そう答えたのはドラえもんであった。

 

 

「ブランコの遊びも先ほどの滑り台同様にシンプルさ、先ずブランコに座った状態で少し下がって、そこから自身の体重を使って前後に動くんだ……どうわかった?」

 

 

説明を終えたドラえもんは彼女達に理解出来たのか聞くと、

 

 

「わっかんないや」

 

「あらら」

 

 

真っ先にサーバルが理解できなかったと答え、ドラえもんはガクリと肩を下ろした。だが、よく見れば他の皆も理解できていない様子だ。

 

 

「ドラえもんもうちょっと簡単に説明してくれない?」

 

「難しすぎるわよ」

 

「私ももうちょっとわかりやすくお願いします」

 

 

もっと簡単に説明をするように求む彼女たちの姿を見てドラえもんはしばらく考えた。

 

 

「うーん、じゃあ、実際に見たほうが早いよね」

 

 

説明するのが若干面倒臭くなったドラえもんは実際にタイヤのブランコに乗ると自身の体重を使って前後に揺らした。

 

 

「こんな感じで遊ぶんだよ」

 

「成る程、そうやるんですね」

 

 

ブランコを自身の体重で揺らすドラえもんの姿を見て、先ほど聞いた説明を少しずつ彼女たちは理解していった。

 

 

「ドラえもんちゃんは本当に物知りだね」

 

「いやぁ〜、そうでもないよ〜」

 

「ほんと、口ではそう言っているけど、顔で本音が現れているわよ」

 

 

またしてもドラえもんがニヤニヤと笑みを浮かべている姿を見てカラカルは呆れる。だが、ドラえもんはしっかりとブランコについての遊び方を教えた為、あまり強く言えなかった。そして、彼女は空いているブランコに近づいた。

 

 

「じゃあ、私が先にやっていいかしら?」

 

「どうぞ」

 

 

カラカルはドラえもんの隣のブランコに座ると、二本の縄を握りながら自身も体を揺らし始めた。

 

 

「へぇー、結構楽しいじゃない」

 

 

最初はあまり楽しくなさそうと思っていたカラカルだったが、次第に楽しそうにしているのが目に見えて分かる。

そんな彼女を見て自分もやりたく気持ちになったサーバルかドラえもんに声をかける。

 

 

「私もやるー!」

 

「はい、どうぞ」

 

 

次にサーバルを載せる為、ドラえもんはブランコから降りようと勢いよくジャンプし綺麗に地面に着地するドラえもん。その様子を見ていたサーバル達が「おお!」と声を上げる。

 

 

「凄いねカラカル!ねぇねぇ、私達もあんな感じに飛んでみようよ!」

 

「私も!?」

 

「どっちが遠くまで飛べるか競争だよ!」

 

 

そう言うとサーバルは先程までドラえもんが座っていたブランコに座ると身体を前後に動かし始め、大きな跳躍を見せ着地をする。

 

 

「はいっ!カルガモの時のポーズッッ!」

 

「わー!凄いよサーバルちゃん!」

 

「ほんと凄いですよ!」

 

「そうだね大きいジャンプだったよ(ブランコはそう言う遊び方じゃないんだけどね)」

 

 

ドラえもんは内心そう思いながらサーバルのジャンプに拍手を送る。

 

 

「面白いわね、私も負けないんだから!」

 

 

彼女の跳躍を見たカラカルも負けじとブランコを漕ぎ始め、大きなジャンプを行い空中で回転を行いながら着地を行った。

 

 

「ハィィィイッ!!」

 

「「「おおおーーっ!」」」

 

 

先ほどのサーバルと同じように3人はカラカルに拍手を送った。その拍手を受けたカラカルは「ふふん」と得意げな表情を浮かべる。

 

 

「凄いですよお二人共!」

 

「そうでしょ!」

 

「まぁ、私が本気を出せばこんなものよ」

 

 

賞賛を浴びる2人は鼻を高くすると、レッサーの方に近づいて肩に手を置いた。

 

 

「じゃあ、次はレッサーの番だよ!」

 

「わっ、私ですかぁぁ!?そんな!ネコ科のサーバルさん達よりも大きなジャンプなんて出来るわけないですよ!」

 

 

先ほど見た2人の跳躍力を見た為、重いプレッシャーがのしかかり、あたふたと自分は出来ないと言ってブランコに乗るのを拒否するが、

 

 

「大丈夫、大丈夫。フレンズによって得意な事全然違うから。気にしなくて良いよ」

 

「いやそう言う意味じゃなくてぇ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

「サーバル!パスよ!」

 

「次はこっちだね!」

 

「うぅ、どんどん速くなっていくよ……!」

 

 

それから2人の押しに負けたレッサーはブランコに渋々乗って揺らしていたが、途中でサーバルとカラカルが彼女の乗るブランコを激しく揺らし、二人の乗っていたブランコが霞んで見える程の凄まじいスピードと化していた。

 

 

「マズイよドラえもん!多分だけど収拾つかなくなってる!?」

 

「わわわ、早く止めないと……!」

 

『ア、ワワワワワワ』

 

 

レッサーの乗るブランコの揺れる速さが次第に速く大きくなっていく姿を見てキュルルはこのままではレッサーの身が危険だとドラえもんになんとかするように頼む。

 

 

「行けーーッ!レッサー!」

 

「ネコ科のプライドを見せる時よーー!」

 

「うわぁぁあ!あと私はネコ科じゃなくてパンダ何ですけど……!」

 

 

何故か熱くなっているサーバルとカラカルは徐々にブランコのスピードが速くなっていく。その光景に思わずキュルルは声を上げる。

 

 

「ストップ!ストーーーップ!」

 

「どうしたのキュルルちゃん!」

 

「あっ!ちょっとサーバル!?」

 

 

その時、キュルルの声にサーバルが反応し、ブランコから手を離してしまう。サーバルの手はブランコのスピードを上げていたと同時に行き過ぎないように制限も掛けていた。それが解かれたならばどうなるか……それは今にも分かる。

 

 

「「「あ」」」

 

「ああああああああああああああッ!!」

 

 

レッサーが乗るブランコは凄まじい勢いに乗り、一回転してもおかしくない……いや、必ず一回転してしまうだろう。

 

 

(このままじゃ……!)

