おや……? 盾の勇者の様子が……?   作:やがみ0821

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最終決戦 ブレない欲望と共に

 メリエルが天使達に攻撃を命じておよそ1分後。

 彼女がユグドラシル産のカップラーメンでも作ろうかと思って、種類を選んで無限倉庫から取り出したときだ。

 

「え? もう終わったの? 10分くらいは時間を掛けて欲しかった」

 

 早めに片付けるよう指示をしておきながら、この言い草である。

 ミカエルらは呆れ果ててしまう。

 そんな天使達を気にも留めることなく、メリエルはカップラーメンを無限倉庫に再度しまい込んだ。

 

 

「じゃあ、戦おうか」

 

 メリエルがメディアに微笑みながらそう告げるが、しかし彼女は先程まで恐怖していたようには見えない程に自信満々であった。

 おや、とメリエルは思わず首を傾げてしまう。

 

「メリエル! 確かに、ちょっとだけ……本当にちょっとだけ驚いたけど、でもあなたには時間を停止させたり、加速させたりはできない!」

 

 そして、メディアはこの異空間における時間を停止させたのだが――メリエル達は普通に動いていた。

 

 えぇ、どうなっているの――?

 

 確かに発動しているのに、どうしてこれを防げるんだ、と。

 メリエルはともかく他の連中は異世界の加護などはない筈――

 

 そこでメリエルは獰猛な笑みを浮かべながら、告げる。

 

「時間停止対策は高次元の存在との戦闘では必須よ? 即死・時間停止その他色々なことには完全耐性があるので」

「ちょっ聞いてないわよ!?」

「聞かれなかったので」

 

 メディアは悔しげに顔を歪めてみせるが、ただ単に自分の持ち札が1つ消えただけと言い聞かせる。

 時間停止ではなく、自らの時間を加速させれば認識外から一方的に攻撃ができると確信する。

 彼女は躊躇なくそれを実行した。

 

「インフィニティ・クロノス・スピード!」

 

 メディアは律儀に技名を叫んでから、突っ込んだ。

 その手には膨大な魔力を収束させた剣がある。

 

 これで心臓を一突きして、それで死んだら蘇らせて――手間が増えるけど、仕方がない――

 

 そんなことを考えながらも、メディアはメリエルへと迫り――その剣を彼女の心臓に向けて、突き刺した。

 

 手応えはあった。

 メディアはメリエルが恐怖する様を見てやろうと、その顔へと視線を向けたところで――呆気にとられた。

 

「へー、凄いわね。私の体力を1割くらい持っていったわ、この子」

 

 すげぇ呑気にそんなことを宣った。

 メリエルは感心した顔で、痛みなどまるでないかのような感じであったのだ。

 

「え、えぇ……?」

 

 流石のメディアもこれにはドン引きである。

 とはいえ、彼女はどうにか剣を引き抜いて、再度メリエル目掛けて時間を超加速させて振るう。

 1回2回3回と斬りつけて、メリエルはズタボロになっていくが、その四肢が切断されたり首が飛んだりすることはない。

 メディアからすればそれも不可思議で、理解できないことだった。

 

 そして、9回目の攻撃を行おうとしたところで、メディアの手は優しく止められた。

 他ならぬメリエルによって。

 

「ど、どうして……?」

「申し訳ないけど、見えているので」

 

 メリエル本人としてもどうして見えているのか理解はできなかったが、メリエルとなったことにより人間など比較にならない程に知覚領域が広がったことによるものかもしれないと予想する。

 ミカエルらにメリエルは視線を向ければ、溜息を吐いていたり苦笑したり、とそういう反応をしていた。

 

「メディアの動き、見えているわよね?」

 

 問いに彼女らは頷いた。

 どうやらメリエルの予想は合っているかもしれなかった。

 

「メディア、やっぱりあなたは戦士ではなかったわね。本来は魔法使いとかそういうのなんでしょう?」

 

 断言するメリエルにメディアは手を振りほどこうとするが、メリエルの手はびくともしない。

 