 

「レッサー!飛ぶのよ!」

 

「頑張れレッサー!」

 

「無理はしないで!」

 

「勇気を出して!」

 

「うわぁぁあああああああああッッ!」

 

 

遂にブランコが一回転すると余りの勢いに宙にレッサーは宙へ放り出される。

 

 

「「「レ、レッサー(ちゃん)!?」」」

 

 

そのまま彼女の身体は回転しながら地面へとストンッと無事に着地する事に成功する。

恐る恐る目を開くレッサー自身何が起きているのか良く分かっていない様子だ。

 

 

「あ、あれ?私、何を……」

 

「す、すっごーーーーい!!レッサーちゃんすごいよ!!」

 

「えっ、えええ!?」

 

 

レッサーは興奮するサーバルに若干の戸惑いを見せながらも顔を赤く染める。それに続くようにドラえもん達も感心したように拍手を送る。

 

 

「やるじゃない。見直したわ!」

 

「とても凄いジャンプだったよ!」

 

「さすがレッサーちゃんだね!」

 

「そ、そんな!さっきのは偶然で……」

 

 

先ほどのジャンプはまぐれだと否定しようとするが、

 

 

「いやいや。さすがはレッサーだよー」

 

「そ、そんな事……ってジャイアントパンダちゃん⁉︎」

 

 

いつの間にかブランコで遊んでいるジャイアントパンダの姿にレッサーを始めた一同が驚愕する。

 

 

「いつの間に!?」

 

「これって、バラバラだったものでしょ?よく作ったねぇ」

 

 

レッサーパンダが指を指したところへ向くと其処にはドラえもん達と組み立て遊具があった。彼女はそれを見て凄いと感じたのだろう。

 

 

「うん、これもレッサーさんのおかげなんだ」

 

「え⁉︎」

 

「そうなのレッサー?」

 

「え、わ、私は別に…」

 

 

突然のキュルルの発言にレッサーは困惑をして否定しようとするが、ジャイアントパンダが確認をしてくるが、彼女はまるで手柄を独り占めにすると思ってしまい、違うと答えようとするが、そこへ後押しをするようにドラえもんも口を開く。

 

 

「なに言っているんだい?この公園が見つかったのもバラバラだった遊具をちゃんと組み立てる事が出来たのはレッサーパンダちゃんのおかげでしょ」

 

「ヘェ〜、レッサーは凄いね」

 

 

ドラえもん達も遊具を組み立てられたのは彼女のお陰だと答え、それを聞いたジャイアントパンダはレッサーパンダを褒めると彼女の顔が明るくなった。

 

 

「うん!これでようやく私もジャイアントパンダちゃんのお友達に」

 

「ん?なに言っているのレッサー?」

 

「えっ⁉︎」

 

 

レッサーパンダの発言を聞いて思わず、ジャイアントパンダは彼女に聞き返した。

 

 

「え!?ち、違うの?……そ、そうだよねぇ、私みたいな地味でダメダメなフレンズがジャイアントパンダちゃんの友達な訳ないy「違うよ、私とレッサーが友達なのは最初からだよ〜」ふぇ?」

 

 

やっぱり自分がジャイアントパンダの友達になれる訳ないと自虐的な言葉を口にするが、それを割り込むようにジャイアントパンダが否定したことに思わず彼女は疑問の声を漏らす。

 

 

「だって、レッサーはいつも私に美味しい竹を見つけてくれたり、気持ちいい寝床を探してくれたり、寝ているばかりの私と一緒にいてくれるもの。だから大切な友達だよ」

 

「ジャイアントパンダちゃん……」

 

 

彼女の最初の発言を聞いてレッサーパンダは呆然となる。

 

 

「それに今日だってこんなに楽しい遊び道具をををっ!!!」

 

「は、はしゃぎ過ぎだよ!」

 

 

ブランコにすっかりハマり凄まじスピードで体を揺らすジャイアントパンダ。時々残像をを作りながら楽しんでいるのは恐らく目の錯覚なのだろう………。

 

 

「よかったねレッサー」

 

「はい!」

 

 

2人が仲良くしている姿を見たサーバルはレッサーの肩を軽く叩いた。

 

 

「ほんと良かったね」

 

「うん、そうだね…ん?」

 

 

すると、となりにいるカラカルが肩を震わせている事に気付いた彼女はカラカルの顔を覗きこむ。

 

 

「カラカル⁉︎」

 

「え゛っ゛? な゛、な゛に゛よ゛?」

 

 

彼女の目から大量の涙を流している事にサーバルが驚愕する。あの、ややドライな性格をしたカラカルが涙を流すとは夢にも思わなかったキュルルは口を開いた、

 

 

「どど…どうしたのカラカル⁉︎どこか痛いの⁉︎」

 

「な、なんでそうなるのよ!」

 

「え、違うの?」

 

 

キュルルの問いに対して違うと否定したものの、泣いていた理由を素直に話す事はカラカルにとって難しい事だ。

彼女は適当な理由をでっち上げようと考えようとしたが、

 

 

「カラカルは感動屋さんだもんねぇ〜」

 

「え、そうなの?」

 

「ち、違うわよ!」

 

「もう、恥ずかしがっちゃって」

 

「ドラえもんまで⁉︎……なによその目?」

 

 

サーバルに便乗したドラえもんの目つきが明らかに変だ。それは今まであった下心とかではなく、どちらかと言えば優しい目に近いが、なんとなくイライラしてくる感じの目だ。

 

 

「温かい目だよ」

 

「やめなさい!」

 

 

よくわからないが長時間その目で見られるとカンに触る為、彼女はドラえもんに止めるように強く言う。その様子をパンダコンビは見ていた。

 

 

「あの子達も仲良しだね〜」

 

「うん!」

 

 

ドラえもんとサーバルに対して怒っているカラカルが少し口元が緩んでいる事に気付いたパンダコンビは微笑ましく見ていた。

そんな中キュルルがジャイアントパンダを見てある事を思い出す。

 

 

「あ!そういえばャイアントパンダさんは公園のことを知っていたんだよね?」

 

「そ〜だよ」

 

「じゃあ、この2つの遊具以外に何かなかった?」

 

 

公園のことを知っていたジャイアントパンダならもしかしたら今ある遊具以外の事を知っているのではと睨んだキュルルは質問をする。そしてジャイアントパンダは真剣に考えているのだろうが、今にも寝てしまいそうな表情をしながら唸り声をあげていた。

 

 

「いや、キュルルそれはあなたの思い違いd「あ〜、そういえばあったような気がする」って、えええええっ!?」

 

 

カラカルはキュルルが思い違いをしていると指摘をしようとするが、ジャイアントパンダの"あった"という発言に思わず驚きの声を上げる。

 

 

「うーん、なんかあった気がするんだけど、あまり思い出せないんだよね〜」

 

 

しかし、ジャイアントパンダはキュルル同様に詳しい事は覚えておらずその遊具がどんなものだったか知らないようだ。

 

 

「ジャイアントパンダちゃんも記憶がないの?」

 

「い〜や、このこーえんを見たのはすっごい前だったからその時の事があまり覚えていないんだ。それに私はいつも寝ているからね〜、ふわぁ〜」

 

「そっか」

 

 

ジャイアントパンダも残りの遊具について詳しく知らない事にキュルルは肩を落とす。

 

 

「ごめんね〜、でも私にできる……事があ…る……なら…いつでも力に………グゥ」

 

「ああっ!また寝ちゃった!」

 

「もう、本当にのび太君そっくりだな!」

 

 

一方、ドラえもんは彼女達の会話の内容を聞いて考える。

 

 

(2人とも公園には遊具がまだあったかもしれないと言っているけど、その遊具の手がかりが見つからないんだよな。だけど、2人が同じ事を言う偶然なんてそうないからなぁ…)

 

 

ドラえもんは彼女たちがそして、恐らくキュルルはこのアヅアエンに以前来たことがあるためその時にその遊具を見たのだろうと考えたが、その遊具の特徴や痕跡が1つも見当たらない事に疑問を持っていた。

 

 

(もしかしたら、見つかってないだけであるかもしれない)

 

 

周囲に遊具の手がかりがないか探そうと動こうとすると、

 

 

『警告シマス!近くにセルリアンが発生しまシタ!お客様はただちニ避難してくだサイ』

 

「え、いきなりなに?」

 

「ラッキーさん急にどうしたの?」

 

 

突然サイレンのような音をならしなにかを警告するラッキーさんの言葉にサーバルとキュルルそして、隣で聞いていたパンダコンビは首を傾げる。

 

 

「ねぇ、今セルリアンだが発生するって言っていなかった?」

 

「てことは……」

 

 

一方、ドラえもんとカラカルは警告の意味を理解するとだんだんと顔が青ざめていく。すると、すぐ近くの竹林から大量の小型セルリアンが現れた。

 

 

「ああっ!セルリアンだ!」

 

「ここにもいるの!?」

 

 

てっきり、セルリアンがいるのはさばんなちほーだけだと思っていた2人は驚いていると、咄嗟にカラカルが2人の前に出た。

 

 

「小さくてもこれだけの数じゃ戦ってもキリがないわよ!」

 

「うん、みんな一先ず逃げよう!」

 

 

この数を全て相手にするのは難しいと判断したカラカルの意見に賛成したサーバルはドラえもん達に逃げるように言う。ドラえもん達も勿論その意見に賛成して、寝ているジャイアントパンダをドラえもんが背負いそのままセルリアンから逃げようと公園を出るが、

 

 

「あれ?」

 

 

サーバルが何かに気づいてその場を振り返った。

 

 

「サーバル何しているのよ!早く逃げるわよ!」

 

「でも、何か様子がへんだよ」

 

 

サーバルはそう言って指をさすと、其処には自分たちを追いかけてこなく、滑り台とブランコを壊していた。

 

 

「セルリアンが滑り台とブランコを攻撃している?」

 

 

何故、自分達ではなく公園の遊具を攻撃するのかドラえもん達は全く分からなかった。

 

 

「なにはともあれ今がチャンスだ。この隙に逃げるんd「やめてくださいー!!!」レッサーパンダちゃん!?」

 

 

セルリアンが遊具を攻撃しているうちにその場から離れようとしたが、レッサーパンダが引き返してしまった。

 

 

「レッサー!?」

 

「なにしているのよ!」

 

「だって、せっかくみんなで一生懸命組み立てたのに公園なんです!壊すのはやめてくださいー!」

 

 

自分たちが組み立てた公園の遊具を目の前で壊されていくところを我慢出来なかった彼女はセルリアンを追い払おうと威嚇をする。

しかし、それが裏目に出て狙いを遊具から威嚇をするレッサーパンダに変え、セルリアンは一斉に襲いかかるが、

 

 

「みゃみゃみゃみゃー!」

 

「ハアアアッ!」

 

 

瞬間、サーバルとカラカルがレッサーパンダに襲いかかるセルリアンを自分たちの爪で切り裂いてバラバラにした。しかし、まだ数匹残っており、サーバル達を避けてレッサーパンダに迫るが、

 

 

「ドカーン!!!」

 

「ひゃっ!?」

 

 