「しかも、戦闘経験がほとんどないわね? 何というか、剣を持って戦士の真似事をしている感じ。時間停止とか時間加速とかと組み合わせて究極の最強剣技とか言ってそう」

 

 ズバリと言い当てられるが、メディアは反論する。

 

「だって、戦闘にもならずに相手を殺せてきたんだもん!」

 

 そりゃそうだよな、とメリエルとしても頷いてみせる。

 とはいえ、残念ながらメディアの最強伝説もここで終わりだ。

 何しろ、彼女は単なる小娘に過ぎない。

 

 メリエルは告げる。

 

「我々は主の御名の下に、あなたとは比較にならない(・・・・・・・)ほどの邪神や悪魔、異教徒共の屍山血河を築き上げてきたのよ? 最強の宗教にただの女の子が勝てると思っているのかしら?」

 

 言い方に大いに問題があるとミカエルとウリエルからの視線がきつくなるが、メリエルは涼しい顔だ。

 そもそも地球世界だけの話ではないか、とツッコミを入れる者は残念ながらこの場にはいなかった。

 

 メディアは地面に膝をついて、力なく項垂れる。

 どうやって戦っていいか、彼女には分からなかった。

 

 時間停止も時間加速は意味をなさず、概念攻撃は無効化される。

 しかし、彼女は頭脳明晰だ。

 伊達や酔狂で、あるいは才能だけで神を僭称できるほどの力を持つことは決してできない。

 

 彼女の頭脳はそういう特殊な攻撃を抜きにして、単純な物理的な力や魔力で圧倒すればいいと結論を出していた。

 昔から諦めは非常に悪いタチで、まだメディアは諦めていない。

 

 彼女は顔を上げた。

 戦う意志が込められたその瞳に、メリエルは驚きながらも微笑んだ。

 

「素晴らしいわ。ならば、私も全力を出すとしましょうか」

 

 その言葉にメディアはこれまでのメリエルの行動を不可解に思う。

 なぜ、わざわざ自分の攻撃を受けたのだという疑問が湧いてくる。

 

「一つ忠告しておこう」

 

 ミカエルがメディアへ声を掛ける。

 

「メリエルは追い込まれたときに、全力(・・)を発揮できる。勝つ為にはある程度まで削ったら、一撃で殺さないとダメだ。そうでないと酷いことになる」

 

 メリエルがミカエルを睨みつけるが、ミカエルはそっぽを向く。

 

 何だかよく分からないが、とりあえずアドバイスをしてくれたことにメディアは感謝しつつ、メリエルに対して剣を向ける。

 

「それじゃ始めましょう。第二ラウンドよ」

 

 メリエルの言葉にメディアは瞬時に後退し、距離を取った。

 そして、一瞬で数多の隕石を顕現させ、同時に大津波を巻き起こし、更にはメリエルの足元にマグマ溜まりを形成し、一気に噴火させる。

 

 天変地異に見舞われたメリエルであったが、彼女は転移によって空中へと逃れつつ、降り注ぐ隕石を華麗に回避しながら、バフを掛け始めた。

 

 メリエルの身を包む色とりどりの光をメディアは無効化すべく、ディスペルを放つが、メリエルはどこからか取り出した巨大な熊さん人形の陰に隠れて防ぐ。

 メディアのディスペルは熊さん人形に当たって、人形と共に消滅した。

 

「何なのそれ!?」

「身代わりの熊さん人形。昔の教訓からディスペル系対策も万全なので。ちなみに兎さんとか亀さんとか色々な種類があるのよ」

「なんてデタラメ!」

「世界の可能性はそんなに小さなものではないので」

「それで誤魔化すな!」

 

 もっともな言葉であるが、メリエルはけらけら笑うだけだ。

 しかし、その瞬間にも彼女は魔法によって、そして自己強化スキルによって急激にステータスを強化していく。

 

 そこへ更にメリエルは盾の勇者として得た魔法を使用する。

 

「リベレイション・オーラ」

 

 ユグドラシル系強化魔法及び強化スキルによって強化されていたステータスが、更に強化される。

 メリエルが色んな古文書とか石碑とかを読み解き、得た力だ。

 これを唱えるのに必要な龍脈法とやらはオストが知っていたので教えてもらった。

 