その時、レッサーパンダの目の前にいたセルリアンが彼女の後方から飛んできた空気の塊に命中してバラバラに吹き飛んだ。レッサーパンダはバラバラになったセルリアンを見て数秒程呆然となるが、意識が戻り後ろをふりかえると、そこには空気砲を右手に装備したドラえもんとその後ろでレッサーパンダを心配そうに見つめるキュルルがいた。

 

 

「レッサーパンダちゃん大丈夫⁉︎」

 

「は、はい!ありがとうございます!」

 

「2人はジャイアントパンダちゃんを連れて後ろに隠れていて、セルリアンは僕等が倒す!」

 

 

そう言ってドラえもんは左手をポケットに突っ込むともう一丁の空気砲を取り出して左手に装備すると、セルリアンに向かって撃ち始める。サーバルとカラカルも負けじと小型のセルリアンを爪や拳で倒していく。しかし、

 

 

「空気砲が効かない⁉︎」

 

 

しばらくして大量のセルリアンを半分以上倒したが、先ほどからドラえもんが相手をしている数匹のセルリアンは空気砲を何度も喰らっているが、全く倒れなかった。

 

 

(おかしい、幾ら何でも頑丈過ぎる。モノレールや森にいた大きなセルリアンだってすぐ倒せたのに何でこのセルリアンは倒せないんだ⁉︎)

 

 

先ほどまで倒したセルリアンと今相手をしているセルリアンは特に見た目や特徴に何ら変わりはないのに何故これ程も頑丈なのか不思議に思っていると、

 

 

「見て!あのセルリアン(ヘシ)があるよ!」

 

「え、へし?」

 

「倒しきれなかったセルリアンをよく見て」

 

 

突然サーバルがセルリアンを指で指しながら言った言葉に首を傾げる。そこへ補足を入れるようにカラカルの言葉を聞いて、ドラえもんは目を凝らしながらセルリアンの体を観察すると、太陽の光に反射している何かを見つける。

 

 

「あっ!何か付いている」

 

「そう!あれが石よ!あの石がついたセルリアンはさばんなの時にいたセルリアンよりも物凄く頑丈なのよ!」

 

 

カラカルから石のついたセルリアンの特徴について教わるが、

 

 

「それじゃあ、どうやって倒せばいいのさ?」

 

「大丈夫、石のついたセルリアンは石を壊せば倒すことができるよ」

 

「そうか!なら早速!」

 

 

弱点を知ったドラえもんは早速セルリアンの石に向かって空気砲を構えるが、その瞬間セルリアン達は素早く動きそのまま合体して大きくなっていった。

 

 

「ひ、1つになっちゃった」

 

「しかも弱点も隠しちゃったよ」

 

「うう、これじゃあ倒せないよー!」

 

 

合体する前はそれぞれが足を剥き出しにしていたが、合体する事により石を内側に隠したのだ。これにより、益々セルリアンを倒しにくくなってしまった。

 

 

「こうなったら体を削っていくしかないわね」

 

 

カラカルの提案で長期戦になるが、石が剥き出しになるまで体を少しずつ削っていかしかないと聞いた2人は戦う方法がそれしかないため選ばずにいられなかった。

 

 

「サーバル!野性解放して」

 

「うん、わかった!」

 

 

カラカラに返事をすると2人は目を光らせるとセルリアンに向かって飛び上がり、その後ろでドラえもんは両腕に装備した空気砲をセルリアンに向かって連続で撃ち始める。

 

 

 

ドラえもん達がセルリアンを相手にしている頃、その近くにある茂みにキュルルとレッサーパンダとジャイアントパンダは身を隠しながら自分たちの代わりに戦っている3人をただ見ているしかなかった。

 

 

「どうしよう」

 

「うう、私の所為で皆さんが危険に……」

 

 

レッサーパンダはあの時セルリアンに向かって威嚇をして、戦う羽目になり戦う術がない彼女の代わりにドラえもん達が戦う事になってしまった事に自分を責めていた。そんな彼女の姿を見てキュルルはそっと肩に手を置いた。

 

 

「レッサーさんの所為じゃないよ。自分たちが組み立てた公園の遊具を目の前で壊されていくところを黙ってられないのは当たり前の事だよ」

 

「キュルルさん……」

 

(けど、本当にどうしよう。ここで僕たちが出たらジャイアントパンダさんを守る人がいなくなるし、出てもサーバルちゃん達の邪魔になりそうだ)

 

 

自分達もこのまま指を咥えて見ているだけじゃなく、今でもドラえもん達のところへ行き一緒に戦いたいが、戦う力がない自分達が出たところで役に立たないと理解している。

 

 

(だけど、このまま見ているだけなんて出来ない)

 

 

どうにかしてドラえもん達の邪魔にならないで尚且つセルリアンを倒す方法を考えていると、脳裏にさばんなちほーで出会ったカバの言葉を思い出す。

 

 

「先ず一つ目はこのジャパリパークでは自分の力で生きること。自分の身は自分で護るのですよ?サーバル達任せじゃダメよ?」

 

「それともう一つはどうしても自分の力だけで出来ない事があればフレンズ達に助けを求める事よ。きっと、貴女を助けてくれるわよ」

 

 

何でもサーバル達に頼っていては駄目だ。前者と後者は言っている事は矛盾になる言葉だが今思ってみると、それは違う意味であると気づいた。

 

 

(お互いに助け合う……)

 

 

そして、先程までバラバラだったガラクタをみんなと協力した事を思い返した。あの時のようにドラえもん達と協力し合いセルリアンを倒せればと思った彼女は周囲を見渡しながら何か良い方法はないかと考えていると、

 

 

「あれは確か」

 

 

彼女の視線の先には地面からまだ出てきたばかりだろうタケノコが生えていた。同時にキュルルはここへくる途中ドラえもんが道具を使ってタケノコを急成長させて長い竹にした事を思い出す。

 

 

(そうだ!あれを使えばやっつけられるかもしれない!)