 だが、これで終わりではない。

 

 メディアから際限なく飛んでくる魔法攻撃――それも天変地異クラスのもの――は脅威であったが、当たらなければどうということはない。

 ワールドエネミーの単独撃破には理不尽な攻撃に対する回避が巧いことは必須条件で、メリエルは慣れたものだ。

 

 何よりもメディアは戦闘そのものに不慣れということで、そもそもの立ち回りが甘い。 

 素人が無限の魔力を使って、やたらめったらに魔法をぶっ放しているだけだ。

 メディアは発動までに多少の時間があるが、その分、威力の強い範囲攻撃魔法しか使ってこない。

 

 魔法はメリエルが見たこともないものも多くあったが、これまでの経験から、そしてその広がった知覚領域により、どんなものか何となく分かる。

 

 メディアのミスはPvP初心者にありがちなものだ。

 

 初心者は威力が高いものを一発当てれば勝てるという錯覚に陥りやすい。

 更にギリギリを掠めるような形で回避することで、もう少しで当てることができたと思わせれば、従来の行動に固執し、その思考や攻撃の軌道はより読みやすくなる。

 ましてや今のメリエルは傍目には満身創痍で、あと数回でも攻撃を当てれば倒せそうだ。

 

 伊達にワールドチャンピオン達とガチバトルしてないのよ、とメリエルは不敵な笑みを浮かべる。

 

 とはいえ、メディアの攻撃速度は目をみはるもので、種族系のバフスキルを発動する時間はなさそうだ。

 発動までに時間は掛かるが、フレーバーテキスト的にとんでもない効果を得られそうであった為、メリエルは残念に思う。

 

 しかし、事前にメディアの攻撃を受け、更に回復しないよう自己回復系のスキルを切ってある為、スキルの発動条件は満たしている。

 HPが2割以下であること、それがこのスキルの発動条件。

 モモンガの”The goal of all life is death”と同じような混沌の天使という種族における隠しスキルだ。

 

 飛んでくる魔法攻撃の最中で、メリエルは告げる。

 ちゃんとメディアや観客達にも届くよう、声が届くようになるアイテムを使って。

 

My myth until the end of time(我が神話よ、永遠に)

 

 メリエルのステータスが飛躍した強化がされる。

 天にも昇る心地とはこのことだろうが、彼女はそれに溺れたりはしない。

 このスキルは発動条件が厳しい分、効果もぶっ飛んでいる。

 その効果とは発動した時点でのステータスを全て7倍にするものだ。

 

 数多のバフが掛けられた状態で、このスキルを発動すればバフにより強化された状態でのステータスを7倍にしてくれる。

 メリエルがワールドチャンピオン全員を敵に回して戦い、引き分けることができた要素の一つだった。

 

 

 そこでメリエルはようやくレーヴァテインを引き抜いた。

 メディアの魔法は変わらずに飛んできているが、それらに対して剣を一閃。

 

 すると、それらは全て消し飛んだ。

 それどころではなく、メリエルとはそれなりに距離があったにも関わらず、メディアもまた吹き飛んだ。

 剣によって真空波を巻き起こしただけだであったが、この威力だ。

 

 常時展開してあった強固な結界によりメディアには傷一つなく、地面に転がっただけだ。

 彼女はどうにか体勢を立て直したが、すぐに真後ろから首に刃が当てられた。

 

 ほのかに暖かさを感じるその刃に彼女は小さな悲鳴を上げて、恐る恐る後ろを向く。

 そこにはメリエルが立っていた。

 彼女は相変わらずズタボロであり、あちこちから血が流れ出ている。

 しかし、そんなものは苦にもなっていないようだ。

 

「どうかしら?」

 

 どういう意味か、メディアには言われずとも理解できた。

 圧倒的に負けたという経験は彼女にとっては初めてのことだ。

 しかし、不思議と悪足掻きをしようという気にはならない。

 

 新鮮な気持ちで、メディアは告げる。

 