 

 

そう思ったキュルルはサーバル達と共にセルリアンを攻撃しているドラえもんの名を呼んだ。

 

 

「ドラえもん!」

 

「ドカン!ドカン!なんだいキュルルちゃん⁉︎」

 

 

空気砲でセルリアンを攻撃しながらキュルルの呼びかけに答える。

 

 

「ドラえもんセルリアンを倒す方法が思いついたよ!」

 

「なんだってそれは本当…ギャッ!?」

 

「ドラえもーん!?」

 

 

キュルルがセルリアンを倒す方法を思いついたと聞いて一瞬、攻撃をやめるとセルリアンの攻撃により彼女たちの隠れている茂みの方まで飛んできた。

 

 

「だ、大丈夫、それでその方法って?」

 

「うん、ちょっと耳を貸して」

 

 

ドラえもんはキュルルに耳を寄せる。というかドラえもんの耳はない為、側頭部のところで手を当ててコソコソと会話をする。

 

 

「……成る程!その手があったか!」

 

 

キュルルの作戦を聞いたドラえもんはそれに賛同し一旦空気砲をしまいながら戦っているサーバルを呼ぶ。

 

 

「2人ともセルリアンをこっちに引き寄せて!」

 

「なんでよ?」

 

「いいから!」

 

 

急にセルリアンをおびき寄せるように発言したドラえもんに疑問を思うが、

 

 

「わかったよ!カラカルも!」

 

「サーバル⁉︎…ああ、わかったわよ!やればいいんでしょ!」

 

 

それとは対称的にサーバルは素直に返事をした為、カラカルは仕方なくサーバルと共にセルリアンをおびき寄せようとする。

 

 

「こっちを向きなさい!」

 

「へへ!こっちが美味しいよー!」

 

 

2人はセルリアンに向かって両手を振りながらドラえもん達のいる茂みの方まで誘い込むとドラえもんはポケットから"ある物"を取り出す。

 

 

「今だ!」

 

 

ドラえもんはセルリアンの真下にあったタケノコに向かって"ある物"を投げるとタケノコは物凄いスピードで成長する。槍のようにセルリアンの巨体を貫き隠れていた石も破壊され、爆散した。

 

 

「「「「やったー!」」」」

 

「す、凄い!ドラえもんさんはさっきい何を投げたんですか?」

 

 

先程タケノコに投げつけた物を知らないレッサーは何を投げたのか聞いてきた。

 

「これはアットグングンって言って、これを使ってタケノコを急成長させたんだ」

 

 

彼女たちはセルリアンをやっつけたと安心するが、竹林から更に数匹のセルリアンが現れた。

 

 

「まだいるの⁉︎」

 

「こうなったらとことん…うっ!」

 

「カラカル⁉︎」

 

「ちょ、ちょっと厳しいかな」

 

「サーバルちゃんまで⁉︎」

 

 

セルリアンに攻撃しようとしたサーバルとカラカルが突然地面に膝をついて苦しそうな表情を浮かべる。その様子を見てドラえもんとキュルルは何処か怪我をしたのか心配していると、

 

 

「まさかお二人のサンドスターがなくなってきたんですか⁉︎」

 

 

レッサーパンダが慌てて2人に駆け寄り話しかけると、その内容を隣で聞いていたドラえもん達は彼女に追求する。

 

 

「レッサーパンダちゃん知っているの⁉︎」

 

「サンドスターがなくなるとフレンズは元の動物に戻ってしまうんですよ!」

 

「ええっ!?」

 

「なんだって⁉︎」

 

ドラえもんはモノレールの時にカラカルがサンドスターがなくなるとどうなるのか聞くと言いづらそうな顔をしていた事を思い出した。

 

 

(そうか、だからあの時辛そうな顔を浮かべていたのか、それに僕たちに心配させないようにして……)

 

 

カラカルが教えなかったのは彼女なりの心遣いであると感じ、ドラえもんは彼女達がいつもこの命に関わる日常を過ごしているのだと気づき。そして、セルリアン達は動かなくなったサーバルとカラカルに襲いかかってきた。

 

 

「あ、危ない!」

 

「「「「ドラえもん(ちゃん)(さん)‼︎」」」」

 

 

ドラえもんは両腕を広げ襲いかかってくるセルリアンからサーバル達を守るように前に出るが、

 

 

パッカァァァァン

 

 

なにかが破裂したような音が辺りに響き渡る。ドラえもん達は突然響き渡る音に呆然となるが、

 

 

「みんなが直してくれた遊び道具を……それに大事な友達のレッサーとみんなを傷つけるなんて───」

 

 

目の前には先程まで寝ていたジャイアントパンダがわなわなと体を震わせて立っていた事に気がつく。

 

 

「ジャイアントパンダ!」

 

「待って、わたし達も今助けるわよ!」

 

 

サーバルとカラカルもジャイアントパンダに加勢しようと動けない体を無理やり動こかして立ち上がるが、レッサーパンダが制するように手を出した。

 

 

「駄目です!前に出てはいけません!」

 

「なに言っているのよ!」

 

「大丈夫セルリアンはすぐにやっつけるから」

 

「そうじゃありません!ジャイアントパンダちゃんが怒ってます!」

 

「「「「え?」」」」

 

 

彼女の発言に思わず声を漏らした一同だが、セルリアンがジャイアントパンダに襲いかかる光景を見て助けようと足を一歩踏み出した瞬間だ。

 

 

「許さなーい!!!!」

 

バッゴォォォォォォォン!!!

 

 

なんと、ジャイアントパンダは腕を振ると周りにいたセルリアンは全て吹っ飛び、そのまま爆散した。

 

 

「「「………!?」」」

 

 

圧倒的な強さを見せたジャイアントパンダ。

ドラえもん達は自分がもしジャイアントパンダを無理やり起こしていたら先ほどのセルリアンのようになっていたかもしれないと青ざめていた。

だが、全て倒しきれていなかった。

 

 

「まだ他にも……!?」

 

 

パッカァァァァン!!!

 

 

「「「えっ!?」」」

 

 

他のセルリアンも電光石火の如く彼女の黒腕がブレた瞬間に弾け飛ぶ。さらに彼女は何時もの眠気ある眼とは裏腹に今は明確な殺意を持った眼光を宿し全身に力を込める。

 

 

「──秘技」

 

「……思い出した!」

 

「カラカル?」

 

 

突然のカラカルの発言にキュルルはどうしたのだと話しかけると、ポツリと口を開く。

 

 

「じゃぱりパークに存在するインドゾウ、シロサイ、ヒグマ、カバに匹敵するパワフルなフレンズ。そしてジャイアントパンダ。彼女に付けられた異名は……!」

 

 

「怒りの大突撃」

 

バッカァァァァァァァァァン

 

「じゃぱりパークの核弾頭……!」

 

 

目の前にはセルリアンの破片とその真ん中に立つ強者のオーラを漂わせる核弾頭(ジャイアントパンダ)が立っていた。

 

 

 

の の の の の

 

 

セルリアンがパークの核弾頭(ジャイアントパンダ)により倒された後、サンドスターを多く消耗したサーバル達はラッキーさんが持ってきたじゃぱりまんを食べ、中に含まれているサンドスターを摂取する事により体を動かす事が出来た。

 

 

「みんなが無事でよかったね」

 

 

誰一人セルリアンにやられる事なく怪我もしなかった事にドラえもんは安心する。

 

 

「うう、だけどみんなで作った公園がバラバラに……」

 

 

しかし、セルリアンによって壊された遊具はバラバラになり、それを見たレッサーパンダは落ち込んでいた。しかし、サーバルは彼女に手を置きながら優しく話しかける。

 

 

「大丈夫、バラバラになったのならまた組立てようよ」

 

「だけど、サーバル見て見なさい」

 

 

カラカルはそう言って足元に落ちていたバラバラになった滑り台の一部を拾ってみせる。それは大きさも形も最初と比べて細かく形が歪んでおり、簡単には直せそうにはなかった。それを見たサーバルも「あ」と声を漏らして、顔を下に向ける。

 

 

「大丈夫だよ。ここは僕に任せて」

 

「ドラえもんちゃん?」

 

「いったいどうするつもりなの?」

 

「まあ、見てて〜」

 

 

ドラえもんがポケットに手を入れるとパンダコンビは不思議そうな顔を浮かべる。一方でサーバル達3人はワクワクしながら何を出すのか気になっていた。

 

 

「タイムふろしき〜!」

 

 

ポケットから取り出したのは時計の模様が描かれた赤と青の布…タイムふろしきをバラバラになった遊具に被せる。

 

 

「タイムふろしきをバラバラになった遊具に被せれば、あ〜ら不思議!」

 

 

ふろしきを外すとそこにはセルリアンに壊される前のすべり台とブランコが建っていた。

 

 

「エエエエエエッ!!!?」

 

「すご〜い、こーえんがもと通りだよ〜」

 

 

元に戻った遊具を見てレッサーパンダは顎が外れる勢いで口が大きく開き、ジャイアントパンダは一瞬驚いた表情になるが、すぐに何時もの眠気のある顔に戻る。

 

 

「すっごーい!こーえんが元に戻った!」

 

「もう、私は突っ込まないと決めていたけど言わせてもらうわ。ほんととんでも無いわね!」

 

 

ドラえもんの出したタイムふろしきの効果にサーバルとカラカルはスモールライトの効果を初めてみたよりも大きな反応を示していた。

 

 

「凄いよ!今のまるで手品みた…い……だ?」

 

「ん?キュル……ちゃ………ん?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

瞬間、彼女の視界はぼやけ、隣にいるサーバルの声が段々と遠くなっていく感じがしていた。彼女は目を擦り改めて目の前の光景を見ると、そこにはドラえもん達はいなかった。

 

 

「──え?みんな何処に行ったの?」

 

 

キュルルは周囲を見渡すがそこにはドラえもん達の影も形もなく、あるのは竹林しかなかった。

彼女はみんながどこに行ったのか探し出そうと数歩程歩くと頭に違和感を感じ、恐る恐る触ってみた。

 

 

「あれ、帽子がない⁉︎」

 

 

そう、キュルルは今帽子を被っていなかった。彼女はドラえもん達がいない上に自分の帽子をいつのまにか無くしてしまった事にショックを感じていると、

 

 

「おーい!■■〜!」

 

 

目の前の道から誰かの名前を呼ぶ女の子らしき人物がこちらに向かって走ってきた。

 

 

(誰だろう?)

 

 

やってきたのは小さなシルクハットを被ったサーバルやカラカルと同じネコ科らしきフレンズだ。

 

 

「まさか旅の途中に公園を見つけるとは思わなかったね■■」

 

 

謎のフレンズはキュルルを■■と呼び、彼女は周囲に誰かいないか確認するが誰もいなく自分の事を指している事に気付いた。

 

 

「■■?それが僕の名前?」

 

「なに言っているんだ?」

 

 

■■と呼ばれたキュルルは違和感を感じ、目の前にいる謎のフレンズにそうなのかと首を傾げながら質問すると、謎のフレンズも思わず首をかしげる。

 

 

「それよりも見てよ■■。君の提案したしーそーとじゃんぐるじむは人気だぞ」

 

 

そう言ってキュルルに後ろを向くように指を指すとキュルルは後ろを振り返り、思わず目を疑った。そこには先程まで誰もいなかったはずなのに沢山のフレンズが滑り台やブランコ以外の遊具で楽しく遊んでいる姿があった。

 

 

「みんなが楽しそうに遊んでいる……これは僕が作ったの!?」

 

「違う違う、■■は考えてくれて、組み立てたのは私やあそこのブランコで丁度遊んでいる2人だよ」

 

 