「……私の負けよ」

「それは良かった。約束、守ってね」

「うん」

 

 メディアが頷いたのを確認したところで、メリエルは彼女を抱き寄せた。

 突然の行動にメディアは混乱するが、彼女に微笑みかけながらも、メリエルは告げる。

 

「出てきなさいよ。漁夫の利を狙おうたって、そうはいかないわよ」

 

 メリエルの言葉に彼女達から程近い場所で、空間に罅が入り、そして割れた。

 そこにいたのは老若男女、様々な者達が大勢いた。

 下卑た笑みを浮かべている者ばかりだった。

 

「えっ、どうして……」

 

 メディアの疑問に1人の男が答えた。

 

「悪いな、メディア。この異空間を覆っていた結界はさっきのメリエルとやらの召喚魔法で歪んだ。だから、そこへ干渉することでこうやって入ることができた」

 

 そこまで言って男は「ああ、そうそう」と言葉を続ける。

 

「お前を助けに来たとか、そういうのじゃない。お前を殺しに来た」

 

 その言葉にメディアは驚くが、すぐに無理矢理に笑みを浮かべながら告げる。

 

「ね、ねぇ、私達、同じコミュニティに属している……ほら、仲間じゃない? 仲間を殺すって……」

「なぁ、皆。こいつのことを仲間だって思っていた奴はいるか?」

 

 男の問いに彼らは首を左右に振ったり、メディアに対して嘲笑してみせる。

 

「お前さ、ちょっと強いからって調子に乗って、俺達のことをバカにしたり何だりと色々とやってくれたよな?」

 

 男の声に次々と賛同する声が上がる。

 これまでにメディアがやってきたことが暴露されていく。

 

 気に入らないからという理由で、元々いた者を追放したり、他人が支配していた異世界を分捕ったりと色々好き放題やっていたようだ。

 メディアの力は抜きん出たものである為、これまで我慢するしかなかったが、消耗した今ならば倒せると確信したらしい。

 

 要するにメディアの身から出た錆だ。 

 

「メリエル、メディアを引き渡してもらおう。こっちのことはこっちでケジメをつける。そちらが倒すか、こちらが倒すかの違いでしかないだろう」

 

 男の言葉にメディアはメリエルの顔を見つめる。

 するとメリエルはメディアへと顔を向けて、微笑み――そのまま彼女の唇に自身のものを重ね合わせた。

 

 メディアは目を見開き、ミカエル達は呆れ――ガブリエルだけは目を輝かせ、祝福し――男達は呆気に取られた。

 

 やがてメリエルはメディアから唇を離し、そして男達に向かって言い放つ。

 

「メディアは私の女よ。人の女に手を出そうとしているのに、笑って済ますことができる程、私は寛大じゃないのよ」

 

 そこでメリエルは言葉を切り、一拍の間をおいて告げる。

 

「どんな理由があろうとも、私の女に手を出すなら魂ごとぶち殺すぞ、虫けら共」

 

 メディアは胸がときめいた。

 男達は怒りにその顔を染めた。

 

「そんなに死にそうな身体で、我々全員を相手にして戦うつもりか? 我々もまた神であるぞ」

「これまでのやり取りを見ていて、そう名乗れるなんて大したものだわ。お前を殺すのは最後にしてやる」

「ふざけ……」

 

 その言葉は最後まで紡がれることはなかった。

 メディアを片腕で抱きかかえた状態のメリエルが一瞬で近づいて、レーヴァテインによって男の首を斬り飛ばした為に。

 

「ああ、ごめんなさい。最後に殺すと言ったけど、最初に殺すの間違いだったわ」

「め、メリエル様! 首を飛ばした程度ではダメです!」

 

 メディアが慌てて叫んだ。

 無意識的に彼女は様付けしていたが、そんなことよりも言わねばならないことがあった。

 

「魂そのものを攻撃しなければ我々は死にません!」

 

 その言葉に答えるかのように男は復活を――しなかった。

 これにはメディアや他の神を僭称する連中も首を傾げてしまう。

 