そう言って謎のフレンズはブランコを指差すとそこには楽しそうにブランコを漕ぐレッサーパンダとジャイアントパンダの姿があった。

 

 

「あ、レッサーさんにジャイアントパンダさん!」

 

 

ようやく知り合いの彼女たちに出会えたと安心していると、謎のフレンズが急にキュルルの手を掴む。

 

 

「わたし達もあれで遊ぼうか」

 

 

そう言って謎のフレンズの視線の先には沢山のフレンズ達が楽しそうに遊んでいる竹で作られたシーソーとジャングルジムが存在していた。

 

 

「え、でも僕は……」

 

 

レッサーパンダとジャイアントパンダに用があると答えたかったが、何故かそれ以上口には出せなかった。何故かはわからないが、ここで彼女の誘いを断れば後悔する事になると感じたキュルルは暫く考えた後、口を開き。

 

 

「いや、遊ぼっか」

 

「うん、ありがとう」

 

 

そう言った瞬間、謎のフレンズはとても嬉しそうな顔になると早速2人でシーソーとジャングルジムに並び、自分の番が回ってくると楽しく遊んだ。

 

 

「いや〜、■■の考えた遊具はとても面白かったね」

 

「うん、ありがとう」

 

 

謎のフレンズに褒められたキュルルはドラえもん達に褒められるよりもなぜか嬉しく思えた。

 

 

「あのさ、僕君の名前わすれちゃってね……」

 

「酷いな〜、親友の私の名前を忘れるなんて冗談が過ぎるよ」

 

「ご、ごめんなさい!」

 

「まぁ、いいか。だけどもうそんな冗談を言わないでね」

 

「私の名前は……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「──ルちゃん……キュルルちゃん!」

 

「……あれ、サーバルちゃん?」

 

 

彼女は気がつくと元いた公園に戻ってきており目の前には自分の名を呼ぶサーバルが立っていた。

 

 

「あれ、あの子は?」

 

「なに言っているのよ?あんた先までボーッと突っ立ていたわよ」

 

「そうなの⁉︎」

 

「キュルルちゃんどうしたの?もしかして何処か怪我をしたの?」

 

「じ、実は……」

 

 

キュルルが先程まで起きていた事をサーバル達に話そうとした瞬間、彼女のお腹からきゅるるる〜と音が鳴り響いた。

 

 

「あ、わかった!キュルルちゃんお腹が空いたんだね」

 

「まぁ、仕方ないわよ。今日は色々あったから疲れているのよ」

 

「ち、違うよ!僕は「きゅるるるる〜」うう……」

 

 

彼女は否定しようとしたが、体は正直答えるのだった。

※下心の意味ではない

 

 

の の の の の

 

 

キュルルの他にドラえもん達もお腹を空いていた為、ラッキーさんが持ってきたじゃぱりまんを食べ、その後に彼女が先程体験した事をドラえもん達に話した。

 

 

「つまりさっきまでボーッとしていたのは記憶が少し蘇ったの?」

 

「うん、一瞬だけだったけど残りの遊具も確認できたよ」

 

 

キュルルは先ほどまで見た自身の記憶を今でも振り返る事が出来るが、それ以前や以降は全く記憶が思い出せない。

 

 

「じゃあ、早速作ってみようか」

 

「えっ、作るの?」

 

 

カラカルは今日は色々と動き回った為、これ以上は動きたくはなかった為嫌そうな表情を浮かべていた

 

 

「作らないの?」

 

「……仕方ないわね。良いわよ」

 

「確か材料は竹なんだっけ?」

 

 

ドラえもんはこれから作る遊具の材料は竹が必要だとわかるとパンダコンビに目を合わせる。

 

 

「ここの竹は使っても大丈夫?」

 

「いいよ〜」

 

「どうぞお好きに」

 

「ありがとう」

 

 

ドラえもんはパンダコンビから許可を得ると、サーバル達に目を合わせる。

 

 

「じゃあみんなで残りの遊具を作るぞー!」

 

「「おおおーっ!」」

 

「はぁ、やれやれ」

 

 

それからドラえもん達は材料である竹を調達した後、キュルルの記憶を頼りに出来るだけ再現を行い。サーバルとカラカルがそれぞれの遊具のサイズに合うように竹を爪で切り、バラバラにならないように組み立て後、ブランコのようにレッサーパンダがしっかりと縄で固定した。

 

 

「へぇー、これがあなたが見た残りの遊具ね」

 

「うん、記憶通りだ!」

 

 

一同の前には緑色でこのアヅアエンのイメージである竹を使ったシーソーとジャングルジムが作られ、絵と同じ光景が広がった。

 

 

 

の の の の の

 

 

「本当にいいんですか?」

 

「もうちょっとのんびりしていけばいいのに〜」

 

「ありがとう。だけど、もう夕方だからそろそろモノレールにいるラッキーさんの元へ戻らないとね」

 

 

シーソーとジャングルジムを作り上げたドラえもん達は早速遊ぼうとしたが、出来上がった時はもう夕方であった為、これ以上長居するのはモノレールにいるラッキーさんに心配をかけてしまうと思い、彼等はモノレールの駅に帰ってきていて、パンダコンビは見送りに来ていた。

 

 

「私は遊びたかったなぁ〜」

 

「わがまま言わないの」

 

 

サーバルは折角新しい遊具を作って遊べると楽しみにしてに遊ばず帰ることにがっかりしていた。

 

 

「またいつでも遊びに来てね〜」

 

「うん、今度遊びに来たらあの2つを遊ばせてね」

 

 

サーバルは次来た時に新しく作ったシーソーとジャングルジムを遊ぶ事を2人に約束する。一方、ドラえもんはキュルルに話しかける。

 

 

「キュルルちゃん此処にはお家は無かったね」

 

「でも、とても楽しかったよ」

 

 

此処にはお家がなかったが、キュルルは楽しめた事と自身の記憶が一部思い出せた事もあり得るものはあったのだ。

 

 

「ドラえもんの方は友達はいたの?」

 

「一応、調べたけど此処にはいないみたい」

 

 

ドラえもんの方はたずね人ステッキを使ってみたが、どうやら此処にはのび太達はいなかったようだ。

 

 

「次のちほーで見つかると良いね……あ、そうだ!」

 

 

彼女はスケッチブックを取り出すと色鉛筆で開いたページに絵を描き加えるとその絵を切り取る。

 

 

「2人ともこれは公園のお礼だよ」

 

 

彼女はパンダコンビに自分の描いた絵を渡す。パンダコンビはその絵をみて嬉しそうな表情を浮かべる。其処には公園の絵が描かれているが以前と違ってシーソーとジャングルジムが追加されており、それを楽しそうに遊んでいるパンダコンビが描かれてあった。

 

 

「これは私たちですか⁉︎」

 

「不思議な事が出来るのね〜」

 

「えへへ……そうだラッキーさんにも」

 

 

キュルルはもう一枚の竹林の絵に描き加えると、その絵をスケッチブックから切り取る。

 

 

「ラッキーさんもこれをどうぞ」

 

『ありがとうね』

 

 

ラッキーさんはキュルルから貰った絵を自分の耳で器用に挟み込み、彼女に御礼を言った。その後ろからカラカルがラッキーさんの絵を覗き込むと其処にはラッキーさんを先頭に竹林を歩く自分たちの絵が描かれていた。

 

 

 

『扉 閉マリマス。オノリノカタハオイソギクダサイ』

 

 

モノレールに乗っているラッキーさんが出発する事を告げると、ドラえもん達はモノレールに乗り込む。

 

 

「じゃあ、僕たちはそろそろ行くよ」

 

「ハイ、お気をつけて!」

 

 

お互いに挨拶した彼女たちは次のちほーに向かって出発しようとした瞬間、ジャイアントパンダが口を開く。

 

 

「あ、そういえばこの間ジャングルちほーからやってきたフレンズがヒトを見たって言っていたね」

 

「「「「え?」」」」

 

プシューッ

 

 

その時、モノレールの扉は閉まり次の駅に向かって車輪を動かした。

 

 

「「さようなら〜!」」

 

『元気デネ』

 

 

パンダコンビはモノレールが見えなくなるまで手を振り続けた。ラッキーさんはぴょんぴょんと跳ねながら見送った。

 

 

 

 

「……なんか最後にすごく気になる事を言っていたわね」

 

「うん…」

 

「ねぇ、ジャングルちほーで見たヒトってドラえもんちゃんの友達かな?」

 

「うーん、もしかしたらそうかもしれない……でも情報は手に入ったから」

 

「ドラえもんは……此処で私たちと別れて友達を探しにいくの?」

 

「僕は……本当ならのび太くん達を探す目的でみんなと行動してきたけど、のび太くん達も恐らく其処にいるフレンズ達と共に行動していると思うから遠回りなるけど、このままゆっくりと行くよ」

 

「本当にいいのドラえもんちゃん?」

 

「僕たちは今まで色んなところに行って冒険してきたから多分大丈夫(のび太くんは物凄く不安だけど)」

 

 

さまざまなところで冒険して育んできた絆で信頼しているからドラえもんだからこそ大丈夫だと答えられるのだ。

 

 

「それに今はキュルルちゃんのお家を探すのも大事だからね」

 

「ドラえもん……ありがとう!」

 

 

彼女はドラえもんが自分のお家を探す事を優先してくれる事に嬉しく思った。すると彼女は窓の外にちらっと視界に入り、驚愕の表情を見せる。

 

 

「見てアレ!」

 

 

窓の外には先ほどまでいた竹林ではなくレールの下には夕日の光が反射される一面青い景色が広がっていた。

 

 

「何アレ…全部水───?」

 

「すっごーい!」

 

「あれは海って言って魚や鯨が泳いでいる一面広がる塩水だよ」

 

「へぇ〜」

 

 

ドラえもんから海について聞いたサーバルは関心した声を出す。

 

 

『ツギノテイシャエキハカイジュウエンマエ カイジュウエンマエ────』

 

 

ラッキーさんのアナウンスが響き渡りながらモノレールは次の駅に向かってレールの上を走るのだった。

 

 

 

の の の の の

 

 

「ぜ、せんちゃ〜ん…」

 

 

一方その頃、さばんなちほーの湖から少し離れた道では3人のフレンズが歩いていた。

 

 

「フウ…フウ…も、もう先に進もうよ〜」

 

「ヒイ…ヒイ…そ、そんな事言ったて…」

 

 

息を荒くしながら道を歩くのはアルマーとセンちゃんだ。2人は人探しの仕事であちこちを歩きまわったりしているが、今回はやけに辛そうな顔を浮かべていた。

 

 

「ハイそこ!列を乱さないで!」

 

 

彼女達の前を走るのはドラえもん達を駅まで案内したカルガモだった。あの後、彼女たちから絵に描かれた人物の行方について尋ねたらところ知っている事を伝え、2人から教えてほしいと言われたが、教えるよりも案内した方が早いと判断した彼女は2人をこうやって駅まで案内していた。

 

 

「わ、私たちはあなたが会った…ぜえ、ぜえ……子達の事を聞かせて貰えれb「お気になさらず!」

 

 

センちゃんの話に割り込むようにカルガモはやる気のある顔を見せながら答える。

 

 

「何言っても私!だれかをあんないするのが大好きなもので!」

 

 

2人は気づく、今のカルガモの目はやると言ったらやるスゴ味を感じさせる目であると、

 

 

「さぁ、右見て左見て前進!」

 

「「ヒィ〜〜〜〜〜!!!」」

 

 

彼女達はこれから先もずっと不幸な目に遭うことはまだ彼女たち自身も予想できない事だろう。

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