「あら、言ってなかったかしら? 私の剣には色んな概念が付与されていてね。神殺しとか不死殺しとか、他にも巨人殺しとか鬼殺し、変わったのだとスライム殺しとかもあったり」

 

 それを聞いてメディアは溜息を吐き、そして告げる。

 

「なんてデタラメよ……」

「この剣はそういう設定も含めてあるので」

「設定を詰め込みすぎよ」

「私もそう思う」

 

 メディアの言葉にメリエルも同意したところで、彼女はミカエル達に顔を向けて告げる。

 

「私はメディアを手に入れるのが目的だったので、後は任せる……と言いたいけど、このままあちこちに攻め込んで欲しいので、援軍を呼びましょうか」

 

 ミカエル達は嫌な予感がした。

 その予感は正しかった。

 

 メリエルの純白の翼に黒が交じっていくが、完全に黒とはならず、白と黒が入り交じったものとなった。

 辺りには禍々しい気配が満ちていくが、彼女の腕の中にいるメディアにとってはドキドキしていた。

 どんなものを見せてくれるんだろう、とそういう想いしか彼女にはない。

 

 やがて、メリエルはどこからか金属製の小箱を取り出した。

 彼女がその箱を開けると、そこには輝く黒い多面体が箱に接触することなく7つの支柱に吊り下げられた状態で入っていた。

 それは直径10cm程のほぼ球形の結晶体で、不揃いな大きさの切子面を多く備えている。

 

 メディアはそれを見て、本能的な恐怖を感じた。

 何か、とんでもないことをやろうとしている、自分などとは比較にならない程のことを――

 

 彼女は察したが、しかしメリエルを止めたりはしない。

 メディアには好奇心があった。

 

 そして、メリエルはその多面体を取り出して告げる。

 

「来い、同僚」

 

 あんまりといえばあんまりな呼び方であるが、しかし、その多面体――輝くトラペゾヘドロンと呼ばれるものは効果を発揮した。

 

 冒涜的な気配と共に現れた。

 それは黒い衣を纏った男であった。

 しかし、メディアや神を僭称する者達は本能的に理解してしまう。

 

 コレはヒトではなく、もっと冒涜的なナニカであると。

 

「というわけで、よろしく」

「偶には主の無聊を慰めるのを手伝え」

「嫌だ。アレが美女とか美少女だったら手伝ったけど」

 

 どこまでもブレない彼女に男は苦笑してしまう。

 

 しかし、この会話の意味を理解できたのはミカエル達だけだった。

 他の者達にとっては、非常に不快で禍々しい音にしか聞こえなかったのだ。

 

 ミカエル達や黒衣の男との会話の内容を知ったら脱力すること間違いないので、むしろ意味が分からない方が幸せであるかもしれなかった。

 

「あとで堕天した連中も呼んでおくから。色々と各陣営での対立はあるだろうけど、今回だけは休戦ということで」

 

 メリエルはそう言って、手をひらひらさせた。

 

 

 

 

 

 

 当然ながら、一連の光景は各世界にも生中継されていた。

 色々と衝撃的なことばかりであったが、一番頭を抱えたのはメリエルがお世話になっている世界の面々である。

 

 メリエルのことを知る者――特に国を預かる立場にあるミレリアは途方に暮れてしまった。

 

 メリエルが仕えていた主達は本物であった、という予想が当たってしまったことに。

 事情を知らなければそう思うのも無理はなかった。

 

 既に映像は終わっていた為、これからすぐにミレリアは各国との協議をしなければならなかった。

 

 一方で激怒している者もいた。

 その筆頭がラフタリアである。

 

「私にはあんなことしてくれないのに! メリエル様のバカー!」

 

 ラフタリアに続いてヴィオラ、アトラといった面々も怒り心頭になっており、彼女らを止める術を持つ者はメリエルだけだ。

 しかし、メリエルはメディアを侍らせながら、天使・堕天使と悪魔の連合軍・黒衣の男と冒涜的な生物達が神を僭称する者達を一方的に蹂躙する光景を呑気に観戦していたのだった。

 

 

 




たぶん次で終わりかも。
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